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安倍元首相が自民総裁選に出馬表明、日銀に「格段の緩和」要請
2012年 09月 12日 18:32 JST
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韓国大統領選、最大野党の候補に文在寅氏を選出
中国の反日デモがさらに拡大、国交正常化以来で最大規模
金融緩和強化の期待相次ぐ、物価目標2%=自民総裁選討論会
ロイター調査:米QE3の買い入れ総額6000億ドルと予想
[東京 12日 ロイター] 自民党の安倍晋三元首相は12日夕に記者会見し、総裁選への立候補を正式に表明した。経済と外交・安全保障を総裁選の焦点に位置付け、公約に日銀の「格段の量的緩和政策等の推進」を盛り込む一方、成長戦略の必要性も合わせて強調した。
安倍氏が示した公約は6項目。1)1日も早いデフレ脱却と成長力の底上げによる所得向上・雇用創出、2)憲法改正・教育再生、3)日米同盟の強化など外交・安全保障の確立、4)道州制を前提とする地方分権の推進など強固な国づくり、5)消費税に軽減税率を導入するなど社会保障制度の確立、6)経済連携協定(EPA)や自由貿易協定(FTA)の推進などによる地域づくり──とした。
会見で安倍氏は、経済政策について「消費税を引き上げる前に、デフレから脱却して経済を力強い成長軌道に乗せていく必要がある」とし、政府と日銀が協調して「大胆な金融緩和などデフレ脱却のため政策を総動員」する方針を掲げた。「2─3%の緩やかで安定的なインフレを達成する必要がある」との考えも示した。
成長戦略にも言及。自民党が政権を奪取した際には「日本経済再生本部」を創設し、新たな成長戦略を策定するとした。「成長の鍵はイノベーション。新しい技術、ビジネスアイデア、創造的な取り組み。イノベーションに国家資源を戦略的に投入する」という。
消費増税を含む社会保障・税一体改革をめぐる民主党、公明党との3党合意は「進めていくのは当然」と述べた。
一方、首相退任の理由となった自らの健康状態については「2年前に画期的な新薬が登場し、難病を克服することができた。今は心身ともに健康」と話し、問題はないと強調した。
(ロイターニュース 基太村真司)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE88B04R20120912/
金融緩和強化の期待相次ぐ、物価目標2%=自民総裁選討論会
2012年 09月 16日 08:03
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[東京 15日 ロイター] 自民党総裁選に立候補した安倍晋三元首相、石破茂前政調会長、町村信孝元外相、石原伸晃幹事長、林芳正政調会長代理による公開討論会が15日午後開かれた。
円高・デフレ脱却を最優先課題とする各候補からは、現行の日銀の物価目標1%は低すぎる、諸外国並みの2%並みにすべきなど金融緩和の強化を求める声が相次いだ。円高是正では、石原氏や林氏が新たな国際協調の枠組みを提言した。
<物価目標は2%に、政府・日銀のアコード提案の声>
経済政策では5候補の主張に大きな違いはみられなかった。デフレ脱却のための金融政策に対する期待は強く、石原氏は「日銀の物価目標1%は低い」と指摘。林氏も「1%のメドでは足りない。ECB、FRB並みの2%にしておかなければ、円高容認というメッセージを出してしまう」と同調した。さらに林氏は「もっと残存期間を長くして国債をもっと持つようにすることや(日銀による)外債(購入)の提案もしていこうとなっている」と金融緩和の強化を求めた。
安倍氏も「やるべきことはデフレから脱却すること。そのために思い切った金融緩和をする必要がある。物価目標、果たして2%、3%と定めてくれるのか」と応じた。
石破氏は「日銀法を改正しなくてもできることはたくさんある。言うことをきかないと日銀総裁をクビにするぞとやっていたら『傀儡総裁』になる」と警告し、「イングランド銀行を参考に、政府・日銀が同じ目標をもち、協調関係がさらに確立されるべきだ」と政府・日銀の政策協定の有効性に含みを残した。
<円高是正で、石原氏、林氏が新たな国際協調の枠組み提案>
