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「産業スパイ天国」返上なるか 新日鉄VS韓国ポスコ裁判 機密情報は中国にも流出
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20121002/dms1210021124005-n1.htm
2012.10.02 夕刊フジ
半導体や液晶テレビなど、かつての得意分野で日本企業の“衰退”ぶりが深刻だ。経営判断の誤りや円高に加え、成長源となる技術情報が流出、競争力を失ったのも一因と指摘される。こうした中、新日製がライバルの韓国ポスコを訴えた異例の裁判が近く東京地裁で始まる。政府もようやく対策に乗り出し、「産業スパイ天国」と呼ばれる惨状の立て直しを目指す。
■巨額訴訟
「技術は、もともとは新日鉄のものだ」。2007年10月に始まった韓国・大邱での刑事訴訟で、ポスコの機密情報を中国メーカーに流したとされるポスコ元社員が衝撃的な証言を行った。
日本から盗み出された情報が韓国経由で中国にも渡っていた−。国際的な企業間競争の“闇”の部分であるスパイ行為の一端が明るみに出た。
焦点となったのは「方向性電磁鋼板」と呼ばれる製品の製造技術。電力インフラに欠かせない変圧器の心臓部である「鉄心」に使われ、技術の粋を凝らした“鉄の芸術品”ともいわれる。かつて新日鉄の独壇場だったが、05年ごろからポスコの製品技術が急激に向上。11年のシェアは新日鉄の約3割に対し、ポスコが約2割と猛追している。
提携先でもあるポスコの“背信”を新日鉄は許さなかった。製造技術を新日鉄から持ち出したとされる元部長級社員の自宅から、ポスコとの通信履歴などの証拠を裁判所を通じて確保。不正に入手した情報を基に同品質の製品を造ったとして今年4月、ポスコなどに約1000億円の損害賠償と製造販売の差し止めを求める訴訟を起こした。
ポスコは徹底抗戦する構えで、日韓トップ企業による激しい法廷闘争が繰り広げられそうだ。
■安い買い物
「あなたの持っている技術を売りませんか。数億円を支払う用意があります」
経済産業省の調査によると、学会や講演会で著名な日本の技術者に目星を付け、接触するのが産業スパイの手口の一つだ。技術者は勤務先の企業から製造ノウハウなど技術の根幹部分を持ち出し、退職後に売り渡す。
新日鉄の幹部は「開発に数百億円を投入した。たった数億円で手に入れられるのであれば、安い買い物だ」と憤慨する。
退職後も情報を漏らさないことを誓約する守秘義務契約を結ぶケースも増えてきたが、あるメーカーの担当者は「破られてしまえばただの紙。退職金減額などの工夫が必要」と明かす。
■流動化する人材
産業スパイに悩まされてきた自動車部品大手の担当者は、新日鉄の提訴について「偶然、証拠を入手できたことや、不正競争防止法の改正に助けられた非常に幸運なケースだ」と指摘する。不正競争防止法は09年の改正により、情報の受け取り側を特定しなくても立件できるようになった。
経産省は今年7月から、守秘義務契約の締結の有無や技術情報の流出防止策について約1万社を対象とする調査を始めた。だが産業界からは「国際的な人材流動性が高まっており、全ての情報を守るのは困難」(家電大手)と悲観論も漏れる。日本大学大学院知的財産研究科の土肥一史教授は「米国のように産業技術を『国の宝』として国全体で守っていく姿勢が大切だ」と話している。
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