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6割近くが年金は「負担が給付を上回る」と予想市民は少子高齢化社会をどう見ているか
http://www.asyura2.com/12/hasan77/msg/556.html
投稿者 MR 日時 2012 年 9 月 11 日 00:18:58: cT5Wxjlo3Xe3.
 

【第61回】 2012年9月11日 出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役社長]

6割近くが年金は「負担が給付を上回る」と予想
市民は少子高齢化社会をどう見ているか

 政府(厚生労働省)は、8月28日、「社会保障に関する国民意識調査」(少子高齢化社会等アンケート)の結果を公表した。これは、厚生労働白書の作成等に当たっての資料を得ることを目的として実施されたものであるが、その内容にはなかなか興味深いものがある。

わが国を学歴社会・金満社会と見る人が4分の3

 このアンケートによると、「自分自身の現在の生活」については、50.5%の人が満足感を示しているものの、「現在のわが国の社会」に対して満足感を示している人は、36.8%に過ぎない。この差は、どこからもたらされたものであろうか。

 人間関係についての満足度はかなり高い(「同僚や友人」63.4%、「隣近所」63.0%、「家族」82.7%)。他者への信頼感も同様に高い(「ほとんどの人は善良で親切」68.4%、「私は人を信頼」75.1%、「たいていの人は人から信頼された場合、同じようにその相手を信頼」75.0%)。

 だが不思議なことに、他者が自身と同様に他人を信頼しているかとの問い(「ほとんどの人は他人を信頼している」)に関しては、「そう思わない」と答えた人が50.5%と、過半数を超えている。意見が異なる人への態度については、実践が伴っているかどうかは別にして、71.6%の人が「話を聞くべきだ」と回答している。

 社会との関わりについては、「社会のために必要なことを考え、みんなと力を合わせ、世の中をよくするように心がけている」人が6.9%、「自分の生活とのかかわりの範囲内で自分なりに考え、身近なところから世の中をよくするように心がけている」が最多で41.6%、「決められたことには従い、世間に迷惑をかけないように心がけている」が36.0%、「自分や家族の生活を充実させることを第一に考え、世間のことには関わらないように心がけている」が6.5%、「どれとも言えない」8.9%となっている。「世の中をよくしたい」と答えた人は、合わせて48.5%と、過半数にはやや満たない。もう少し多くてもよいのでは、と思うが、どうか。

 日本の社会観については、正直なところ、少し驚いた。「学歴社会」76.9%、「出身大学がものをいう社会」73.5%、「お金があれば、たいていのことがかなう社会」84.1%と、ほぼ4分の3に近い人々が、わが国は学歴社会であり、金満社会であると見ているという結果となっている。

 その一方で、「努力がむくわれる社会」41.1%、「人と違う生き方を選びやすい社会」29.6%(3割にも満たない!いかにこの国の同質化圧力が強いものであるかを示して余りある結果となっている)、「自然や環境を大切にしている社会」30.5%、「人との結びつきを大切にする社会」34.9%、という結果が示されており、ここに冒頭に記した現在の社会に対する不満の原因が表れているのではないか。

 そのためもあって、生活困窮の原因についても、「社会が不公平だから」がトップで40.6%となり、「社会が進歩していく過程では、そうした人が出るのは避けられない」32.3%と、困窮者個人に原因を帰着させるよりも、社会に原因を求める人の割合が7割を超える結果となっている。

高福祉・高負担49.8% vs 低福祉・低負担23.7%

 福祉と負担の水準については、「福祉を充実させるため、負担が重くなってもやむを得ない」49.8%、「福祉が低下することになっても、負担は軽くしてほしい」22.5%と、ダブルスコア以上の結果が示された。但し、「わからない」が27.7%いる。「弱者保護がもっと必要」は44.6%、「自由競争がもっと必要」は23.9%(「わからない」は31.5%)と、福祉と負担の水準とよく似た結果が出ているが、これは二者択一で問うべき設問だろうか?自由競争を盛んにして、経済の地力をつけて初めて弱者保護の財源が得られる、といういわば当然の(世界共通の)因果関係を(設問を作る際に)明確に示すべきだと思うが、どうか。

