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伊藤元重の日本経済「創造的破壊」論"
【第16回】 2012年10月22日 伊藤元重 [東京大学大学院経済学研究科教授、総合研究開発機構(NIRA)理事長]
産業構造の「スマイルカーブ」化が日本の「中流」ビジネスに淘汰・再編をもたらす!
上流と下流だけが儲かる
「スマイルカーブ」とは何か
国内経済の人口減少による成熟化、そしてアジアの成長による引力(gravity:連載第11回参照)の増大。これが日本経済の長期的なトレンドを決める重要な要因である。
本連載はこれまで、アジアの拡大による日本経済の産業構造の変化について述べてきた。今後は、国内の少子高齢化の影響について考察することを予定している。
今回は、こうした二つの要因の影響を、単純ではあるが示唆の多い形で整理した考え方「スマイルカーブ」について紹介したい。大きな変化にさらされている企業の環境を理解する上で、役に立つ見方だと思う。
スマイルカーブとは、笑ったときの人間の唇の形をイメージしたものである。要するに両端が上がった形をした曲線だ。鍋やフライパンの底というイメージでもよい。この曲線が意味することは、産業構造のなかで、上流のビジネスと、下流のビジネスは利益率が高くなるが、中流は利益率が低くなるというものである。
スマイルカーブという言い方を最初にしたのは、台湾の大手パソコンメーカーであるエイサーの創業者スタン・シーだと言われる。もう10年以上前のことだとは思うが、現在でもパソコンの世界ではスマイルカーブが顕著に出ているようだ。
上流にあるインテルやマイクロソフトのような企業は高い利益を上げている。グローバル化が進みマーケットの規模が大きくなるほど、上流で他社の追従を許さないような特徴のある製品を提供できる企業は、高い利益を上げることができる。
中流で、パソコンを組み立てたり、それを販売したりするだけのビジネスは利益が少ない。中国のようなところで大量の労働力を投入してパソコンが生産されている状況では、中流が儲からないことは明らかだ。
下流はユーザーに近いところにある。ユーザーの求めているニーズにうまく対応したビジネスモデルを構築すれば、高い利益をあげる可能性がある。iPodやiPhoneで大きな利益をあげているアップルはその典型である。単に商品を提供するのではなく、消費者ニーズをうまく取り込んだビジネスモデルで成功している。
パソコンで見られるようなスマイルカーブ的現象は、多くの分野で確認することができる。たとえば繊維・アパレルなどがその典型だ。最近は日本の繊維メーカーが、技術水準の高い新繊維や炭素繊維などを開発して高い利益をあげている。中流で布を織ったり洋服を縫製したりする仕事は、あまり高い利益をあげることはできない。
下流にあるユニクロのような企業が高い利益をあげることができるのは、消費者ニーズに合った商品を展開する上で特徴のあるビジネスモデルを構築したからだ。業界でSPA(Speciality store retailer of Private label Apparel:製造から小売までを一貫して行う業態のこと)と呼ばれる業態の構築である。
なぜ日本で
「スマイルカーブ」が重要か
スマイルカーブの概念については前から知っていた。しかし、この考え方が本当に重要だと実感したのは、10年近く前、中国のビジネスマンの前で講演をしたときのことだった。
私の講演に来ていた聴衆の一人が、講演の後に話しかけてきた。中国はどうも逆スマイルカーブではないかというのだ。つまり上流と下流は儲からないが、中流には高い利益機会があるという。
中国の産業はまだ発展途上であり、グローバル市場で先進国の先端企業と競争できるような企業は少ない。つまり上流で高い利益をあげる企業は少ないという。
また、下流でも利益率は低いという。途上国として成長を続ける中国では、質よりも量が重要である。自動車は走ればよいし、冷蔵庫は冷えればよい。洋服にいたってはかっこよければ偽物でもかまわない、私に話しかけてきた中国のビジネスマンはそう冗談を言っていた。消費者の微妙なニーズを取り込むようなビジネスモデルはそれほど重要ではないという。
中国にとって圧倒的に利益機会が大きいのは中流であるという。急速に市場が拡大している中国では、他企業よりも先に、いかに多くを売るかが勝負だというのだ。
