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原油に何が起きたのか? 急落の要因を分析 海外経済は減速感やや強 国家破産の街ギリシア・アテネ OWS1年
http://www.asyura2.com/12/hasan77/msg/692.html
投稿者 MR 日時 2012 年 9 月 21 日 12:03:49: cT5Wxjlo3Xe3.
 


【コラム】マーケットウォッチ


原油に何が起きたのか? 急落の要因を分析


2012年 9月 20日 16:44 JST
 【サンフランシスコ】原油先物相場が19日に再び大きく下げたことから、石油市場がどれだけうまく機能しているのか、需給はどれほどの材料になっているのか、といった疑問が浮上している。

 いまだ説明のついていない17日引け際30分の急落を受け神経をとがらせていた石油市場は、19日の下落に動揺した。だが、この日の下落は17日に比べると目立たず、急速でもなかった。


http://jp.wsj.com/var/plain_site/storage/images/media/images/120321_saudi.jpg/9756870-1-jpn-JP/120321_saudi.jpg.jpg

サウジアラビア国内にある石油プラント


 19日の下落はサウジアラビア当局者のコメントが要因。また、100ドル超に形成されている上値抵抗線というテクニカル要因もあった。季節的なパターンと需要への懸念を挙げたアナリストもいる。

 ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)の 原油先物(10月限)はこの日、前日比3.50%安の1バレル=91.98ドルで引けた。これほど低い終値は過去6週間以上なく、週初からの下落幅は5%を超えている。

 石油トレーダー、アナリスト、エネルギー当局者は今週の相場の動きについて以下のようにみている。

「ファットフィンガー」ではない

 NYMEXは、19日に技術的な障害があったとの報告はしていない。17日には、いわゆる「ファットフィンガー」シンドローム(誤入力)による取引があったとの見方を打ち消した。

 19日の下落に関するコメントを米商品先物取引委員会(CFTC)に求めたが、まだ回答はない。ただ、少なくとも17日の下落については非公式の調査が進んでいるようだ。

 CFTCのバート・チルトン委員は最近、同委が追加情報を探していると述べた。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に対し、「(17日の)原油で見たような、超高速の相場変動を受け、われわれは強い警戒感を持っている」と語っている。

弱い需要と大きな供給

 19日の下落は、米エネルギー情報局(EIA)がこの日発表した週間在庫統計(14日までの1週間分)で原油供給が予想以上に増加したことと、需給が弱いことが要因。

 米東部時間午前10時半の発表を受けて下げ幅を拡大したものの、午前9時にNYMEXの立会取引が始まったときに既に下げ始めており、9時から10時半の間に約2%下げていた。EIAは、発表前の情報リークを示す証拠はないとしている。

戦略石油備蓄(SPR)

 17日に20分間で4ドル下落してから、アナリストらはホワイトハウスが米国のSPRを放出する可能性があるとの観測に言及していた。

 こうしたうわさは19日に再び浮上し、ホワイトハウスは一般論として動くことに積極的だとあらためて表明した。

 ホワイトハウス当局者は石油市場をモニターしていると述べ、「大統領は(原油高に)対処するための選択肢はすべて残っていると強調している」と説明。その選択肢にはSPR放出も含まれているとした。

サウジ要因

 サウジも19日の3.5%下落の一因と考えられている。英紙フィナンシャル・タイムズによると、同国は原油相場上昇の影響を相殺するため、米国、欧州、アジアの顧客に追加供給をしている。ペルシャ湾岸のある石油当局者は、現行相場が高すぎると述べたという。

 石油輸出国機構(OPEC)のバドリ事務局長はこの日、オーストリアの鉱物資源会合で、「世界のどこにも供給不足はない」と述べた。

 シリコン・アソシエーツのセス・ラビノウィッツ氏は電子メールの質問に対し、「原油相場が大きく振れたときは常に、まずサウジをみなくてはならない」と応えた。「原油の突然の下方スパイラルは、サウジが供給を増やしているとの観測によるものだ」という。

納会

 17日が宗教休日(ユダヤ教新年)だったこともあり、今週は商い閑散だ。

 さらに複雑なことに、原油10月限は27日に納会を控えている。そのためのポジション解消もあるようだ。一方、中心限月11月限は19日、3.5%安の92.30ドルで引けている。

 また、夏のドライブシーズンを過ぎたこの時期は、多くの製油所が定期保守に力を置くことから、原油需要が減るとウティリス・アドバイザリー・グループのアラン・ハーブスト氏は述べた。

 だが、石油市場の中核は、おおむね需給から乖離(かいり)しており、そのため突然の変化に対する脆弱(ぜいじゃく)さが増している。

100ドルの時代に逆戻り?