 組織への信頼度については、「国会」9.5%、「政府」11.7%、「地方自治体」35.9%、「裁判所」59.7%、「警察」54.2%、「テレビ局」27.3%、「新聞社」45.4%、「家族・親戚」95.1%、「隣近所」70.6%、「職場」72.0%、となっている。総選挙を控えて、各政党は、この数字をどのように見ているのだろうか、猛省してほしいものである。

 テレビ局と新聞社の格差も、それなりに興味深い。政治への態度については、「政治家や専門家に任せておけばよい」は、わずか10.1%しかなかった。けだし当然であろう。このアンケートをそのまま鵜呑みにすれば、投票率9割前後を期待しても決しておかしくはない。どのような場合であっても、実践こそが世直しの第1歩であることは、人間の5000年の歴史が教える通りである。ぜひ、次の総選挙では、有言実行で投票率を嵩上げしてもらいたい。

 ところで、今後の社会保障の給付と負担のバランスをより詳しく尋ねると、「給付水準を大幅に引き下げて、負担を減らす」14.4%、「給付水準を下げてもいいので、従来通りの負担」21.8%、「給付水準を保つため、負担増はやむを得ない」46.5%、「給付水準を引き上げるため、大幅な負担の増加もやむを得ない」3.2%、「わからない」14.1%と、概ね穏当な結果となっている。

 また、社会保障における高齢者と現役世代の負担の在り方については、「全ての世代で支えていくべき」51.9%、「現役世代に現在以上の負担を求めるべきではなく、高齢者の負担の増加はやむを得ない」22.3%と、これも良識が発揮された結果となっている。

 ただし、人口構成の劇的な変化(2030年には、現役世代1.7人で1人の高齢者を支えなければならない)にもかかわらず、「高齢者に現在以上の負担は求めるべきではなく、現役世代の負担の増加はやむを得ない」とする人が、まだ15.0%もいることについては、暗澹たる気持ちにさせられる。

 このアンケートで、学歴社会、金満社会と並んで、一番意外だったのは、一生涯における社会保障の給付と負担のバランスについての問いであった。「負担より多くの給付を受けると思う」と答えた人が、わずか3.1%であったのに対して、実に33.7%の人が、「負担よりかなり少ない給付しか受けないと思う」と答え、「負担よりやや少ない給付」の23.8%を合わせると、57.5%にも達しているのである(「負担につりあった給付」17.8%、「わからない」7.4%)。これは、社会保障給付の実状について、まだまだ市民の理解が不足しているのではないか。

 先日、ある講演会に招かれた時、講演後の質疑応答で、参加者より「政府の国民年金は当てにならないので、どのような方法で、自分で年金を積み立てればよいか」という問いを受けた。筆者は、「国民年金こそが最も安全な積み立て手段である。国民年金がつぶれるとしたら、その前に、国債を主な運用手段としているわが国の金融機関は、恐らく全てつぶれてしまっているはずだ(従って、自分で積み立てた分は紙切れになってしまう)」と回答したが、政府やメディアは、いたずらに狼少年になるのではなく、皆年金や皆保険を中核とするわが国の社会保障制度の実態について、もっと分かりやすく丁寧な説明を辛抱強く継続すべきだと考える。

 社会保障と経済に関する意識では、「社会保障が経済成長にとってプラスである」と捉える人の割合が37.7%、「社会保障が経済成長の足かせになる」と捉える人が30.0%、「わからない」が32.3%と、ほぼ3分された形となっている。これについては、経済学ではすでに答えが出ている(経済成長にプラス、あるいは、「経済成長→社会保障の充実→さらなる成長という好循環」)と思うが、市民の十分な納得を得るためには、引き続き、弛まぬ実証研究を積み重ねていく以外に道はないであろう。