たしかに、中国の冷蔵庫などの市場を見れば、そのとおりだと思う。所得の増加によって、冷蔵庫を購入しようとする人が増えている。メーカーとしては、いかに低価格の商品を大量に投入するかが勝負となる。最近あるテレビ番組で中国最大の家電メーカーであるハイアールの取り組みを紹介していたが、苦情があれば文字どおり24時間態勢で、それへの対応に取り組むという。こうした量的志向がビジネス成功の鍵となる。
中国の逆スマイルカーブの状況は、スマイルカーブとはずいぶん違っている。しかし、日本も20年ほど前までは逆スマイルカーブであったと言ってもよい。バブルが崩壊する1990年より前の日本経済は、右肩上がりの時代と言われた。いろいろな商品の市場が、拡大を続ける状況だったのだ。
当然、日本の産業構造はスマイルカーブの中流部分に多くの企業がひしめき合っている。いかに多くの商品を、いかに早く市場に投入して、いかに効率的に販売するのか。日本の産業はそうした特徴を強く持っていた。
この20年、日本市場の構造は、国内市場の成熟化とグローバル化によって、急速にスマイルカーブの形にシフトしていった。それにも関わらず右肩上がりの時代の逆スマイルカーブ的な産業構造が、依然として維持されている。これが日本の産業の現状である。
なぜ、産業が大きく変化しなかったのだろうか。それは、この10年以上のデフレの経済構造と密接な関わりを持っている。簡単に言えば、経済的な停滞と超低金利のなかで、多くの企業が改革や再編を怠ってきたのだ。
産業界における創造的破壊は、この逆スマイルカーブからスマイルカーブへの急速なシフトという形でとらえることができる。過剰企業と過剰供給体質である中流部分は急速な調整が行われる。上流部分では、グローバル市場を前提とした新たなビジネスチャンスが見えている。この点については、これまでの連載でも詳しく取り上げてきた。そして下流部分では、消費者やユーザーのニーズを取り込む形での新しいビジネスモデルへの取り組みが求められている。
この最後の点については、今後の連載で詳しく取り上げる予定である。高齢化におけるヘルスケア産業の可能性、エネルギー戦略の転換による省エネや環境がらみの技術やビジネスモデルへの取り組みなど、日本の産業の活力を高める可能性について詳しく論じていきたい。
今回は、スマイルカーブの中流部分の調整について、もう少し詳しく議論してみたいと。
「流して通す」
ビジネスの限界
企業関係者と議論するとき、中流的な要素がそれぞれの企業にあるのかどうかを判断するキーワードとして、「流通」という言葉を取り上げることにしている。小売業や卸売業など、本来の流通業のことを言っているのではない。「流通」を訓読みにすれば、「流して通す」となるが、流して通すようなビジネスを行っている企業はスマイルカーブの下で厳しい状況になっているのだ。
流通業のなかにも流して通す機能だけのために、厳しい環境に置かれている企業は多い。たとえば、多くの分野で問屋が厳しい再編にさらされているのは、旧来の問屋ビジネスが流して通すタイプだったからだ。いかに効率的に低コストで商品を流通させるか──そのための商流、決済、物流をつかさどるのが問屋の役割だった。
しかし、一方で国内市場が成熟化して量が増えないこと、他方で情報通信の技術革新によって、低コストでいろいろな作業ができるようになったことなどで、旧来の問屋ビジネスは大変に厳しい状況に陥っている。多くの分野で生き残りをかけて問屋の淘汰と再編が起きている。これはスマイルカーブの下で、中間にある問屋が適正規模に調整しようとしていることに他ならない。
製造業でも「流通」的特性を持っている企業は多い。たとえば、日本全国どこに行っても、自動車部品や電気部品を生産するプラスティック成型加工の中小企業がある。プラスティック原料を成型器に流して、ひたすら同じような部品の生産を続けている。
こうした企業は、日本国内の自動車や家電の生産が拡大していくなかで、その数を増やしてきた。効率的に低コストで品質の均一な部品の生産を続けることが、日本のものづくりを支えてきた。
しかし、そうした企業はまさに「流して通す」ものである。日本国内の自動車や電気製品の生産量が頭打ちになり、同種の製品が海外の企業によって低コストで生産できるようになると、こうした企業は非常に厳しい状況に置かれることになる。
