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ソフトバンクによるスプリント買収にみる孫氏の勇み肌  早くもQE3の効果切れ?〜和らぐ世界景気減速リスク
http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/143.html
投稿者 MR 日時 2012 年 10 月 16 日 23:13:52: cT5Wxjlo3Xe3.
 

(回答先: 孫正義氏が挑むガラパゴス症候群の壁−Wペセック  投稿者 MR 日時 2012 年 10 月 16 日 23:04:58)

ソフトバンクによるスプリント買収にみる孫氏の勇み肌
2012年 10月 16日 21:45 JST 
 【東京】ソフトバンクによる米スプリント・ネクステルの200億ドル(1兆5700億円)での買収は、同社が再び業績の悪化した携帯電話業者の立て直しを図り、業界のリーダーたちを驚かせるための計算された賭けだ。 

 これはまた、男のエゴでもある。

 ソフトバンクの孫正義社長は「男子として生まれたからには、いずれは世界一になるぞという高い志は持っている」と述べた。

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Associated Press
ソフトバンクの孫社長(左)とスプリントのヘッセCEO
 スプリントは長い間、国内の競合他社と合併するものとみられていた。だが、米携帯電話3位の同社は多くの負債を抱え、米国市場ではまったく経験のない日本からの求婚者に身売りをする。

 米経済誌『フォーブス』の長者番付で日本の2位にランク付けされた孫氏は、日本3位の携帯電話会社とヤフー・ジャパンの一部、中国インターネット大手の阿里巴巴集団(アリババ・グループ)の一部という関連性のない資産に、スプリントを加えることになる。スプリントの買収が、ネットワークや従業員の重複といった典型的なコスト削減の源とは無縁であることを意味する。

 取引の進め方さえも従来の方法とは違う。ソフトバンクは3つの段階を経てスプリントの支配権を得る。まず初めにスプリントの転換社債を31億ドルで引き受け、同じ価格で新株を50億ドル分購入する。さらに既存の株主から120億ドルの分の株を買い入れる。これらが終了しても、ソフトバンクはスプリントの70%を保有するだけで、残りは市場で取引されることになる。

 このためスプリント株主は、この買収案を認可する必要のある複数の規制当局者と同様、いくつかの細かい点で戸惑うこととなった。株価は買収案の内容が発表された15日、0.7%安の5.69ドルとなった。ただ、買収の話が最初に発表された先週末は13%上昇した。

 ソフトバンクの株主はスプリントの株主よりも買収を歓迎しておらず、ソフトバンクの株価は同じ期間で20%下落した。ただし、ソフトバンクの株価は16日の前場に7%余り上昇した。

 200億ドルを超える規模の融資を受けて行われるソフトバンクの積極的な買収は日本企業による海外M&A(合併・吸収)としてはドルベースで過去最大規模となる。また、リスクを恐れないディールメーカー、孫氏向きの取引であり、だいたいにおいて大きな賭けを避ける日本の企業文化のなかで同氏を際立たせるものである。

 ソフトバンクの孫氏とスプリントのダン・ヘッセ最高経営責任者(CEO)のつながりは、以前からできていた。両氏が互いに知り合いになったのは10年前だ。当時、ヘッセ氏は商用レーザー通信会社テラビーム・ネットワークスを経営しており、孫氏は同社に出資していたのだ。

 衛星テレビ受信用アンテナ程度の大きさの機器を会社の窓に置き、高速データ通信を行うというアイデアは実現しなかったものの、ヘッセ氏がテラビームCEOだった4年間は、両氏の関係の礎となった。

 ヘッセ氏は長い間、重い負債を抱えたスプリントを成長させるための資本獲得を模索していた。ただし、韓国のSKテレコムなどの企業やメキシコの有力者、カルロス・スリム氏の出資以外の方法だ。一方、孫氏は2006年のボーダフォン・グループ日本法人の買収でおさめた成功の再現を模索していた。ボーダフォンの獲得でソフトバンクは強大になり、国内の主要携帯電話会社から顧客を奪ってみせた。

 事情に詳しい関係者によると、買収に関する協議は今年、孫氏がスプリントにアプローチをかけ、本格的になったという。ソフトバンクは金融危機と高額なボーダフォン買収を乗り越え、ついに次の成長を狙えるだけ十分に安定したバランスシートを確保できたとの結論に達したのだという。

 ヘッセ氏は新生スプリントのCEO職にとどまる。また同社は引き続き本拠をカンサズ州に置くという。しかし孫氏が「運転席」に座ることは疑いがない。

 買収の話は日本でもすぐに伝えられ、ヘッセ氏は記者会見に出席するため日本に飛んだ。ヘッセ氏は新しい上司となる孫氏について、「ネクタイ姿(の孫氏)を初めて見た」と話した。

 孫氏はすでに、大阪といった日本の都市で過ごす時間よりも長い時間を米国で過ごしており、自分は「アクティブ(活発)な」会長になると話している。またビデオカンファレンスを通じて、スプリントの幹部らとも連絡を取り合えると述べた。

 買収が完了すれば、新生スプリントの取締役会は10人体制となるが、そのうちの過半数は孫氏が選任することになる。

 ヘッセ氏と同様、孫氏は日本の携帯大手2社による覇権体制の崩壊を試みる強い意志を持った経営者だと自分をとらえている。

 ボーダフォンの日本法人を買収した後、孫氏はウォール・ストリート・ジャーナルに寄稿し「2社が5分の4を独占する」携帯電話市場に「価格競争」をもたらすという自身の企てを披露した。孫氏は「革命的な」月額料金25ドルのプランを打ち出し、米女優キャメロン・ディアスを起用したコマーシャルでそれを宣伝した。