(文中、意見に係る部分は、筆者の個人的見解である)

  http://diamond.jp/articles/-/24554  

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コメント
 
01. 2012年9月11日 01:37:54 : puxI8M94cI
■低所得者ほど負担が重い社会保障制度 根本的な問題に目を向けない「一体改革」
――政策研究大学院大学客員教授 田中秀明氏
低所得者ほど負担が重い日本の社会保障制度
http://diamond.jp/articles/-/16081
■貧困層をより貧しくする日本の歪んだ所得再配分
その理由は、国民年金や国民健康保険の逆進性が高いことにある。
所得移転には、年金給付や生活保護、児童手当などプラスの移転もあれば、
社会保険料や消費税のようにマイナスの移転もあるが、日本では生活保護の補足率が低いため、
最低生活水準の年収であっても、社会保険料や税を負担しているケースが多い。
独り親世帯に限らずとも、日本における所得再配分の貧困削減効果は、欧州先進国に比べかなり低い。
こうした日本の歪んだ所得移転を是正するには、「給付付き税額控除」と呼ばれる政策が一つのヒントになるだろう。
課税所得がなく、税金控除の恩恵を受けられない人に給付を行うことで、所得再配分を強化する仕組みだ。
日本ではまだ聞き慣れない政策だが、米国や英国、カナダ、オランダなどでは、すでに導入が進んでいる。(下の図表)
日本でも、中央大学法科大学院の森信茂樹教授を中心とする研究者グループが、
子育て世帯を対象にした「給付付き児童税額控除」を提言。
財源や税収が中立であっても効果をもたらす、とのシミュレーション結果を得ている。
貧困問題に対応するには、税制にまで踏み込んだ改革も避けて通れないようだ。
http://www.toyokeizai.net/business/society/detail/AC/a7a46973b48f0cf47a3a4b47e7024ac5/page/2/
■飯田泰之(経済学者):「負の所得税の財源。
現在日本では年間80兆円の相続財産があり、これに対する相続税収は1.5兆円。
2億円まではうまくやれば無税。日本は実質相続税が無い。
配偶者を除く次の世代への相続に20%課税すれば8兆円の財源ができる。」
http://twitter.com/#!/montagekijyo/status/13613237545

【公約案】生活保護制度の不備・不公平、年金制度との不整合等の問題を段階的に解消し、
生活保護等を統合した「生活支援手当て(自立支援手当て)」を導入。
(進化の方向:所得控除→税額控除→給付付税額控除→負の所得税)

生活党は、子ども手当てなどの直接給付政策をバージョンアップさせた「生活手当て」を目玉公約にしてはどうだろうか。

■飯田泰之@iida_yasuyuki(経済学者・駒澤大学准教授)
月3万というのは結構アリな考え方.一番広く薄い社会保障として3万円BI,プラス3万上限の負の所得税,
十分な審査を伴う生活保護のように重層化するとよい:
ベーシック・インカムについての個人的見解 - A.R.N [日記]
http://d.hatena.ne.jp/arn/20120630/
http://twitter.com/iida_yasuyuki/status/219631891169550336
「社会保障制度、特に最低レベルの保障に対して、
厳格で運用が容易なルールに基づいた解決をおこなわなければなりません。
そのひとつがBIであり、負の所得税です。」
(飯田泰之『ベーシックインカムは究極の社会保障か』) ‪#bijp‬ ‪#ベーシックインカム‬
http://twitter.com/basic_income/status/220774757858152448
・ベーシックインカム月3万
・負の所得税 月0〜5万くらい(所得に反比例)
・生活保護
による三層のセーフティネット構想案

【負の所得税】
所得が一定額に達しない者に対し、政府が給付金を支払う制度。
課税最低限との差額の一定割合の金を給付する。
http://kotobank.jp/word/%E8%B2%A0%E3%81%AE%E6%89%80%E5%BE%97%E7%A8%8E
■そろそろ「負の所得税」をまじめに考えてもいいのではないか(山口浩/駒澤大学教授)
http://www.h-yamaguchi.net/2005/07/post_01a6.html

実は「負の所得税」は小沢氏も提案していた!