 特に過去2年、原油は為替と株の動向になびきやすく、需給に沿って動くのは散発的かつ短期だった。

 19日の原油相場が通常と違うのは、他市場と関係なく動いたことだ。エネルギー株の下落で上げ幅は抑えられたものの、主な株価指標は上昇。S&P500は1.73ポイント高の1461をつけた。原油取引時間帯の大半の間、ドルは軟化していた。

 原油市場では先週、日中に100ドルを超える場面があり、需給ではこうした高値を説明できないと考える市場参加者はおじけづいた。今週の薄商いにもかかわらず、中東でのデモが拡大したり、イランと国際社会の緊張が高まったりすれば、相場は近くそうした水準に戻る可能性があるとハーブスト氏は述べている。

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記者: Claudia Assis

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http://jp.wsj.com/Finance-Markets/node_515560?mod=WSJFeatures


 

海外経済は減速感やや強まる、国内景気も持ち直し一服=日銀総裁
2012年 09月 20日 16:29 JST

[東京 20日 ロイター] 日銀の白川方明総裁は20日、全国証券大会であいさつし、海外経済は減速した状態がやや強まっており、日本の景気も海外経済の状況を反映して持ち直しの動きが一服しているとの見解を示した。

また、日本経済が成長経路への軌道を踏み外さないようにするため、18、19日に開かれた金融政策決定会合で緩和強化が適当と判断した、と述べた。

白川総裁は、海外経済の減速に言及した上で、日本の景気は当面横ばい圏内の動きにとどまると説明。欧州債務問題、米国経済の回復力、新興国・資源国の物価安定と成長の両立の可能性など、世界経済をめぐる不確実性が大きく、金融・為替市場が景気・物価におよぼす影響に注意が必要とした。

また、19日までの決定会合では、日本経済が「物価安定のもとでの持続的成長に復していく」という軌道を踏み外さないようにするために金融緩和を一段と強化することが適当と判断したと説明。これまでの措置の累積的な効果とあいまって日本経済が物価安定のもとでの持続的な成長経路に復することを確実にするとした。今後についても、資産買い入れ基金の着実な積み上げで間断なく金融緩和を進めていくと語った。

一方、わが国の金融資本市場の競争力という観点から、気がかりなのは日本の株式市場の出来高の減少傾向だと指摘。その背景は日本の経済規模や日本企業の収益力の相対的な低下だけではないように感じるとし、株式市場に関係する主体が知恵をだし、変化する市場環境に適合する努力を重ねることが必要だと語った。

(ロイター日本語ニュース 石田仁志;編集 佐々木美和)

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http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE88J04F20120920


日米欧の追加緩和策導入で新興国に警戒感 (9/20)
 世界の主要中央銀行による大規模な刺激策の採用が、世界中にドミノ効果を引き起こしている。新興諸国がホットマネーの流入と自国通貨の上昇を阻止する施策を講じているのだ。

http://jp.wsj.com/Finance-Markets/Finance/node_515695?mod=WSJFeatures

 


2012年9月20日


[橘玲の世界投資見聞録]
“国家破産”の街ギリシア・アテネを旅して
 前回「エーゲ海の豊かな島・クレタ島でギリシアという「国」について考える」、クレタについて書いたが、じつはデモとストライキの“嵐”が吹き荒れる2010年12月にアテネを訪れている。その体験はBLOGにアップしたが、せっかくの機会なので「世界投資見聞録」にも掲載しておきたい。

 なお、本文はほとんど加筆・訂正していない。1年9カ月経っていろいろなことがあったが、本質的な部分(ギリシア問題が原理的に解決不能だということ)はなにも変わっていないからだ。

労働者の4人に1人が公務員

 アテネは野良犬が多い。それも大きくて、やたらなれなれしい。カフェでコーヒーを飲んでいると、いきなりテーブルの下に潜り込んできたり、膝に頭を乗せてきたりする。最初は店で飼っているのかと思ったが、ただたんに、そこらへんにいる犬にエサをやっていたらなついたということらしい。捕獲処分のような野蛮なことをしないのが、生き物を愛するギリシア人の誇りなのだという。


