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見えない選別!これが「価値急落の6種族」だ
プレジデント 2012/10/11 14:00 人事コンサルタント 本田有明 構成=面澤淳市 写真=和田佳久
写真・図版:プレジデントオンライン
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人事コンサルタント 本田有明(ほんだ・ありあけ)
1952年、兵庫県生まれ。慶応大学哲学科卒業後、日本能率協会を経て96年に独立。著書に『本番に強い人、弱い人』(PHP新書)、『いつも「結果」が出せる人の仕事術』(PHP文庫)など。
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「どうして自分がリストラされるのか」……気づかない間に会社から必要とされなくなってしまう人は多い。その原因の一つは、会社が必要とする人材は常に変化しているということだ。
■自分が優秀だから人に任せられない
そもそも会社組織は一定以上のパフォーマンスを求められるが、パフォーマンスを高めるには不断のメンテナンス(組織の活性化、人材育成)が必要だ。メンテナンスを実行することで高いパフォーマンスが実現するのである。
わかりやすくいうと、まずは「うちの部署は元気だなあ。大将も一生懸命頑張っているじゃないか。自分たちも頑張らないと」という雰囲気を醸成する。それによって、おのおのが1・2倍の力を発揮する。すると5人で6人分の成果を挙げることができる。そこに目を向けるべきなのである。
ところが近年の成果主義は、短期的なパフォーマンスを追求するあまり、メンテナンスを軽視してしまうという傾向が見られた。そこに落とし穴があったというべきだろう。
その意味で、種族3:メンテナンスのできない人、後進を育てられない人は、いくら優秀でも組織のリーダーとしては不適格といえる。
プレーヤーとしては何人分もの働きを見せるスーパーマンのような人がいる。こういう人は周囲から見て、いかにも「できるビジネスマン」であり、管理職としても伸びていくのは当然のように思われている。
部下を持たされても、本人が優秀なため、2年くらいはまだ成果を挙げられる。しかし、異動したあとは「なんだ、誰も育っていないじゃないか」といわれるように、部署がペンペン草も生えない状態となっていることがたいへん多い。要するに、部下を育てることが下手な「焼き畑上司」なのである。
一つには、自分が優秀だから他人に任せるとまどろっこしい。それで、勘所にくると、自ら乗り出して受注に持ちこんでしまう。教えるヒマがないのである。
ところが、最近はここに別の事情が加味され、より面倒なことになっている。年功序列が守られた牧歌的な時代とは違って、場合によっては後輩が自分を追い抜くかもしれない。できる部下なら、ライバル会社に引き抜かれる恐れもある。
だから、勘所での契約の取り方など「虎の巻」的な知恵を簡単に授けてしまうわけにはいかない、と考えてしまう。よほど忠誠を誓わせている相手でなければ、肝心のことを教えないようになっているのだ。教える技術を持たず、そのためのヒマもなく、警戒心が働くので教えるつもりもない。“急落種族”の4は、「三重苦上司」である。
このような問題はすべて成果主義に起因している。そのことにいち早く気づいたのがトヨタ自動車である。
トヨタはちょっと前に成果主義を導入したが、わずか1年半で元に戻すという英断を下した。
従来は課長昇進の条件が「個人の成果」5割に対し、「育成」5割の比率だったが、それをいったん7対3に変えたのである。ところが変えたとたんに、社員たちが育成をないがしろにし始めた。つまり、そのままでは人が育たなくなるということだ。
そのことに強い危機感を抱いたトヨタは、課長昇進の条件を従来の5対5の比率に戻したのである。
そもそもトヨタには「自分を凌駕する部下を育てよ」(豊田英二元社長)という考えが脈づいている。社訓であるトヨタウェイ2001の「行動基準」にも「部下があなたに挑戦して、あなたの作った業務プロセスを改善するような風土を作ってください」とある。
この言葉は非常に重要である。
種族5:上の方針をそのまま下に伝える人、翻訳能力の欠如した人も、それ以上の出世は望めない。上との関係を重視するあまり、同僚や部下との関係をないがしろにしているからだ。
経営トップは刻々と変わる為替レートなどの状況から、朝立てた戦略を夕方にはもう見直さなければならない場合がある。では、現場はそれを受けてどう動けばいいのか。
たとえば大方針の変更があったとき、部課長であれば、現場が具体的にどう対応したらいいかを自分の言葉で説明しなければならない。そうしないと現場のモチベーションを保つことは難しいからだ。だが、最近はそうした言葉を持たない上司が増えている。
■つい言ってしまう“NGワード”とは?
