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改革の「本丸」火力更新計画で 東電が密かに潜り込ませた“罠”
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投稿者 MR 日時 2012 年 11 月 07 日 07:59:36: cT5Wxjlo3Xe3.
 


【第91回】 2012年11月7日 週刊ダイヤモンド編集部
改革の「本丸」火力更新計画で
東電が密かに潜り込ませた“罠”
東京湾岸にある東京電力の老朽火力発電所を、新型設備に更新する計画が動きだした。発電所という自社資産を切り離し、外部企業との共同でプロ

ジェクトを進める東電改革の“本丸”に位置付けられたものだ。新規参入を目論む企業が意欲を見せる中、実際にふたを開けると、驚きの“罠”が

仕掛けられていた。

 今夏、東京電力で火力発電を所管する火力部のエキスパートたちが、関係企業との折衝を、あわただしく行っていた。

 案件は、東京湾岸の老朽火力発電所のリプレース(設備更新)。実質国有化後に設置された「経営改革本部」の一大テーマになった新生東電の本

丸事業である。

 東京湾岸には稼働年数が40年以上経過した火力発電所が6カ所もある。これら老朽火力は熱効率が4割弱と低く、最新鋭のLNG(液化天然ガス)

火力にリプレースすることで、効率を2割近く上げることができる。


東京電力の横浜火力発電所。リプレースの対象の一つになっている
Photo:PANA
 東電再生の「総合特別事業計画」には、東電が設備投資を抑制しながら、発電所を売却し、外部の企業と特定目的会社(SPC)を組織して自ら

応札するなどの計画が詳細に記載されている。所管の経済産業省幹部も「資金不足の東電にとって利益になるだけでなく、新規参入を呼び込み、電

力改革にもつながる取り組みだ」と意気込みを見せていた。

 火力部の動きは、改革意識が社員に浸透した証しと思われていた。

 ところが、淡い期待は絶望に変わる。火力部と関係企業の交渉では世にも奇妙な「条項」が示されていたのだ。

 「15年株式買い戻し条項」

 一見よくわからないが、SPCは他企業と組織するが、資金にめどが付けば15年後に、また東電の資産として買い戻します、という内容だ。条項

は「強制ではなくアンケートのような形」(業界関係者)というが、企業によっては威圧感のある“踏み絵”と取ってもおかしくない。

 そもそも、東電には「われわれには技術があり、建設、運転方法、燃料調達のノウハウにたけている。地元との信頼関係も十分だ。足りないのは

お金だけ」(幹部)との考えが根底にある。自分たちの発電所は、自ら運営しなければならないというDNAが染み付いた“自前主義”の発想だ。

 火力部は複数のファンドや商社などと接触したもようだが、業界関係者は「三菱商事が本命」(大手商社幹部)と口をそろえる。東電と三菱商事

は、LNG調達などで「蜜月関係」(重電メーカー幹部)にある。東電子会社と三菱商事が折半出資するLNG販売会社もある。今年5月には資金

難の東電が取り逃がしそうになったオーストラリアの天然ガス田の権益に、三菱商事などと共同出資を決めた。

 三菱商事は、東電との「燃料調達と発電を通じた連携」(エネルギー企業幹部)を模索しているようだ。発電設備では三菱重工業という巨大企業

も控える。

 一体何が起きているのか──。火力部が条項を結ぶ動きを察知した政府の原子力損害賠償支援機構は10月になって「ビジネス・アライアンス委員

会」を設置。リプレースを含めたSPCなどの提携について「窓口をアライアンス委員会に一本化する」(経産省幹部)ことで火力部の動きを牽制

した。

 現在も「火力部は関係企業に対し、アライアンス委員会は通さず直接連絡をすればいいと触れ回っている」(業界関係者)といい、それを受けた

原賠機構が関係企業に「必ず委員会を通すように」とくぎを刺すなど、激しい“つばぜり合い”を繰り広げている。

ガスや石油からも名乗り
西側から中部電も

 東電を通じて電力改革を目論む経産省は「業種や地域を超えた参入や小売りまでも含めた提携による抜本的な電力構造の変化」(経産省幹部)を

目指す。発電、小売りの主体が東電のままでは、銀行が融資に応じないという事情もある。

 事実、リプレースに意欲を示す企業は多く10月30日時点で少なくとも東京ガスや大阪ガス、中部電力、JX日鉱日石エネルギー、Jパワーと多種

多様な企業がアライアンスへの登録申請を行った。東京都も新規電気事業者(PPS)を束ねて参入を狙う。しかし、東電の動きを前に「火力部が

どう出るかわからない。取りあえず“願書”を出しただけ」(提出企業)と疑心暗鬼の声も聞こえる。

 東電の動きは週刊ダイヤモンドが再三報じてきたスマートメーターの国際入札とまったく同じ構図だ。

 この問題では、東電が関係の深い下請けメーカーにしか受注できないような独自の“ガラパゴス”仕様を押し通そうとしていた。その後、原賠機

構が反撃し、仕様のオープン化をめぐって激しい主導権争いを繰り広げたが、10月になって公表された仕様は結局「一部オープンになったが、多数

の独自仕様が残った」(新規参入業者)と複数のメーカーが証言する。

 背景には、原賠機構が東電の人事権を掌握し切れていないことがある。だが、何よりも東電自体に生まれ変わる意識がないことに問題がある。確

かに資金力があった3.11以前は、公益企業として“自前主義”は大事だったかもしれない。しかし、今、必要なのは自ら見せる新生東電の姿だ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 鈴木崇久、森川 潤)
http://diamond.jp/articles/print/27539
 

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