http://www.asyura2.com/12/hasan77/msg/608.html
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http://zai.diamond.jp/articles/-/135889
■FRBがQE3実施を決定!
FRB(米連邦準備制度理事会)は QE3(量的緩和政策第3弾)に踏み切った。
ドルインデックスは79の節目に迫り、ユーロ/米ドルは1.3000ドルの節目を上回っている。
もっとも、「ヘリコプター・ベン(※)」というあだなを持つバーナンキFRB議長による量的緩和策の推進は、ほぼマーケットの予想範囲内であるが、QE3と呼ばれる今回の政策の中身は、前2回と違った特徴も多い。
(※編集部注:「ヘリコプター・ベン」とは、「デフレ克服のためにはヘリコプターからお札をばらまけばよい」というバーナンキ氏の発言からついたあだな)
■今回のQE3の特徴とは
まとめてみると、筆者は以下の3つポイントに注目すべきではないかと思う。
1、無制限QE
従来の大規模資産買い入れプログラム(LSAP)には最大規模と時間軸がコミットされていたが、今回は無制限であることが明確に示された。
FRBは景気改善と判断する前は、これをずっとやり続けることを宣言しているだけでなく、さらなる政策と実行ツールの追加も示唆している。
2、雇用創出に焦点
FRBは雇用状況の改善を目的として取り上げ、無制限QEのターゲットをはっきり示した。雇用状況の改善は常にFRBの任務であるが、量的緩和策と明白にリンクすることは過去になかった。
その上、たとえば「失業率が何%に改善すれば目的達成」という具体的な数字を示していないので、FRBは長期戦に備えている印象が強い。
3、アウトルックに楽観
声明文では、FRBは景気見通しに楽観的であることが読み取れる。雇用状況の厳しさと一見矛盾しているように見えるが、いわゆるQEの副作用をできるだけ消しておきたいといったバーナンキ氏の苦心が読み取れる。
というのは、「再三の量的緩和は景気衰退のサインである」とマーケットは解釈しがちであり、それによって企業や消費者が財布の紐をさらに締めていくと、量的緩和策本来の意義がなくなってしまうからだ。
ゆえに、バーナンキ氏にとって楽観的なアウトルックはポーズではなく、必要なスタンスである。
■QE3実施も為替相場にとっては効果は限定的か
★さらに、来たるべき米「財政の崖」に備え、FRBは先手を打ちたいという本音も読み取れる。この意味でも、今回の無制限QEはバーナンキ氏最後の「賭け」とも読み取れる。
議長さんの「賭け」がこれから成功するかどうかは定かではないか、目先の効果として、株高、原油高、金高やドル安は鮮明である。
しかし、 為替相場に限定してみれば、その効果は限定的ではないかと思う。少なくとも短期スパンでは。
前述のように、QE3自体はもはやサプライズではないし、無制限QEさえ、一部市場関係者たちは事前に予測していたから、驚くほどの出来事ではない。
言ってみれば、マーケットを興奮させるほどのインパクトはなさそうだ。
実際、QE3の実施で一番心配される米ドル/円の下値リスクについても、騒ぐほどのものではないと思う。(以下略)
◆保身政策という視点でのQE3
http://ameblo.jp/eiichiro44/entry-11354465471.html
QE3実行するFRBだが、「必要であれば他の追加措置(QE4)も」、とも明言したバーナンキ。他の債券買い取りとなれば、手続きは面倒になる。今までの方法・発言とは、明らかにスタンスが変更された感がある。
リーマンショックから4年が経とうとしているにも関わらず、意気込み自体は4年前に戻ってしまったかのようだ。ジャクソンホールスピーチから2週間、彼の身に何が起こったのだろうか?
そんな中、「バーナンキが自身の続投を確保するために、露骨なオバマ援護政策に出た。オバマが再選されない事にはバーナンキ自身が議長の座を降りなくてはならなくなるから」、といった論調をチラホラ見掛けた。これは経済的側面からではなく、自らの保身、政治的側面から緩和を行った、という意見になる。
今回のバーナンキは、ジャクソンホールでのスピーチとはうってかわって、自己矛盾するような事も言っている。それを考えれば、そのような側面も否めないかも知れない。国債と違ってMBSが買いやすい、という事は間違いないのだが、あくまでそれは2次元的な要素だった可能性も残る。FRBにおける債券保有ルールも関係し、個人的にもMBS買取には注目していたわけだが、「やり過ぎ感」は否めない。
実際にどこまで購入するかは別として、「労働市場の改善見通しが良くなるまで、QE4も」というアナウンスは波紋を呼ぶ事になるだろう。
(補足)
そうそう、「チラホラ見掛けた」というのは、たとえば植草さん の論調。
個人的には、「QE3は大統領選には、追い風どころか向かい風になるのでは」と考えているので、当エントリーでは、QE3は保身政策、と決めつけている訳ではない。「そういう意見もあるかもね」といったニュアンス(下線部)なのだが、なかなか真意は伝わらないものだ。自分個人の見解としては、端的ながらも前回エントリー がメインになるわけです。
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