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消費税に対する間違った認識
1、1%消費税を引き上げるごとに2、5兆円づつ税収が増える。そして3%引き上げれば税収が7、5兆円増える。
こんなこっけいな統計を信じる人が本当にいるのだろうか。少なくとも日経新聞を書いている記者はありえないことを知っているだろう。彼らはもはや専門家としての矜持、や、新聞記者としての批判力、知識人としての正直さなど持っていないようだ。
平気で人をだます輩に成り下がっている。
直線的に1%引き上げる毎に、2、5兆円づつ直線的に上がっていくことはあり得ない。2%で5兆円、3%で7兆5千億に税収が増えることは考えられない推測である。
消費税は売上にかかるものである。普通は販売価格が上がる。(ここで普通というのは、経済が正常であり、デフレでない状態を言っている。)
しかしそれでも、販売価格が1%、2%、3%ーーと序序に上がっていくと販売数量がそれにつれて減少するのが普通である。それが常識であり、当たり前の経済学である。しかも実際もそのような動きをすることは実証されている。
それ故、現在のデフレ状態で、低所得化している現状において、販売価格の上昇と共に、販売数量が増えると言うことは考えられない。
消費税を1%引き上げるごとに税収が2、5兆円づつ増えるという推量は、このような販売価格の上昇に伴い、販売数量も増えていくという前提が無ければ成り立たないものである。
当然、販売価格の上昇につれ、販売数量が減少する。
デフレ下では、消費税の引き上げは、価格の上昇を意味するが、それに伴い、販売数量の減少か、あるいは販売額の減少が伴う。それは付加価値の減少を意味し、付加価値の減少は、付加価値×税率から税収減になる。
直線的に単純に消費税引き上げが、税収増を招くことはあり得ないのである。
このような間違ったしかも子供だましのような推量で、政治家や専門家は判断を下したのであろうか。これが内閣府の調査、統計であるなら、まさしく傾国の犯罪である。
第2:しかもデフレ下の消費税引き上げは、減収をもたらす。増収などというおめでたいお話は起こらない。起こりようが無い。
東北復興のためにお金が必要だからという名目で、消費税を引き上げるのに賛成する方もたくさんいらっしゃるが、それは、取らぬタヌキの皮算用に過ぎない。
実際は減収になるため、復興費を賄うことはできなくなる。
なぜなら消費税の引き上げは直接、名目GDPの成長率を低減する働きをもっている。これが所得税や法人税と全く違うところだ。
所得税や法人税の税率引き上げは、経済のパイの大きさを直接制限するものではない。十分に経済活動を行った後の余剰分に税金を課するものであるため、それは余剰をどのように配分するかという配分の問題である。
しかるに消費税の引き上げは、全体の経済の大きさに影響を及ぼすものである。取引ごとに数%との資金が市場から奪われるため、経済全体の活動が制限され、名目GDPは確実に下がる。
そのため経済活動から生まれる余剰金が確実に少なくなり、消費税の減収だけでなく、所得税収入や法人税収入も確実に減少する。
消費税は、経済全体を直接縮小させるものであるため、付加価値が減少し、所得税収入や、法人税収入も減少するのである。
私達はこのような間違った消費税増税という傾国の政策を直ちに廃止させなければならない。
でなければ、子孫に莫大な借金を残す破綻となるであろう。
特に消費税増税による税収増を想定した先取り予算など、論外の暴挙である。
スペインはこの9月から消費税引き上げるが、これでは、すべての緊縮政策が一気に無意味と化し、崩壊に至る。
今、EZBが、無制限に国債を買い取ることを決めたが、これなど方向性が完全に間違ったものであり、デフレという物のからくりが分かっていないことを、知らしめている。このようなデタラメをしている限り、世界は破綻の縁をはい回ることになる。
デフレは、消費を増やすことにより、拡大再生産させることが大事な政策である。しかるにお金をデフレ国に回しても、借金が回って行くだけで、肝心の消費は一向に増えないのである。
私の読者であればこのようなことは既に分かり切ったことだろう。(ファンド会社が会社を買ったところで、その国の需要が伸びる訳ではない。すなわちデフレが解消される訳ではないのだ。単に会社の持ち主が代わるだけ。)
ヨーロッパにしろ、アメリカにしろ、デフレが分かっていないが、それに拍車を掛け、煽っているのが日本だ。へまをやっているのは政府だが、煽っているのが新聞、メディヤである。
一言主
http://www.eonet.ne.jp~hitokotonusi
http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/
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