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http://www.sankeibiz.jp/business/news/121024/bsk1210240505005-n1.htm
ロシア国営石油会社ロスネフチは、英ＢＰとロシアの資産家らが折半出資する合弁会社ＴＮＫ−ＢＰを５４８億ドル（約４兆３８００億円）で買収することで合意した。石油10+ 件会社買収としては過去３番目の規模。
ロスネフチは、ＢＰ保有のＴＮＫ−ＢＰの株式５０％を現金と株式合わせて２６８億ドルで取得する。資産家グループが保有するＴＮＫ−ＢＰの残り半分の株式も現金２８０億ドルで買収することで基本合意した。ＢＰはロスネフチの株式１９．７５％を取得し、同社取締役会に２人の役員を送る。ＢＰにとって今回の取引は過去１３年で最大規模。
★ＢＰはロシアのプーチン大統領と手を組み、世界２位の石油業界を統括することとなった。 一方、米エクソンモービルや英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルなど他の石油メジャーにとっては最後の未開発原油埋蔵地の１つであるロシアへのアクセスが困難になりつつある。
ルイス・キャピタル・マーケッツ（ニューヨーク）の調査責任者、ロバート・ヴァン・バーテンビュルグ氏は２２日の電話インタビューで
★「これで生産と埋蔵量の拡大を目指す外国の石油10+ 件会社は立ち入り禁止の状態だ」と指摘。ＢＰとの合意が「他社を寄せ付けなくなる可能性が高い」と述べた。
◆プーチン政権は、天然資源で世界を支配することに決めている
http://www.bllackz.com/2012/10/blog-post_20.html?utm_source=BP_recent
ウラジーミル・プーチンが大統領に返り咲いたのが2012年５月７日だったが、それから半年経ってプーチンのエネルギー政策がゆっくりと動き出している。
現在、ロシアで起きている重要な動きは、ロシア最大の国営石油会社ロスネフチが、イギリスのBP資本のTNK-BPを取得できるかどうかである。
2012年10月18日、ロスネフチは買収提案をしているが、これが成功するかどうかはまだ未知数だ。
しかし、もしロスネフチがこの買収に成功したら、世界最大の石油会社が生まれることになる。
ロスネフチは、ガスプロムと並んでロシアのエネルギー政策に重要な意味を持つ「国営企業」である。
つまり、ロシアのエネルギーをプーチン政権が掌握し、今後はエネルギーによって世界に影響力を行使するというになる。
■ソ連を動かしていたのは「計画経済」だった
ロシアは、今も昔も「天然資源依存型経済」であり、それを一番よく知っているのがプーチン大統領だった。
なぜなら、破綻したロシアを率いて国を立て直せたのは、ひとえにプーチンが大統領になってから石油価格が上昇したからである。中東の産油国と同じく、石油価格がロシアという国家の命運を左右するのだ。
だから、ウラジーミル・プーチンはいつでもエネルギーを掌握することに意識を集中している。
「エネルギー至上主義」に到達するまで、ロシアはひどい国家だったことは誰しもが知っている。共産主義は壮大な失敗だった。その頃のソ連を動かしていたのは「計画経済」だ。
■1991年のソ連崩壊で、計画経済の実験は終了した
計画経済というのは値段の決定権は政府にあって、物を売っても利益は国に取られて、国から給料が分配される仕組みである。
この「計画経済」の仕組みがうまく働かなかったのは、政府が何もかも決めるのが間に合わなくなったのと、判断が間違っても修正するのが時間がかかったのと、誰も必死に働かなくなったからだ。
結局、計画経済の考え方は行き詰まり、あちこちで隠しきれないほどの綻びが出てきた。
1980年代にはもはやどうしようもない経済危機が頻発して、ミハイル・ゴルバチョフがペレストロイカを打ち出して経済再建を試みた。経済再建というのは、すなわち計画経済からの脱却である。
1991年、ソ連は崩壊して、壮大な共産主義と計画経済の実験は終了した。
■プーチンの登場と石油価格の上昇
計画経済が崩壊したロシアは急激に資本主義へ移行を始めたが、この移行には確固たる「計画」がなかった。
そこに略奪者が横行して資源や権利を盗みとるような状況になっていく。オリガルヒ（新興財閥）たちの時代である。