アテネのカフェ。テーブルの間をデカい犬が走り回っている (Photo:cAlt Invest Com)
 アガメムノンのマスクで知られる国立考古学博物館の隣に、国立工科大学がある。この周辺はアル中とヤク中の溜まり場で、うつろな目をした男たちが昼間から夢遊病者のように徘徊している。道端に座り込み、エビのように身体をまるめ、注射器を手に化石のように動かなくなった男の脇を、学生たちが談笑しながら通りすぎていく。今年の冬はヨーロッパを大寒波が襲ったが、それでもアテネはコートなしで過ごせるほどで、路上生活者が街の中心部に集まってくるのだ。

 国立工科大学からオモニ広場を経てパネピスティミウ通りに向かう。ここは銀座中央通りや表参道のようなところで、ドーリア式の神殿を模した国立図書館、国立アテネ大学、国立学士院(アカデミア)の向かいに、デパートや高級ショッピングセンター、ブティック、アクセサリーショップなどが並んでいる。

 ギリシアのあちこちに「国立」を冠した施設が目立つのは、この国の人口の約10パーセント(雇用者の24パーセント)、およそ110万人が公務員で、彼らの職場が必要だからだ。公務員の数が「約」とか「およそ」でしか表現できないのは、この国にはそもそも信頼できる統計がなく、政府ですら公務員の正確な数を把握していないからだ。

 豪華な毛皮を羽織り、買い物袋を抱えて高級ブティックから出てきた妙齢の女性が路上に出てタクシーを止め、大声で運転手を怒鳴りつけている。

 このところずっと、公共交通機関のストライキがつづいている。この国では交通機関はほぼすべて公営だから、彼らがストをすると、バスも鉄道も地下鉄も一斉に止まってしまう。そうなるとタクシーはまったくつかまらないから、誰もが強引に車を止めて、同じ方向なら無理矢理乗り込もうとするのだ。

 こうして路上には人と車が入り乱れ、渋滞はますます激しくなり、車はぜんぜん動かないが、彼らはまったく気にしない。

次のページ>> 日常と化したデモ

日課となったストとデモ

 国会議事堂の正面にあるシンタグマ広場に向かって歩くと、あちこちの電柱にくくりつけられたスピーカーから大音声で民謡のようなものが流れてくる。道行く紳士が口づさんでいたが、これはオスマントルコからの独立を求める革命歌で、ギリシア人なら知らない者はいないのだという。

 国会議事堂とシンタグマ広場に挟まれた路上に、ギリシア国旗や赤旗を掲げたひとたちが集まっている。その数は4〜500人ほどで、参加者の年齢が高いこともあって、知り合いを見つけては談笑する様子は老人会の遠足みたいだ。


国会議事堂前のシンタグマ広場に集まったデモのひとたち。知り合いを見つけてはえんえんと立ち話をする (Photo:cAlt Invest Com)
 国会前は武装した警官たちが固めているが、そのまわりを例によって野良犬が何匹も走りまわっていて、こちらもまったく緊迫感がない。新聞社やテレビ局のカメラマンはほとんどおらず、ものめずらしそうに写真を撮っているのは観光客ばかりだ。

 しばらくデモ隊を眺めていたのだが、なにも起きないのですっかり退屈してしまった。聞いてみると、彼らは夕方までこのままだらだらと過ごし、それからようやく行進が始まるのだという。といってもデモのコースは毎回決まっていて、シンタグマ広場とオモニ広場を結ぶ2本の主要道路(パネピスティミウ通りとスタディウ通り)をぐるぐると往復するだけだ。


3時間くらいしてようやくデモ隊が出発 (Photo:cAlt Invest Com)
 労働者のデモは整然と行なわれるが、そこに黒覆面団と呼ばれる学生グループが紛れ込み、彼らが警官隊に向けて火炎瓶を投げたり、ゴミ箱に火を付けたりするので、警官側も催涙弾で応戦する。だが毎日のようにデモが行なわれているためか、このあたりの間合いは双方が習熟していて、めったに怪我人はでない(2010年5月のデモで黒覆面団が銀行の古いビルに火炎瓶を投げ込み、なかで働いていた男女3人が煙に巻かれて死亡したが、デモによる死者としてはこれがほぼ20年ぶりだった)。