「流して通す」タイプの企業があらゆる分野で、それもメーカーからサービス業まで、幅広く出てきたことが、右肩上がりの拡大期における日本の特徴であった。時に、過剰企業、過剰供給とも呼ばれる体質が、低コストで高品質の商品を効率的な形で流通させてきたのだ。
今後急速に起こる
中流部分の創造的破壊
今後、この中流部分で急速な調整が起こることが予想される。問屋の例で述べたように、すでにそうした変化が起きている分野も少なくない。過剰企業状態は、競争力の弱い企業の淘汰、あるいは生き残りをかけた業界再編といった形の調整を引き起こす。個々の企業レベルでも、厳しいリストラが行われるだろう。
こうした調整のまっただ中にいると、大変な破壊にさらされていると感じるだろう。再編や淘汰で職を失う人、あるいは倒産する企業にとっては、大変な状況である。しかし、こうした破壊があって、はじめてその先に創造が生まれるのだ。
急速に市場が縮小している某業界で、大変に好調な業績をあげている企業の社長が言っていた。「我が社は地味な企業で堅実な経営をしてきた。こうした経営を続けてきたので、以前は大きく成長することはなかった。ところがこの10年ほどの間、業界の変化があまりに激しく、多くの競争相手がいつの間にか消滅していた。業界全体としては市場規模が縮小しているのに、競争相手も減ってしまったので、我が社の業績はかえって順調である」。
この経営者は非常に重要な点を指摘している。ある業界の市場規模がこれから10年で20%縮小するとしてみよう。それはそこに属するすべての企業の売上が20%ずつ縮小することを意味するわけではない。たとえば、業界に属する企業の数が30%縮小したとすれば、残った企業の売上は平均15%近く増えるはずなのだ。
再編と構造調整という中流で起きている変化は、まさにこのような創造的破壊を意味している。国内市場が縮小して成熟化することに対して、こうした業界再編が起こることで、はじめて需要と供給のバランスが達成される。その渦中にある企業は大変だが、その調整を乗り越えれば、産業全体としては好ましい姿になるとも言える。
多くの企業にとっては、厳しい淘汰と再編をどう乗り切るかが重要な経営課題となる。さまざまな分野で合併や吸収の動きが顕著になっているのも、生き残りをかけた企業の思惑が働いている結果と考えることができる。
http://diamond.jp/articles/print/26604
− 第9回 −
Scope 3始動!企業がすべきことは?
Scope 3基準への対応――実際に必要となる活動
●国が策定・公表したガイドラインを入手する
2012年3月、サプライチェーンにおける温室効果ガスの排出量を「Scope 3」の基準で算定するためのガイドラインを、経済産業省と環境省が公表しています。正式名称は「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量の算定に関する基本ガイドライン」。これにより、サプライチェーン全体の温室効果ガス排出量に関する対象が明確になり、また、Scope 3対応への指針として、排出量の算定方法が提示されたのです。
Scope 3基準に則った、温室効果ガス算定の対象(計15のカテゴリに分類されている)
出所:環境省・経済産業省 「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量の算定に関する基本ガイドライン」
「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量の算定に関する基本ガイドライン」を入手するには・・・
→ 環境省ホームページから、PDFファイルでダウンロードできます。http://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/comm.html
●「Scope1」「Scope2」についても、追加的な対応を実施する
多くの日本企業は、省エネ法や温対法の対策をすでに施しているため、「Scope1(自社での燃料使用や工業プロセスによる直接排出)」「Scope2(自社が購入した電気・熱の使用に伴う間接排出)」については新たな取り組みの必要もなく、自動的に対応できている・・・と考えがちです。
