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今月5日の韓国の中央日報に、1997年の韓国の通貨危機において、「1ドルが惜しかった韓国は、隣国の日本に緊急支援を要請した。しかし日本は冷淡に拒否した。他国より先に150億ドルを回収したりもした。」との記事が載りました。
●自分の足を踏む日本の通貨スワップ計算(10/05中央日報)
この記事に登場した1997年の経済危機は、韓国国内で「朝鮮戦争以来最大の国難」とも呼ばれた、大変大きな経済危機でしたが、この危機が実際にはどのようなものであったのかを簡単に振り返って、この記事の真偽を見ていきます。
まず1997年という年は、1月に韓国財閥の韓宝グループ、3月に三美グループ、4月に真露グループに不渡りが発生するということが起き、年初から韓国経済に対する信頼が次々と揺らいでいったところから始まりました。5月のタイバーツの急落がきっかけとなって東アジア市場から国際マネーが流出し始め、7月に起亜自動車の経営危機が表面化したことがきっかけとなって、韓国からの外資の引き上げが本格化しました。
信用を失った韓国ウォンは半値以下に暴落し、この結果として外貨建て債務が実質的に2倍以上に増大することになりました。債務額が増大して必要な手元資金がぐんと増えたにも関わらず、外資引き上げによって手元資金がなくなり、政府・企業のキャッシュフローが枯渇する事態に陥ったわけです。
これに対して、韓国はIMFから210億ドル、世界銀行から100億ドル、アジア開発銀行から40億ドル、日本から100億ドル、アメリカから50億ドル、その他から50億ドルの、総額550億ドルの金融支援を受けて、とりあえずの急場をしのぎました。
しかし、急場をしのぐキャッシュを手にしても、それを対外的な返済に向けるだけで終わってしまうという状態では、韓国の国際信用の回復には当然つながりません。短期債務の繰り延べ(支払い期限を延期させて当面の支払いをなくす処置)を行わないと、ウォン安を止めることはできない状態にありました。
当時韓国の抱えていた民間短期対外債務残高は320億ドルで、その借入先の内訳は、日本が118億ドル、欧州全体で118億ドル、米国42億ドルで、日米欧が圧倒的な割合を占めていましたから、日米欧の民間銀行が債務返済繰り延べに応じてもらえるかどうかが、韓国の国家破産を回避できるかどうかの鍵を握っていたのです。
この中で最も精力的に動いたのが日本政府と日銀で、日本の金融機関に対して返済繰り延べの説得に奔走し、混乱する金融市場の中で邦銀の合意を取り付け、これを背景に日米欧民間銀行団の短期債務繰り延べ交渉を妥結に導いたのです。さらに万が一の時に備えて、さらに100億ドルの債務保証まで行い、必要に応じて追加融資の準備があることまで示しました。
韓国がいざという状態になっても、日本が裏から強力に支えてくれるという安心感ができたことが、この経済危機を終わらせるのに実に大きな役割を果たしたのでした。しかも、欧米の外資が次々と資金を引き上げる中でも、日本の金融機関は最後まで資金を引き上げずに、最後まで韓国に協力的な姿勢を示していたのです。
にもかかわらず、時の韓国大統領の金泳三は、日本の金融機関がその資金を引き揚げたためにこの危機が起こったという、事実に反する言いがかりをつけ、「全ての責任は日本にあり、韓国政府にはない」と言い切りました。皮肉なことに、金大中政権が金泳三の不正追及の作業を行っていく中で、まさに言いがかりにすぎなかったことがはっきりするというオチまで付きました。
さらに、危機がいったん過ぎると、韓国政府は 「日本の援助がなくても立ち直れた」 「いらないと言っているのに援助を押し付けた」「IMFはありがたかったが、日本からのは迷惑だった」といった発言を繰り返し、日本に対して感謝を表明することはありませんでした。
ここからわかるのは、中央日報に5日に掲載された記事は、当時の金泳三の言い分をどこからか引っ張ってきただけにすぎず、事実とは全く違うものだということです。そして、仮に韓国政府が対日関係を大切にしているというのであれば、この記事が事実とは異なるということに論及すべきものですし、日本政府にしても、こうした記事に対しては、事実に反する旨の抗議を当然行うべきものです。
韓国政府のみならず、日本政府もアクションを起こさないことで、このような記事が「事実」として韓国内で通用してしまう状況が作り出されているのは、何ともやるせないものです。こうした状況を放置することが売国なんだということを、民主党政府にはぜひ理解してもらいたいところです。
