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株式日記と経済展望
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中韓が結託して仕掛けたかもしれない恐るべきワナ。日本側が「対中金融協調」
に応じるのは、対韓スワップ協力以上のお人よし通貨外交と言わざるをえない。
2012年10月10日 水曜日
マレーシア、タイ、台湾の通貨は今年に入ってから人民元に接近するようになった
◆アジアを人民元経済圏にするな 10月8日 産経新聞朝刊 【日曜経済講座】編集委員・田村秀男
http://tamurah.iza.ne.jp/blog/entry/2889926/
今週、東京で国際通貨基金(IMF)・世界銀行総会が開かれる。「国際金融協調」は表看板、実は会議の舞台裏で通貨をめぐる国益ゲームが展開される。その点、日本が最も警戒すべきはアジアの標準通貨として台頭する中国・人民元である。どうすべきか。
一国の通貨は他国のモノや資産の物差しになることによって、労せずして富を奪取できる。基軸通貨ドルが典型例で、米国はお札を刷ればいくらでも石油や金属資源を入手し、国債と引き換えに外国製品を買える。ドル安に誘導すれば、相手国の対米債権は目減りし、米国の対外実質債務は減る。
早い話、日本政府は外貨準備を主として米国債で運用しているが、約40兆円もの評価損を被っている。2011年末の米国の官民の資産総額は21兆ドル(約1650兆円)を超えるが、ドルが一律に5%下落すれば1兆500億ドル強、米国の年間の経常収支赤字の2倍以上の評価益を得る。米国はドル印刷機のおかげで簡単に借金を帳消しにできるのだ。
◆ASEANも接近
米国とまではいかないが、他国がわれわれの通貨で貿易や金融取引に応じるようになればしめたもの。主権国ならそう考える。
中国は4年前のリーマン・ショック後、周辺の東南アジア諸国などに人民元建て貿易決済を広げる戦略を展開してきた。各国ともドル建て決済が主流なので容易ではないが、急がば回れだ。秘策は自由貿易協定(FTA)をてこにした貿易の拡大と、相手国通貨の人民元の変動への同調である。自国通貨が人民元に対して安定すれば中国との貿易が活発化する。その次のステップで人民元建ての直接決済を相手に勧める。ドルを介せば為替手数料を余計に払うし、為替変動リスクもつきまとう。「お互い、いいことずくめじゃありませんか」と。
グラフは円と東アジア主要国・地域通貨の対ドル相場を「リーマン」時を基準に指数化し、比較した。マレーシア、タイ、台湾の通貨は今年に入ってから人民元に接近するようになった。特に台湾ドルは人民元の変動とほぼ完全に一致するようになった。それこそが8月末の人民元による直接決済中台合意の伏線だ。東南アジア諸国連合(ASEAN)もいずれ台湾に追随する公算が大きい。
円、韓国ウォンは人民元と水準が大きくかけ離れているが、ウォンの変動幅はやはり今年初めから東南アジア通貨と同一化する傾向がある。韓国通貨当局はウォンの乱高下を抑えるという名目のもとに市場介入し、リーマン後、円に対して5割のウォン安に誘導。半導体や液晶などで対日競争力優位に立つと同時に、台湾やタイなどの通貨と歩調を合わせている。さらに日本抜きで中国とのFTA交渉に乗り出す気配だ。北京のシナリオ通り、韓国を含め東アジアはほぼ全域が人民元経済圏になるかもしれない。
日本の「お人よし」ぶりには目を覆う。野田佳彦政権はこの6月、人民元にとって初めての海外通貨との直接取引に応じ、人民元のアジア標準通貨化に手を差し伸べた。沖縄県尖閣諸島の国有化に対して、執拗(しつよう)で理不尽、国際法を無視した共産党主導の反日暴力デモによる日本企業破壊にもかかわらず、野田政権は中国との通貨スワップや円・人民元の直接取引拡大、中国国債の購入、人民元建て債券市場の育成などに協力する。目先の利益にばかり目を向け、中国のアジア通貨覇権を後押しする能天気ぶりである。
もともと、円はドル、ユーロに次ぐ国際通貨として認知され、企業も旅行者も世界の主要国のどこでも円で支払い、モノやサービスを購入できる。国債、社債、株式など円建ての金融資産は国際的に出回っている。