実際、こんなアンケート結果がある。会社が急に方針転換を打ち出したときに「どうしてそうなるんですか? 」と上司に質問すると、高圧的に「上の方針だ。いわれたとおりにやればいいんだ」とだけいわれて、それでおしまい。そのことに対する不満は意外に大きいのである。
上司自身が決定の事情をよく理解していない場合もあれば、理解していても噛み砕いて伝えることができない場合もある。いずれにせよ、自分のチームを活性化しようという意識が希薄であることが問題だ。
本来なら、自分も理解していないときは「申し訳ないけど、俺もわからないんだ」といい添えればいい。それだけでコミュニケーションはずいぶん円滑になるものだ。しかし、最近の上司は沽券にかかわると思い込んでいるのか、その一言がいえないのだ。
そればかりか、ついうっかり、逆効果にしかならない次のようなセリフを漏らしてしまうことが少なくない。
「いいから、黙って働け」
「そんなこというヒマがあったら、ほかにやることがあるだろう」
「おまえの意見は聞いてない」
これらはコミュニケーションを完全にシャットアウトする言葉である。とくに「おまえの意見は聞いてない」となると、いわゆるホウレンソウのうちのソウ(相談)に応じないことになってしまう。
自分ではそういっておきながら、「うちの奴らはホウレンソウをきちんとやらない」と嘆いたりするので厄介だ。むろん部下の本音は「あの人に相談しても聞いてくれないんだからしょうがない」。こうなってしまっては、お互いに不幸である。
上のために働くのは当然だが、パフォーマンスを上げるには「下のために働く」ことを忘れてはならない。たとえば次のようなことだ。
自分の部署に閉塞感が出てきたようなときに、上司自身が部下の目線に降りて「どうしたらいいと思う? 」と話しかければ、部下はぽつぽつと意見を出してくる。そういったコミュニケーションがひんぱんになってくると、しだいに「あの人と一緒に仕事をするとおもしろい」「意見を聞いてくれる」という雰囲気が醸成される。すると人望が集まり、必ず仕事の成果もついてくるのだ。
では、部下と話し合うときは、どんなテーマがいいだろう。私が新任管理職にアドバイスしているのは、「とりあえず残業の撲滅から行ったらどうか」ということだ。
いま多くの会社員が重視しているのは「年次有給休暇の取りやすさ」や「実労働時間の適正さ」である(表参照)。夜8時までの残業が常態化しているようなところでは、短時間でパフォーマンスを上げるような仕組みを考えていくことで、部下たちの負担感が減り、働きやすい職場になる。事実上サービス残業になっているとしたら、なおさら効果が期待できる。
「どうしてうちはみんな毎晩8時まで残っているんだろう。どうしたら残業時間が1時間減るか、みんなでちょっと話し合わない? 」
こうやって話し合っていくことで、働きやすさが改善するし、単位時間の生産性も向上する。また、次のような本音も引き出すことができるかもしれない。
ある会社では、多忙な時期は残業が増えるのも仕方がないが、そういうときに「遅くなったね、でも頑張ってるね」とねぎらってほしいという意見が出たという。
それで残業時間が減るわけではないが、一言の気遣いが大事なのである。さらに進んで、8時まで残業が続くとしたら、途中の6時ごろに上司が甘いお菓子でも差し入れするようにしたら、とても雰囲気がよくなったという報告もある。
※すべて雑誌掲載当時
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最終更新日:2012/10/11 14:00
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20121011-00007374-president-nb
見えない選別!これが「価値急落の6種族」だ【1】
PRESIDENT 2010年10月4日号