2010年5月のデモで銀行員の死者が出てから、デモの時はシャッターを閉める (Photo:cAlt Invest Com)
 目だし帽や黒いスカーフ、防毒マスクなどで顔を隠した黒覆面団はアテネ工科大学を拠点とする過激派グループで、民主主義や資本主義、市場経済のすべてを否定しているのだという。マオイスト、トロツキスト、アナキスト、コミュニスト、極左組織からネオファシストや極右までが各派に分かれて大学を占拠しているというので見にいったのだが、冬休みに入ったからなのか、すさんだキャンパスで何人かの学生が所在なげに煙草を吸っているだけだった。

 共通通貨ユーロへの加盟には、マーストリヒト条約により、財政赤字をGDPの3パーセント以下にすることが義務づけられている。2001年にギリシアがユーロ導入を認められた時もこの財政基準を充たしていたはずなのだが、09年に社会党内閣への政権交代が起こると旧政権による粉飾が暴露され、実際の財政赤字はGDP比で13パーセントを超えていることが明らかになった。このスキャンダルによってギリシアの信用は失墜し、国債価格は大幅に下落し、IMF、EU(欧州連合)、ECB(欧州中央銀行)などの救済を仰ぐことになった。

 ギリシア政府は消費税率の引き上げ、公務員のボーナス撤廃や賃金引下げを含む厳しい財政削減計画を余儀なくされ、もともと「デモは文化」といわれる国で大規模な抗議行動を引き起こした(10年2月のゼネストでは、人口の3分の1にちかい275万人が参加したとされる)。だが夏の観光シーズンが終わり、クリスマスが近づく頃にはひとびとの関心はすっかり冷め、公務員と一部の不良少年たちが日課のようにストとデモを繰り返すだけになっていた。


公共交通機関のストライキでアテネ空港(エレフテリオス・ヴェニゼロス国際空港)の地下鉄駅も完全閉鎖 (Photo:cAlt Invest Com)  
 デモ隊と警官隊が対峙するシンタグマ広場を一歩離れれば、そこにはありきたりの日常風景が広がっている。皮を剥がれたトリやブタが所狭しと並ぶ中央市場は夕食の支度を急ぐ主婦でごった返し、世界の賓客に愛されたグランド・ブルターニュ・ホテルの屋上レストランでは正装した男女がシャンパングラスを傾け、アクロポリスの丘には夕陽を眺める恋人たちが集まってくる――。これが、私の見た「国家破産」ギリシアの姿だった。

次のページ>> 2年に一度破綻する国

2年に一度、破綻する国

 ギリシアの経済危機は、どこかマンガじみている。

 そもそもこの国は、野良犬と並んで公務員の数がものすごく多い。ギリシアの経済学者はこれを「公務員爆発」と呼ぶが、その数は財政危機にもかかわらず加速度的に膨張している。

 この不思議な社会の仕組み報告した毎日新聞記者の藤原章生は、ギリシアの公務員問題について、労働省のエリート官僚の次のような証言を紹介している(『ギリシャ危機の真実 ルポ「破綻」国家を行く』)。

 新たな政権ができると、官僚の顧問や局長職は総入れ替えになり、それぞれの閣僚や次官ら政治家たちが好きなように身内や友人、支援者、または自分で探してきた人物をそのポストに招く。こうした人々は「臨時雇用」という形で来るが、この国の問題は彼らがいつの間にか「正規雇用」になっていて、政権が交代しても解雇されないこと。

 前から同じポストにいた人はどうなるかと言うと、解雇されず、別のポストに行くか、ひどい場合、同じ局長のポストに2人がいるなんてこともある。当然2人分の仕事はないから、前の人たちは職場に来なくなり、給与だけもらい続ける幽霊公務員となる。私たち労働省の中でも全体の職員が何人いるのか、どういう構成なのかよくわかっていない。