◆ハンディ背負う円
ところが、円建て貿易決済は主に本国と海外現地法人の間など日本企業同士に限られ、多くは依然としてドル建て決済である。他通貨に比べて大きく変動する円は日本企業ばかりでなく海外の企業や政府にとってもリスクが大きく、地域の標準通貨としては人為的に相場変動を管理、抑制する人民元に比べて巨大なハンディを背負っている。
このまま東アジアが人民元にのみ込まれてしまうと、日本の企業、金融機関とも人民元を手にしていないとアジア全域でビジネスができなくなる。中国共産党が指揮する人民元政策に翻弄(ほんろう)され、服従を余儀なくされる。経済の弱体化に伴い、日本は外交、安全保障面で不利になる。
野田政権が今すぐとれる対抗策はある。人民元の自由変動相場制への移行を対中金融協調の条件とせよ。人民元相場の操縦に批判を強める米国などと水面下でスクラムを組んで、北京と対峙(たいじ)する。IMF・世銀総会はその絶好の場なのだ。
◆人民元とウォンが連合、円を排撃 10月5日 産経新聞特別記者・田村秀男
http://tamurah.iza.ne.jp/blog/entry/2887820/
日韓、日中の対立は経済関係にも及んでいるが、痛感するのは日本の通貨戦略の不在である。
本欄ではすでに「日韓通貨スワップ協定」を取り上げた。円はリーマン・ショック後、ウォンに対して5割も高くなり、半導体、液晶など基幹部品産業がサムスンなど韓国勢にボロ負けに負け、瀕死状態に追い込まれている。韓国はスワップ協定により、逃げ足の速い海外からの短期資本のうち半額相当以上の外貨を日本から難なく調達できるので、安心してウォン安を放置できる。協定の期限は今月末で、野田佳彦政権もこのスワップ協定を見直しているが、国際金融市場の波乱を恐れる米国から延長を求められると、腰砕けになりそうな情勢だ。
野田政権は中国との間で通貨スワップの他に、円・人民元の直接取引拡大、中国国債の購入、人民元建て債券市場の育成など金融市場協力強化の話し合いを進めている。執拗で理不尽、国際法を無視した共産党主導の反日暴力デモによる日本企業破壊にもかかわらず、である。野田政権と財務官僚は人民元取引や人民元建て金融市場の拡大で日本企業や金融機関が巨大なビジネス・チャンスを得られると踏んでいるからなのだが、国益そのものである通貨覇権を中国に譲り渡す羽目になるという危機感が欠如している。
中国も韓国も日本の「ぼけ」ぶりを、さぞかし内心でせせら笑い、手を組んで日本の衰亡化を謀りめぐらせているのではないか、と疑わせるに十分なのが「リーマン」後の人民元、ウォンの円に対する相場動向である。
中国の通貨当局は流入するドルを全面的に買い上げる市場介入を行い、日々担当者が鉛筆をなめながら人民元の対ドル相場を決める「管理変動相場制度」を続けている。米国からの「人民元安誘導操作」の批判を受けて、ごくわずかずつ人民元をドルに対して切り上げる。韓国の方は日本と同じく自由変動相場制度を建前にしている。中韓の制度の差からすれば、人民元とウォンの相場変動のパターンは大きく異なるのが当然なのだが、対円相場でみると、両者の変動の波形はほぼ一致している。2010年初めからは特に連動ぶりが顕著で、中韓間で気脈を通じないと不可能だ。
水準のほうは、円は人民元に対して3割高、ウォンに対して5割高になっている。日本企業は韓国のライバルに対抗するためにも、ますます対中投資にのめりこむ。日本からの先進技術投資や地域での雇用を増やす流通業の進出を求める中国側の思うつぼだ。
中韓が結託して仕掛けたかもしれない恐るべきワナ。日本側が「対中金融協調」に応じるのは、対韓スワップ協力以上のお人よし通貨外交と言わざるをえない。対中金融協力とは、人民元の管理相場制を温存させたまま、海外での人民元の使い勝手をよくさせるご都合主義の国際化に手を貸すこと。対中協調は人民元の自由変動制移行を前提にすべきだ。
(私のコメント)
先週の「株式日記」では中国の人民元や韓国のウォンについて書いてきましたが、中国や韓国が好き勝手に為替介入して輸出に有利な政策を行なっているのに比べて、日本は頑なに円高政策を守っている。ドルやユーロに並ぶ国際通貨であるにも拘らず円の国際化が進まないのは、日本政府が円の国際化を望んでいないからだ。
