http://www.asyura2.com/12/hasan77/msg/641.html
Tweet |
7月のユーロ圏貿易黒字が拡大、賃金は上昇
2012年 9月 18日 10:40 JST
7月のユーロ圏の貿易収支は、輸入減少に伴い黒字幅が拡大した。一方、第2四半期(4−6月)の賃金は上昇しており、ユーロ圏の経済が現行の第3四半期に大きく縮小する公算が小さいことが示唆されている。
欧州連合(EU)の統計局(ユーロスタット)は17日、7月のユーロ圏貿易収支が季節調整前で156億ユーロの黒字となり、6月の136億ユーロから拡大したと発表した。
これとは別の統計で、ユーロスタットは第2四半期の1時間当たり賃金(時給)が前年同期比で1.6%上昇したと発表した。第1四半期は同1.5%で、第2四半期伸び率はこれを上回った。
ユーロ圏の経済は第2四半期に年率で0.7%のマイナス成長となっており、大半のエコノミストは第3四半期も縮小すると予想している。しかし、今回の貿易および賃金統計をみると、先週の鉱工業生産統計でうかがえたようなしぶとさがうかがえる。
ただし弱さの徴候も明確に存在する。貿易黒字の拡大はおおむね、7月の輸入が1466億ユーロと6月の1481億ユーロを下回ったことが主因で、海外受注の旺盛さではなく内需の弱さが黒字拡大の背景にある。
季節調整済みベースでは、7月の貿易黒字は79億ユーロにとどまり、6月の93億ユーロから縮小した。輸出は2%減少した。また、ユーロ圏の財政危機に対処する対策が講じられつつあることからユーロ相場が最近上昇しており、対外収支状況が好転する公算はほとんどない。
IHSグローバル・インサイトのエコノミスト、ハワード・アーチャー氏は「7月の輸出データは、世界の経済成長の弱さがユーロ圏製品の外需をますます抑えているとの懸念を強めるものだ」と述べ、「ユーロ相場が最近上昇し、先週には1ユーロ=1.31ドルを突破して4カ月ぶりの高値に達した結果、ユーロ圏の輸出業者には打撃になるだろう」と語った。
より広範囲の統計、つまり7月のユーロ圏の経常収支をみると、黒字幅は縮小した。欧州中央銀行(ECB)によれば、7月の経常収支黒字は季節調整済みで97億ユーロにとどまり、6月の143億ユーロから急減した。ユーロスタット統計と同様に、ECBの物品収支黒字は季節調整済みで減少し、サービス収支黒字は横ばい、所得収支黒字は減少した。エコノミストたちは、貿易、経常収支黒字は向こう数カ月間縮小する公算が大きいとしている。
BNPパリバのエコノミスト、ドミニク・バルベ氏は「経常収支黒字は向こう数カ月間、石油価格の上昇などを受けて、縮小し続けるかもしれない」と語った。
賃金の上昇は加速したが、そもそも極めて低水準から出発しており、依然としてインフレ率を下回っている。つまり実質賃金が低下し続けていることを意味する。
第2四半期の総労働コストは前年同期比で1.6%上昇で、第1四半期の同1.5%上昇を上回った。労働コスト上昇は、インフレ圧力の一因になり得るが、第2四半期の数字はこうした圧力が依然として控えめであることを示唆している。
ユーロ圏における労働コストの再調整は、窮地にあるユーロ圏経済全体をリバランス(再編成)するのに重要な要素だ。窮地に陥っているユーロ圏参加国は、ユーロ導入で自国通貨切り下げの権限を持っておらず、強い北部欧州諸国よりも大きな労働コスト圧縮によって競争力を回復しなければならない。これが「内部切り下げ」として知られるプロセスだ。
6月までの3カ月間、つまり第2四半期は、このプロセスが生まれている徴候がある。例えばドイツの賃金伸び率が3%に達して前期の2.1%を上回る一方で、アイルランドでは伸び率が前期の1%から0.4%に鈍化し、スペインの伸び率は1.7%から0.5%に鈍化した。
記者: Paul Hannon
世界経済 一覧へ
メール印刷原文(英語)
類似記事(自動抽出)
中国7月の貿易収支、黒字額が251億ドルに減少2012年8月 10日
アルコア、4-6月期は赤字転落 アルミ価格下落響く2012年7月9日
フォード4-6月期は57%減益、海外事業の不振と税率上昇響く2012年7月 26日http://jp.wsj.com/Economy/Global-Economy/node_513803?mod=WSJWhatsNews
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。