 こうして選挙のたびに公務員が増えていった結果、ギリシアの公務員数は巷間いわれている110万人よりもはるかに多いのではないかと藤原は推計する。

 藤原が出会った公務員(国立病院の看護師や公営地下鉄の職員)は、勤続20年でも月収は1000〜1200ユーロ(年収150万円前後)で、これだけで大家族を養うのはとうてい無理だ。そのためほとんどの公務員は給料だけでは生計が成り立たず、副業を持っているのが当たり前だ(さらにいうと、民間のサラリーマンも夜はウェイターになるなど、2つや3つの仕事をかけもちしている)。


アクロポリスの丘から眺めるアテネ市街 (Photo:cAlt Invest Com)
 ギリシアの公務員は平均給与が民間の1.5倍もあるとしてドイツなどから厳しく批判されているが、彼らの生活実態はそれほど優雅ではない。だとしたら、統計上は「労働者の4人に1人」という公務員数は、それよりずっと多いにちがいない。ギリシアでは一種のベーシックインカムが実現しており、家族の誰かが公務員(幽霊公務員)として国からいくばくかの給与をもらい、民間企業にかけもちで働きながら、足りない生活費を副業でまかなっている――。そう考えれば、緊縮財政が国民的な規模のデモやストライキを引き起こした理由もよくわかる。

 ギリシアではこれまで年金の支給開始年齢が50代半ばで、それも受給額は現役世代の給与の9割ときわめて高率だ(日本の「百年安心年金」は現役世代の5割支給で設計されている)。さらには現金決済で消費税(財政破綻で23%に引き上げられた)を払わない“闇ビジネス”が横行しており、その規模はいまやGDPの4割に達するともいわれる。


高台にある高級住宅地。プール付きの豪邸も (Photo:Alt Invest Com)
 こうした財政の放蕩三昧が明らかになるにつれて、ギリシアのデモは、ドイツなど「ゆたかな欧州」から冷たい視線を浴びるようになった。財政赤字を膨らませたのは自業自得で、そのツケをユーロに押し付けたり、EUに救済を求めるのは筋ちがいだというのだ。

 もちろんこのことは、当のギリシア人がいちばんよくわかっている。彼らは外国人旅行者に対しては、政治の腐敗を嘆き、ギリシアは変わらなくてはならないことを力説する。政府も、財政健全化を喫緊の課題として、公務員改革の成果をアピールする。しかしその背後には、周到な計算も見え隠れする。

 EUがIMFとともにギリシアの財政支援に踏み切ったのは、金融危機がスペインやポルトガル、イタリアなど南欧諸国に飛び火するのを防ぐためだ。ギリシアがデフォルトを起こし、ユーロから脱退すれば、その影響は甚大だ。

 だとすれば、ギリシア政府にとってもっとも好都合なのは、財政改革で一定の譲歩をしつつ、ユーロを人質にして、EUに債務の減免(借金の踏み倒し)を認めさせることだ。その交渉のためには、国民の抗議行動が適度に起こっていたほうが都合がいい。


パルテノン神殿 (Photo:cAlt Invest Com)
 そもそもギリシアは、1800年以降の200年余の歴史のなかで、債務不履行と債務条件変更の年数が50%を超えるという。2年にいちどは破綻しているのだから、その対応は筋金入りだ。

 このようにしてアテネでは、予定調和のようなデモが今日も行なわれている。

PS それから約2年たってもギリシアは同じゲームを続けているが、もはや取引のネタも尽き、EUから見捨てられつつあるのは前回の原稿で書いたとおりだ。

(執筆・作家 橘玲)

<Profile>
橘 玲(たちばな あきら)
作家。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。「新世紀の資本論」と評された『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部の大ベストセラーに。著書に『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 究極の資産運用編』『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 至高の銀行・証券編』(以上ダイヤモンド社)などがある。最新刊『(日本人)かっこにっぽんじん』(幻冬舎)が発売中。ザイオンラインとの共同サイト『橘玲の海外投資の歩き方』をオープン。  


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http://diamond.jp/articles/-/25069


【津山恵子のアメリカ最新事情】ウォール街占拠から1年、先進国の無関心世代に残したもの
2012年 9月 20日 11:14 JST

 太鼓の音やラッパの音を鳴り響かせ、段ボールのプラカードを掲げ、デモを先導するリーダーもなく、同時多発的に機敏に歩き回る、そんな若者たちの姿がウォール街に戻って来た。17日早朝、1年前に始まった「ウォール街を占拠せよ(オキュパイ・ウォール・ストリート=OWS)」運動を記念して、どこからと思うほどの若者がウォール街に集結した。