円が貿易などで円で決済されるようになれば、円が基軸通貨化に近づくのですが、やはりアメリカに遠慮しているのだろうか? それに対して中国は人民元のアジア通貨圏の形成に着々と手を打って来ている。田村秀男氏の記事にもあるように、「マレーシア、タイ、台湾の通貨は今年に入ってから人民元に接近するようになった。」と指摘している。韓国のウォンもこれに歩調を合わせるようになって来た。
アメリカはこのような人民元通貨圏の結成に黙って見ているのだろうか? これは明らかにドルの基軸通貨制度に対する挑戦なのですが、中国はイラクのように叩き潰すわけには行かない。東アジア圏が人民元で決済されるようになればそれだけドルの存在価値がなくなり基軸通貨ではなくなる。このように見れば尖閣問題は日本と中国の問題ではなく、中国とアメリカの通貨戦争の最前線なのだ。
偶然にも東京でIMF総会が開かれるのは48年ぶりという事ですが、中国の代表団は欠席するようだ。尖閣問題が理由と言う事ですが、為替問題では中国は為替自由化を認めていない。だから出てこないのだろう。中国はG7にも参加していないから中央銀行総裁や財務大臣が国際会議に出る事はなくアメリカの圧力を回避している。それに対してG20では数の力でアメリカに対抗しようとしている。
アジア諸国の通貨が人民元に連動するようになって来たのは、ドルから人民元への流れが生じている為であり、それだけ中国経済に頼る国が増えてきたと言う事だ。リーマンショック前はアメリカがアジア諸国から大量にものを買ってましたが今では中国が一番のお得意様だ。日本にとっても中国が最大の貿易相手国でありアメリカは相対的に市場として小さくなっている。
アメリカが中国を敵視するように180度変わったのは、地政学的な問題よりもドル基軸通貨に対する中国の挑戦的な政策が原因だろう。日本も田村氏の記事にもあるように、「野田佳彦政権はこの6月、人民元にとって初めての海外通貨との直接取引に応じ、人民元のアジア標準通貨化に手を差し伸べた。」とありますが、これはアメリカにとってはドルに対する挑戦だ。日本がドル離れを起こして人民元決裁権に組み込まれる。
石原慎太郎がアメリカのワシントンで中国を挑発するような尖閣諸島購入すると言う発言は、中国に対する罠なのだろう。中国が尖閣に食らい付いてくればアメリカとしては中国を叩くチャンスが出来る。アメリカはドル基軸通貨制度がアメリカ経済の命綱であり、その特権を手放すつもりは無い。それに挑戦してきたイラクを叩きのめしたし、ユーロもギリシャ問題で崩壊寸前だ。今度は中国が挑戦してきましたが、尖閣がその決戦場になるだろう。
通貨の信用は経済力だけではなく軍事力などの裏づけが無いと弱い。日本の円が国際通貨になれないのは軍事力が無いためであり、中国が挑戦できるのは経済力ばかりでなくアメリカに対抗できる軍事力があるからだ。韓国も人民元に連動するようになって来たのは中国の通貨圏に組み込まれた事を意味する。アジアは世界の経済成長センターでありアメリカとしても黙って見ている訳には行かないだろう。
日本としてはアメリカと中国の通貨覇権戦争を黙って見ているしかない訳であり、中国が勝てば中国との貿易は人民通貨建てになるだけだ。タイやマレーシアや台湾は人民元に連動するようになりドルの影響は受けなくなって来た。これはIMFにとっても面白いはずが無い。アメリカはIMFを通じて新興国の金融支配をしてきたからIMFの権威もがた落ちだ。
日中韓のFTA交渉も進んできましたが、尖閣問題が起きてからは中断している。それに対して中韓の間でFTA交渉は進んでいるようだ。アメリカは国力の衰退で東アジアからも撤退していく以上は、ドルの基軸通貨も影が薄くなっていくのだろうか? しかしアメリカはカネの問題になると軍事力を行使してでも覇権を守ろうとするだろう。その場所は南シナ海か尖閣諸島になるだろう。その為にオスプレイが沖縄に配備された。
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