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1日付けのロイターのコラムで、ネクスト経済研究所代表の斉藤洋二氏が「金本位制」について言及していたので、全文を紹介しておこう。
■【米大統領選で浮かび上がる「金本位」回帰論】
11月6日の米大統領選の投開票日が目前に迫ってきた。同国内で一般的関心の高い最大
の争点は雇用問題だが、実はそれとは別に金融の世界の住人たちにとって看過できない争点がある。「金本位制」回帰論だ。
共和党の政策綱領には、テイーパーティーなど保守層が強く支持した「ゴールド・コミッション(金委員会)」の設置が盛り込まれた。1970年代の高インフレ後に誕生したレーガン共和党政権下では、通貨価値の再構築、すなわち「強いドル」を模索した同種の委員会があったが、その系譜につながるものと位置づけられる。
今回の大統領選で共和党副大統領候補となったポール・ライアン下院予算委員長は、現
行の通貨政策に対する痛烈な批判者だ。同党保守派重鎮のロン・ポール下院議員のように金本位制に回帰すべきだと明言しているわけではないが、ドルの希薄化を生み出す米連邦準備理事会(FRB)の量的金融緩和策(QE)に真っ向から異を唱え、節度ある金融政策運営を行うことを繰り返し求めている。
米国はオバマ政権下で積極的な財政政策、金融緩和策そしてドル安政策を推し進めたが、この間の新規雇用者数は500万人に止まり、2300万人が失業中ないしは不完全就業(半失業)の状態にあると言われる。共和党のロムニー大統領候補はこの現状へのアンチテーゼとして「強いアメリカ」を掲げ、1200万人の雇用創出を訴え、またFRBが主導するドル安政策の転換を示唆している。
ところで、金兌換を停止し、FRBがその信用力で通貨を発行するシステムに馴染んだ
現在、「いまさら金本位か」との印象は拭えない。バーナンキFRB議長が反論する通り、金本位制は経済を安定させるために中央銀行が活用できる金融政策の余地を狭めるものだ。
しかし、米国の保守層が宗教的・倫理的見地から、FRBの錬金術師と見まがうドル紙幣の大増発を目の当たりにしレッドカードを突きつけるのも無理からぬところでもある。
ともかく国内ではリーガルテンダー(法定通貨)として通用するドルだが、海外で通用
するか否かは各国や個人の信認次第だ。幸いにも、長年培われたドル取引の金融インフラの存在と、目下のところ代替手段がなさそうだとの消極的理由でドルは広く利用されているが、変動相場制移行以来40年にわたり大幅に減価してきたことは現行のドル基軸通貨体制の持続可能性を考える上で「不都合な真実」であるのは間違いない。しかも、QEの乱発によって、ドルの減価がますます進みかねない恐れがある。
<金本位制回帰の実現性>
果たして、金本位制回帰は現実的なのだろうか。
古来、人は金銀を交換手段、価値貯蔵手段として利用してきた。古くは推定紀元前18世紀の古代バビロニアのハンムラビ法典に、罰金刑に銀を使っていたという記述がある。金本位制はその後数千年の歳月を経て発展し、1816年には英国において1ポンド金貨が登場、金兌換性のある英ポンドを基軸通貨とする国際通貨制度へと発展した。その後を継いだのが米ドルであり、金との兌換性は1971年のニクソンショックまで維持された。
振り返れば、通貨の歴史の大半は何らかの形で金銀が使われており、金本位回帰の関心が高まる素地となっている。
現在の金価格は1オンス1700ドル台。ニクソンショック時の公定価格35ドルと比
較すれば50倍ほど高い。この金高騰の最大の理由は、世界に金の地上在庫(総量)は約17万トンしかなく、新規供給も限られている半面、各国政府・中央銀行による継続的な購入が行われていることにある。
ワールド・ゴールド・カウンシルによれば、2012年7月時点の公的保有量の筆頭は
米国で、8134トン。その後をドイツ、国際通貨基金(IMF)、イタリア、フランス、中国の順で続く(日本は9位)。2008年のリーマンショック以降、FRBの量的緩和すなわち事実上のドル安政策と軌を一にして、各国政府・中銀による金の買い入れは急増している。
ちなみに、投資銀行家でベテラン金融アナリストのジェームズ・リカーズ氏は近著「通
