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円安の背景に政治の機能不全、「日本衰退」観測 財政不十分でデフレ脱却期待は広まらず 日銀、事実上無制限緩和
http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/236.html
投稿者 MR 日時 2012 年 10 月 23 日 23:09:10: cT5Wxjlo3Xe3.
 

円安の背景に政治の機能不全、「日本衰退」観測も
2012年 10月 23日 17:17 JST

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田巻 一彦

[東京 23日 ロイター] ドル/円が23日、80.02円と約3カ月半ぶりのドル高/円安水準を記録した。市場では日銀の追加緩和観測を要因として挙げる声が出ているものの、重要な政策を決めることができない「政治の機能不全」を背景に、日本が成長力を取り戻せないのではないかという「日本衰退」観測もくすぶり出したようだ。

円安を起点にした大幅な円資産のトリプル安の到来は、まだ先との見方が多いだろうが、統治機能の大幅な低下が続けば、予想外に早くマーケットが日本への"警告"を発する可能性もある。

<臨時国会で重要法案審議できないリスク>

円高が日本の輸出企業の国際競争力を削ぎ、日本経済をデフレに陥れているとの声が日本国中に満ちあふれている。与野党を問わず永田町は円高阻止に向けた金融緩和要望の大合唱であり、経団連も円高是正を訴えている。日銀も円高進行に伴う企業や個人のマインド悪化による景気下振れリスクを注視し、このところの追加緩和決定に際しては、直前に円高が進行していたケースが多かった。

この観点で言えば、足元で起きている円安は、日本経済にはフォローのはずだ。だが、どうもマーケットのセンチメントは違った要素に敏感になっている節がある。その核心部分は「政治の機能不全」だ。

国際通貨基金(IMF)が世界経済見通しを引き下げ、米国を除く先進国や主要な新興国で経済のもたつきが表面化しつつあるにもかかわらず、日本の政治は外的環境があたかも今年初めと変わっていないかのように、全く反応しない。「近いうち」に衆院を解散するかしないかで民主党と自民党・公明党が対立し、今月29日に召集される臨時国会では、重要法案が軒並み審議できないリスクに直面している。

<3兆円の貿易赤字、深刻な意味>

短期的には、特例公債法案が未成立で放置されれば、11月末には国庫の資金繰りが窮迫し、行政サービスの一部に明確な支障が出るリスクが高まっている。公的な支出の抑制は、日本国内の需要を減退させ、外需の減速で足元がおぼつかない日本経済の軌道を底割れさせる懸念がある。

しかし、市場の一部でささやかれている懸念は、もっと本質的で深刻な問題だ。22日に発表された2012年度上半期の貿易収支は、過去最大の3兆2190億円の赤字を記録。「貿易立国・ニッポン」という姿が、遠い過去となってしまったことを印象付けた。

<見えない次世代の主力産業、成長力低下を放置する政治>

一部電機メーカーの業績不振に代表されるように、日本の輸出産業は「負け組」に転落した企業が目立ってきた。スポーツチームに例えれば、老いが目立ったかつての主力選手から、進境著しい若手に起用をスイッチするマネージメントの妙が問われる局面だ。

だが、政府が作成した「日本再生戦略」は、イノベーション、エネルギー革命、少子高齢化の克服策という3つの欠かせない重大なポイントを外し、成長力を高める"決定力"に欠けている。新しい主力選手の不在が、長期化しそうな情勢となっている。

<構造変化に鈍感な与野党>

さらに「衆参ねじれ」という国会状況の下で、法案の成立は遅々として進まず、成長力の強化はおろか、足を引っ張る存在としてマーケット参加者に映っている。このままでは「貿易赤字の増大傾向が続き、日本の成長力と国力はますます低下するのではないか」(国内金融機関の関係者)という不安感が、一部で急速に高まっている。

潮目の変化は、気づかないところで起きることが多い。「政治は材料にならない」という声が東京市場では多数派だったが、そう遠くない未来に「機能不全の政治は日本売りの材料」とみなされるのではないか。国力の低下に対し、民主党や自民党の幹部から、何ら発言がないこと自体が、政治の機能不全を象徴していると指摘したい。

*筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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[東京 23日 ロイター] 日銀の追加緩和期待が強まり円安が進む一方、日本株は伸び悩んでいる。利益確定売りが強まったこともあるが、財政政策が不十分な一方で、日銀への緩和期待だけが偏重しており、市場のデフレ脱却期待が広がらないことも一因だ。

外需減速懸念も根強く、円安が進んだとしても、国内企業の業績下方修正の懸念が晴れないなかでは、積極的なリスクオンは難しいという。

<金融と財政のアンバランス>

ドル/円は一時80.02円と3カ月半ぶりの高値を付けたが、日経平均.N225は一時マイナス圏に沈むなど上値の重さが目立った。「ドル/円が一時80円と円安に振れ日本株をサポートしているが、日経平均9000円オーバーでは利益確定売りが優勢なようだ」と、松井証券シニアマーケットアナリストの窪田朋一郎氏は言う。日本株は予想株価収益率(PER)が12倍前半と割高感はない水準だが、商いは縮小気味で様子見ムードが早くも漂っている。

リスクオン相場の一服は、これまでの円安と株高の進行が急ピッチであったことから利益確定の動きが強まったことが要因だが、日本経済をめぐる不安感が消えないことも大きな背景にある。円安要因の一つは日銀の追加緩和期待だが、金融政策への過度な偏重に懸念を示す声も多い。

複数の関係筋が22日、ロイターに明らかにしたところによると、日銀は早ければ30日の金融政策決定会合で、資産買入基金の残高を長期間にわたって維持することを検討する見通しだ。米量的緩和第3弾(QE3)同様に事実上の無期限(オープンエンド)緩和に近付くことになる。また産経新聞は、景気浮揚を狙い金融緩和圧力を強めている政府が日銀に対し、国債などの資産買い入れ基金を20兆円増額する追加金融緩和策を求めていることが22日、分かったと報じた。

実際に導入されれば踏み込んだ金融緩和策になるものの、市場では財政政策とのアンバランスを指摘する声が多い。「野田佳彦首相が指示した経済対策の第1弾の規模は3000億円程度とみられている。20兆円と3000億円。政治が空転する中で金融緩和にしわ寄せがきているためだが、あまりにもバランスが悪い」(外資系証券)。日銀が際限のない金融緩和に追い込まれるリスクにも警戒が必要だ。

JPモルガン・アセット・マネジメントのエコノミスト、榊原可人氏は、金融緩和に消極的な日銀という市場の印象を払しょくするためにも金融緩和は必要だとしたうえで、「金融緩和だけではデフレ脱却は難しい。現在の経済環境下では、ほとんどの人は金融緩和だけではオカネを使おうとは思わないためだ。有効需要を生み出す財政出動が欠かせない」と指摘する。

<素直に喜べない円安要因>

現在の円安についても、一概には喜べない。円安の一因は貿易赤字によって実需の外貨売り・円買いが減少してきたためだ。2012年度上半期の貿易収支は3兆2190億円の赤字と半期ベースでは過去最大の赤字となった。赤字傾向は定着しつつあり、直近の9月貿易収支は5586億円の赤字で9月としては1979年の統計開始以来、過去最大を記録した。

貿易赤字の主因は輸出の不振だ。9月の輸出は前年比10.3%減の5兆3598億円と、2011年5月(同11.3%減)以来、17カ月ぶりの大幅な減少となった。海外経済の減速を反映した輸出の大幅減や、尖閣諸島(中国名・釣魚島)をめぐる日中対立の影響で対中自動車輸出が大きく落ち込んだことなどが影響したためだ。円安がこのまま進めば、輸出の後押し期待も強まるが、足元の円安は企業の想定為替レートをわずかに超える程度であり、需要増の期待にはまだつながっていない。

楽天経済研究所シニア・マーケットアナリスト土信田雅之氏は「輸出減少による貿易赤字が円安の一要因であり、素直に喜べない。少なくとも国内企業決算発表を経て業績回復基調が示されないと上値は追いにくいだろう」と述べる。