 ソフトバンクがボーダフォンを買収した頃、ボーダフォンは主要携帯電話会社のなかでは最小で、顧客を次々に失っていた。ソフトバンクは積極的なマーケティングと割安な価格で少しずつ競合他社の牙城を崩し、アップルのスマートフォン(多機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)」の日本における独占を3年余り継続、他社よりもうまく立ち回っていた。

 孫氏は15日、記者団に対する2時間のプレゼンテーションで米国の2大通信業者AT&Tとベライゾン・ワイヤレスに言及し、裕福な2社が市場を独占しているような状況は、挑戦者にとっては真の商機だと思うと述べた。

 スプリントには最大80億ドルのキャッシュが注入されることになるが、ヘッセ氏はこれで負債返済やネットワークの向上、米携帯電話市場の地固めで大きな役割を果たすための「内部的および外部的な」投資が可能になると指摘する。

 孫氏はソフトバンクの運営における自身の専門知識を米国に輸出することを望んでいる。買収の事情に詳しい関係者によると、そのなかには潜在性の最も高い消費者に訴求するべく、営業スタッフが販売方法と報酬制度を仕立てる一助となる難解な顧客分析システムが含まれている。

 孫氏は技術とサービスに改善をもたらすと述べたが、投資家の中には買収後にスプリントの運営方法と戦略がどう変わるのかについて、孫氏の発言は具体性に乏しいと不平をこぼす向きもある。

 東京で行われた記者会見での質問に答える形で、孫氏は米国で紹介するかもしれない具体的な商品の1つについて言及した。日本ですでに販売している、携帯電話ネットワークとつながったデジタル・フォト・フレームだ。孫氏は、米国でローンチしたいと述べた。

 孫氏はまた、米国で新しい高速通信網を敷設する手助けをすると約束した。孫氏は、米国に来るたびに接続が信じられないくらい遅いと感じると述べた。

 あるスプリントの投資家が指摘したように、ここでいくつかの疑問が生じる。米国では実際、LTE(高速通信規格)と呼ばれる最新ネットワーク技術の導入が進展しているからだ。

 結局のところ、回答はこうだった。トラストミー(私を信じてください)。

 強力な戦略とそれを実現させるための強力な計画がある、見守っていてほしい、と孫氏は述べた。

記者: DAISUKE WAKABAYASHI, ANTON TROIANOVSKI and SPENCER E. ANTE

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特集:ソフトバンク 米スプリント買収 2012年 10月 16日
厳しすぎるソフトバンクのスプリント買収への市場評価 2012年 10月 16日
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#勇み肌?


 

2012年10月16日  
早くもQE3の効果切れ?〜和らぐ世界景気減速リスク〜

10月に入ってから中国など世界景気減速懸念が高まる中で、米国で主要企業の業績見通し引き下げや決算が悪材料となり、米国株は軟調に推移していた。9月13日のFRBによるQE3の前まで、株価が調整したことをうけて、「早くも金融緩和効果がなくなった」などと一部メディアは解説している(グラフ参照)。

こうした中で、昨日(10月15日)の米国株市場は反発した。株価を支えているのは、経済指標が示す米経済の復調である。10月4日レポートで、米国の製造業・非製造業の景況感指数が9月にいずれも改善するなど、4-6月に悪化した主要経済指標の多くが、秋口から回復していることを伝えた。

主に企業や家計の景気の「実感」を表すサーベイが改善しており、これらが示すとおりに、実際に個人消費などの総需要が伸びているかが重要になってくる。世界経済の減速が長期化するリスクが拭えないが、やはり最後は米国の総需要の伸びが、世界経済全体に決定的に影響するためである。

先のレポートで、9月分米新車販売がリーマンショック前の水準まで戻り、遂に高額商品もそれなりに売れるようになったことをお伝えした。そして、足元の米国の消費活動の復調は、自動車だけに限定されていなかったことが今週判明した。

昨日発表された、9月分の小売売上は、前月比+1.1%と前月(8月+1.2%)に続いて2ヶ月連続で大幅な伸びとなった。世界経済減速を背景とした労働市場停滞などで、4-6月に小売売上にブレーキがかかっていたが、春先の減速を取り戻し、9月に大きく伸びた(グラフ参照)。2010、11年同様に、2012年も秋口から消費が再び伸び始めたことを強く示している。

http://www.monex.co.jp/static/jpmorgan/er/g20121016_2.gif

復調傾向にある米経済だが、設備投資や輸出の鈍化が響き、7-9月の成長率は2四半期連続で2%成長を下回った可能性があった。ただ、昨日判明した、個人消費全体の高い伸びを踏まえると、消費の押し上げで米経済は2%前後の成長率を維持したとみられる。

南欧諸国の不調は続いているが、それを米国の総需要復調が相殺し、世界経済は安定成長を取り戻すシナリオが見えてきた。そして、9月に行われた米欧の金融緩和の、経済活動の刺激効果はこれから出てくる。「QE3の効果切れ」との見方は早晩覆されるだろう。
http://www.monex.co.jp/Etc/00000000/guest/G903/er/economic.htm
 

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