★阿修羅♪ > 経世済民78 > 201.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
欧州経済見通し マインド改善の妙薬はなし財政緊縮政策の見直しは進まず 世界の経済危機と金融政策
http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/201.html
投稿者 MR 日時 2012 年 10 月 21 日 10:22:44: cT5Wxjlo3Xe3.
 

欧州経済見通し マインド改善の妙薬はなし財政緊縮政策の見直しは進まず
 
◆ユーロ圏の景況感指数はおおむね9月まで悪化傾向にあるが、7、8月の鉱工業生産は予想外に健闘した。この生産持ち直しが一過性のものなのか、それとも景況感指数が悲観に傾きすぎたのか、実体経済と景況感の乖離の行方が注目される。10月24日に発表される10月の製造業PMI指数の速報値、およびifo景況感指数がその方向性を示唆するものとなる可能性が高い。

◆輸出に底堅さがみられる一方、内需は停滞しており、ユーロ圏経済は年内はマイナス成長継続、2013年はごく低成長との見方を維持する。9月にECBが新しい国債買取プログラムであるOMTを発表したのに続き、10月にはESM(欧州安定メカニズム)がようやく始動し、セーフティーネットの構築が進んでいる。ただ、これだけで消費者や企業のマインドを改善させるには力不足であろう。内需を圧迫している財政緊縮路線に大きな変更はみられず、ユーロ圏各国が相次いで公表した2013年予算案はいずれも財政健全化を目指す内容となっている。

◆英国経済は個人消費が久々に牽引役となって7−9月期はいったん前期比プラス成長になったと推測される。雇用改善にインフレ圧力低下が加わり、9月の小売売上高は予想以上に高い伸びとなった。問題は、足元の雇用増がオリンピック開催効果で押し上げられていることと、保守党政権が財政緊縮策の見直しに動く気がないことである。本格的な景気回復への道のりは英国もまだ遠いとみている。
http://www.dir.co.jp/souken/research/report/overseas/europe/12101902europe.html


竹中平蔵のポリシー・スクール

10月19日 世界の経済危機と金融政策


 世界経済は、引き続き不安定な要因をはらみながら推移している。先般東京で開かれた国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会などの場でも、ユーロ危機を巡って緊張した議論が続いたと言われている。そうした際、金融政策に大きな注目が集まるのも、また常に見られる光景だ。こうした傾向は、今後とも続くのだろうか。

いつでもバブルとBS調整

 気がつけば世界経済を描写するのに、いつも「**危機」や「**バブル」という言葉が使われる。日本のバブル崩壊後の記憶に新しいところだけでも、1997年のアジア通貨危機、2000〜01年ころのITバブル崩壊、08年のリーマン・ショック、近年の欧州危機などが挙げられる。まさに、世界のどこかで常にバブルが発生しており、バブル崩壊後に経済危機がやってくるという構図なのだ。いったんバブルが発生すると、資産価格暴落後に厄介な「バランス・シート調整」を行わねばならなくなる。その過程では経済に下方圧力がかかり、さらなる資産価格低下という悪循環に陥る可能性も出てくる(90年代終盤の日本)。そこで銀行への公的資金注入や一部救済など、財政資金を活用する必要性が生じるが、これが慢性的な財政赤字と重なって経済を危機的な状況にするというケースも生じうる(欧州の小国など)。結果的に、どうしても金融政策に依存する度合いが高まる。

 バブル経済が世界のどこかで発生していると述べたが、その背景は何なのだろうか。最大の要因は、世界通貨であるドルの供給が無計画な形で行われ、結果的に世界で過剰なドルが滞留していること、それが形を変えて世界のどこかに集中投下される構図が続いているからである。これは皮肉なことに、IMF体制を作ったブレトンウッズ会議(1944年)での議論と、まったく違う姿であると言わねばならない。

 よく知られているようにブレトンウッズ会議では、英国の推すケインズ案と米国の推すホワイト案をめぐって議論が戦わされた。結果的にホワイト案に近い形で戦後の国際通貨制度が決められるが、そこでは米国の経常収支赤字の分だけドルが供給されることになり、結果として世界が十分な成長通貨を確保できなのではないかということが懸念された。しかし、事実は全く逆になった、と言わねばならない。米国の経常収支尻で受動的にドル供給が決まる結果として、過剰なドルが世界に溢れ、これがところを変えてバブルを起こす(その後の危機を招く)構図を作っているのだ。