しかし、省エネ法・温対法で定義されている算定対象と、今回 Scope1・Scope2のガイドラインで提示された算定対象では一部、内容の異なっている箇所があります。具体的には、省エネ法・温対法では対象とされていなかった以下のようなデータの収集・把握が、新たに必要となります。
・海外拠点における燃料・電気使用量
・自社所有の自家用車の燃料使用量
・空調機使用時におけるHFC(冷媒)の漏出量
・一時的に利用するサイトにおける燃料・電気使用量
・連結対象事業者や建設現場など、自社が所有(or管理)する全ての事業活動
(例:建設現場での、建設機械の使用に伴う温室効果ガス排出量)
●サプライチェーン全体の排出量を収集する
先ほどの表の中で1〜15のカテゴリが、サプライチェーン全体を通じて企業が間接的に排出している温室効果ガスの内容です。
では、これらの排出量を把握するためには、どういった算定業務を行う必要があるのでしょうか・・・。その一端を知っていただくために、15カテゴリの中から3つ、例を挙げて解説してみます。
★カテゴリ1 上流 「購入した製品・サービス」
自社が購入・取得した全ての製品・サービスの、資源採取段階から製造段階までの温室効果ガスの排出量が、算定の対象となります。その算定方法は以下の2種類が想定されていますが、いずれにしても、社外からの追加的な情報収集が必須となります。
・排出量をサプライヤーごとに把握し、積み上げて算定
・物量・金額データに排出原単位をかけて算定
★カテゴリ5 上流 「事業から出る廃棄物」
事業活動から発生する廃棄物のうち、自社以外での「廃棄」「処理」にかかる温室効果ガスの排出量、および廃棄物の輸送にかかる排出量が、算定の対象となります。その算定方法は以下の2種類が想定されています。
・廃棄物の種類別に、その処理やリサイクル方法が把握できている場合は、種類・処理方法別の排出係数を乗じて算定
・処理・リサイクルの実態把握ができていない場合は、廃棄物処理・リサイクル業者への委託費用や委託量に、廃棄物種類ごとの標準的なシナリオに基づく排出原単位を乗じて算定
★カテゴリ11 下流 「販売した製品の使用」
算定対象とする年度に販売した自社製品の使用に伴う排出量が、対象となります。その算定方法は、販売数量と、使用シナリオ(製品の設計・仕様、および消費者が製品を使用する条件に関する仮定シナリオ)などに基づいて算出したエネルギー消費量に、排出原単位を乗じて算定します。
以上のように、各カテゴリで示された温室効果ガスの排出量を正確に算定しようとすればするほど、データ収集のための煩雑なやりとりが求められます。しかも中小のメーカー、廃棄物処理業者、旅行代理店、人事部など、これまでのエネルギー関連データの取得先とは異なる企業・部門が相手となります。調査依頼から算出に至る社内体制の構築には、相当な困難が予想され、自社の事業形態に即した工夫も求められます。
先行する企業の対応状況
温室効果ガス算定の新基準発行、そしてこのたびのガイドライン公表を機に、近い将来、大企業を中心にScope3に対応せざるを得ない時代が到来すると、私は考えています。すでに多くの企業で、自社のサプライチェーンにおける温室効果ガス排出量をきめ細かく把握するための検討・準備が始まっています。
Scope3基準対応の先行企業としては、自社製品のトレーサビリティー把握などに努めてきた大手食品・飲料メーカーや、環境経営を重視してきた電気・電子機器メーカーが挙げられ、すでにScope3に近い考え方をもって温室効果ガス排出量を算定・報告しているケースもいくつか見られます。
Scope3に関する国・企業の取り組みの中で、注目すべき調査結果を紹介します。2012年3月、経済産業省が主宰する「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出量算定基準に関する調査・研究会」にて、先行企業6社(電機・化学品・食品・オフィス家具メーカー・ほか)が、Scope3対応のデータ取得試算に協力しています。この時の試算では、とくに上流カテゴリに属する算定状況に関して、「納得いく結果が得られず」「実施実績なし(対応できない)」という回答(*)が大部分を占めました。