人事コンサルタント 本田有明 構成=面澤淳市 写真=和田佳久
人事コンサルタント 本田有明(ほんだ・ありあけ)
1952年、兵庫県生まれ。慶応大学哲学科卒業後、日本能率協会を経て96年に独立。著書に『本番に強い人、弱い人』(PHP新書)、『いつも「結果」が出せる人の仕事術』(PHP文庫)など。
「どうして自分がリストラされるのか」……気づかない間に会社から必要とされなくなってしまう人は多い。その原因の一つは、会社が必要とする人材は常に変化しているということだ。
仕事ができるより“人気”が大事
「今後は仕事ができても“人気”のない人は出世できない。そればかりか、リストラの対象にもなりうる」
出所:日本経済新聞社
私は人事コンサルタントとしてさまざまな業種の人とお会いしているが、最近よく耳にするのが、中堅社員に対するこのような評価である。
私自身は現場の人たちと接しているので「なるほど」と納得できるが、多くの人にとってはショッキングな言葉ではないだろうか。
なにしろ、たとえ仕事ができても、部下や同僚に嫌われ「一緒に仕事をしたくない」と思われるような人は、上にいけないというのである。大げさにいえば、日本企業における出世の法則が変わってきたのだ。
背景にあるのは、成果主義人事の行き詰まりである。
バブル崩壊後、日本企業の多くは、個人の成果を報酬や昇進に結びつける成果主義的な人事制度を競うように取り入れてきた。そこでは、結果を出せる社員がすなわち「いい社員」であり、周囲と円滑な関係を築けるかどうかは2次的な要素とされた。
ところが、ここへきて深刻な副作用が出始めた。「なにがなんでも成果を出す。そのためには、あらゆる犠牲を払う」といった極端な成果至上主義に陥り、部下や同僚、あるいは協力会社の人と「うまくやる」ことができない中堅社員が増えたのだ。
いうまでもなく、会社は組織で動いている。コミュニケーションがなおざりにされれば、組織全体としてのパフォーマンス(成果)はじわじわ低下する。日本企業の多くは、改めてそのことに気づき始めたのだ。
もっとも、成果主義そのものが悪いのではない。高いパフォーマンスを目指し、チーム全体であれこれと工夫をこらすのは当然である。
だが、ややもすると成果主義は「自分だけよければ」という個人成果主義に堕してしまう。とくに営業関係など数値化しやすい部署では、成績のよくないメンバーをあからさまに邪魔者扱いする雰囲気ができてしまった。
振り返ってみると、かつての日本型経営においては、メンバーどうしが「同じ釜の飯を食う仲間」として認め合い、良い意味でも悪い意味でも仲間意識が強かった。要領の悪い仲間が1人いると「しょうがないな、おれが教えてやるよ」と乗り出してくる“教え魔”がいたものである。
ところが成果主義の浸透で、古き良き仲間意識は急速に失われつつある。企業によっては完全に駆逐されたといってもいい。ここ数年は、会社側も「それでいいんだ」というメッセージを発してきたからだ。
その結果、組織内のいわゆる「いい人」が居場所をなくしてしまった。業績が格別いいわけではないが、性格が温厚で、結果的には組織を底上げしているような人たちである。彼らが十分な評価を受けず、代わりに、仕事はできるが、クールで個人主義的な人物が勝ち残ってしまうのだ。
さて、本当に問題なのはここからである。クールで個人主義的な、仕事のできる若手がリーダーに昇進したらどうなるか。
ここ4〜5年、いくつもの大企業で使えない種族といわれているのは、種族1:「若手有望株」だ。管理職としては使い物にならないのだ。
この手のビジネスマンは、1プレーヤーとして自分の成績を挙げることには長けている。しかし彼らは、個人成果主義のもとで、要領の悪い仲間を邪魔者扱いすることに慣れてしまった。
リーダーとしてチーム全体の成果に責任を持つ立場になると、なおさらその意識を強めるはずだ。成績のよくない部下を教育し底上げするのではなく、無視するとか、場合によっては排除しようとするのである。
