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グローバル経済の危機は、もう打つ手がないのではないかと言われている。
近いうちに、リーマン・ショック以上の信用危機が襲いかかるのではないかとジョージ・ソロス氏を含め、多くの投資家・金融関係者も公式に発言している。
IMFのラガルド専務理事も改めて世界経済の成長鈍化が深刻化していることを2012年10月11日に述べており、「それがいよいよアジアの新興市場にまで波及した」との認識を示している。
誰に言われるまでもなく、投資家、政治家、金融関係者、すべての人がリーマン・ショック以降、戦々恐々としている。
世界中の投資家はすでに「もう駄目だ」という概念を共有している。一度でも大暴落が来れば、それが引き金になって、パニックがパニックを生むような事態になる。
■リーマン・ショック以上の信用危機が襲いかかる
リーマン・ショックのときは、「国」が破綻していく銀行を救済してグローバル経済の崩壊を防いだ。ところが、次は「国」そのものが崩壊していく。
もちろん、国家連鎖破綻がはじまったらそれを救済できる組織はどこにもない。それを指して多くの金融関係者は「リーマン・ショック以上の信用危機が襲いかかる」と言っているのである。
アメリカはオバマ大統領がチェンジを約束して大統領になったにもかかわらず、景気は一向に回復しない。
回復どころか、むしろ貧富の差が拡大して、持たざる者がより追い詰められる時代を作ってしまった。
すでにアメリカでは所得が増加しているのは上位1%の層だけであり、99%が見捨てられているような状況になっている。
ヨーロッパを見ると、相変わらずギリシャ問題が難航している。ギリシャでは借入をするための緊縮財政がまったく進んでおらず、それが借入の条件だったにも関わらず約束が果たされていない。
かと言ってギリシャを見捨てるとユーロ発の経済崩壊がやって来る。
最近のギリシャは政府と国民がまったくバラバラであり、政府は立ち往生している。もはやこの国の命運は尽きている。
スペインもまた窮地に陥っている。若年層で約50%の失業率であり、国債も2012年10月10日に格下げされてジャンク級一歩手前まで追い込まれた。
次の格下げでスペイン国債は事実上のジャンクと化して、打つ手がなくなる。
スペインは今年に入ってから3度目の格下げになっており、国が機能していないことがはっきりしてきた。
社会的対立が深刻化し、中間層が夜になったら街のゴミ箱を漁り、カタルーニャ州が中央政府に見切りを付けて独立するしないの話まで飛び出している。
経済崩壊で「国が崩壊」する姿があちこちに見られる。
■人間が金にかける執念は一筋縄ではない
もちろん政府運用者、金融関係者、投資家は金融崩壊で痛手を被る筆頭にあるから、そう簡単にはグローバル経済を崩壊させることはない。
誰でも自分の資産が吹っ飛ぶのは嫌だから、必死になって崩壊を防ぐ。一般の人間は金のために生きていないが、上層部の人間たちは金のために魂ですら売る。
つまり、崩壊を必死で防ごうとしているのは別に国民のためではなく自分のためなのである。単純な話だ。誰が他人のために尽力しようと言うのだろう。すべては自分のためだ。
自分の金が増えるかどうかで人は動いており、そのせめぎ合いで世の中は成り立っている。
だから、グローバル経済が崩壊しつつあっても、世の中はそう簡単に一直線に動かない。人間が金にかける執念や怨念は一筋縄ではいかないものなのだ。
しかし、人間のとめどない欲望が、負債を膨らませて膨らませてパンパンになるまで増大させて、いよいよそれが逆流して危機に陥っているのが世の中の動きである。
借金というのは利益の先取りだ。それを極限まで膨らませて返せなくなったときに返せと言われたとき、いくら緊縮をしても間に合わない。
それがアメリカの姿であり、ギリシャの姿であり、将来の日本の姿なのである。
これからどんでん返しが何度も起きるが、最終的な結論は「想像を超える崩壊劇」だ。ツケを返さなければならないが、返せない。つまり、崩壊は約束されているのである。人間の一生と同じだ。
「死はいつ来るか分からないが、必ず来る」
■アメリカの凋落は負け戦の長期戦争
大崩壊(ガラ)はヨーロッパから来るかもしれないし、アメリカから来るかもしれないし、突如として他のところから飛び火するかもしれない。
しかし、グローバル経済の崩壊の原因はアメリカだ。どこから始まったとしても、アメリカはその崩壊に飲み込まれていく。
アメリカはITバブル崩壊やエンロン事件を経験して、9.11の同時多発テロ以降は、アフガン・イラクへと歩を進めて軍事に傾倒していった。
その間、経済は絶好調だったのだが、それはサブプライムローンで作られたバブルだった。最初からサブプライムローンについては様々な人々がその脆弱性や危険性を指摘していた。
しかし、その債券は格付け会社によってAAAの格付けを与えられて世界中に売られていったのである。
2004年から2008年までは、世界中で高級品が飛ぶように売れていた。
ところがその間、アメリカ自身はアフガン戦争・イラク戦争で国力を疲弊させていた。国家の負債はブッシュ政権時代に急激に膨らんでいった。
これが累積債務の原因ともなっており、これからアメリカを破綻させる元凶になる。だから、今のアメリカの凋落はオバマ大統領の責任というよりも、前任者のブッシュ大統領の責任である。
