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【バロンズ】
ボラティリティー・ショックに備えよ
2012年 10月 3日 17:52 JST
成功している投資家に共通の多くのスキルのなかでも1つ傑出したものがある。それは「既知の未知」に対応する能力、すなわち、先行きが不透明であることのリスクを認識し、対応できる能力だ。
一部の投資家が、先月28日に発表され株価の下落につながった経済指標の悪化など、日々の動きにだけ反応する一方で、経験豊かな投資家は今後起こることが分かっているがその影響が不透明な重要事項に備える。11月の米大統領選や年末時点のいわゆる財政の崖などがそれだ。
シカゴ・オプション取引所(CBOE)ボラティリティー(VIX)指数は現在、15付近の水準で比較的落ち着いているが、投資家はボラティリティー・ショック、つまりVIXの急上昇を予想して株式取引のヘッジを検討すべきだ。
ショックがいつ起きるかを正確に予測することは困難で、そのため投資家の多くが、株式市場が比較的平穏でVIX指数が落ち着いている時にポジションやポートフォリオをヘッジする。
経験を積んだ(痛い目に遭った経験が豊かなと言うべきだろう)投資家たちはVIX指数の15前後の水準を、株式市場について慎重になるべき兆候とみる習慣がついている。この直感により、著しい額の投資資金が失われずにすんでいる。過去を振り返ってみても、落ち着いたボラティリティー水準の次には株価の大幅下落が続き、VIX指数は30や40台半ば、さらには80超えの水準に向かって急上昇する。
幸運なことにわれわれは、インプライド・ボラティリティー(IV)というのは平均回帰だと分かっている。つまり、ボラティリティーのパターンは繰り返すということだ。このために、投資家はリスクイベントについて一層クリアに考えることができる。VIX指数が28付近でピークを付けた、6月上旬に起こったような並のボラティリティー・ショックの後には通常、VIX指数が20以下で推移するような谷の時期が最大4カ月間続く。
VIX指数のこうした性格は、6月半ばの安値から反発局面にあった株価がピークアウトしつつある可能性を示唆する。VIX指数の谷の時期がそろそろ終わりを迎えつつあることがうかがえるほか、季節要因による指数の押し上げ圧力も目立ち始めているからだ。
次のボラティリティー・ショックの潜在的な大きさを推測するのは難しいが、投資家が自分たちのヘッジ戦略を練る際に使用できる枠組みについて過去を参考にできる。CBOEのVIX指数は過去5年間に10回、20台後半の水準かそれ以上に上昇した。その時のS&P500種株価指数の修正率は平均8〜16%だった。
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IVは現在、長期的な低水準付近で推移しており、オプションのIVは、多くの投資家が思い描く株式相場の大幅下落見通しを今のところ反映していない。従って、株式ポートフォリオをヘッジするためにディフェンシブのオプション買いにとってほぼ理想的な状況となっている。「既知の未知」が現実のものとなり、株安とVIX指数の上昇につながった場合には、こうしたヘッジの価値が増す。
年初来で大幅上昇している株式を保有している投資家――あるいは、大幅下落のリスクを懸念する向き――は、そのポジションを「collar(カラー)」する(金利の上限・下限付き組み合わせのオプション取引を行う)ことができる。
カラーでは、関連する株価を約10%上回る行使価格を有する12月物か1月物のコール・オプションを売る必要がある。このコール・オプションの売りによって手にする資金は、そのコールと同じ時期に行使期限が消滅する、株価を10%下回る価格のディフェンシブのプット・オプションに買いを入れるために使用することができる。さらにヘッジのコストを低減するために、一部の投資家はまた、買いを入れたものよりもさらに行使価格が低い他のプット・オプションを売る。
いわゆるプット・スプレッド・カラーは、投資家が追加の利益を著しく見送ることなしに、リスクを軽減する洗練された資本効率の高いやり方だ。しかし、代償はと言えば、投資家は価格がコールの行使価格を上回った場合は保有株式を売却する義務があることだ。
一方、株価が下落する場合には、ディフェンシブのプット・オプションは損失を埋め合わせ、ボラティリティー・ショックの影響を軽減することになる。
【BARRON'S】
1921年に創刊され、投資家のバイブルとも称されるBARRON'S(バロンズ)は金融市場や投資動向などに関する情報を満載した週刊金融専門紙です。
株式投資は有望-オークマーク・ファンド運用マネジャーに聞く選好銘柄
