http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/129.html
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2012年10月13日 20:51 経済
日銀の外債購入は意味があるか
ロイターによると、前原経財相は日銀の外債購入のために日銀法改正を検討するという。「日銀がインフレ率1%を政府と協調しながら、早期に実現することが大事だ。日銀による外債購入についても、金融緩和の手段としてとり得る」という彼の話は間違っている。
http://jp.reuters.com/article/jpeconomy/idJPTYE89802T20121009
まず外債の購入は金融緩和ではなく、為替介入である。いま財務省の行なっている介入では、米国債などを買う。実際のオペレーションでは日銀が買っているので、違いはそれを外為特別会計ではなく日銀勘定でやるだけだ。問題は日銀法で外債購入ができるかどうかではなく(法解釈によっては今でも可能)、その効果があるかどうかだ。
日銀が外債を買ってベースマネーを増やすと、円安になるだろうか。日米のベースマネー比率と為替レートの関係を示す「ソロス・チャート」を見ると、図のように両者は2000年ごろまではパラレルに動いていたが、2000年代にはバラバラだ。
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51468824.html
この原因は、日本経済が流動性の罠に陥ったからだ。金利がゼロに貼りついた状態では、日銀がベースマネーを増やしても名目金利は下がらない。このとき考えられるのはインフレ率を上げて実質金利を下げることだが、それには次の3つの方法がある:
時間軸政策:日銀が長期的に緩和姿勢を持続することにコミットして予想インフレ率を高める
リスク資産の購入:日銀が長期国債や社債などを買って長期金利を引き下げる
円安誘導:財務省が為替介入でドルを引き上げ、輸入物価を上げる
このうち1は無害だが効果が少なく、2は効果があるが大量に購入することは財政政策なので、副作用も大きい。3は短期的には効果があるが、政府が大きな為替リスクを取るためには、国会の承認が必要だ。
日銀の外債購入は3と同じだが、これは財政政策なので日銀が大量にやることには問題が多い。財務省の介入資金としては外為特別会計があるが、日銀は独立採算なので、大きな為替差損が出た場合には一般会計から補填しなければならないからだ。
為替介入で市場に出る円資金を回収しない非不胎化介入をすべきだという話がよくある。高橋洋一氏は日銀が外債を購入すれば非不胎化介入になって緩和効果があると言っているが、これは嘘だ。流動性の罠では為替介入でマネーストックは増えないので、すべての為替介入は不胎化介入だからである。それは上の図で、日銀が激しく量的緩和をやった2000年代前半に円高になっているのをみても明らかだ。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/33732
要するに日銀の外債購入とは為替介入を日銀がやるだけのことで、短期的には円安効果があるが、長期的にその水準を維持するには莫大な資金が必要だ。税金を元手に数十兆円の博打を打つのは、賢明な経済政策とはいえない。これを理解できない政治家や自称エコノミストが、いつまでも下らない日銀バッシングをしているが、前原氏も基本的なマクロ経済学の勉強ぐらいしてほしいものだ。
佐竹 幸男 · トップコメント投稿者 · 勤務先: 会社員
凄く素朴な疑問なんですが、今の状況は「円高」なんでしょうか?
「円高」と言うより「一般勤労者の給料の高止まり」なのではないでしょうか?
諸外国の人達が同じ内容の労働をもっと低い報酬で行っているのに、日本人だけは高い報酬を求めるので輸出が難しくなっているだけのように見えます。
こんな事を言うと私自身も「日本人だ」と言う理由だけで過大な報酬を得ている一人になってしまいますが。
輸出競争力の為に、「所得低下競争」や「所得格差拡大競争」をすると言うのは恐ろしい事です。
ただ、日本の現状は余りにも「社会主義的」過ぎるかも。
返信 · · 土曜日 11:08
兼森 洋平
グラフを見てもわかるように円高が物凄く進んでいます。
そして、その影響によって以前は利益が出せていた輸出企業が同じ仕事で全く利益出なくなっています。
内需型の企業も多いのに、輸出型の企業の為に円高対策を打つ事への批判もよく見ますが、輸出企業との取引で利益を出している内需の企業が日本には多く雇用の受皿にもなっている事を考えると、これを看過している現在の金融財政当局のスタンスは無責任であるように思います。
返信 · · 昨日 8:31
佐竹 幸男 · トップコメント投稿者 · 勤務先: 会社員
円が上がっているのは確かにどう見ても事実なんですが、気になりますのはそれが「不当なほど高いのか」と言う点なんです。
低成長の日本の通貨が或る程度経済成長しているアメリカに対して割高になって行くのは当然なのではと言う疑問です。
政策をもって円ドル交換比率を変えようとするのは、私の眼には「自然に逆らう行為」に見えます。
日本人が生活水準を下げて現在の円高下での輸出競争力を付けるか?
