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イタリア「13年の収支均衡 難しく」 グリリ経済・財務相、マイナス成長に下方修正 景気持ち直し「来年半ば」
【ローマ=原克彦】イタリアのグリリ経済・財務相は日本経済新聞記者と会い、2013年の経済成長率の予想を従来の0.5%からマイナス0.2%に下方修正したことを明らかにした。13年は財政収支の均衡を目指していたが、「税収も当初の想定を下回り、赤字になる」と述べた。ただ、13年半ばからは景気が持ち直し、一段の悪化は避けられるとした。
伊政府は欧州債務危機の影響で、12年の国内総生産(GDP)が物価変動の影響を除いた実質で前年に比べ2.4%減り、4月に想定していた同1.2%減より大幅に悪化すると認識。グリリ氏は「13年も当初は12年の落ち込みが尾を引き、その後に再び成長が始まるとみている」とした。
GDPに対する財政赤字の規模も12年に2.6%、13年は1.6%といずれも従来予想より約1ポイント拡大する見込み。モンティ政権が掲げた収支均衡の先送りは避けられない状況だ。グリリ氏は「名目上は赤字になるが、景気変動分を調整すれば均衡する」と説明した。
グリリ氏はイタリア経済が、ギリシャやスペインのように支援を必要とするほど悪化することはないと強調。「救済を要する銀行はなく、製造業も健在だ。失業率は10%台に上昇したが、25%になっている国とは状況が違う」と語った。
14年と15年は、それぞれ1%強の経済成長を見込む。「慎重で控えめな数値だ。競争力を高めるために取り組んでいる労働市場改革や財政再建の成果は織り込んでいない」としている。
イタリア国債は7月、10年物の利回りが、持続的な財政運営が難しくなるとされる7%に近づくまで売り込まれた。ただ、欧州中央銀行(ECB)が追加の国債購入策を打ち出した9月以降は5%台前半で安定している。
グリリ氏は「心理的な問題を抱えていた市場に刺激を与え、理性のある状態に戻した」とECBの決断を歓迎した。
金融安定化に向けた取り組みでは、欧州連合(EU)が銀行監督の一元化に向けて動き出したことにも言及し、「欧州の金融システムの強化に役立つ。可能な限り早く実現すべきだ」と指摘した。「現行案では、非ユーロ圏の加盟国の参加も歓迎している。できれば全ての国に加わってほしい」と呼びかけた。
ビットリオ・グリリ氏 財務次官や欧州連合(EU)の経済・財政委員会の議長を歴任し、昨年はイタリア中央銀行の総裁候補にも挙がった。経済学の名門・伊ボッコーニ大学出身で、米ロチェスター大で経済学博士号を取得。米英で大学教授や銀行員を経験している。経済・財務相を兼務していたモンティ首相の後任として、7月に副大臣から昇格した。55歳。
[日経新聞10月18日朝刊P.7]
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