オークマーク・ファンドの共同運用マネジャー、ナイグレン氏のアプローチが景気循環に左右されることはない。リサーチに熱心なバリュー投資家である同氏は、適正価値以下で取引されている銘柄を探している。本紙は最近、氏に電話インタビューを行った。
金融緩和でもインフレは抑制‐米国債利回りは依然低水準
FRBによるQE3の発表後、金投資家、財政赤字タカ派、緊縮財政派の間から、米国債を保有すべきでないという声が相次いだ。金融緩和の効果が波及すれば、利回りは上昇するはずだ、というのが彼らの見解だった。
崖から吹く風‐財政の壁まであと3カ月
「財政の崖」まであとわずか3カ月、毎日着実に近付いている。相当前からこの話題を取り上げているが、現政権がその到来の衝撃を緩和しようとする様子は見られない。
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昔から、輸送セクターの低迷は悪い兆候と考えられてきた。輸送量の減少は生産・販売される製品の減少を意味し、つまりは経済が減速しており、株式市場が下落する可能性があるということにつながる。しかし、こうした考え方はすでに時代遅れかもしれない。
改革に乗り出すインド経済
人口拡大を続けてきたインドの起業家精神にあふれる若者の未来に、急激な景気減速、財政赤字の増加、高インフレ、そして政治の行き詰まりが影を投げ掛けている。煮え切らない態度を続けてきた政府も、事態の悪化にようやく重い腰を上げた。
安すぎるゴールドマン・サックス株
2008年の金融危機を経て、ウォール街のライバルたちが変貌を遂げる中、ゴールドマン・サックスだけは変わることがなかった。最大の投資銀行にしてブローカーであり、大手企業を中心に資本調達および資金移動のサービスを提供している。変わったのは、市場のゴールドマンに対する認識と株価である。
スペインへの懸念と経済指標で相場下落-国防費削減の影響
投資家の関心がFRBの金融緩和政策から中途半端な経済指標に移るにつれて相場は下落する傾向にある。スペインの財政情勢が米国市場の重しとなっている。ムーディーズによる同国の格付けは投資不適格からわずか1段階上で、近い将来の格下げを投資家は懸念している。
中国株は2013年下半期にも強気相場が開始か?
中国A株(上海や深?の市場に上場されている、取引がほぼ中国本土の投資家だけに制限されている中国株)は4年ぶりの安値水準にあるが、経済だけが株価低迷の要因ではない。なぜなら、中国の経済成長率は7.6%と依然として世界で最も高い水準にあるからだ。
RIMの株価 今後の展開は‐金融業界のソーシャルメディア戦略
RIMにとって、今年の冬は厳しくなりそうだ。同業他社が次々と携帯電話の新機種を市場に送り出す中、RIMの期待の基本ソフト・ブラックベリー10を搭載した機種は、来年の第1四半期にならないと出回らない見込みである。
記者: JIM STRUGGER
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【オピニオン】
TPPには米国のイノベーション能力と知的財産権を守る強い規定が必要
シャーリーン・バーシェフスキー
2012年 10月 3日 15:22 JST
どの国でも国際競争力や経済的豊かさは結局、自国企業のイノベーション能力にかかっている。そのため政府の通商政策は企業のイノベーション能力に対する見返りを実益化する一助となるべきだ。そうすれば、企業は消費者の福祉を促進し、賃金や生活水準の向上をもたらす新しい製品を開発し続ける動機を持つことができる。
これは単純なコンセプトだ。しかし通商協定でこの目標に合致した合意に達するのは難しい。発展途上の初期段階にある国は裕福な国のイノベーションに「ただ乗り」したいとの誘惑に駆られるかもしれない。これは短期的には恩恵をもたらすかもしれないが、一方で自国の企業がイノベーションを進める能力を損ない、ひいては世界経済を悪化させることになる。
米国のリーダーシップはイノベーションに対するこの障害に打ち勝つことができる。環太平洋経済連携協定(TPP)を巡る交渉は、そのための貴重な機会となる。
TPPは米国にとって過去10年間で最も重要な貿易協定だ。ベトナム、マレーシア、シンガポールといったアジア太平洋地域で最も速いスピードで成長を遂げている一部地域と、カナダやメキシコ、オーストラリアといったより重要で大きな市場とを結びつける自由貿易協定だからだ。合計で米国の貿易の3分の1を占める11カ国が参加している。日本は国内政治が落ち着けば参加するかもしれない。また中国はTPPの成り行きを注視している。TPPは世界で最も経済的にダイナミックな動きが起こっている地域で、将来にわたって影響する通商条件を決めることになる。
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Associated Press/Patrick Semansky