或いは、移民政策でも進めて、もう一度「人口ボーナス」を起して成長率を高めてインフレーションを起すか?
その方が「自然に逆らわない」対策に思えます。
東南アジアあたりの多産な人達が入ってきたら日本の人口は再び上昇し出すと思うんですけどね。
返信 · · 昨日 11:45
兼森 洋平
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/fx/forecast/20110426-OYT8T00512.htm
上記グラフを使って為替を解説したものですが、
池田氏とは反対の説明になっています。
政策をもって円ドルレートが動く事を自然に逆らうと言われていますが、
その政策(ベースマネーの拡大)をユーロ、クローナ、ポンド、ドルetcが行った結果、日本円の独歩高が起きています。必要なのは他の通貨と歩調を合わせて「元の自然な状態」に戻して行く事をするだけなのだと思います。
確かに国際金融のトリレンマによって、日本は固定相場を放棄したのだから、市場への介入は本来すべきではないと思います。
しかし固定相場の放棄によって、独立した金融政策を手にしているのだから、それを使って通貨を安定させる事や目標インフレ率を達成していくというのは全く不自然ではないですし、世界各国がしている通常の政策だと思います。
高成長の国の通貨は高くなって行き、低成長の国の通貨は安くなって行くのが本来の状態ではないですか?
返信 · · 9時間前
Yuichi Gunji · Saitama University, Japan
相関関係はデータを時系列で並べれるか、多少複雑なら散布図書いてみれば一目瞭然だが、因果関係は仮説を示さないといけないし、その仮設が検証にたえるものでなければならない。高橋洋一氏は両者を混同している時点で落第だが、池田氏はソロスチャートとは別に日米の名目金利と円ドル交換レートを示す必要があるのでは?端折るのが好きなのはわかりますが、突っ込まれるのがわかっていながら(略
返信 · · 16時間前
青木 隆志 · トップコメント投稿者 · 自営業(個人事業主) 代表
民主党が野党のとき、日銀総裁の人事で国会でだいぶやり合ったのに、今回は自民党も賛同して法改正できるんですかね・・・。
それはさておき、経団連とかは円安誘導についてどう思っているんだろう?輸出企業が潤うならもっとやって欲しいというアピールがあると思うのだけど、大企業自体が結構現金持ちが多いので、資産を毀損する政策は嫌?