いうまでもなく、この1997年の経済危機の時だけ、このような我が国に対する失礼な対応がなされたわけではなく、韓国側は常に我が国に対しては失礼な対応を取り続け、しかもそのレベルは近年さらに高まっています。
1年前に今月末で期限が切れる現行の日韓通貨スワップ協定が締結された際にも、「円高に苦しむ日本が、円を外国に放出するために通貨スワップを推進しているため、簡単に応じてはならないという声も出ている」「むしろ、外国からのドルや円の流入に期待することで、ウォン高を招き、輸出産業が競争力を損なわれる恐れがある」だから「通貨スワップ協定を結ぶ理由がない」との報道さえありました。つまり、日本のことについては全てに難癖をつける姿勢に終始しているのです。
にもかかわらず、城島財務大臣は来週から東京で開かれるIMFと世界銀行総会の会期中に、日韓の財務相会談を開くことに前向きになっており、ここで日韓通貨スワップ協定の拡大措置延長もありうるという趣旨の発言を始めています。
隣国が不安定な状態にあるより安定的な状態にある方が日本にとっても好ましいのは当然ですが、ここまで道理の通らない国に対して相変わらない援助を行う必要があるのかといえば、大いに疑問です。
今回日本がスワップの延長を行ったとしても、韓国が日本に対して感謝することはないでしょう。韓国は実質的には日本の支援がないと立ち行かなくなる可能性が高いのに、日本に感謝する態度は絶対に取ることができないという歪んだ状況にあります。この韓国の甘えた状況に終止符を打つことは、韓国にとってもリアルな現実を理解するという意味では、必要なことではないでしょうか。
そもそも国家を代表する大統領自らが我が国の領土を侵食し、天皇陛下を貶める発言を行っても、相手国の理非を問わずに日本から援助を行っていくというのは、道義と矜持を大切にする立場からは、あり得ない選択肢です。このことに同意される方は、クリックをお願い致します。
政府に代わって日銀により韓国国債を購入させようという民主党の姑息な動きにも、私は断固反対です。
城島財務大臣は、自身のウェブページで「百術は一誠に如かず」と謳っています。ならば誠の道をぜひとも歩んでいただくために、我々としてもできる限りの働きかけをしようではありませんか。
城島光力公式ホームページ
http://jojima.net/index.php
財務省の電話
03-3581-4111
財務省のご意見箱
https://www2.mof.go.jp/enquete/ja/index.php
<ご報告>
なお以下は、私が財務省のご意見箱に送った意見書です。
今月5日の韓国の中央日報に、1997年の韓国の通貨危機において、「1ドルが惜しかった韓国は、隣国の日本に緊急支援を要請した。しかし日本は冷淡に拒否した。他国より先に150億ドルを回収したりもした。」という、事実に反する記事が掲載されました。これに対して、韓国政府からこの記事が事実と異なるとの声明が出たとの話はありません。韓国政府は通貨スワップが自国にとって極めて大切なものだと公式に認めることはしたくないのだろうと思います。
1年前に現行のスワップ協定が締結された際にも、韓国側から感謝の言葉が、少なくとも日本国民に向けられる形で発せられることはありませんでした。それどころか、最近の日本に対する韓国側の非礼ぶりは常軌を逸しています。
私は日本にはできるかぎりやさしい国であってほしいのですが、ただ道義と矜持を大切にすることがあくまで前提です。理非を問わずに日本から援助を行っていくというのは、あり得ない選択肢です。
通貨スワップを結ばないことで、日本企業にも一部影響は出るでしょうが、そうした日本企業を助けるために我が国の外貨準備を利用する策はいろいろと考えることができると思います。
私は韓国国民に、自分たちを取り巻くリアルな現実をしっかりと理解してもらうという観点からも、スワップ拡大延長処置は取るべきではないと考えます。相手のことを真剣に思うならば、むしろやるべきではないのではないでしょうか。
来週予定されている世銀・IMF総会の会期中に、日韓の財務相会談を開いてスワップ拡大延長処置について話し合う動きが報じられていますが、その方向に財務省が向いているとすれば、国民として大きな不快感を感じざるをえません。
日本の財務省が道理と矜持を持った組織であることを信じております。
2012/10/07
http://ameblo.jp/minna4970/
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