貨戦争」において、金本位制回帰がなされた場合の金推定価格を試算している。ベースマネーに対するカバレッジを100%とした場合、その価格は非現実的な1オンス8342ドルとなる。また、金本位が復活すれば、1960年代に見られた通り、米国債を大量に保有する中国などから金との交換を求められ、米国の金保有量は一気に減少するだろう。
この2点だけを見ても金本位制回帰の実現は、極めて難しいことだと言えよう。
<ブレトンウッズ3への道>
とはいえ、現行のドル基軸体制が深刻な制度疲労に直面していることは明白である。1944年に始まったドル基軸のブレトンウッズ体制は、71年の金兌換停止を経て、先進国は変動相場制、主要新興国は事実上のドルペッグ制という「ブレトンウッズ2」に移行した。
この管理通貨制度は、各国中銀の節度ある政策運営を前提とする「性善説」に基づくものだが、現実には肝心要のFRBがその節度を失ってしまっている。
グローバルな金融危機の頻発、均衡破壊的な相場変動、そしてリーマンショック以降の
量的緩和・通貨安競争など弊害は枚挙にいとまがない。前述した金価格上昇は、ブレトンウッズ2への信頼感失墜の証左であるともいえる。
ニクソンショック当時、欧州諸国は自国通貨への甚大な影響を憂慮した。これに対し当
時の米財務長官ジョン・コナリ―氏が、「ドルはわれわれの通貨だが、それはあなたがたの問題だ」と突き放したという有名なエピソードがある。この考え方は今も米国の金融政策において通奏低音として流れているようだが、これは米国が圧倒的優位にあればこそ通用する論理である。
経済的、政治的な覇権が衰えた現在、多数の国々との協調なくしてドルの安定そしてド
ル基軸体制の存続は難しい。米国が自国を利するのみの量的緩和を続けるならば、世界の通貨安競争はさらに過熱し、たとえばドル暴落・高インフレのリスクとなって同国に舞い戻ってこないともかぎらない。それは、世界的な経済危機への道だ。
2年前、世界銀行のロバート・ゼーリック総裁(当時)が、「インフレやデフレ、将来
の通貨価値に対する市場の期待を反映する国際的な基準として金を採用することも検討すべきだ」と英フィナンシャル・タイムズ(FT)に寄稿し物議をかもした。また、その新しいシステムには、ドル、ユーロ、ポンド、円、人民元という5大通貨の参加が不可欠とした。
同氏はその後、金本位制や固定相場制への回帰を意味していないと補足していることか
ら、いかにして金を採用しようというのかそのメカニズムは分からない。しかし、国際通貨システム変容の必要性にゼーリック氏ほどの人物が言及した意味は大きい。ちなみに人民元はこの2年間で、国際化に向けて大きく舵を切っている。
筆者は先述した理由から金本位制回帰そのものには懐疑的だが、国際金融システムの現
況の混乱を見るにつけ、修正や進化が必要なことに異論はない。過去への回帰ではなく、新たな仕組み作り、いうなればブレトンウッズ3移行に向けた実質的な議論が、米大統領選後に高まることを期待している。【ロイター 17:44】
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金本位制に対し懐疑的な斉藤氏であるが、「ブレトンウッズ3」の必要性は認めている。
通貨体制の修正や進化を唱えているが、今差し迫っているのは、その通貨体制そのものの崩壊である。小手先の政策では無理なのである。
このような状況を鑑み、すでに共和党ではゴールド・コミッション」(金委員会)を
立ち上げようとしているのである。
氏の述べられている背景や動向は、金本位制回帰の土壌が出来つつあることを物語って
おり、金本位制となれば"非現実的な"1オンス8342ドルと、いみじくも述べている。
そうなのである。8342ドルの価値が、真の金・ゴールドの価値に近いのである。
これは、"非現実的"ではなく、現実の価値なのだ。
さらに、<米国債を大量に保有する中国などから金との交換を求められ、米国の金保有量は一気に減少するだろう>と述べられているが、これが、米ドルが基軸通貨の役割を終える瞬間である。
★そして、この金本位制を現実的なものにする手法がひとつある。
金の真正の価値が1オンス8342ドルということは、現在の5倍の価値である。
言い換えれば、ドルの価値は5分の1になるということである。
すなわち、ドルの価値を5分の1にする【デノミ】(=通貨価値の切り下げ)が実施されることで、"金本位制"は復活するのである。
ドルクラッシュ"が!(無論、このデノミは、凄まじい世界経済の混乱を招くことになる)
