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http://president.jp/articles/-/7196
韓国の輸出がいくら好調で、経常収支が黒字でも年間数百億ドルなのに対し、ここ数年の対外純債務は1000億ドルほどで推移している。海外資金に自国のファイナンスを依存している状態である。こうした海外マネーは腰を据えた直接投資が少なく、インカム・ゲインなどを目的とした逃げ足の速い証券投資が多い。
韓国銀行の発表では2011年の対内直接投資とそれ以外の投資比率は1対5。対内証券投資額は4782億ドル、それをカバーするはずの外貨準備高は3064億ドルに留まる。日本は外貨準備の9割を米国債、1割を外貨預金で保有し安全性と流動性の確保に努めるが、韓国の内訳は国債+預金が4割、売却が安易にできない、あるいは価値が著しく減価する可能性のある資産が6割近くも占める。かつてのアジア通貨危機や昨今の欧州債務危機のように、海外投資家の自国への資金還流の動きが一斉に出ると歯止めがきかず、経済全体が立ちゆかなくなる。
わが国の場合は毎年積み上げられてきた経常黒字により対外純資産は3兆1323.8億ドルを計上、20年あまり連続して世界一を誇っている。外貨準備高も1兆2958.4億ドルと、潤沢な資産を有する。したがって、韓国に外貨を融通することはあっても、されることはまずありえない。日韓通貨スワップのメリットは一方的に韓国にあると言えよう。
その他の支援として、韓国国債の購入を合意しているが、これも韓国のファイナンスを日本が行っていることにほかならない。しかも、円建てならばまだしもウォン建てというのであるから、韓国ウォンが下落すればウォン建て国債の価値も下がるわけであり、為替変動リスクまで負担するという気の使いようである。日本の財政危機が叫ばれて久しいが、実は助け舟を出せるほど財政には余裕があり、懐も深いことを端的に示している。
侮辱された相手に領土・歴史問題と通貨外交とは別というような、過分で生温い対応をすべきではない、スワップ協定などすぐ破棄すべきという論客は多い。
日本のコミットメントがあればこそ他国も支援に乗り出すが、日本が韓国の経済破綻を座視すればどうなるか。まずはデフォルトに向け大幅な通貨安が発生する。韓国の対日貿易は慢性的に赤字である。韓国側の支払いが滞ると、中間財などを輸出する日本の輸出産業への影響は免れまい。表向きの理由として日本の韓国支援の所以とされるものである。
日本貿易振興機構(JETRO)の試算では、韓国輸出が1%増加すれば対日輸入は0.99%増えるとされる。「ウォン安が韓国企業に追い風」などと悠長なことは言っていられない。日本の中間財や他国からの原材料の輸入価格高騰で、韓国のほうが大打撃を受けよう。
経済破綻は政情不安へと繋がり、係争地域だけでなく日本への経済難民の大量流入もありうる。治安悪化など直接的な影響も出てこよう。さらに、弱みに付け込み影響力拡大を図れる中国にとっても都合がいい。世界経済への直接の影響は限定的でも、裏事情込みの韓国経済破綻の影響とその前段階での支援を秤にかけ、後者に軍配が上がったのが現状だろう。
■米国の目論見に沿った展開
「国境近辺のいさかいなど日常茶飯事。ロシア戦闘機の領空侵犯に対して日に5回もスクランブル発進していた」というのは元自衛官だったディーラー時代の同僚の談である。こうした情報は一般国民には漏れ聞こえるところではなかったはずだが、係争地域でのいざこざが広く国民に知らされるようになったのはなぜか。
日米同盟と同様、韓国にも韓米同盟がある。いくら李明博大統領が退陣後の自己保身のために国内世論を味方に付けようと一連の行動を起こしたとしても、米国の意思を無視するわけにはいかない。
日米関係を占うアーミテージ・ナイの第三次報告書が先日公表された。日本の防衛責任については、新しい役割と任務を拡大する方向での見直しを求める一節がある。財政難の米国は米軍駐留費にも難儀しており、中露勢力の抑制には日本の自主防衛強化に期待するしかない。
極東の領土問題が紛糾しても、無関心を装う米国。となれば日本国民の国威を発揚させるにはうってつけの材料となる。米国の目論見に沿った展開である。日韓の緊張による通貨外交の懸念などは前置きにすぎず、振り上げた拳の下ろしどころを測りかねている韓国政府には、日韓金融協定の見直し発言をするだけで十分である。その先には憲法第九条や専守防衛の再考など重大かつ難渋する課題の解決を迫られている。
◆(関連・抜粋記事)中国の日本国債売却の可能性・・米国の「元高誘導」には乗りません!
http://www.gci-klug.jp/ogasawara/2012/09/21/017112.php
・・・結論を言います。
中国は、そのような動きには恐らくでないでしょう。
何故?
中国が日本国債を手放す動きに出れば、むしろ円安を促してしまい、そうなると手持ちの日本国債の価値も、外貨に換算すると下がってしまう‥つまり中国は損をしてしまうのです。
円の価値が下がって人民元の価値が上がってしまう、と。
今回、米国や日本が打ち出した追加緩和策について、中国人民銀行の周小川総裁が何といっているかご存知でしょうか?
米国や日本などが益々金融緩和の姿勢を強めるのであれば、新興市場に過度の資本が流入してきて、インフレや通貨高を招いてしまうではないか、と。
つまり、米国や日本が市場に大量の資金を放出すれば、ドル安、円安、人民元高になって中国は迷惑するから止めるべきだと言っているのです。
そこまで言っている中国が、どうして日本国債を売却して円安、人民元高を促進するようなことをするでしょう
ということで、この際円安に誘導したいと思うのであれば、
中国に向かって、尖閣の問題はあるけれども日本国債を売り払うような真似だけは止めるべきだと真顔で中国に訴えれば、
むしろ中国は若者の声に押されて日本国債の売却に動き、少しは円高の流れが変わるかもしれないのです
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