研究会では、今後のScope3基準対応への可否についても、6社に尋ねています。その結果は、「購入した製品・サービス」や「資本設備」「輸送・流通」「リース試算」などのカテゴリで「対応が難しい」と回答(*)しており、このほかの項目も「対応が難しい」または「一部、対応できる」という回答(*)が大部分でした。調査に協力した企業からは、「サプライヤーからの一次データ収集は不可能と思われる」「調達側の物流データの把握が困難」といった意見が寄せられています。
つまり、温室効果ガス排出量の把握と抑制にとりわけ熱心だと思われる大手企業であっても、現状ではScope3への取り組みは容易ではなく、今後の対応についても「難しい」と認識しているのです。
こうした調査結果を受けて、現在、政府が中心となって算定データベースの整備が進められています。ただし、算定データベースを実用可能なレベルにするために、充分な量の企業活動のサンプル取得が難しいという課題があります。
先行企業は、現状では温室効果ガスや廃棄物データを把握するためのシステムを自前で構築しているケースが多く、それらは必ずしもScope 3基準とそのガイドラインに対応しているわけではないことも、算定を難しくしている要因のひとつと考えられます。
(*)経済産業省「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出量算定基準に関する調査・研究会(第3回)」配付資料より。
Scope 3基準への対応のポイント
Scope3と同様、現在のビジネスのしくみ・自社リソースだけでは対応が難しいテーマとして「環境配慮設計」への対応が挙げられます。「企業が取り組むべき地球温暖化対策12回」では、自社で独自のしくみづくりを進めたために想定以上に対応s工数とコストが増加してしまったという事例が散見されました。
環境配慮設計の対応のポイントとしては、社内の関係部門、社外の取引先も含めた業務の標準化が挙げられます。各担当者に依存しがちな、データ入力、収集、集計の各業務を標準化するのです。現在では、世界各国で事業を運営されている会社がほとんどですので、グローバルレベルでの対応も必要になってきます。
Scope3への対応については、環境配慮設計以上に対象範囲が広く関係者が多いため、環境配慮設計への対応以上に工数とコストが増大すると予想されており、より厳格なデータ入力・収集・集計のしくみの構築が必要だと考えられます。
データ収集・管理を効率化するICTの導入・活用
ここまで述べてきましたように、企業がサプライチェーン全体の温室効果ガス排出量を収集するには、通常の業務に直接的には関係のないデータ入力・収集・集計のしくみを、新たに構築しなければなりません。
このしくみ作りには、膨大な工数が必要で、多くのステークホルダーの協力も不可欠です。しかも、海外を含めたGlobalでの一貫した取り組みが求められることを勘案すると、Scope3基準への対応には、関係会社・協力会社とも足並みをそろえ、環境負荷データを一元管理していくことが重要です。そのためにも、環境マネジメントのためのICTソリューションを導入・活用することが有効であると考えられます。
つまり、早い段階でICTを導入して工数の低減を図るとともに、業務を標準化していくことが、Scope3対応を円滑に進めていくための勘所になります。
+1(ひとこと)アドバイス
・ICTの導入にあたっては、データ収集と集計のための手間・コストをできるだけ抑えるという前提を常に踏まえておくこと、とりわけ、上流・下流の企業に我慢を強いることなく、通常のビジネスに付随する業務として処理できることが条件となる。
【執筆者:プロフィール】
三木 優 (みき ゆたか) 氏
株式会社日本総合研究所 創発戦略センター 主任研究員 。これまでにエネルギー企業を中心としたコンサルティング・調査業務に従事。主にエネルギー・環境に関する新領域に進出する際の事業性評価・事業戦略の策定に関するコンサルティングを行ってきた。
近年は、地球温暖化を背景とした省CO2戦略の策定や再生可能エネルギービジネス、海外におけるCDMプロジェクト・二国間オフセットメカニズムに関するコンサルティングを行っている。
(2012年9月27日公開)
https://www.blwisdom.com/vp/print/ecosp3/ecosp309.shtml
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