画像を拡大する

撮影 Morgan Freeman
17日早朝、OWSデモで逮捕される参加者の若者
 1年前、一時1000人もの若者がテントを張って寝泊まりしたズコッティ公園は、その後、今はすっかりサラリーマンの憩いの場。しかし、ニューヨーク市警によるテントの撤去やしつこい逮捕に屈し、わずかに「占拠」の跡があったのは、ウォール街前にある教会で、10数人が8月から寝泊まりしていただけだった。

 ところが17日を記念に勢いを再び得ようと、週末から3日間に渡るデモやコンサート、議論の場が計画された。専用ウェブサイトも立ち上がり、関わっていた知人にツイッターで取材を申し込むと、「17日が終わるまで会う暇がない!」と返事が来た。

 17日朝、準備のかいもあり、学生から、以前公園に詰めかけていた市民運動団体の活動家まで幅広い層の市民が再集結し、ウォール街にあふれかえり、警察と衝突して次々に逮捕者が出た。

 若者たちはなぜ、戻って来たのか。1年前の運動で、何が変わったのか、デモ中の若者たちに聞いてみた。

 「3万2000ドル借金」と書かれた段ボールの紙を持った大学を卒業したばかりで無職のローラ(21)は、一緒にいた友人2人も失業中だ。

 「大学に行くのに、母親が借金までしてくれたにも関わらず、学生ローンも3万2000ドル残っている。それなのに就職先はない。でも、OWSは、学生以外の人たちとも経済について何が問題かを話し合う機会を生み出した。どこも占拠しなくても、論争を高めるきっかけを作った」

 大学院生で1年を通して、反格差デモの教育・広報グループに関わってきたデジレ(26)も、運動は「目にはみえなくても今後拡大する」という意見だ。

 「何も同じ人間がずっと占拠を続けなくても、私のような若者世代の『認識を高め、無関心を減らした』効果は十分にあった」

 また、既存の組合や市民運動団体との関係を構築したり、地域のスモールビジネスを助けたりする役目を今も果たしているという。

 「組合が法律上できない、職場でのデモを助けたり、私の近所では有機農法の食品を売る店をOWSが支援している」

 「でも相変わらず景気は悪く、就職事情は差別に満ちている。問題が解決しない限り、運動は続いていく」

 1980年代に盛り上がりをみせたものの、今はすっかり下火となったエイズ患者の人権団体を代表するナネット・カズオカ(71)も、OWSを全面的に支援する。17日のデモには、団体が横断幕を新調して参加した。

 「80年代後半に数百人が参加した定例会も今は40-50人。でも、私たちがまださまざまな問題に直面していることを、OWSの人たちが世間に広めてくれた」と話す。

 OWSの象徴となった公園の「占拠」から姿を消したため、運動が下火になったが、1年間、アメーバのようにさまざまな場所に入り込んで、運動が続いていたことが分かった。

 反格差デモは1年前、中東での民主化革命「アラブの春」に影響を受けて始まった。しかし、「アラブの春」とは全く異質なものだったと今は理解できる。エジプトや中東では、携帯電話も持てない、食べるにも窮する貧しい市民の決起だった。しかし、米国や日本では、iPhoneやiPodを身につけ、衣食住は足りている若者が、その上で生じている「格差」に対して怒りをぶつけるのがOWS運動だ。そして、有機的に広がっていった。そうした先進国型のデモの典型として今後、記憶されていくのだろう。


*****************
津山恵子(つやま・けいこ) ジャーナリスト


 東京生まれ。共同通信社経済部記者として、通信、ハイテク、メディア業界を中心に取材。08年米大統領選挙で、オバマ大統領候補を予備選挙から大統領就任まで取材し、AERAに執筆した。米国の経済、政治について「AERA」「週刊ダイヤモンド」などに執筆。著書に『モバイルシフト「スマホ×ソーシャル」ビジネス新戦略』(アスキーメディアワークス)など

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http://jp.wsj.com/US/node_515385

 

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コメント
 
01. 2012年9月21日 12:09:06 : Wg3S07Yplk
>原油に何が起きたのか? 急落の要因を分析

二重投稿です。
屑ネタてすが・・よく確かめて投稿しましょう。


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