<見方分かれるドル円見通し>

ドル/円の見通しは市場関係者の間で分かれている。バークレイズ銀行チーフFXストラテジストの山本雅文氏は、米景気回復やテールリスク後退、日銀緩和期待、対外直接投資増加など、ドル/円には「パーフェクト・ストーム」が吹いていると指摘。年末のドル/円相場は83円と予想する。

一方、米国にも「財政の崖」という問題があり、米連邦準備理事会(FRB)の追加緩和期待も消えたわけではない。みずほ証券FXストラテジストの鈴木健吾氏は「80.50円から81円の雲の上限の間はテクニカル的にもフロー的にも重くなってくるとみており、目先は80円後半、81円を上抜けるほどの力強さはないのではないか。年末には『財政の崖』の話もあり、日米金利差の観点からも、上値はあと1円程度だろう」と話す。

(ロイターニュース 伊賀大記;編集 久保信博)

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[東京 22日 ロイター] 日銀は早ければ30日の金融政策決定会合で、資産買入基金の残高を長期間にわたって維持することを検討する見通しだ。目標である80兆円の残高を達成する2013年末以降も、物価上昇率1%が展望できるまで残高を維持することで、米量的緩和第3弾(QE3)同様に事実上の無期限(オープンエンド)緩和に近づける。

日米緩和策の違いから進行する円高を防ぐ効果も期待できる。複数の関係筋が明らかにした。

日銀は9月の決定会合で追加緩和に踏み切ったばかりだが、日中関係の悪化で再び景気の下振れリスクが高まる中、目標とする物価上昇率1%に「2014年度以降、遠からず」到達することは難しい情勢。このため、今月30日の決定会合で追加の金融緩和策を検討する可能性が大きい。

9月に米連邦準備理事会(FRB)が打ち出した量的緩和第3弾(QE3)は、雇用状況が改善するまで住宅ローン担保債権(MBS)を購入するという事実上の無期限緩和策。このため市場や政府・与野党関係者からは、日米緩和差による円高進行を防ぐため、日銀に対抗策を要望する声が強まっている。前原誠司経済財政担当相は今月10日の講演で、日銀に対して「欧米がしっかり金融緩和をやっている中で、やっていない事自体に問題がある」と述べている。

日銀は2010年10月に目標35兆円でスタートした基金を相次いで拡大、期限も延長している。事実上の無制限緩和であるのは米国と変わらないとの立場だ。今月11日に公表された9月18、19日会合の議事要旨では、ある委員がQE3について「あらかじめ上限や期限を決めずに買い入れる点が注目されているが、日銀も上限や期限を累次にわたって拡大・延長してきている」と強調している。実際、消費者物価指数がマイナス圏で推移を続ける中、上昇率1%が展望できるまで強力な金融緩和を進めるとしており、長期の緩和を続けるメッセージとなっている。

しかし、日銀は基金が現行の残高目標である80兆円に到達する13年末以降について、国債などが償還を迎えて残高が減少することへの対応を明言しておらず、日銀の主張する「無期限性」は十分に市場に浸透しているとは言い難い。償還分を市場から買い続けて残高を維持することは、資産買い入れ自体が緩和強化につながるとの日銀の主張とも整合的だ。

日銀は2月に物価上昇率1%の目標を明記した際も、政策は従来と変わらないとしつつ、目標を英語で「goal(ゴール)」と明記するなど説明をわかりやすくし、国債買い入れの増額と組み合わせたことで、異例の円安・株高など緩和効果をもたらした経緯がある。

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コメント
 
01. 2012年10月24日 09:22:53 : ZkCNkK4d6Y
円安といっても1ドル78円が79円になったレベルでしょ。これが150円とかになったら
大騒ぎですけど。対ユーロだって101円→103円程度の変動幅。

数年前に比べれば「超円高」が続いていることに変わりがないです。
誰が考えても日本はメチャクチャなのに、欧米はもっと酷いという評価なんですかね?


02. 2012年10月24日 09:47:02 : poRxZgP8CY
我々は円高対策として、敢えて、政治不全を演出している。<政府>

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