返信 · · 土曜日 14:05
「反グローバリズム」で人々は幸福になるのか
法人税は間違った税である
租税競争で地方は活性化する
経済学者の意見の違いは大きくない
馬淵澄夫氏はなぜデフレと不況を混同するのか
デフレは不況の原因ではない
「デフレ脱却」なんて意味がない
藤井聡氏の矛盾したバラマキ政策
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51816012.html
吉田恒の為替予想
一覧
「1ドル60円」示唆するソロス・チャート
4月にかけて起こった急激な円安・米ドル高は85円台で一息つきました。それはある意味で当然でしょう。為替など相場は実態経済の変化を先取りして動く傾向がありますが、別な言い方をすると、実態経済自体はそう簡単に変わらないからです。
たとえば、あの3月に76円台まで進んだ円高・米ドル安の原因は何だったでしょうか。1つのポイントは、米国の空前の金融緩和を受けて米ドルが「じゃぶじゃぶ」に溢れたということでしょう。
下のグラフ「ソロス・チャート」(注)は、日米中央銀行の資金供給量の差(ベースマネー比率)と米ドル円の関係を見たものです。これをみると、日米の資金供給量の差が空前の「米ドル余り」となり、その中で円高・米ドル安が広がってきたことがわかるでしょう。
ソロス・チャート
3月の東日本大震災などを受けて、日銀も一段の資金供給拡大に動いたものの、空前の「米ドル余り」は、このグラフを見る限りまだ顕著な変化はありません。「米ドル余り」は、米ドル円が60円程度の円高・米ドル安になる可能性を示唆しています。それは震災前後で大きく変わっていないのです。
相場は先取りするものです。――空前の「米ドル余り」に変化がなくても、この先、まだ日銀が円を「じゃぶじゃぶ」にする状況が続くだろう。一方で米国は出口戦略で余った米ドルの回収に動くだろう――そういった予想から、「米ドル余り」が変化することを見越して、米ドル買い・円売りに動くのはわからなくはありません。
ただし、実際の経済状況の変化は遅れてついてくるので、相場の先取りは何度か失敗を繰り返すのが普通です。その中で、本当に円高から円安へ中長期の基調が変化したのかを試すことになっていくのです。
(注)為替市場の代表的な参加者であるヘッジファンドが、かつてこの日米中央銀行の資金供給量の差と米ドル円の関係に注目し、話題になったことがあったことから、ヘッジファンドの有名人、G.ソロスの名前から「ソロス・チャート」と呼ばれています。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/fx/forecast/20110426-OYT8T00512.htm
欧州債務危機がEU解体招く恐れ、独は支援強化かユーロ離脱を=ソロス氏
2012年 10月 16日 04:39 JST
[ニューヨーク 15日 ロイター] 米著名投資家ジョージ・ソロス氏は15日、ユーロ圏債務危機が欧州連合(EU)崩壊をもたらすリスクが現実味を帯びているとし、ドイツは危機対策を強化するか、もしくはユーロを離脱すべきとの認識を示した。
ユーロ債務危機の影響は大きく、EUを継続的な景気低迷へと追いやっていると指摘した。
「ユーロ圏がEUを崩壊させる切迫した危険がある。これを回避するには、ドイツが自国だけなく債務不安国の利益にも配慮し、中核国として支援強化を受け入れることが必要」と述べた。
第二次世界大戦後、自由世界を主導した米国のように、ドイツも域内で指導的役割を果たすべきとした。
ソロス氏は一方で、ドイツのユーロ離脱が問題の解決につながるとの考えも示した。ユーロの下落や重債務国の国債利回りの調整を促し、「問題は瞬時に解決される」としている。
また政府に「リスクがない」とする見方が、ユーロ圏に関する誤った前提だと指摘。これはユーロ共同債の導入で克服できるが、「ドイツにとっては政治的に受け入れ不可能となった」と述べた。
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再送:UPDATE1: 米アマゾン、TIモバイルチップ部門買収に向け交渉=新聞
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http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPJT821670020121015
NEW YORK, Oct 15 (Reuters) - There is a real danger that the "nightmare" euro crisis could destroy the European Union and Germany should either step up to fix it or step out of the currency union altogether, fund manager George Soros said on Monday.
The crisis "is having tremendous impact in the state of affairs, it is pushing the EU into a lasting depression, and it is entirely self-created," said Soros, Chairman of Soros Fund Management.
"There is a real danger of the euro destroying the European Union. The way to escape it is for Germany to accept ... greater commitment to helping not only its interests but the interests of the debtor countries, and playing the role of the benevolent hegemon," he said at a luncheon hosted by the National Association for Business Economics
Germany should act as the leader of the union such as the United States was for the free world after the Second World War, Soros said.
The influential fund manager floated another solution to the crisis that has gone on for more than two years: Germany could leave the euro, "and the problem would disappear in thin air," as the value of the euro declines and yields on the bonds of debtor countries adjust.
The notion that governments are "riskless" is the main false assumption underlying the euro zone, Soros said, adding it could be corrected by introducing Eurobonds.
"But that has become politically unacceptable by Germany," he added
http://www.huffingtonpost.com/2012/10/15/george-soros-germany_n_1967821.html
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