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IMF総会の茶番
他の国には緊縮が行き過ぎたというコメントを発し、日本にだけは消費増税という緊縮を進めるIMF。
茶番。
さらにまだ日本にだけ強要する金融緩和と特例公債法案の国会通過。IMFに独自の政策はない。あるのは日本の財務省との協力だけ。
IMFの数々の失敗が明らかになっている昨今である。IMFは、アジアや発展途上国に対する仕打ちとは明らかに違った対応をヨーロッパに見せてもなんらデフレに対して効果を上げることができなかった。
刹那的な資金の融資とその回収と言う名の緊縮財政の強要では何も解決できないのである。
リーマンショック後彼らの取った政策は、全く的外れなものであった。低金利による金融緩和、ニューディールなどと称した大規模な財政支出による公共投資や生産刺激策は、デフレをより促進するものであり、政府の借金をさらに増やすことになった。
さらにギリシャなどの破綻しかけている国への資金融資は、融資と同時に資金の回収を約束させるもので、破綻した国の国民をさらに苦しめるものになっている。
日本という国がバブルの崩壊により、取った間違った政策を模倣した結果が、現在の世界の苦境を招いているのだ。
金融資産や地価の崩壊によるクラッシュは、大借金を形成し金融市場の資金を大量に急激に失わしめる。
その影響が国民所得を形成する産業経済基盤(ここではハートランドと呼ぼう。)にも及び、金融市場で生じた借金や、利子の返済のため、ハートランド市場から資金が流出していく。
これが市場の消費購買力を減退させるのである。デフレの特徴は、金融資産の崩壊が、資金の大幅で急激な減少を生じさせるが、生産能力は、ほとんど影響を受けず丸残りであることである。
それ故、不良在庫ができ、供給過剰のように見えるが、実際は資金不足による購買力の低下が不良在庫を積み上げているのである。
そのためここでできる不良在庫は、需要と供給のギャップから生まれたものではない。資金欠乏による供給過剰なのである。そのため資金の量に合わせるように生産量が減少することになる。
この減少した資金量に生産量が一致するまで下降して行くのがデフレスパイラルなのである。
そのため生産量を増やすことは、購買力がないため、余計に不良在庫を増やすか、単位あたりの付加価値が減少するかのどちらかとなる。
それ故に、デフレ下の生産刺激策は、全くのトンチンカンな政策となる。低金利による生産刺激策や、乗数の伴わない公共投資なども、付加価値の減少と借金の増大に寄与することになる。
また、逆に緊縮財政をとり、さらなる消費購買力を奪うような政策は、デフレを一挙に促進する。
デフレの解消のために世界が取ることは、緊急融資の合間に、各国の消費を拡大させる事だけである。
消費税を引き上げるような緊縮財政は、さらなる消費の減退を招き、デフレをさらに促進し、市民の生活を破壊していく。それがさらなる市場の萎縮を生み、破綻に至るのだ。
ユーロ圏は、一蓮托生であり、一つの国のデフレがどんどん他の国に波及していく。これを止めなければいずれ破綻し、ユーロは解消となる。
ドイツが健全なうちに、融資資金に余裕があるうちに、ギリシャやスペインの消費拡大を促し一刻も早くデフレから正常な経済に戻さなければならない。
それに最も手っ取り早い方法は、消費税の引き下げである。ギリシャや、スペインなどのそれほど工業生産群が強くない経済でも消費税が20%近く施行されているのは驚きである。
これは右えならえ主義の悪癖に過ぎない。自国の経済の強さに合わせて、消費税や税金の率を設けるべきものなのに、そのようなことを考慮せず、ただ他国のやり方だけをみて導入したのであろう。
それが自国の発展を阻害している事が分からないのである。よくあるあの国がこんな政策をとって成功しているから自分たちそうしよう、というものである。猿まねともいう。
ヨーロッパの破綻懸念のある国は、直ちに消費税を10%以下に下げるべきである。その後5%ぐらいまで様子を見ながら下げるのがよい。
これは消費者だけでなく、生産者にも大きな付加価値を約束することになろう。国民負担の軽減が市場を再び活性化させ、拡大再生産の循環に入ることによってデフレから逃れられるのである。
