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株式日記と経済展望
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日本企業を恨み、その反感は中国全体に拡がり、罷業や不買運動や工場や
店舗への攻撃が起こるだろう。ますます日本企業の「中国離れ」は加速する。
2012年10月5日 金曜日
◆中国離れについて 9月26日 内田樹
http://blog.tatsuru.com/2012/09/26_1601.php
尖閣国有化をめぐる日中の対立が経済に大きな影響をもたらし始めた。
日本側ではトヨタ自動車が中国市場からの限定的な「撤退」を決めた。
工場の管理のむずかしさ、販売に対する国民感情の抵抗に加えて通関検査の強化で日本からの部品供給が停滞するリスクを抱え込んだからだ。
現地生産台数を10月は白紙に(昨年は7万8千台)、高級車レクサスなどの輸出は停止する。
他にも中国に生産拠点を置いている企業、中国市場をメインターゲットにしている企業は軒並み株価を下げている。
コマツの株価は5月から33%減。日産自動車が18%減、ホンダが11%減。新日鉄、住友化学なども20〜40%株価を下げた。
住友化学と言えば、経団連の米倉弘昌会長が会長をつとめる会社である。
その米倉会長は事態を重視して、トヨタの張富士夫会長らと昨日北京に飛んで事態鎮静のための交渉に当たっている。
経済界は日中での政治的対立の深まりをつねに懸念している。
米倉会長は2010年の尖閣での漁船衝突事件についても、領土問題では両国それぞれに言い分があるとして、政府方針(「領土問題は存在しない」)に異論を唱えて物議を醸した。
「尖閣なんかどうだっていいじゃないか」というのは中国を生産拠点、巨大な市場として依存している日本企業にとっては「口に出せない本音」である。
そんなことをうかつに口にしたら、こんどは国内のナショナリストから「売国企業」と名指されて、不買運動を起こされるリスクが高い。
だから、本音を言えば尖閣問題で国士気取りの発言をして、メディアでのお座敷を増やしている政治家たちに対しては、内心では腸が煮えくり返るような思いをしているはずである。
でも、口が裂けても言えない。
しかし、この反日デモで「口に出せない」苦しみを感じているのは日本のビジネスマンだけではない。中国のビジネスマンも同じ苦しみを味わっている。
中国景気は減速を続けているが、ここに来て一気に低落傾向が強まった。
株価指標である上海総合指数は3年7ヶ月ぶりの安値。5月から20%の下落である。
先行き不安から中国への投資も鈍化している。
中国の政体が国民的な支持を得て、国内を効果的に統治できているという信頼感は今回の反日デモで深く損なわれた。
また今回のデモの過程で、工場従業員たちが賃上げ要求や待遇改善を求めて暴動に近い行動を起こしたことも、企業の中国進出にブレーキをかけている。
既報のとおり、すでにトヨタをはじめとする日本企業は生産拠点を人件費の高い中国から人件費の安いインドネシアやマレーシアに移しつつある。
この流れは今回のデモで一層加速するはずである。
日本の場合は産業の空洞化はかなり長期にわたって徐々に進行したし、日本人の経営する企業である以上、国民経済的な配慮(自分さえよければ、地元はどうなってもいいのか・・・的疚しさ)から完全に自由ではなかった。
でも、日本企業(中国政府との合弁だが)が中国から撤退するのに、そのような逡巡はない。
生産拠点の「中国離れ」はこの後たぶん一気に進む。
かつて日本で起きたのと同じように、ある日数万人を雇用していた工場が消失する。
雇用がなくなり、地域経済が瓦解し、法人税収が失われる。
パナソニックの工場が移転した後、守口市は火が消えたようになったが、それでも市民はその「不運」に黙って耐えていた。
でも、中国ではそうはゆかない。
人々は自分たちを「裏切った」日本企業を恨み、その反感は中国全体に拡がり、罷業や不買運動や工場や店舗への攻撃が起こるだろう。
そして、ますます日本企業の「中国離れ」は加速する。
今回の反日デモはイデオロギー的なものであり、領土問題はデモで解決するようなレベルの問題ではないので、それで「問題の解決が遅れる」ことはあっても「とんとんと話が進む」ということはない。でも、経済的な意味で、このデモは大きな影響を与えた。
中国はこのデモが露呈した統治上の瑕疵ゆえに法外な額の国富をすでに失ったし、今も失いつつある。
それがどれくらいの規模のものになるのか、今政府内部では必死に試算をしているだろうが、たぶん計測不能である。
