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ネットカフェ難民という言葉が2007年に流行った。定住先と定職を持たない若者がネットカフェを住居にしているという話だった。私がネットカフェのコンサルをした2002年には既に該当する人はいたので、実態は10年前の景気回復局面から発生していた。
ネットカフェ難民の支出を見ると、カフェ代の他に突出して多かったのが、携帯電話代。いくつか登録した派遣会社から仕事のオファーが携帯に来るので文字通り命のホットラインだから欠かせないのだ。
多くの日本人にとっての携帯電話は仲間との連絡やゲーム等の娯楽の対象として重要視されていたが、ネットカフェ難民等の貧困者にとっては、食い扶持を探すための必要不可欠な道具だった。
私どもは会社設立から毎年、正月に講演会を開いてきた。その年以降の世界の動きと、それに沿った私共の投資の考えについて話してきた。
3年前の2010年正月はICT4D(情報通信の発達は経済を発達させるの意)についてだった。そこで、アフリカ諸国では2008年の平均可処分所得の4割も携帯電話代に支払っていると紹介した。
ネットカフェ難民同様、携帯からの情報取得によって仕事の機会を得るのはもちろん、農業漁業等の昔からの仕事でも、市場価格を知り不当な価格で買い取ってきた仲介業者を排することで収入をぐんと増やすことが出来た。
携帯の活用が収入を飛躍的に増加させることが出来るので、収入の4割も携帯電話代に支払う事が合理的だったのだ。
こうして携帯電話は途上国・新興国でこそ必要性が強く、爆発的に売れた。50億人の途上国・新興国が200ドルの携帯を買うと1兆ドル(80兆円の)新たな市場が生まれた。
彼らが毎月10ドル電話代を支払うとすれば年間1.2兆ドル(96兆円)携帯電話会社に支払われる。
この新たな超巨大市場を日本の電機・通信会社は見逃した。
これを見逃さなかったカルロス・スリム・ヘルはビル・ゲイツを抜いて世界一の大金持ちとなった。
携帯電話を活用して収入を増やした途上国・新興国の人々は、次に初めて家電製品を買い始める。その時に選ぶのは、収入増をもたらした携帯電話と同じブランド。
そこでは、中韓のメーカーが選ばれる。
途上国・新興国の収入増の陰で、それまで搾取してきた先進国企業の収益が減っている。その結果、先進国では不況色が強まっている。
不況色が強い時に買い控えるのは、買い替えすることに切迫性が無い家電製品などの耐久消費財だ。
こうした要因が重なり合って、日本の電機会社は苦境に陥った。
いずれもが携帯電話を製造販売しているが、その商品を真に必要としている顧客のニーズと行動を把握しなかった結果なのだ。
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