そのため組織には亀裂が走り、怨嗟の声が満ちるようになる。当然ながら、こういった上司には「あの人とは仕事をしたくない」という悪評が立つ。
「部長と刺し違えてもいい」と思う
私は顧問先で部課長向けの研修をするときに、あらかじめ部下から聞き取り調査を行うようにしているが、4〜5年前から次のような声を耳にするようになった。
「私が辞めるか、部長が辞めるかのどちらかです。刺し違えてもいいと思っています」
まことに激越な言葉である。ところが、上司自身にはまるで自覚がない。
人事コンサルタント
本田有明氏
調査結果を受けて部課長本人に「あなたの部署はこういう現状ですよ」と伝えても、「他の部署と間違えているのでは?」となかなか納得しない。やがて事実だとわかると、今度は「誰がそんなこといったんですか!」と怒り始めるのだ。
もちろん発言者の名前を教えるわけにはいかないが、このとき上司の頭には「自責」の2文字は存在しない。彼のなかでは反発を覚える部下のほうが100%悪いのである。
そもそも、課長クラス以上になったときに一番重要なのは「自責の念を持つ」ということだ。たとえば部署内に伸びない部下が多い、残業が多い。こういうことはすべて管理職の責任である。どう解決するかは、まず自分の責任として考えなければならない。もちろん誰かに相談してもいいが、リーダーになっていく人にはそうした責任感が不可欠なのだ。
ところが彼らは、組織の問題が表面化しても「出来の悪い部下をあてがわれたから成績が伸びない。いい迷惑だ」と開き直り、すぐに責任転嫁をする。
この手の人は、係長・主任レベルになり、ほんの3〜4人のチームを組んで仕事をするという段階になると、早くもギクシャクした雰囲気をつくってしまう。プレーヤーとしては実績があるから必要以上にプライドが高く、できない人との連帯感を持てないのだ。
さすがに会社側も問題点に気づいているので、今後は管理職に引き上げる際に、このようなタイプは慎重に避けるようになるだろう。だから「人気のない人は出世できない」のである。
チーム全体のパフォーマンスを引き上げることがリーダーの仕事である。そのときに大事なことは、少数の「できる部下」を重用することではなく、多数の「ふつうの部下」をレベルアップさせることである。
最近は、それができない上司も増えている。
たとえば2割が「できる部下」、6割が「ふつうの部下」、残り2割が「できない部下」とする。この手の上司は、上位2割とだけ良好な関係を築き、その他の8割については「おまえら、邪魔だ」という認識である。
これではチームとしての成果は挙がるはずがない。
本来、「できる」2割は、何もいわなくても成果を出すものだ。上司はその勢いを止めないように、少々フォローをするだけでよい。大事なのはむしろ「ふつうの」6割をケアすることだ。
端的にいえば、2流ないし2.5流だった社員を、一緒に仕事をするなかで1.5流にまで引き上げるのだ。
ところが、種族2:上位2割とだけ仕事をする上司は、多数派である「ふつうの部下」や「できない部下」をあっけなく見限ってしまう。すると、「できない多数派」と、ひとくくりにされることで、ふつうの部下のモチベーションが下がり、結局は8割の部下のパフォーマンスを悪化させてしまうのだ。
以上は、いきすぎた成果主義の副作用といっていい。
※すべて雑誌掲載当時
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物流を支える高速道路網!多彩なルートで国内外へ
グランドセイコー物語 第4回 「シンプル」のすごみ
自ら考え、学ぶ力が身につく電子辞書は学力アップの特効薬
http://president.jp/articles/-/7370?page=2
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