それがますますロシア経済の混乱を招いて、1998年にロシアは債務不履行（デフォルト）に追い込まれている。
デフォルトの直接原因は1997年のアジア通貨危機（タイ・バーツ危機）だったが、ロシアがそれに巻き込まれて瓦解したのは、輸出の80パーセントを天然資源に頼った経済だったことだった。
その当時、世界ではデフレに見舞われていてロシアの石油や天然ガスは安い値段に甘んじるしかなく、これがロシア経済を疲弊させてしまっていた。
「破綻していた計画経済時代のソ連のほうが、今のロシアよりもマシ」と言われるほどの困窮状態になってしまったのが1998年のロシアだったのである。
1999年、ボリス・エリツィン大統領は辞任、そのあとをウラジーミル・プーチンが継いだ。
皮肉なことに、ロシアが破綻したあとに石油価格は上昇をはじめることになり、プーチン政権は市場経済の大鷲に乗っていれば危機を脱することが可能な状態になった。
今となっては、ロシアが危機を脱したのが石油価格の上昇だったのか、それともプーチンの手腕だったのか誰も評価できない。
ただ、プーチンの登場と共に石油価格は非常に高いところまで上昇していったことは偶然だったにせよ特筆に値する出来事だ。
■天然資源の価格がどちらに向かうのか
ロシアが石油・天然ガス価格と共に命運を上下させる「天然資源依存型経済」であるとするならば、今後のロシアの行方を占うのは、この天然資源の価格がどちらに向かうのかで決まる。
もちろん、短期的に天然資源がどのような価格形成をするのかは誰も分かっていない。
シェールガスのように新しい掘削技術が開発されて、天然ガス価格が劇的に下がったことからも分かる通り、供給が逼迫して上がると思ったものが下がることもある。
石油についても、景気後退が明確になってきて需要が減少して石油価格も一緒に価格低下すると見ることもできる。
短期的には上昇にも下降にも転じるのが市場経済であり、天然資源価格もまたそれに則って動いている。
しかし、長期的にどうなのか。
化石燃料からの脱却を目指して原子力で動いていたエネルギー政策が2011年３月の福島原発爆発メルトダウン事故で頓挫したのを見て分かる通り、今後は石油の需要が増えるという予測も成り立つ。
あるいは石油がすでにピークオイルしているにも関わらず、文明は化石燃料を相変わらず要求する仕組みだから、やはり石油は大量消費され、それが石油の供給を悪化させるという予測も成り立つ。
需要が増えて供給が伸びないのであれば、石油価格が上がっていく方向に賭けるのは悪くない。
■石油価格にロシアの命運が書かれている
プーチン大統領はエネルギーを押させている限り、あらゆる問題を抱えつつも、ロシアの将来はそれほど悪くないと判断しているように見える。
だからこそ、ロスネフチが、TNK-BPを取得する動きを見せているのである。
ガスプロムもロスネフチも、すべてプーチンは自分の子飼いの部下で経営者を固めている。
現大統領のドミートリー・メドベージェフ大統領もガスプロムの会長出身だった。
また、かつての強敵だったオリガルヒ（新興財閥）、ミハイル・ホドルコフスキーを2017年までの刑期延長させることにも成功している。
ロシアの将来を見るのなら、街の酔っ払いではなく、石油価格を見るべきだろう。そこにロシアの将来の命運が書かれている。
（参考記事）
日本外務省とロシア安全保障会議 協力のメモランダムに調印
http://japanese.ruvr.ru/2012_10_23/92180404/
玄葉光一郎外相とニコライ・パトルシェフ安全保障会議書記は東京で、日本外務省とロシア安全保障会議書記局との間の協力に関する共同メモランダムに署名した。
この調印に先立ち交渉が行われ、その中で双方は、アジア太平洋地域における安定と安全の保障にとってロ日二国間協力が持つ重要性を確認した。交渉の席上、パトルシェフ書記は、安全保障会議と日本外務省の間に対話が今後確立してゆくよう望むと期待感を表明した。
日本では明らかに、今回のパトルシェフ書記の訪問は、12月にモスクワで実施される見込みのプーチン大統領と野田首相の会談を前に好ましい雰囲気づくりをするため重要なものだと見なされている。
明日水曜日に、パトルシェフ書記は、野田首相と会談の予定だ。 リア・ノーヴォスチ
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