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大前研一ニュースの視点〜
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┗━┛ 『 IBMと日本の電機メーカー 〜コモディティ化を考える 』
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日本IBM 設立75周年祝い フォーラム開催
シャープ 追加リストラ策を発表
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▼ IBMが世界一のシェアを誇ったPC事業から撤退した理由
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日本IBMは11日、設立75周年を祝うフォーラムを開催しました。
その中で、サミュエル・パルミサーノ会長が講演し、
「企業リーダーは日々の業務をマネージすると同時に
未来も創造しなければならない」と強調。
長期的な視野にたって経営するため、常に自らに投げかけるべき
「5つの問い」を紹介しました。
このパルミサーノ氏の5つの問いは非常に参考になるので、
ぜひビジネスパーソンなら目を通してもらいたい内容です。
私がその中でも特に重要だと感じたのは、
「コモディティ化にどう対処すべきか?」というものです。
ご存知のように、IBMは
「世界一のシェアだったパソコン事業からいち早く撤退」しています。
これが問いに対する答えそのものでしょう。
すなわち、どれほど現在利益が出ている中核事業であっても、
それがコモディティ化しつつあり、将来の中核事業には
なりえないのならば、速やかに撤退するということです。
いかにその決断を早くできるか、それが重要だということでしょう。
IBMが当時世界一のパソコン事業を投げ出した時に、「もったいない」と
言っていた人も大勢いましたが、IBMは「コモディティ化の恐ろしさ」を
分かっていたのです。
IBMのような給与が高い大企業において、中核事業がコモディティ化
してしまったら絶対にやっていけないと知っていたのです。
結果、IBMにしかできないソリューションカンパニーとして
生き残る道を選び、見事にメインフレーム事業の再生に成功しました。
私もマッキンゼーで20数年間にわたって世界一高いコンサルティングを
提供していたので「コモディティ化の恐ろしさ」は理解しているつもりです。
私の場合で言えば、「コンサルティングノウハウ」と呼べるようなものは、
全て本で公開しました。
ノウハウを超えた部分で付加価値を創りだし、それを提供できたからこそ、
私は半年で1億円を超えるほどの金額でサービスを提供できたのだと思います。
次の軸足になる事業が見つかっていないと中核事業から撤退できない、
と考える人もいるかも知れませんが、先に手放すことを考えるべきだと
私は思います。
将来性のない事業に「しがみつく」企業では勝ち残ることはできないでしょう。
パソコン事業にしがみついたヒューレット・パッカードが今どれほど
苦労しているかを見れば明白だと思います。
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▼ コモディティ化した事業にしがみつく日本企業の苦戦は必至
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コモディティ化する事業にしがみついてしまい困っている企業は、
日本にもたくさんあります。
プラズマテレビ事業でコモディティ化の波に飲まれたパイオニアは、
次のGPS事業でも全く同じ道を辿りました。
十数万円するGPS機器を販売していたものの、コモディティ化した市場では
世界標準は約4万円になり、ついにはiPhone・iPadが登場し無料でGPSが
使えるようになってしまいました。
今、十数万円を出費して車にGPS機能をつける人がどれだけいるでしょうか?
NEC、富士通、シャープなど、日本の電機メーカーのほとんどが
同じ状況にあるのではないかと思います。
今、経営不振で騒がれているシャープにしても、
液晶テレビ事業がコモディティ化し、それにしがみついた結果が
「3000億円の赤字」です。
シャープは、従業員の賞与と給与を削減する追加リストラ策を発表し、
人件費の削減効果は140億円を見込んでいるとのことですが、
3000億円の赤字ですからこの程度の削減策では全く足りません。
今シャープの経営陣は、「なぜこの会社がトラブルを抱えているのか」
「どうしたら状況を打開できるのか」全く分かっていないと思います。
この期に及んで、時間が解決してくれると考えている節があります。
今月末に銀行から3000億円の借入を行うようですが、
これから先は地獄のような状況しか待ち受けていないでしょう。
コモディティ化の恐ろしさを理解し、その兆候が見え始めた時に、
いかに素早く意思決定できるか。
この重要性をぜひ今回のパルミサーノ氏の5つの問いから
学んでもらいたいと思います。
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この大前研一のメッセージは9月16日にBBT757chで放映された
大前研一ライブの内容を抜粋・編集し、本メールマガジン向けに
再構成しております。
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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか。
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