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ドラギの魔法に騙されるな・・一時の余興!勝者なきグローバリズムの究極の敗者は誰!
http://www.asyura2.com/12/hasan77/msg/537.html
投稿者 墨染 日時 2012 年 9 月 08 日 12:03:16: EVQc6rJP..8E.
 

http://precursor.blog55.fc2.com/blog-entry-423.html

6日(正式に)発表されたECBによる「無制限の国債買い入れ(OMT)」も欧州債務危機の本質的な問題を解決する事にならないと思うのですが、いつものように市場はポジティブな材料としている様ですね。

件のOMT(Outright Monetary Transaction)に関しては、これから徐々に冷静な評価が出てくるのでしょう。

Cheap ECB cash could prove to be the worst form of bailout
安いECBの資金は最悪の救済形態である事が明らかになるかもしれない

The ECB today announces that it will intervene further in the crisis
安価な中央銀行のマネーを通じて危機を抑え込む事は易しそうに聞こえる。

 そのロジックは:イタリアとスペインは、市場が彼等の借り入れコストを押し上げる原因となる経済的問題を抱えており、そのコストは恐怖が定着した事で今や「非合理的」な水準に達した。 もし抑制されない状態で放置したら、これはユーロ圏及び欧州の経済に脅威を与えたかもしれない。 欧州中央銀行は、与信又は現金を創り出す「無制限」の能力を持ち、迅速に行動すると言われている。 それ故、彼等は「通貨の後ろ盾」となり、ユーロと欧州を救わねばならない。

そして、ECBが危機に対して更なる介入を行うと本日発表したのであるが、それは恐らく短期政府債券の購入によるものであり、多くの銀行や政治家達は気に入るであろう。 銀行にとっては損失を回避する事になり(少なくとも僅かな額は)、英国の議員も含めた政治家達にとっては世論調査における不評から無事に逃れられるかもしれないのだ。

しかし、これは又、欧州経済の長期的将来にとって大規模なECBの介入がそれ程危険であるかという理由なのである。 今世紀においても次の世紀においても繁栄を望むとあれば調整を必要とし、自らの資力を超えて欧州は数十年間生き永らえてきた。 経済の現実に直面しながらも、スペインやイタリアの様な国は数年かけてでも(もしも国内的な政治が許すならば‐間違いなく大きな問題であるが)最終的には、待望の改革を実行し、通貨同盟の内側でドイツと合理的に競争できる20−30パーセントの内部的な減価を行うという期待が依然として存在する。 そして、欧州全体としても安泰になる。

しかし救済は、‐政府によるものであろうとECBによるものであろうと‐最善の場合、時間を買う事ができる。 しかし最悪の場合、改革の必要性に関して公然と意欲を削ぐ事になってしまう。 このリスクは、ポーランドの元財務大臣(兼中央銀行総裁)であり、共産主義の崩壊の後にポーランドの構造改革計画を実施した事で有名なレスツェック・バルセロビッチ教授が先週のオープン・ヨーロッパのイベントで雄弁に強調したものである。 全ての救済は「モラル・ハザード」を伴うと彼は語った。 しかし、それは必要な改革から救済資金のリンクを完全に外す事となるので、取扱いを誤ればECBによる債権の購入は実際にユーロ圏救済の最悪の形態となるかもしれず、(法の支配の弱体化やECBが政治的影響を受けやすくなる等の幾つかの他の問題に加えて)膨大な範囲のモラル・ハザードの問題を作る事になる。 その兆候を我々は既に見てきた。 最近、ECB理事会のメンバーであるイェルク・アスムッセンが指摘した様に、「イタリアについては、ECBが同国の国債を購入したものの、残念な事に必要な修正の為の措置に時間が活用なれなかったという昨年の夏の過ちを繰り返す事は許されません。」という状況にある。

そして、ECBのマネーは魔法の木からやってくる訳では無い、 2011年6月から2012年4月までの間に、弱いユーロ圏経済へのエクスポージャーは106パーセント増加して€4440億から€9180億となり、それ以降も増加する一方である。 もし無制限の介入という約束をマリオ・ドラギが実行したら、このエクスポージャーは指数関数的に増加するかもしれない。 結局のところ、誰かがこれを支払わねばならないのである。 減価及び損失処理(そしてECBの資本の再強化という結果となる)を通して(最終的に中央銀行を支える事となる)納税者達が負担するのか、ユーロ圏経済の強い地域における(遅かれ早かれ起きざるを得ない)高いインフレを通じて貯蓄者達が負担するのか、何れかである。

ECB自身が理解している様に、これらのリスクに抗う事は困難である。 一旦ECBの蛇口が開かれてしまえば、甚大な市場の歪みを伴わずにそれを閉じる事は信じ難い程に困難であり、元々の介入が食い止めようとした危機を更に深く掘り下げてしまう事にさえなってしまうのだ。 それが、救済する前に当該国が(政府間の意思決定を通じて)改革を約束するという事に拘(こだわ)るECBを正当化する理由である。 恐らく、その複合的な案は苦しんでいるユーロ圏の国々にとって役立つであろう。 しかし(最善の場合でも)短期的な解決策となるだけの措置の為に、長期的には欧州が非常に高い代償を支払うというリスクも存在するのだ。


****************
ドラギ総裁のOMTバズーカに霞んでしまったのか、同じくECBが再開した受け入れ担保要件の緩和措置については(「小学生のサッカー」の如く、問題が顕在しない間は)エコノミストの方々の関心も薄い様です。

米国では、失業率が8.1%に低下した一方でNFP新規雇用者数が事前予想を大幅に下回ったという雇用データが7日に発表され、市場を多少混乱させている様です。 予想よりも悪かったNFPの数値から次週のFOMCでQE3が発表される確率が高まったとして、「悪い事は良い事だ」と(いつもの様に都合よく)市場参加者の方々は解釈しているのでしょう。

 

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コメント
 
01. 2012年9月08日 18:06:57 : aBEEflyfpN
いつになったらハイパーインフレになるのでしょうか。早く世の中をリセットしてください。

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