http://www.mmc.co.jp/gold/market/toshima_t/2012/1275.html

IMF総会の最大の議論の焦点が欧州債務危機だが、舞台裏では、ギリシャ・スペインへの救済についてEUとの軋みが目立つ。

EU内部には、このまま緊縮を押し付ければ、欧州経済全体が失速するとの危機感が根強い。ギリシャにもスペインにも、緊縮条件の達成期限を2年間延長などの時間的猶予を与えざるを得ない、との妥協案が浮上している。フランスは「延長すべし」。ドイツは「延長に渋々妥協せざるを得ぬか否か。2013年のドイツ国内選挙まで最終決定は持ち越したい」。

対して、IMFは「国家再生仕事人」集団である。韓国など過去に経済危機に陥った国々への救済に当たっては。「容赦なく」厳格な緊縮条件の達成を強いてきた。妥協は許さぬ。ここでギリシャ・スペインに少しでも甘い態度を見せれば、それこそ「しめしがつかぬ」。

EUは参加国の納税者の顔色をうかがい、IMFは出資者（特に米国）の顔色をうかがう。
更に、EU諸国が公的レベルで抱えるギリシャ向け債権約2000億ユーロについても、IMFは民間債権者同様に「ヘアーカット＝強制債務削減」に応ずるべし、との姿勢だ。（当のIMFも200億ユーロの対ギリシャ債権を抱えるが、これについてはしっかり全額返済の条件を取り付けている。）IMFの最終要求は、ギリシャ公的債務の対GDP比を現在の約160%を2020年までに120%にまで引き下げることである。それが出来ないようであれば、ギリシャ救済から一切手を引くと突っぱねる。
しかし、EU（含むECB）側は、最終的にツケが納税者に廻る債務削減にはおいそれを応じられぬ。
欧州の納税者とIMFの出資者には超えられない溝があるのだ。
このギャップを埋めるべくIMF世銀総会の舞台裏でIMFとEUの間で様々な接触が試みられるだろう。今週の欧州の目は東京に向いている。

金プラチナともに欧州債務危機が懸念材料となり、金は当面1800ドルを超えられず。足踏みというか調整局面というか。中国経済悪化要因も足かせ。（豊島逸夫）

◆人民銀行総裁、年次総会欠席の深層・・欧米バンカーの動きに深謀遠慮！
http://www.eagle-hit.com/

これまで政治と経済は別次元の問題として、日中韓ＦＴＡの協議も進められてきたが、ここにきて中国は、中銀総裁までも欠席となる事態へとなっている。
竹島問題が理由として挙げられているが、果たしてそれだけか。

以前にも触れたが、中国政府内にも元首交代に伴う派閥抗争がある。
また、米国内の中国系企業に対する風当たりが強くなり、通信機器大手の華為技術らを安全保障上の理由に調査をし、米企業との提携を自粛するという報道もあった。
米大統選でロムニーがオバマより優位に立ったと報じられている。
ロムニーが大統領となれば、対中政策はより強硬なものとなり、為替操作国として訴えることを表明している。

つまり、中国の視線の先にあるのは米国である。
それも国際金融資本家らの対抗勢力が、中国内で台頭してきている可能性があるのだ。

中央銀行は、国際金融資本家らにとっての要である。
中銀を自分たちに思惑に反して動かされるのを嫌っている。
リビアのカダフィ大佐粛正の遠因にもそれがあった。

中国人民銀行総裁が、ＩＭＦ世銀年次総会に欠席することの意味は深い。
今後、経済金融面においても中国は、"協調性"のない独自の動きを採る可能性がほのめかされているのである・・・。（小出宏実）

参考記事
■ＪＰモルガンＣＥＯ:財政問題続けば米債は相手にされなくなる
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MBOXBN6TTDVJ01.html

10月10日（ブルームバーグ）：ＪＰモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者（ＣＥＯ）は、米国議会で財政赤字の対応をめぐり合意が成立しなければ、米国債は債券市場で相手にされなくなるだろうと述べた。

ダイモン氏はワシントンで開かれた行事に出席し、市場がそのように反応することは「事実上、確実だ」と述べ、「問題はいつ、そしてどのようにして起きるかだ」と続けた。

同氏は年末までに「財政の崖」問題を解決するよう議会に強く訴えている。今年６月、上院の委員会で行った証言でダイモン氏は税制と予算をめぐる議会の行き詰まりが長引けば、米国政府は金融危機を招く恐れがあると発言した。

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