円高是正では、石原氏、林氏が新たな国際協調の枠組みの検討を提案した。石原氏は「アジアの成長を日本が取り入れる。その弊害になっているのが円高だ。台湾、中国、韓国などの新興国(の通貨)は経済成長すれば円に対して上昇していかなければならないものが、ドルとリンクしていることで、外貨安につながっている。これを克服していくことが円高問題の本質だ」と述べ、アジア通貨に限った新たな通貨体制の検討が必要だとした。
林氏は円高是正では「変動相場制の見直しまで踏み込んできちんと議論し、マクロ協調の枠組みを中国を入れた日米欧で作っていく必要がある」と主張。実需を伴わない投機的な過剰流動性が市場の混乱要因となり、貿易・資本取引の障害になっていることを理由に挙げた。
<安倍氏「デフレ下では消費税は上げるべきでない」>
社会保障・税一体改革の3党合意に関しては5候補とも谷垣総裁の路線継承を明らかにしており、公開討論会ではほとんど議論にならなかった。唯一、安倍氏が「時期を間違えると結果として経済の腰を折ってしまう。デフレが続いている間は(消費税は)上げるべきでない」と注文を付けた。
<原発・エネルギー政策では、政府・民主党方針と対峙>
原発・エネルギー政策でも選挙公約を見る限りほとんど違いはみられない。むしろ、衆院選を意識した政府・民主党方針への批判が展開された。
政府・民主が「2030年代に原発稼働ゼロ」を目指す方針を打ち出したことに対して、町村氏は「工程表も、技術的裏付けもなく、拙速だ」と批判。再生可能エネルギーに関する技術開発について見極めが立たない現時点で「希望的観測は言えても、本当に3分の1のエネルギーを再生エネルギーで賄えるかどうか全くメドが立っていない」とし、「2─3年かけじっくり議論し、技術開発の動向を見極めたうえで比率を出すべきであって、なぜ、今夏あわてて決めなければならないのか。3年くらいのうちには、きちんとした数字を、裏付けあるものとして出していきたい」と反論した。
<解散戦略>
早期の解散を目指す点でも5氏は一致。最有力候補の石原氏は、解散戦略について「民主党の代表選でどれだけのアンチ野田票が入るか。そののち何人離党するか」をみたうえで、5人以上が離党した場合、民主党単独での安定過半数を下回る事態に追い込まれ、自民・公明の協力なしには、野田首相が編成を明言した補正予算が組めないと見通し、「適切な時に解散を打ってくるのではないか」と語った。
(ロイターニュース 吉川裕子:編集 石田仁志)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE88E00S20120915?sp=true
コラム:失われた通貨主権、日銀の覚醒に期待=武者陵司氏
2012年 09月 14日 15:55 JST 記事を印刷する | ブックマーク | 1ページに表示 [-] 文字サイズ [+]
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為替フォーラム
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焦点:なるか脱原発、火力発電の有効利用や省エネ進展で可能に
対円でドルが上昇、ユーロも4カ月ぶりの高値に
武者陵司 武者リサーチ代表
[東京 14日 ロイター] 尖閣、竹島、北方四島など離島にかかわる領土問題の顕在化によって、多くの日本人は、世界が善意のみを統治原理とするユートピアなどではなく、弱肉強食の競争社会なのだと改めて思い知らされたことだろう。それはあからさまな国益の主張がものを言う世界であるが、その傾向は経済においても顕著だ。
新貿易論構築の業績などで知られるノーベル賞経済学者のポール・クルーグマン氏は、日本が圧倒的な産業競争力を誇っていた1980年代、古典的自由貿易や比較優位論が時代遅れであり、国家が通商産業政策に介入することの必要性を説いた。振り返れば、この頃から米国の通商圧力は増し、日本の産業競争力は大きく削がれていくこととなった。今日の国内半導体やエレクトロニクス産業の顕著な地盤沈下は、そうした圧力に深く影響されている。また、中国、韓国、台湾は凋落した日本を反面教師にして、重商主義的政策をいっそう強め、自国企業・産業をあからさまに支援している。