メリーランド州フォートデトリックにある米陸軍医学研究所の様子
TPPはイノベーションをベースにした競争ができる立場に米国を置くことになるかどうかが、米国にとってTPPを判断する基準となる。米国の通商代表部はTPPをそういう協定にするよう求めてきたが、実現するには困難な作業が待っている。
TPPがテストに合格するためには、知的財産権(IP)に関する強い規定を持つ必要がある。この件については、TPP交渉参加国の一部が拒否していると伝えられている。米国は伝統的に貿易交渉において、IP保護の提唱者だ。しかしアジア太平洋地域の各国が経済構造を変化させ、低賃金からの脱却を進めるなか、これらの国は特許や他のIP権などの強い権利が自分たちの長期的な利益になることを認識すべきだ。
特に以下の分野が重要だ。
・生物学的製剤(バイオロジクス)のためのデータ保護
バイオテクノロジーと生物学的医薬品の分野は高度に複雑であり、ゲノム配列のシーケンシングや、薬剤の新発見のための遺伝子組み換えといった洗練された手段を使う研究開発に多額の費用がかかる分野だ。米国はこれらの技術を開拓する手助けをし、今日では世界のバイオテク分野の研究開発の80%を担っている。その中には新しく開発された生物学的薬剤の約半分が含まれる。米国の法律は、競合他社が開発者のデータを使うことを十分な期間にわたって禁じ、開発に要した多額の投資を回収できるようにしている。TPPでも同様であるべきだ。
・企業機密
イノベーションに関わるセクター――情報やコミュニケーション技術、高度な製造業が含まれる――はすべて企業秘密の保護が頼りだ。実際、米国の企業が所有するノウハウなどの企業秘密の価値は5兆ドル(約391兆円)と試算されている。これらの資産は特に脆弱(ぜいじゃく)で、一度企業秘密が暴露されてしまえば、それで終わりだ。同時に、企業秘密を狙った産業スパイの脅威が拡大している。TPPは企業秘密や他のデリケートな情報を保護するための強力な規定を含むべきだ。
・強制的技術移転
中国やほかの主要な発展途上国は、自分たちの市場でビジネスを行う条件として技術を移転することを企業に強いてきた。市場にアクセスするための法的条件となる場合もあるが、受け入れ国から強要されることのほうがずっと多い。例えば、当局の承認前に、研究開発施設を設立するか、もしくは技術を移転することが要求された。現在の通商ルールでは、こうしたやり方への対処法が極めて限られている。TPPはさらに踏み込み、政府や国営企業による技術移転の強要を禁止する強力で強制力のある規定を設けるべきだ。
これらすべての分野で、米国は国内法に沿った、考え得る最高の基準を求め、厳しくこれを実施すべきた。さもなければ、他国のイノベーションへの「ただ乗り」を容認する国際的な政策環境ができてしまう。そうなれば、結局、どの国も必要とし、かつ欲しているイノベーション能力を弱めてしまうことになる。
米国の経済的成功はイノベーション能力と、イノベーションから得られる利益を守る能力にかかっている。米国の通商当局はTPPの交渉を進め、数カ月以内の合意を目指しているが、彼らはこれらのことを肝に銘じておくべきだ。
(筆者のシャーリーン・バーシェフスキー氏は、1997〜2001年に米通商代表を務めた)
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焦点:米シェールオイル革命、アジアの原油輸入国に恩恵
2012年 10月 3日 17:20 JST
トップニュース
アングル:ユーロ圏の健全国だったスロベニア、新たな問題の種に
ローソン上期は6年連続最高益、女性など客層拡大
中国の外貨預金が過去最高、資本流出は杞憂か
ルネサスの早期退職制度に7511人応募、特損850億円計上へ
[シンガポール 3日 ロイター] 米国で地下の岩盤に含まれる原油「シェールオイル」の開発ブームが沸き起こったことで、数年中に世界最大の石油輸入地域となるアジアは高品質原油に支払うプレミアムが下がり、恩恵を受けそうだ。
ただ、アジアの産油国にとっては利益率の低下をもたらすため、さほど朗報とはいえない。
シェールガス革命は米国のエネルギー環境を一変させ、10年前に想像もできなかったエネルギー面での一種の独立性を同国にもたらした。
岩盤からは硫黄濃度の低いシェールオイルも産出されるため、質の類似した西アフリカ産原油がアジアに向かう分が増えている。
供給が増えたことで、アジアの製油企業は以前より有利な輸入価格を交渉できるようになり、北海ブレント原油など国際指標価格に対する軽質スイート原油のプレミアムを抑えられるようになった。
マレーシア産タピス原油の北海ブレント油に対するプレミアムは、過去最高だった4月の1バレル=9.50ドルから9月には3.05ドルに下がった。
アジアの製油所が生産設備を更新していることや、世界第2位と第3位の原油消費国である中国と日本の需要減少もプレミアムの低下につながった。