◆中央銀行とウォール街のインサイダー達が、何か大きな事に急いで備え始めている驚くべき証拠
http://precursor.blog55.fc2.com/blog-entry-402.html
怪しい状況は、各方面で指摘されている様です。
★Startling Evidence That Central Banks And Wall Street Insiders Are Rapidly Preparing For Something BIG
(中央銀行とウォール街のインサイダー達が何か大きな事に急いで備え始めている驚くべき証拠)
**** 今、ウォール街のインサイダー達と世界中の中央銀行は、
何か非常に珍しい動きを示している。
実際、何か本当に大きな事に対して彼等は急いで準備している様なのだ。 では、彼らが備えている事というのが正確には何なのか?。
「差し迫った金融崩壊に対して政府と大手銀行はコッソリと準備しているのか?」という題名の前回の記事の中で、ある種の金融メルトダウンに対して彼等は準備しているかもしれないと私は推測した。
その記事の中で私が述べた様に、600人以上の銀行幹部達が過去12か月の間にその地位を解任されており、この夏に相当数のウォール街の銀行員達が「備える者(prepper)達の資産」を購入していたという事を私は個人的に聞かされていたのだ。 しかし今、差し迫った金融崩壊に対して静かな準備が進められているという更に多くの証拠が明らかになった。
それは、何かが起きる又は起きないという事を保証するものでは無い。 優秀な刑事の様に我々は手掛かりを集めており、その証拠が我々に何を語っているのかという事を把握しようと試みているのである。
**** 何故ジョージ・ソロスはそれ程多くの株式を売却し、
それ程多くのゴールドを購入しているのか?。
私は絶対にジョージ・ソロスのファンでは無い。 彼はアメリカを間違った方向へ引き込もうと試みている組織に何百万ドルも次から次へと注ぎ込んでいるのだ。
しかし、金融の世界において彼が非常に強く繋がりを持っている事を私は認める。 ソロスは殆ど常に金融問題の曲がり角の先におり、もしも何か大きな事が起きようとしているならば、恐らくソロスはそれに関する事を前もって知るであろう。
これこそ、所有している銀行株を彼が放出した事及びゴールドを大量に秘蔵しつつある事が非常に憂慮すべき事である理由なのだ。 以下は shtfplan.com から...
2012年の秋に我々の行く手に現れるかもしれない事の前触れの中、 2012年6月30日に終了した四半期についてSECへ提出された13-F報告書によると、億万長者の投資家であるジョージ・ソロスは彼の持つ主要な金融の株式の全てを売却した。
米国及びケイマン諸島にある様々な口座を通じて資産を運用するソロスは、シティグループ(42万株)、JPモルガン(70万1400株)そしてゴールドマン・サックス(12万株)を含む銀行及び金融会社の株式を百万株以上引き出したと伝えられている。 株式売却の総額は$5千万近くにのぼる。
彼が主要な金融株を売却した事と同じ様に興味深いのは、ソロスが彼の金を何処へ移したかという事である。 銀行株を売却していたのと同じ時に、彼はSPDRゴールド・トラスト経由で88万4千株(約$1.3億)ものゴールドを取得していたのである。
何故、百万株以上の主要な銀行株を売却し、1億ドル以上の価値を持つゴールドを購入するのだろうか?。
そう、もしも金融システムの崩壊が生じようとしていると信じていたのであれば、これは完全に理に適う事なのだ。 今年の初め、ジョージ・ソロスは Newsweek へ以下の様に語った...
「私は貴方達を支援する為に此処にいる訳ではありません。 状況は、私のキャリアにおいて経験した中でも深刻且つ困難なのです。」と、ソロスはニューズ・ウィークに語った。 「多くの点で1930年代の大恐慌へ至る道に匹敵する非常に困難な時に私達は直面しているのです。 私達は現在、更なる不況又はそれよりも悪い10年間へ追いやる様に私達へ脅威を与える先進世界の中での総合的な縮小に直面しているのです。 最善のシナリオはデフレ的な環境です。 最悪のシナリオは金融システムの崩壊です。」
彼は、自分が口を開けている場所へ自分の金を投じている様に見える。
恐らく更に気懸りなのは、彼が信じているものが金融崩壊の後にやってくるという事である...