日本がバブル崩壊からデフレに陥りながらも、20年間も生きながらえてきたのは、一つには消費税が低率であったことが大きな要員と考えられる。付加価値の多くが企業に還元され、資金的な余裕を持ちながら経済が発展したのである。
しかるにヨーロッパは自国の社会保障を優先させたため、企業の発展が後回しになり、新興国の追い上げや、金融資産の崩壊により大きな痛手を受けている。
ヨーロッパは今は消費税を引き下げる時が来ている。公務員の削減と消費税の引き下げが、国民負担を大きく減らし、再び市場に活気が取り戻されよう。
しかし現在のあるいは今までのIMFという組織にこのような考えも機能もないようだ。ただ自分たちの失敗の結果を、あるいは、緊縮、あるいは成長と使い分けるように言い訳し始めたのである。
拙速な緊縮財政は取るべきではない。とはそういうことである。彼らの失敗の言い訳である。
茶番は、他の国には、その事情に応じて緊縮か成長路線を選ぶように言っているが、日本にだけ消費税引き上げと言う、デフレ促進策をすぐに取れと言っていることだ。日本にだけ緊縮策を取るようにアナウンスしている。
世界を破綻させてもいいようだ。
全くの財務省の代弁者である。正体が見えたIMFに政策を期待することはできない。
日本の財政事情がに非常に悪いのは誰でも分かっている。しかしここで消費税を引き上げると、市場から資金がさらに流出し、急激に市場が縮小し、恐慌のような状態に陥るだろう。
完全にデフレの罠に嵌まってしまうのだ。日本の場合直ちに消費拡大の政策を取り、デフレを解消させなければならない。(デフレ解消の船中8策参照)
現在の名目GDPは、1990年度を下回っている。
バブル崩壊後、まともな政策を取られなかったからだ。
自民党なのか、財務省主導か、はたまた経済学者の主導かは分からないが、その間とって来た成長戦略、上げ潮政策、低金利、過剰金融緩和、莫大な公共投資、各種製造業者への補助金、エコカー減税、地デジ促進の補助金、などのおびただしい経済政策がなんら成果を上げず、それどころかますますデフレを促進してしまった。
これは一重に消費拡大のための消費者への資金還元や国民負担の軽減がなかったためである。
首尾一貫した生産者への優遇策、あるいは銀行への資金投入は、完全に失敗だったのである。
日本政府の消費者への虐待が今日の日本の惨状をもたらしたのだ。
今ここでIMFや日本政府による消費税引き上げがなされれば、日本は一気に破綻の危機に陥り、世界恐慌引き起こすだろう。
IMFなどは、日本の消費税が低率であることを主な理由に、消費税引き上げの論陣を張っているが、日本が今までデフレにもかかわらず20年間生き延びて来たのは、消費税が低率であったからである。
恐らくヨーロッパのような消費税の20%近い国では、20年も持つまい。このままでは、後4、5年で崩壊する。
IMFがギリシャやスペインにいくら資金を融資しても、市場の拡大がなければ、デフレは解消されないのである。デフレ解消の切り札は、消費税引き下げである。それと同時に国民負担の軽減がなされれば一気に解決するだろう。
消費税引き上げ前にデフレ解消を。などと得意げに言っている人達はこのことを分かっているのだろうか。
一言主
http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/
http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou
デフレ解消の船中8策
デフレ解消策(船中八策)
1、ガソリン税を下げよ。
2、高速代金を全線、全車種3割負担で実施せよ。
3、雇用保険を満額給付せよ。
4、生活保護所帯以下の最低賃金所帯にその差額分を給付せよ。
5、住宅ローン破綻懸念者に国が代わりにローンを支払え。
6、金利を引き上げよ。(個人金利を引き上げよ。)
7、税金の物納を大幅に認めよ。
8、消費税を下げろ。
いずれも市場に資金を注入する方法であり、消費の拡大に貢献します。それがデフレ解消の正しい方策です。
茶番のもう一つ
IMFの総会や世界会議においても、使われているGDPは実質経済成長率であり、名目ではない。実質で議論している限りデフレから脱出することはできないだろう。
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