http://www.asyura2.com/12/hasan77/msg/863.html
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http://www.mmc.co.jp/gold/market/toshima_t/2012/1274.html
今や「退職貧乏父さん」という言葉が流行語になる時代。でも、息子や娘の目から見れば、「自分たちは年金貰えない世代」、父さんたちは「年金逃げ切り世代」。
FPは父さんたちに「退職後、夫婦でビジネスクラスで海外旅行」して、大事な老後の蓄えを減らしてしまうことは控えましょう、と説く。けれど、子供たちが老後になったとき、ビジネスクラスで海外旅行など、おそらく夢のまた夢ではないか。所詮「贅沢な悩み」と切り捨てる。
ゴールド・セミナーに、父さん世代とジュニア世代の両方が参加する時代だが、切迫感が違う。
父さん世代は、既にストックとして貯金などを抱え、その運用先に悩んでいる。対して、ジュニア世代は、貯金もろくにない。これから日本経済は益々厳しくなりそう。自分たちが老後になったとき、どれだけの蓄えを持てるのか、見当もつかない。政府も年金もアテに出来ず、自衛するしかない。
とはいえ、ジュニア世代の老後は、まだ30−40年先のこと。カネの余裕はなくても、時間の余裕は未だある。そこで、まず資産運用の選択肢を色々勉強してみよう。「金」もアリかな。でもなんか「怪しい」。とりあえず勉強だけでもしておくか。こんな感じでセミナーに参加しているのが実態だ。
そこで、講師の話を聞いてみれば、短期的に価格が変動して読みにくい。利息も配当金も産まない。どう見ても、資産運用の主役とは言い難い。だけど、この10年で円高にもかかわらず4倍以上に値上がりしているのはなぜか。リーマンショックや欧州債務危機などの「経済有事」に値が上がる傾向があるからだ。自分たちの老後までに世界経済に何が起きるか想像も出来ないので、「有事の備え」で今のうちからコツコツ月3000円程度から金の積み立てでも始めてみるか。
これが筆者がセミナー会場で実際に見てきたジュニア世代のリアクションである。
「金といえば先物などの投機」と考えがちな父さん世代と発想が異なる。ジュニアのほうが、よほど堅実である。
ひたすらリターンを追ってきた世代と、常にリスクに晒されてきた世代の発想の違いであろうか。
父さん世代は「金投資」。ジュニアは「金を貯える」という感覚だ。
そのジュニア世代でも特に女性の方が真剣である。氷河期世代の赤ちゃん連れ夫婦がセミナーに参加するとき、泣く赤ちゃんをロビーであやす係は、まず「イクメン」である。ママが会場内でセッセと講義内容をメモっているのだ。
今の社会の断面図をセミナー会場で感じる。
◆子供への住宅資金援助で共倒れ危機・・退職金は10年間手をつけるな!
http://president.jp/articles/-/7266
一見、華やかそうなアッパー・ミドルの生活であるが、内情は火の車というのが実態だ。実はいま私たちが真に学ぶべき生活設計の知恵は、ロウアー・ミドルの生活のなかにある。
最後に若年ロウアーの子供世代と、すでに退職金をたんまりと手にしたうえに、年金生活をエンジョイしているアッパー(高所得者層)の親世代が、揃って没落していきやすい盲点について触れておく。
いまの子供世代は、かつてのバブル景気を経験していない。超難関の就職戦線を潜り抜けて「ホッ」としたのも束の間、年収はいつまでたっても200万、300万円と低く抑えられたまま。上を見てもポストは大量採用されたバブル入社組で満席状態であり、自分が入り込む隙間は見つかりそうにない。
そこで先行きに対する厳しい見方が芽生え、日常生活は現実的かつ堅実なものになっていく。だからアフターファイブにお金を使ってまで1杯やることに価値を見出せない。また、買っても渋滞している土日しか使えず、維持費ばかりが飛んでいく自動車にも、はなから関心が持てないでいる。実際「免許を取ろうとも思わない」という若者が増えている。
そんな若手ロウアーの楽しみとして静かなブームとなっているのが何と「貯蓄」なのだ。毎月2万、3万円ずつでもコツコツ貯める。次第に預金通帳を開いて、数字が増えるのを確認することに快感を覚えていく。そうこうしているうちに、友達と預金通帳を見せ合い、「こんなに貯まったんだ」「ヘェー、すごいな」と会話を楽しんでいる自分に気つく。
とはいえ、それも貯蓄額が100万、200万円くらいまでの話。結婚をして、通帳の金額が400万、500万円と増えるのにしたがって、彼らは「頭金も貯まったことだし、そろそろマンションでも買おうか」と考え始める。無理をせず、自分たちで用意できる頭金と月々の収入を考え、身の丈に合った物件を購入するのなら何ら問題はない。数百万円で買える中古公団だってある。
しかし、ここで“悪魔のささやき”が彼らの耳に入ってくる。「せっかくマンションを買うのなら、退職金も残っているので援助する。それを頭金の足しにして、都心の広いところに住んだらどうだ」と親から声がかかるのだ。一見、ありがたい話ではあるが、これが後に大きな災いをもたらす。
いくら頭金の額を増やしても、購入金額そのものが大きくなれば、月々の返済額は多少なりとも膨らむ。それに地価の高い高額物件なら、固定資産税や都市計画税がアップする。そこに毎月の管理費もかさんでいく。また部屋数が増えれば、光熱費だってばかにならない。そうなると、子供の家計が破綻するリスクは跳ね上がる。もし緊急事態に陥っても、親は救いの手を差し伸べられるのか。
2000万円の退職金を手にしていたとしても、退職記念の海外旅行で100万円、住宅をバリアフリー化するためのリフォームで500万円、それに車を買い替えて400万円と使っていたら、残りは半分の1000万円。それに2人いる子供のマンション購入におのおの300万円援助したら、手元に残っているのはわずか400万円である。「まさか」と思ってはいけない。これは実際の話に基づいたシミュレーションなのだ。
もととも老後の生活のお金に強い不安を持っていたはず。年金で足らない分を毎月貯蓄から5万円ずつ崩していくのにしても、10年間で600万円だ。年金の支給が始まる65歳時点での女性の平均余命は23年。それを考えたら1380万円の蓄えが必要になる計算である。一時、大金が懐に入ったからといって、それに目がくらんで散財したり、子供を援助する余裕など初めからないのだ。もちろん、子供が緊急事態で苦しんでいても黙っているしかなく、後は親子で共倒れという悲惨な結末を待つばかりとなる。
それゆえ子供世代は、自分の身の丈以上の物件を選ばないことはもちろんのこと、そのまま賃貸物件に住み続けるという選択肢を検討することも重要だ。これから日本の人口は減り続けていく。その結果、賃貸市場の需給関係が緩くなって、家賃相場はダウントレンドに入るからである。また契約の際の条件も緩和され、高齢になったからといってNGというようなことはなくなり、いつまでも安心して住んでいられるようにもなる。
一方、親世代は虎の子の退職金を使うのではなく、増やすことを考える。日本航空の破綻で同社OBの企業年金が減額されたように、あてにしていた年金が満額もらえる保証はどこにもないのだ。
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