外資の「中国離れ」によって最も大きな影響を受けるのは、都市労働者である。
彼らは雇用を失うか、雇用条件の急激な劣化を強いられる。
直接に影響を受けるのは個別企業の従業員であった数万人、数十万だが、その波及効果はそれにとどまらない。
外国企業の「中国離れ」が政体そのものの危機にまで至る可能性は低いが、経済成長はこれで長期にわたる停滞を余儀なくされるであろう。
だから、反日デモを眺めながら、「尖閣なんかどうだっていいじゃないか。そんな小島のせいでオレに破産しろというのか」と歯がみしている中国のビジネスマンもたくさんいるはずである。
でも、彼らもそれは口には出せない。
ナショナリストに何をされるかわからないからである。
尖閣をめぐるナショナリズムの角突き合いで得をする人間は誰もいない。損をする人間は数え切れないほどいる。
でも、損をする人たちは「オレが損をするから、領土問題でもめるのはやめてくれ」という言葉を口に出すことが許されない。
この抑圧された「怨み」はどこに噴出することになるのだろうか。
それが日中両国民を「外交能力の高い統治者を選出する」というソリューションへ導けばよいのだが、たぶんそうはならないだろう。
暗い気持ちでいる人間が下す判断は必ず間違ったものになるからである。
(私のコメント)
今回の尖閣問題を原因とする反日デモで、日本製品の不買運動や日本車に対する襲撃事件や日本への観光旅行などのキャンセルが相次いでいる。中国政府や中国人はメンツを何よりも大切にするから、過激な反応を示して半狂乱の状態になってしまう。単なる岩でしかない小さな島をめぐる領有権争いはメンツの争いであり、小日本にメンツを潰されてあらゆる事に報復してくる。
中国人の中華思想は歴史的文化的なものだと思いますが、18世紀までは中国は世界の超大国だった。しかしその後は欧米列強の植民地となり、開発途上国になってしまった。長い間中国はアジアの盟主だったのに、ロシアやイギリスやフランスとの戦争で相次いで敗れて植民地化してしまった。最終的には日本の植民地にもなり鬱積した気持ちが中国人にあるのだろう。
近代化に失敗した中国と、近代化に成功した日本との違いはどこから来るのだろう。日本と中国は人種的には同じであるが、文化的には異なり、日本は民主主義が定着したのに中国は未だに国政選挙すら実施されていない。なぜ民主主義制度が中国では採用されないのか分かりませんが、国名は中華人民共和国だ。未だに共産党独裁国家であり世界第二位の経済大国になっても民主化が進まず、議会制度もあってないようなものだ。
政治が停滞しているのに経済だけが成長できるのは、経済発展が自立的なものではなく資本も技術も外資に依存した経済であり、多くの割合を輸出で稼いでいる。政治体制が旧態全としているのに経済だけが成長できるのは不自然だ。アジアの成長モデルを中国も採用したからですが、開発独裁体制はアジア経済の特徴でもある。
開発独裁体制というのは1980年代に出てきた言葉ですが、その原型は韓国にあり、続いて台湾やシンガポールなど独裁政治と経済成長とが合わさってきた。むしろ新興国にとっては独裁政治で果断にインフラを整備して外資を呼び込んで産業を興すことは最も合理的に思える。議会政治でぐずぐず議論して決めるよりも独裁者が強力な権限で決めていった方が効率的だからだ。
しかし開発独裁政治から民主政治に移行することはなかなか難しく、政治的混乱をもたらしやすい。韓国や台湾は一応民主化に成功しましたが、中国はなかなか民主化に踏み切れない。前にも書いたように中国や韓国は単なるナショナリズムだけでは纏まりきれず共産主義や反共と言う理念が無くなってしまうと国家そのものが存亡の危機期陥る。
その為には中国も韓国も新たなる理念が必要になり、それが「反日」であり歴史カードを突きつけて日本を罵倒し続ける事が彼らの理念になってしまった。日本も中韓による「反日」の本質に気がついてきたようですが、「株式日記」では彼らの「反日」の理念を覆す事により、中国や韓国を普通のナショナリズムだけで纏まれる国家にしなければならないと考えています。
中国人の日本料理店を襲撃したり日本車を引っくり返して奇声を上げている様子はまさに中国は野蛮国家であり、13億人の巨大市場は幻想に過ぎないのかもしれない。いずれは欧米資本に対しても排斥運動が起きて中国から撤退していくだろう。それよりもベトナムやミャンマーなど新たなる新興国に進出したほうが「反日」で無いだけに有望ではないかと思う。
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