http://www.asyura2.com/12/hasan77/msg/618.html
Tweet |
9月15日に創業100年を迎えたシャープ=大阪市阿倍野区のシャープ本社(撮影・前川純一郎)
シャープ“Xデー”はいつ?創業1世紀は崖っぷち
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20120916/ecn1209160655000-n1.htm
2012.09.16 夕刊フジ
シャープは15日、創業100周年を迎えた。歴史ある「一世紀企業」の仲間入りだが、経営再建の真っただ中だけに浮かれたムードはない。なぜ、経営は一気に傾いたのか。薄型テレビの販売低迷が理由といわれるが、一方で家電製品の価格破壊を招いた韓国のウォン安政策が経営不振の遠因という声も聞こえてくる。
創業以来、厳しい局面もあったとはいえ、シャープの経営は概して安定成長を続けてきた。平成20年3月期には最終利益が1019億円と1千億円を突破。好調だった経営に何が起こったのか。
「薄型テレビの販売不振と単価下落」。経営不振の理由はこの一言で要約されがちで、シャープの“液晶一本足”経営が危機を招いたといわれる。確かにその通りだが、それだけなのか。そこには複雑な要因が絡み合っており、「そのひとつが韓国勢が仕掛けた低価格競争を回避しきれず、収益を悪化させた」(関係者)とも指摘される。
家電製品は単価が安いこともあり、もともと値下がりしやすい。ただ、家電各社の“看板商品”であるテレビの値崩れに歯止めが利かなくなったのはこの数年のことで、引き金をひいたのが韓国勢だ。
韓国では2008年2月に李明博政権が誕生し、輸出拡大を狙い「ウォン安政策」を推進してきた。韓国政府は否定しているが、為替介入などを通じてウォン安に誘導しているのは周知の事実だ。
「同じ商品でも韓国製は2〜3割安い」。関西系電機メーカーのある関係者はこう指摘した上で、「最初から勝負にならない。ウォン安による韓国勢の台頭で薄型テレビの価格が一気に崩れた」とため息をつく。
シャープは、町田勝彦前会長の社長時代に「ナンバーワン」ではなく、「オンリーワン」戦略を掲げ、経営資源を液晶に集中させてきた。「オンリーワンという考え方は、日本企業が世界で勝ち抜くための有効な方向性であり、それは今でも通じる」(銀行系アナリスト)と評価する。
半面、液晶一本足経営が今の苦境を招いたこともまた事実だ。「オンリーワンとしての液晶にこだわるならば、低価格競争は絶対に回避すべきだった」と前出のアナリストは指摘する。
安売り競争を避け、収益をきちんと計上している製造業は少なくない。
その代表例が空調機器分野で、世界の頂点に立つダイキン工業だ。「得意とする高級ゾーンで展開を進める」(井上礼之会長)という方針の下、自社技術とともに、M&A(企業の合併・買収)で取得した海外企業の技術力などを活用。利益率の高い高級品市場でのシェア拡大にこだわり、収益を安定確保してきた。
もちろん、シャープもただ手をこまねいてみていただけではない。例えば、カラーテレビ以来、半世紀ぶりの進化といわれた4原色技術「クアトロン」を開発。低価格競争とは一線を画した超高画質の液晶テレビを世に送り出してきた。
しかし、「サムスン電子など韓国勢も相当の技術力を保有」(関係者)している。また、デジタル化の進展で汎用化しやすく、独自技術で差別化してもすぐにキャッチアップされてしまう。そして、またいや応なく韓国、中国などが仕掛けた世界的な価格競争に巻き込まれ、収益がむしばまれていった。
平成24年に創業100年を迎える「一世紀企業」は近畿2府4県だけで300社以上にのぼる。創業300年以上を誇るある酒造メーカーの顧問は、長寿企業について「すぐれた経営者が伝統を重んじながらも時流に応じ、したたかに変化して生き残っている」と説明する。
シャープはどうか? 提携関係にある台湾・鴻海精密工業との出資見直し協議が難航し、一方で資金難に苦しむ。「今の状況に頭では分かっていても、体が反応していないようにもみえる」とある関係者は話す。
「Xデーはいつなのでしょうか」
業界の一部では今、こんな会話が聞こえてくる。Xデーの意味は「鴻海との協議の結末」もあれば、「経営再生」「経営破綻(はたん)」などさまざまだ。
ただ、ひとつ言えるのはシャープに時間的な余裕はなく、スピード感をもって決断していかなければ、この苦境を乗り切れることはできないということだ。そして、それは創業2世紀目は迎えられないことを意味している。(島田耕)
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。