怒りが昂じるに従い、アメリカの都市の路上における暴動は避けられない。 「そう、そう、そう」と、殆ど上機嫌で彼は語る。 社会不安の反応は、暴力そのものよりも更に大きなダメージを与えるかもしれない。 「法と秩序を維持する為の取締り及び強力な銃器の戦術に対する口実となり、それは極端な状態を作り、抑圧的な政治制度、個人の自由が遥かに制限される社会の様なものをもたらすかもしれず、それは米国の伝統を破壊するでしょう。」
それは、良い事ではなさそうだ。
ジョージ・ソロスは、彼が信じている事が起きようとしていると我々に語り、今、彼は自分の金を動かしており、それが実際に起き始めようとしていると彼が確信した事を示しているのだ。
しかし、ゴールドを蓄積するのに忙しいのは彼だけでは無い。
億万長者のジョン・ポールソン(サブプライム・ローンの崩壊で200億ドルを儲けた人物)は狂った様にゴールドを購入しており、彼の会社は現在「保有する$240億の資金の44パーセントを金地金に投じている。」
では、何故ソロスとポールソンはそれ程大量のゴールドを購入しているのか?。
**** 中央銀行も又、ゴールドを蓄蔵している。
世界ゴールド評議会によると、世界中の中央銀行によって購入されたゴールドの量は2012年第2四半期中に非常に急上昇した。 前四半期に世界中の中央銀行によって購入された157.5トンのゴールドは、2012年の第1四半期から62.9パーセントの増加であり、2011年の第2四半期から137.9パーセントの増加である。
2009年以前、世界中の中央銀行は約20年間に亘ってゴールドを売り越していた。 しかし今、それは全く変わってしまい、我々が以前に目にする事が無かった量のゴールドを前四半期に中央銀行が積み上げたのである...
中央銀行のゴールドの購入量は157.5トンで、この部門が2009年の第2四半期に純買い手となって以来の四半期の最高となったという事を、同機構の四半期毎の金需要動向レポートの中のデータが示している。
では、なぜ世界中の中央銀行がゴールドの虫になったのか?。
彼等が我々に伝えていない何かがあるのか?。
**** 荒れ狂うインサイダー達の売却
ウォール街のインサイダー達は、今年になってから物凄い量の株式を投げ捨ている。
前回の記事の中で、4月に遡ったCNNの記事をリンクした...
第1四半期の収益は壮観でなかったが、まずまずであった。 そして多くの企業の幹部達は今年の残りの期間に関する楽観的な見通しを慎重に発表した。
しかし、インサイダー達の口が一つの事を語っている一方、彼等の財布は別の事を語っているのだ。 インサイダー達によるS&P500(SPX)企業株の売却レベルは、10年近くの間で最高となっている。 これは良い事では無い。
市場が依然好調な一方、多くのインサイダー達は高値で抜け出している様に見える。
他のインサイダー達は、彼等の足元の底が抜け落ちる前に脱出している様に見える。
正に、フェースブックに起きた事をチェックしてみると良い。 それは、インサイダー達が株を投げ捨てた為、木曜日に新たな記録となる安値を付けた。
以下はCNNの記事からである...
公の会社としてのフェースブックの人生は初日から悪夢であり、法人インサイダー達が株を投げ捨てる最初の機会を得た事で、その痛みは続いている。
フェースブックは木曜日の朝に日中として新たな安値となる$19.69を記録し、前日より6.3%低い$19.87で取引を終えた。
悲しい事に、フェースブックはIPOから今や価値を半分近く失った。
フェースブックは、過去2−3年間に見られた非合理的な株式市場のバブルに関する典型例として終わるのだろうか?。
全体的に、最近の数週間は個人投資家達が株式からマネーを引き出すのに非常に忙しかった。過去2週間だけでも100億ドル以上がエクイティ・ファンドから引き出された。
では、これは何かを意味しているのだろうか?。
そうかもしれない。
そうでないかもしれない。
しかし、それは非常に興味深いものであり、注視し続けるべきものだ。
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