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歴史的な転換の真っ只中にある原油貿易 米国の生産回復で輸出入パターンが一変
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投稿者 MR 日時 2012 年 10 月 19 日 00:11:29: cT5Wxjlo3Xe3.
 

JBpress>海外>Financial Times [Financial Times]
歴史的な転換の真っ只中にある原油貿易
米国の生産回復で輸出入パターンが一変
2012年10月19日(Fri) Financial Times
(2012年10月18日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)


原油タンカーの流れも大きく変わろうとしている〔AFPBB News〕

 メキシコ、ナイジェリア、サウジアラビア、英国、ベネズエラ――。米テキサス州のコーパスクリスティ港に停泊するタンカーの出航地は、かつては世界有数の石油輸出国の名前を読み上げるようなものだった。

 現在、このリストは短くなっている。実際、この港は1940年代以来初めて、イーグルフォードという近くのシェール地帯から何百万バレルもの石油が流れ出ているために、外国向けの原油の船積みを手掛けている。

 「信じられないことだ」と話すのは、港湾の副事務所長フランク・ブローガン氏。「何十年もの間、輸入原油が我々の主要な積み荷でしたからね」

 コーパスクリスティは、世界の原油貿易で進行中の歴史的な転換の中心にある。

減少に転じる大陸間の原油貿易

 北米で原油生産が回復しているため、輸出入のパターンが変化しつつある。国際エネルギー機関(IEA)は、大陸間の原油貿易が2017年まで減少し、長年にわたる右肩上がりの成長が反転すると予想している。

 西側諸国の石油監視機関であるIEAのマリア・ファン・デル・フーフェン事務局長は「世界の石油地図は今後5年間で描き替えられるだろう」と言う。

 IEAの試算では、2017年には昨年より160万バレル少ない日量3290万バレルの原油が世界の異なる地域間で取引される見通しだという。原油貿易の減少は、各国の国際収支とエネルギー産業に影響をもたらす可能性が高い。

 新たな貿易地図は、原油の油種間の価格関係も変化させ、スイスに本拠を置くヴィトルやグレンコア、トラフィグラ、ガンヴォル、マーキュリアのほか、BP、ロイヤル・ダッチ・シェル、トタルの商社部門などの世界のエネルギー商社にビジネスのやり方を見直すよう迫るだろう。

 また、バーミューダに本拠を置くフロントラインや米国に本拠を置くOSGなどのスーパータンカー会社の船舶需要にも打撃を与える可能性がある。

北米を中心に塗り替わる地図

 世界地図の変化は北米を中心としている。カナダや、テキサス、ノースダコタといった米国の州で生産が増加しているため、北米の精製業者は輸入量を実に日量260万バレル(現在のクウェートの原油生産量に匹敵する量)も減らす見込みだ。

 輸入の変化は様々な原油油種間で一様ではなく、精製業者は外国からの高品質の「軽質低硫黄原油」のオファーを断る可能性が高い。米国は今年、この種の原油の供給国であるナイジェリアからの輸入を半減させた。

 「軽質低硫黄原油の輸入は年に日量40万バレルずつ減るという着実な減少ペースをたどると我々は見ている。そのため2014年には、この種の原油の輸入量が非常に、非常に低い水準になるだろう」。フランスのトタルの商社部門トタル・オイル・トレーディング(TOTSA)の原油部門責任者トーマス・ウェイメル氏はこう言う。

 米国大西洋岸の製油所は、外国産石油を急増する国内産石油に置き換える新しい方法を見つけつつある。

 米国の国内生産が活況を呈しているため、この地域の指標原油であるウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)の価格が他の油種に対して低下している。今週はWTIとブレント原油の価格差(WTIの方が低い)がバレル当たり24ドルを超えるまで広がった。この差は1年ぶりの大きさで、昨年付けた28ドル超という過去最大記録に近づいている。

 ニューヨーク州の州都オールバニでは、エネルギー物流商社のグローバル・パートナーズが、国内原油の列車貨物を空にしてバージ船に載せ、ハドソン川を下って精製業者に販売している。「これは西アフリカ(の原油)に代わるより良い代替手段だ。最終的には西アフリカの原油から手を引くことになるだろう」と同社CEO(最高経営責任者)のエリック・スリフカ氏は言う。

中東諸国の原油輸出も減少へ

 世界の石油地図で起きるもう1つの大きな変化は、今後5年間で中東の原油輸出が減少することだと見られている。IEAは、2017年には中東の輸出が昨年の水準より日量190万バレル程度少なくなっていると考えている。

 2つの要因が迫り来る中東の輸出減少を説明する。

 1つは、中東がより多くの原油を地元で精製するようになること。サウジアラビアでは、国営石油会社サウジアラムコがトタルおよび中国石油化工集団(シノペック)と提携して日量40万バレル規模の製油所を2つ建設している。これらの製油所は、マニファとして知られるサウジアラビアの最新の油田で産出される原油をほぼすべて処理することになる。

 2つ目の要因は、シリア、イエメン、オマーンで生産が減少することだ。

変化への適応を迫られる商社

 全体として見ると、先進国による原油輸入は今後5年間で日量430万バレル減少するだろう。一方、発展途上国は2017年に昨年より日量270万バレル多くの原油を外国から購入するだろう。だが、米国と中東の産油国がこれまで以上に国内で原油を精製し、製品を海外に輸送するようになるため、原油貿易の縮小は燃料貿易の拡大とともに起きる可能性がある。

 そのルートが世界の原油貿易の根幹をなす商社も、適応する必要が出てくる。

 例えば、BPは2年前に、世界の石油地図の変化に対応して商社部門の大幅な構造改革を行った。BPの統合供給貿易部門のCEO、ポール・リード氏は構造改革を発表した際、BPの資産基盤は圧倒的に成熟市場にあり、成長する新たな消費市場の「一部に対しては相対的にエクスポージャーが小さい」と電子メールで従業員に語った。

 トラフィグラも、急成長するアジアへの投資を増やすことで変化に適応している。同社は今年、1億3000万ドルを投じてインド南部でナガルジュナ・オイルが計画する製油所の権益を24%取得したと発表した。同社はまた、この製油所の敷地内の貯蔵タンクに1億2000万ドル投資することも発表している。

ニッチは常に存在

 他の商社は米国で事業を拡大し、より多くの国内原油を輸送する必要性から利益を得ようとしている。ヴィトルは、米国の原油パイプラインを専門とするブルーナイト・エナジー・パートナーズの株式を50%取得した。シェルの商社部門は最近、米国の国内原油をカナダに輸出するための免許を米国政府に申請した。

 「石油が世界の様々な地域間を動いている限り、商社にとってニッチが存在する」。ヒューストンに本拠を置くコンサルタントで元ヴィトルの原油トレーダー、アンディー・リポウ氏はこう話す。「ただ流れの方向が変わるというだけだ」

By Gregory Meyer and Javier Blas

http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/36351

 


 

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