しかし6ドルもの大幅な下落は、米国の生産拡大と輸入削減によるアジアへの影響の大きさを物語っている。
米エネルギー情報局(EIA)によると、米国は国内供給の増加により西アフリカからの輸入、日量約56万バレル分を置き換えることができた。
これはアジア・環太平洋地域の原油輸出上位5カ国であるインドネシア、マレーシア、ブルネイ、ベトナム、オーストラリアの合計輸出量、日量130万バレルの約半分に相当する。
EIAの推計では、米国の原油およびコンデンセートの産出量はことし、13年ぶりに日量600万バレルを超える。
国際エネルギー機関(IEA)は、2016年までに米国の産油量が日量700万バレル程度に達し、うちシェールオイルが200万バレルになると予測している。
<アジアの産油国には打撃>
東南アジアの産油国にとってはマイナス面もある。
FACTSグローバル・エナジーのアナリスト、ロイ・ジョーダン氏は「西洋諸国から輸入される低硫黄油は輸送コスト上不利とはいえ、競争が高まれば、アジアの産油国は一部の国が今年初めに享受していたような北海ブレント油に対する大幅なプレミアムを確保しにくくなるだろう」と話す。
アジア・環太平洋地域では、老朽化した油田の生産減少を食い止めるため産油企業が設備投資を行っている上、原油価格の上昇で恩恵を受けようと新たな油田も開発しているため、この地域からの原油供給も拡大している。
IHSパービン・アンド・ガーツのコンサルタント、ビクトール・シャム氏によると、軽質スイート原油と重質サワー原油の価格スプレッドは現在約3.50ドルだが、来年には2ドルを割り込んで過去最低を更新する可能性がある。
<ナフサ価格に低下圧力>
軽質スイート原油の供給拡大により、製油企業はナフサなどの石油製品の生産も増やせるようになる。構造的に燃料の不足するアジアの需要にこたえながら、価格を抑えることもできそうだ。ナフサは石油化学製品の原料にもなる。
あるアジアの石油化学メーカー関係者は「シェールガスの生産量いかんでナフサ価格には下落圧力が掛かりそうだ。米国はナフサの生産を大幅に増やす可能性がある。もっともそれは2014年、あるいは15年以降だろう」と述べた。
米国は安い国内産天然ガスを原料とする石油化学製品の輸出を増やす可能性もある。シェールガスのブームにより、天然ガスの価格は過去10年間の最低水準まで下がっている。
(Florence Tan、Seng Li Peng記者)
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原油先物が上昇、北海油田ストライキなどで 2012年6月28日
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE89204N20121003?sp=true
ECB総裁はドイツ連銀総裁をいかに出し抜いたか
2012年 10月 3日 15:42 JST
欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は7月末に、ユーロ圏の各市場が分解しているとみなし、3年に及ぶユーロの危機的動向の転換を図った。ロンドンでの投資家向けのありふれた講演の中で、「われわれの権限の範囲内において、ユーロを守るために何でも行う用意がECBにはある」と述べ、「わたしを信じて欲しい。それだけで十分だ」と発言した。
主要国の物価上昇率(年率)は8月、エネルギー価格の急騰に後押しされる格好で1年ぶりに前月を上回った。
http://jp.wsj.com/Finance-Markets/node_523596?mod=WSJSeries
スペインの法人税収、危機以前の3分の1強に減少
2012年 10月 3日 17:40 JST
[マドリード 3日 ロイター] スペインの法人税収が、金融危機以前と比べ3分の2近く減少していることが明らかになった。中小企業の破綻が増加している一方、大企業の多くが国内経済の悪化を受けて海外に収益源を求めていることが、税収の落ち込みを招いている。
2011年にスペインの企業1400社が納めた法人税は総額166億ユーロで、2007年の448億ユーロから大幅に減少。スペインの大手5社(銀行のサンタンデール(SAN.MC: 株価, 企業情報, レポート)、BBVA(BBVA.MC: 株価, 企業情報, レポート)、通信のテレフォニカ(TEF.MC: 株価, 企業情報, レポート)、小売りのインディテックス(ITX.MC: 株価, 企業情報, レポート)、石油のレプソル(REP.MC: 株価, 企業情報, レポート))が2011年に上げた純利益の総額である178億ユーロにも届かなかった。
スペインでは個人の所得税率よりも法人税率が低く、税務当局がまとめた2011年のデータによると、個人は所得の12.4%を税として支払っているのに対し、企業は利益の11.6%しか支払っていない。