戦争に邁進していったブッシュ大統領は明らかにアメリカの方向を誤らせた。アメリカの凋落は負け戦の長期戦争だ。
アメリカの負け戦と言えばベトナム戦争が筆頭だろう。ベトナムの泥沼で国を疲弊させたアメリカは、その後、猛烈な国力低下を経験した。
金融国家として立ち直るまでの10年間は、インフレや文化的衰退や経済的衰退まですべてを経験しており、今でもアメリカの絶頂期だった1950年代の黄金期には戻っていない。
■不良債権がすべて国家に集まった
長期的な目で見ると、ベトナム戦争が仇になってアメリカはゆっくりと衰退を始めたと見ても間違いではない。
そして、アメリカの衰退こそが、資本主義や、グローバル経済や、市場主義の限界になったとも考えられる。
金融市場主義は金融工学によってデリバディブが生み出し、そしてそれがグローバル経済に乗って世界中に拡散し、リスクを取る姿勢がレバレッジの増大へとつながっていった。
そして、ゴールドマン・サックスのような投資至上主義の企業によって客の注文に売り向かうような倫理違反が恒常化して、まさに「金のためなら何でもする」ような状況になった。
2007年、サブプライムローンの破綻が次々と伝えられるようになり、やがてそれが大きなうねりとなって巨大な信用収縮(クレジット・クランチ)を引き起こしていく。
2008年にはベア・スターンズを崩壊させ、リーマン・ブラザーズを破綻させ、AIGもフレディマックもファニーメイもすべて吹き飛ばす金融津波となっていった。
アメリカ政府とFRBが破綻寸前の金融システムを膨大な融資によって救済するが、それはほとんどジャンクと化した債券をどんどん買い取って資金を流し込む手法だった。
世界中がアメリカに倣って財政出動を行ったので、不良債権がすべて国家に集まった。
どの国も借金(歳出)が膨らんでいるし、実体経済が回復しない以上、歳入が減って国家的信用が減少している。
アメリカもユーロ諸国も日本もすべてソブリン・リスクを抱えている。特にユーロはスペインの格下げを見ても分かるとおり、今や国家存続の危機にまで追い込まれている。
もはや誰もユーロ至上主義を唱える人はいない。ひと頃の世界のユーロ崇拝を思うと、まさに隔世の感がある。
日本も存続の危機に立たされている。小泉政権は売国政権で、そのあとは短期政権が連綿と続いた。
挙げ句の果てに、政権交代で生まれた民主党政権は、日本史の中でも史上最悪の政権だったことが明るみになった。
2011年3月11の震災、中韓との軋轢、売国的な政治で、日本は再生を危ぶまれている。
これからも恐らく似たような政治家が無責任な国家運営をするならば、日本の将来は非常に暗い。
■私たちがまずしなければならないのは
アメリカは最大の軍事力と政治力を持ち合わせている強大な国家だから、危機に瀕しながらも、もしかしたら日本や欧州よりもしたたかに立ち回っていく。
しかし、累積債務を健全なところまで落ち着かせるには相当な覚悟が必要だから、楽観できる状態とは言い難い。
先進国すべてが危機に見舞われているのが現状だとすれば、このまま小康状態で続くと考える方が無理があるのは分かる。これから資本主義の存続を揺るがすような大事件が次から次へと起きる。
物が壊れるときは、どこが最初に壊れても結局はすべてが使い物にならなくなる。つまり、どこが最初に危機に陥っても結論は同じだ。やがて、すべてがダメになる。
国家破綻(デフォルト)が起きると、それは全世界を巻き込んだ大惨劇(カタストロフィ)へと突き進んでいく。そういう歴史の瞬間に私たちは立ち会うことになる。
それが来月来るのか、来年来るのか、そんなことは誰にも分からない。しかし、グローバル経済そのものが危機に瀕しているのだから、ソブリンリスクの先延ばしが潰(つい)えたところで世界は終わる。
経済活動が死ぬのだから、その瞬間に銀行も政府も企業も機能を停止するようなショックになると思ったほうがいい。
貯金も給料も年金もすべて失われる。大量の人が経済苦で死ぬ。それは必ず来る未来だ。
経済崩壊が起きたとき、国・マスコミ・為政者は、すべてが総出でこのように言い始めるだろう。
「ただちに影響がない」
「ただちに問題は起きない」
「普段通りに生活して下さい」
「銀行に殺到しないで下さい」
しかし、恐るべき事態が起きたと思えば、すぐに貯金を引き出しておくべきだ。
世界経済が崩壊しても、政府は「ただちに影響はない」と言う。そう言わなければパニックが起きるから、多少の国民が犠牲になっても、治安が保たれているほうがいいと政府は考える。
福島の原発の事故のときも、まさにそんな対応だった。
騙されてはいけない。本当はもう危機が始まっているのだから、銀行に貯金している感覚のほうがおかしい。
政府・銀行・企業がすべて機能を停止する惨劇がやって来るかもしれないと全世界の人が思い始めている。だから、銀行株は世界中で売り飛ばされて、株価もまったく上昇しない。
銀行が死ぬと、政府も死ぬ。政府も銀行も死ぬのであれば企業も死ぬ。企業が死ぬのであれば、働いている人はみんな助からない。
刻一刻とそのような事態が近づいている。
すでに多くの人々、組織が「もうグローバル経済のシステムが持たないから準備してくれ」と私たちに伝えてくれている。
言われなくても、どんどん世の中が悪くなっているのを私たちは知っているのではないか。
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