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http://markethack.net/archives/51840683.html
相場というものは、誰も買いたくない時に、吐き気をおさえ、鼻をつまみながら買うものです。
一例として去年の８月、アメリカの長期ソブリン格付けトリプルエーが剥奪された時、ニューヨークの投資家のセンチメントは恐怖のどん底に突き落とされました。
僕はアメリカがダウングレードされ、皆が慌てた時が絶好の買い場だと思いましたが、おおむねその通りになりました。
翻って今の相場をみると投資家は気分を良くし、もっと上、もっと上と欲の皮が突っ張っています。
こういう葛藤の無いときに株を買っても、殆どもうかりません。
もちろん、ドットコム・バブルの当時のような、セキュラー（＝長期）ブル・マーケットは別です。そういう長期ブル・マーケットでは押し目は全て買いというスタンスでいいわけです。
しかしリーマンショック以降はニューノーマルの相場環境ですから、相場のヘッドルーム（上昇余地）は意外に小さいです。しかも天井圏で全てがバラ色に見えます。
もちろん、今の相場は好材料が続いています。
ＥＣＢが南欧諸国の債券の購入を発表したのが、そのひとつです。ただ、これは７月の終わりから８月のあたまにかけて、既にドラギ総裁の方から「やるぞ」と固く言われていたことなので、新たな好材料ではないのです。
またドイツの憲法裁判所がＥＳＭを承認したことも好材料です。ただ、これもドイツの憲法裁判所は今まで反対の立場を取った事がなかったので、承認することは広く投資家には予想されていました。その意味では新しい好ニュースではありません。
今日、ＱＥ３が発表されたことも好材料視されています。しかしこれはかねてから広く予想されていたことだし、ＱＥは回を重ねるごとに金額が小さくなり、しかも経済に対する効果は薄れてきています。今回のＱＥは毎月４００億ドルで、ツイスト・オペレーションと同じ程度の金額に過ぎません。
ＱＥ２が発表されたときも、相場の上昇の殆どはＱＥ２実施の前に終わってしまい、実際にＱＥ２プログラムが開始されてからは相場は愚図愚図しました。
アップル（ティッカー：ＡＡＰＬ）が新しいiPhone5を出したことも好材料視されました。これは事前の予想内容とほぼ一致するものでした。従って、とりたててサプライズはありませんでした。もちろんiPhone5は素晴らしい商品ですが、僕が心配しているのはiPhone5そのものではなくて、投資家の無邪気なユーフォリアの方です。
◆債券王ビル・グロース氏米国債33％から21％に減らす
http://media.yucasee.jp/posts/index/12001?la=0003
債券投資最大手の米パシフィック・インベストメント・マネジメント（ＰＩＭＣＯ）の最高投資責任者ビル・グロース氏は、米国債の持ち分を33％（7月）から21％（8月）に減らしたことを12日、明らかにした。
同社の資料によると、グロース氏が担当する旗艦ファンドであるトータルリターンファンドは、米国債が7月は33％だったが8月末時点で21％まで減少させた。同ファンドの運用総額は約2720億ドル。また、住宅ローン関連証券は51％から50％にした。
ＦＯＭＣ（米連邦公開市場委員会）において、追加の量的緩和政策が打ち出されるとの公算も働き、市場はよりリスク資産へ大きくかじ取りをする、ためではないかとの観測が働く。
グロース氏は昨年もインフレを予測し米国債比率を大幅に下げるなどしたが、結果的には失敗となった。
◆債券投資はタンス預金に近づいている
http://media.yucasee.jp/posts/index/11999?la=0003
世界最大のヘッジファンド運用会社「ブリッジウォーターアソシエイツ」の創業者、レイモンド・ダリオ氏が超低金利の米国債などの債券投資について「ほぼタンス預金に近づいている」とした。
ダリオ氏はＣＮＢＣで語ったもので、「いまの超低金利は、ほぼ銀行預金やタンス預金に近づいている。すぐに移し替えろというサインかもしれない」とした。
昨年からリスク資産が、株や金から債券へ流れ、米国債10年物の金利が現在は1.75％と歴史的な低水準となっている。
また、夏場から上昇に転じてきた金については「は長い歴史を通して通貨だった。今後も（通貨の）代替え手段の一つと成り得る。ただし、通貨よりも量が少ないこともあり、移動など交換の手段も限られてくるから、今の通貨のようにはいかないだろう。ヘッジ手段として持つ分にはいいだろうが」と、述べた。
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