国益の主張は、為替の分野でも顕著となっている。一般的には変動相場制の成立以降、為替レートは市場の合理性によって決まると考えられている。為替は市場とファンダメンタルズによって決まり、政策は無力との意見である。
確かに一定のファンダメンタルズから乖離(かいり)した為替レートは持続しがたく、為替レートは短期でみればインフレ格差や金利格差によって決定されるとの見方にも一理ある。しかし、為替水準が国家の利害によって歪められていることも事実である。
たとえば、中国、ドイツ、韓国といった世界の三大貿易黒字増加国を見てほしい。中国人民元は公式には2005年7月よりドルペッグ制から通貨バスケット方式の管理変動相場制に移行したことになっているが、実態は依然としてドルペッグに近く、しかも中国当局は為替市場への介入を通じて人民元レートを人為的に操作し、輸出産業を保護している。
一方で、ドイツも、確信犯かどうかは別として、欧州周辺国を通貨同盟に招き入れることによってユーロ安を実現し、中国に匹敵する貿易黒字を計上している。また、韓国も表向きは変動相場制を採用しているが、ウォンの変動を小さくするために当局がたびたび市場に介入している。
米国も、2008年のリーマンショック以降は大幅な金融緩和によりドル安を実現し景気を支えている(9月13日には、米連邦準備理事会が量的緩和第3弾の実施を発表した)。ユーロ危機のさなか日本と同じく通貨投機にさらされてきたのはスイスだが、こちらも中央銀行の積極的な為替介入によって、スイスフランの騰勢は止まった。
そうした中で、純粋に市場原理に為替を委ねている主要国は、もはや日本だけと言っても過言ではない。このように通貨主権が失われた状況では、円高がさらに進む可能性がある。
<圧倒的不利な日本の産業>
とはいえ、昨年のような大規模な為替介入を繰り返せば、為替操作国の仲間入りであり、国際的な非難をいたずらに浴びるだけだ。では、どうすればよいのか。筆者は、徹底的な日銀の金融緩和、バランスシートの膨張によるベースマネーの増大しかないと考えている。
そもそも、日本は世界唯一のデフレ国だ。物価の下落は貨幣価値の上昇を意味するが、日本の場合、さらに中央銀行が為替水準に中立を装っているため、消去法的な通貨投機の対象となりやすい。
圧倒的な産業競争力を背景に、日本が世界の貿易黒字の大半を稼いでいた1980年代後半から2000年頃までならばいざしらず、これ以上円だけが突出して買われる状況は、2012年上半期に原発停止による燃料輸入の急増で2.9兆円という歴史的貿易赤字を計上したことを考えれば、異様と表現するほかない。
むろん、日本企業の活力が失われた理由は、世界水準では戦えない仲間主義の体質にもあるが、超円高とデフレが企業経営の足を引っ張っていることは明らかである。通貨高とデフレを許し続ければ、かつての大英帝国と同じ凋落の道を辿ることになるだろう。環太平洋連携協定(TPP)への参加などにより交易条件を向上させようと努力しても、為替動向次第ではその効果は簡単に吹き飛びかねない。
リフレ政策としての日銀の量的金融緩和は、需要不足に悩む世界各国にとっても歓迎すべき政策であるはずだ。上場投資信託(ETF)や不動産投資信託(REIT)の買い入れ規模をより大胆に拡充すればよい。
おそらくこう提案すると、倫理的な反論を受けるだろう。だが、金融政策はそもそも倫理を説くために存在するわけではないはずだ。こうしている間にも、円高デフレ下で、日本の産業・経済の疲弊は進み、日本人の困窮は深まる。一刻も早い日銀の覚醒と行動を期待したい。
*武者陵司氏は、武者リサーチ代表。1973年横浜国立大学経済学部卒業後、大和証券に入社。1987年まで企業調査アナリストとして、繊維、建設、不動産、自動車、電機・エレクトロニクスなどを担当。その後、大和総研アメリカのチーフアナリスト、大和総研の企業調査第二部長などを経て、1997年ドイツ証券入社。調査部長兼チーフストラテジスト、副会長兼チーフ・インベストメント・アドバイザーを歴任。2009年より現職。
*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。(here)
*本稿は、筆者の個人的見解に基づいています。
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