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アングル:ユーロ圏の健全国だったスロベニア、新たな問題の種に
2012年 10月 3日 16:10
[リュブリャナ 2日 ロイター] スロベニアはユーロ圏に加盟した2007年、域内で最も高い経済成長率を誇り、国民は東欧で有数の豊かな生活水準を享受していた。
しかし、現在はリセッション(景気後退)に陥り、債券市場から締め出され、経済規模のより大きい加盟国に追随して国際支援を要請する事態を回避しようとしている。
世界的な金融危機とユーロ圏債務危機で、自動車・自動車部品、医薬品、家電などの輸出に依存する同国経済の弱さと、改革の遅れ、政治的対立が浮き彫りになった。
欧州の旧共産主義国はこれまでのところ、債務危機の最悪な事態を免れているものの、緊縮財政の重圧に屈しつつある兆候も見られ、スロベニアは欧州連合(EU)加盟旧共産主義国の中で最初に支援を要請する国になる可能性がある。
ウィーン国際経済研究所のアナリスト、Hermina Vidovic氏は「スロベニアはEU新加盟国の中で優等生だったが、過去の多くの失敗が危機によって明らかになった」と指摘する。
スロベニア政府は支援は必要ないとしているが、経済指標は悲観的な実態を表している。
国有が大半を占める国内銀行は、2009年の不動産バブル崩壊で経営難に陥った建設会社や、金融市場の厳しい状況に苦闘する投資会社への融資で、国内総生産(GDP)比18%近い規模の不良債権に直面。
今年の財政赤字も対GDP比4.2%と、予想の同3.5%を大幅に上回る見込みとなっている。
財政赤字は2011年のGDP比6.4%からは縮小する見通しで、ユーロ圏の多くの重債務国と比べると依然として低水準であるものの、銀行の損失を政府が引き受ける銀行救済が行われた場合、急増する可能性がある。
来年半ばに20億ユーロの債務償還を控え、スロベニアが投資家の信頼と市場へのアクセスを取り戻せなければ、今年の末か来年初めに同国は資金不足に陥るとアナリストは指摘する。
コンサルティング会社ユーラシア・グループのOtilia Simkova氏は「救済をめぐる観測が長く続けば続くほど、実際に救済される可能性は高まる。政府は現在、財政再建と構造改革に取り組む決意を市場に示そうとしている」とコメント。
その上で「懐疑的な市場を納得させ、今後数カ月以内に資金調達能力を回復するためには、これで十分かどうかが依然として問題だ」と指摘した。
スロベニア10年国債の利回りは2日、6.29%をつけ、3月時点の5.2%を上回っている。8月には過去最高の7.6%を記録した。
政府は4月、5%を上回る利回りを求められ、15億ユーロの10年債入札を見送ったが、10月か11月に今年初となる国債入札を米市場で実施することを望んでいる。
<政治的対立>
ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のユンケル議長(ルクセンブルク首相)は前月、「スロベニアの状況は深刻で、少しの時間も無駄にできない」と警告。その上で、同国は改革を実施することで救済を回避できるとの見方を示した。
国際通貨基金(IMF)代表団代表のアントニオ・スピリンベルゴ氏も、年に1度のスロベニア訪問の際に「スロベニアが明確なすべての改革を勇敢に実施した場合、市場を安心させるのに十分だろう」と述べた。
だが、それは政府と野党、労働組合の対立を踏まえると、困難な課題とみられる。
ヤンシャ首相率いる中道右派の連立政権は議会で辛うじて過半数の議席を有している状況で、労働組合や中道左派の野党から強い反発に直面しており、改革案の通過は厳しい状況。
リュブリャナ大学経済学部のMojmir Mrak教授は「スロベニアの危機は経済的な問題であるのと同じくらい政治的な問題でもある。この国では政治的対立が大きな問題だ」と指摘する。
しかし、スロベニアの問題に対する社会の認識は高まっており、これが改革実施への道を開く追い風になる可能性がある。
ファイナンス紙のBorut Hocevar氏は「過去2年間と比べて政府が改革案の可決にこぎ着ける可能性は高い。スロベニアの財政問題は悪化しており、問題への認識は高まっている」と指摘した。
(Marja Novak記者;翻訳 佐藤久仁子;編集 宮崎亜巳)
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http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE89204820121003?sp=true
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