http://www.asyura2.com/12/hasan77/msg/547.html
Tweet |
http://precursor.blog55.fc2.com/blog-entry-424.html
先週のECBの発表に続き、今週はFOMCの発表を期待する人々が株価を上昇させるのかもしれません。
◆中央銀行のファンタジーランド対リアルワールドの悪夢
(Central Bank Fantasy Land vs. Real World Nightmare)
中央銀行の人々とその支持者達が住む「ファンタジーランド」の世界と…それ以外の我々が生きている現実の世界の間での、これ程の乖離を私はこれまでに見た事が無い。
ファンタジーランドの中で、これは投資家達が待っていたビッグな週だった!。 昨日、欧州中央銀行が会合を開き、問題を抱える欧州の国々の金利を低下させようと更なる国債の購入を決定した。
そのプログラムはECBが以前に試みたものと本質的に同じであり、限定的な結果を生むだけである。 しかし気にするな‐8月及び今週だけトレーダー達がパーティーを催すのに計画の噂だけで十分だった!。
その一方、現実の世界においては世界の端から端まで経済データが悪化し、事態が「悪い」状態から「もっと悪い」状態へと変わり続けている。
結論:現実の世界で起きている事と安いマネーの海で浮遊してきた得意満面の株価指数との間の乖離は、これまで私が見てきた中で最も大きい。 この乖離がこれ程深刻だったのは、2007−2008年に株式市場が暴落する直前であり…それ以前では2000年の初頭だった。
そして、それは貴方の財産に大きな影響を持っているのだ!。
FRBやECBは何をしているのか‐
そして、それは何を意味するのか!。
注目された先週金曜日のワイオミング州ジャクソン・ホールでのバーナンキFRB議長のスピーチの中で、彼は金融政策における彼の非伝統的なアプローチを正当化しようと試みた。 彼はWEを擁護し、それらは「機能した」と(平易な英語で)語りながら長期に亘って低金利を維持する事を宣言した。
私?。
私は、1940年代に政府が統計を取り始めてから最も長期に亘って失業率が8パーセントを超えている経済を目にしている。 私は、GDPが何とか成長している経済を目にしている。 私は、信頼感が乏しく製造業が再び縮小している経済を目にしている。 そして私は、緩和的なマネーの本当の受益者が、そこから儲けを得る商品及び株式市場の投機家達だけである経済を目にしているのだ!。
しかし、QEが成功なのか完全な失敗であるのか気にするな。 投資家達にとって重要なのは、名目GDPの目標設定や無制限で終わりの無いQEの様な、更なる他の非伝統的政策オプションの詳細にバーナンキが触れなかったという事である。
彼がそれらの類のステップに言及しなかったという事実は、それらが用いられそうにも無いと私に信じさせてくれる。 バーナンキは又、「非伝統的な政策を用いる上でのハードルは、伝統的な政策の場合よりも高くなければならない。」とも警告したのだ。
しかし最も重要な事として、新たなラウンドのQEやオペレーション・ツイストは最初のものよりも効果が薄いとバーナンキ自身がスピーチの中で(微妙に)認めたのである。 それは、皇帝がお出ましになって言葉を発せずとも、何も服を着ていないと彼が認めた事を理解できる、という事に近いのだ!。 それは私が長年言ってきた事にも正確に合致するのだ!。
結論:米国のFRBは巨額の新たなQEプログラムを実施する事がなさそうであり…もし彼等が実施した場合でも、それがほぼ完全に効果の無いものである事をバーナンキ自身でさえ認めているのだから、投資家達によって積極的に売られる事になるかもしれない。
ECBの場合、3年満期以下の国債を購入する計画をマリオ・ドラギ総裁が明らかにした。 木曜日の会合の前に多くのリークが出てきたので、実際のニュースは殆ど拍子抜けするものであり、…そして今、問題となるのは投資家達が「事実で売る」か否かだ。
何故彼等はそうせざるを得ないのか?。
そう、国債の買い入れには条件が伴う‐それは財政当局による監視と監督に対象国(ここではスペインを想定して欲しい)が合意しない限り、ECBが購入しないという事を意味する。 このプログラムは固定的な金利の「上限」の確立を追求するものでは無く、もう一つの失望である。
最も重要なのは、その購入が不胎化される事である。 それは、ECBのバランスシートのサイズを膨張させマネーの印刷に走る様な全てを含めた「QE」型の戦略では無いのだ。 それは、ドイツや他の保守的な国々にいるECBメンバーの懸念を反映しているようだ。
■世界経済は更なる不況へと沈下中!
では、「現実の世界」はどうであろうか?。 ニュースは「悪い」から「更に悪い」方向へ進んでいる。 ここ米国では、サプライ・マネジメント協会のベンチマークである製造業指数が8月に49.6へと更に低下した。 これで、鍵となる部門の指数が成長と縮小の境界線である50を下回るのは連続3ヶ月目である。
欧州のベンチマークである製造業指数も8月に46.3へ下落した。 それは、ユーロ圏経済が不況へと更に深く落ち込んでいる事を示しており、ユーロが導入された以降の記録的水準となった最近の失業率の上昇は始まりに過ぎないのだ!。
BRICS諸国の場合、中国のサービス部門の指数も今年の最低へと低下した。 ブラジルは著しく減速しており、中央銀行は7.5パーセントという記録的な低さへ基準金利を引き下げる事を余儀なくされた。 そしてインドでは、6月までの四半期にGDPの成長が5.5パーセントへ減速した。 それは3年ぶりの低さに近く、8から9パーセントの範囲という長期的な成長目標よりもかなり低い。
ここで、これまでに述べた様なこれらの信じ難い乖離について最新の情報を提供したい。 多くの株式市場の平均がこれらの高い水準を保とうとしていてさえ、実態経済の指標は実質的に全て低迷しているか停滞しているのだ。
下のチャートの上部において、黒い線は消費者信頼感指数を、赤い線はS&P500を、そして下部はこの両者の開きを示している。 ここに示される程に巨大な乖離が前回見られたのは、2007−2008年‐株式市場の暴落直前であった。
■結論?。 実体経済は急激に悪化しているのだ。 テクノロジーや輸送の様に鍵となる分野における世界的な企業は、売上及び収益の伸びが急速に鈍化している事を警告している。 今週、FedEX(FDX:フェデラル・エクスプレス)は正に最新の犠牲者であり、6月以降で2度目となる利益目標の引き下げを行ったのだ。
そして今でも、大西洋の両側の会議室の中で密談している幾人かの政策立案者達が何とかして「世界を救う」という期待に投資家達はしがみついているのだ。 政策立案者達が話し合っている「救済」は既に繰り返し失敗しているという事実にも拘わらず。
私は、それが問題に関する本当の原因であると考える。 それは、幾つかの選択的な状況の外側で株式が非常に危ういと私が感じる理由なのだ。
−−−−−−−−−−−−
401K と呼ばれる方式で年金資産の運用が個人に委ねられている米国では、人の好い中高年の方々が株式等の上昇を期待して資産を注ぎ込んでいるであろう状況を容易に想像できます。 リーマン・ショック後の株価暴落で被った損失を取り返したいと躍起になっているのかもしれません。
しかし、内部事情を知るインサイダーの皆さんは株式等のリスク市場から手を引いており、最近のNY市場の取引量は記録的に低い水準で推移しているのです。 大きな損を取り戻そうと更に賭博へのめり込む善良な人々は、イカサマ賭博を開帳する胴元達にとっては願っても無い「カモ」なのでしょう。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。