■ミルトン・フリードマンが提唱した負の所得税が有名である。
実際にはイギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドで一部導入され、拡大されつつある。
アメリカ合衆国における勤労税額控除もこの負の所得税のバリエーションだと評価される。
日本においては小沢一郎が党首を務めた自由党が負の所得税に近い政策を掲げていた。
また、小沢が民主党の代表選挙に出馬する際に、再びこの公約が掲げられた。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%90%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%82%BA%E3%83%A0

生活手当て=負の所得税という発想の根本にあるのは、主に、
 ・セーフティネットがあることを信じてチャレンジする社会にしたい
 ・政府の裁量をできる限り小さくしたい
 ・複雑怪奇な社会保障制度を簡素化したい
という3点。

生活手当て=負の所得税こそ、生活党が掲げる「自立と共生」の理念を具現化する政策。

貧困格差〜ワーキングプアの関連の政策は「負の所得税」が人類史上最強の方法だと思う。
自ら稼ぐインセンティブを削がずに一定の生活保障をするにはどう考えてもこれ以外ありえない。

進化の方向:所得控除→税額控除→給付付税額控除→負の所得税

■ほど遠い改革…“給付付き税額控除”ですら導入されず
最低賃金については、生活保護との「逆転現象」が話題だ。
厚生労働相の諮問機関である中央最低賃金審議会の小委員会は25日、
2012年度の地域別最低賃金について引き上げ幅の「目安」をまとめた。
時給で示す最低賃金の全国平均は前年度比7円増の744円に上昇する見通しだ。
実際の引き上げ幅は地域の審議会に委ねられる。
しかし、最低賃金で働いた場合の収入が生活保護の支給水準を下回る「逆転」は現在11都道府県で発生し、
今回の引き上げでも幾分か残る見込みだ。
生活保護との逆転現象を解消する方法として最低賃金を引き上げた場合、雇用や社会にどのような影響を与えるのか。
標準的な経済理論は、最低賃金制度と雇用の関係について明確な答えを持っていないのが実情だ。
労働市場が完全競争市場とすれば、最低賃金制度は、それ以下でも働きたい人の雇用機会を奪うので雇用にマイナスだが、
需要独占などの非完全競争市場であれば、最低賃金制度があっても雇用は必ずしも減少しない場合もある。
実態としてどうなのかというと、これまでの実証研究の結果では答えははっきりしていない。
これがミクロ的な経済学の現状である。
一方、マクロ的にみれば、十分な有効需要がないと、全体としては失業が発生し雇用が減少する。
というわけで、最低賃金制度のいかんを問わず、マクロ的な雇用拡大策が優先されるというわけだ。
もっとも、この実情は労働関係の経済学者にとっては面白くない結果だから、マクロ政策を労働関係の経済学者が主張することはまずない。
ともあれ、最低賃金制度と雇用の関係ははっきりしていないのだが、最低賃金を上げると部分的に低所得者層が潤い、
その分は企業からの持ち出しになるのは間違いない。
ということは、特定層の社会政策を行うコストを特定企業に押しつけていいかという問題になる。
そうした社会政策を肯定的に捉えるならば、そのコストは特定企業だけではなく社会全体で負担すべきだ。
そうであれば、問題解決はおのずと最低賃金制度ではなく、ベーシック・インカムともいわれる最低保障制度で対応すべきとなる。
もちろん生活保護は最低保障制度の中に取り込まれていく。
つまり、政策の方向性としては、最低賃金制度や生活保護制度はなくなり、ベーシック・インカムがその代替策となるというわけだ。
もっとも今の段階で、そうした社会政策の大胆な改革を実践している国はない。
欧米ではベーシック・インカムへの方向として給付付き税額控除制度が定着しつつあり、生活保護は徐々にそれに吸収されている。
ただ、最低賃金制度は適用除外などがありつつもまだ存続している国が多い。
日本ではまだ給付付き税額控除すら導入されていない。
税と社会保障改革でも、消費税引き上げばかりで、こうした本物の改革にはほど遠い状況だ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20120731/plt1207310707000-n1.htm
【給付付き税額控除導入国】イギリス、フランス、オランダ、ベルギー、スウェーデン、デンマーク、フィンランド、カナダ、ニュージーランド、アメリカ等
http://www.tkfd.or.jp/research/project/project.php?id=12
この給付つき税額控除をさらに進化させたのが「負の所得税」。
生活保護制度など既存の給付型福祉制度のほとんどをこの「負の所得税」に置き換えれば
財政支出のムダも大幅に削減できるし、生活保護制度の不備・不公平、年金制度との不整合等の問題も解消できる。


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