 バブルが暫続的に生じてきたもう一つの理由がある。それは過去20年、世界では形を変えてポジティブ・サプライ・ショックが発生し、これがその時々の期待成長率を高めてきたことだ。成長期待が高い国や産業に、過剰な流動性が集まる。ここでポジティブ・サプライ・ショックとは、供給サイドを強め将来の成長期待を高めるものだ。その反対、ネガティブ・サプライ・ショックの典型が70年代の石油危機だった。しかし過去20年間、様々な形でそれとは反対に経済を強くする環境が出現してきたことが分かる。90年代前半には、東西冷戦の終焉で「平和の配当」が発生した。90年代後半にはいわゆるIT革命の進展で、同分野を中心に成長期待が高まった。2000年代に入ると人口要因が成長の源泉になることが鮮明になり、BRICSやNEXT11(イレブン)が注目を集めるような形で新しいサプライ・ショックが起こった。そして近年は、米国のシェール・ガスなどエネルギー面で新たな成長期待がある。

 成長期待があることそのものは、言うまでもなくよいことだ。しかしそこに過剰な流動性が集まることによって、上に述べたようなバブル現象を継続的に起こしてきたのである。

やはり金融政策

 目下世界の主要国では、おしなべて大幅な金融緩和政策が採られている。よく知られているように、オープン経済の下で財政拡大を行った場合、それが実物経済にプラス効果をもたらすことは確かだが、その一方金融経済の面でそれをキャンセル・アウトするような作用が生じる。金利上昇・為替上昇によって対外収支が悪化するからだ。だからこそこれまでは、多くの先進工業国で財政政策は積極活用されず、金融政策への依存を高めてきた。唯一の例外は、90年代の日本だった。

 ただしリーマン・ショックの際は、世界的な規模で財政拡大することとなったため、一国のみに為替上昇圧力がかかることは避けられる状態であった。ショックによる経済低下のスケールが大きかったこともあり、主要国で財政拡大が行われる特殊なケースとなった。その後は、財政赤字の問題が深刻化するなかで、やはり金融政策への依存が高まっている。

 金融政策にここまで依存することの是非については、専門家の間でも意見は分かれる。今後データが蓄積された段階で、米国のQE(量的緩和)の効果など、厳密な実証分析の対象になるだろう。しかし、バランス・シート調整が必要な事態が後を絶たない以上、当面金融政策に頼る以外に方法がない、というのが実情だ。

 ただし日本の場合、金融政策への要請は他の先進工業国の場合とかなり異なっていることを明確に認識すべきだ。多くの国では、まず経済が危機的状況に陥って「コンフィデンス」に危機が生じた場合、最後のリスクの引き受け手として中央銀行が資金を供給するという機能が求められる。そしてその後は、金融緩和を通じて総需要の刺激を期待するわけだ。しかし日本の場合は、通貨量の増大を通じてデフレ(全般的な価格低下)を克服することが期待されている。もちろん、物価が緩やかに上昇しその結果として実質金利が低下すれば、総需要を刺激するという効果も生まれる。しかしそれ以上に重要なのは、金融緩和によってインフレ「期待」を高めることである。残念ながら日本銀行は、こうした期待を市場に抱かせることに、これまでのところ成功していないのである。

(2012年10月19日)

(日本経済研究センター 研究顧問)
http://www.jcer.or.jp/column/takenaka/index412.html


中国がくしゃみをすると日本はどうなるか
−1%でー0.1% アジアは-0.9%
http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/today/rt121019.pdf  

  拍手はせず、拍手一覧を見る

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
  削除対象コメントを見つけたら「管理人に報告する?」をクリックお願いします。24時間程度で確認し違反が確認できたものは全て削除します。 最新投稿・コメント全文リスト
フォローアップ:

 

 次へ  前へ

▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > 経世済民78掲示板

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。

     ▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > 経世済民78掲示板

 
▲上へ       
★阿修羅♪  
この板投稿一覧