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公然と語られ始めた「日銀次期総裁レース」
(会員制経済情報誌『現代産業情報』8月15日号より転載)
日銀の白川方明総裁の任期が、来年4月8日で満了となる。
国会承認人事であるだけに、政権の状態と密接に絡む話となり、日銀幹部がい
かに「ポスト白川は白川氏」と煙幕を張ったところで、白川氏を再任させる政
治的な力が、今の民主党に存在しないことは誰の目にも明らか。
関係者の思惑を反映し、時期日銀総裁人事が公然と語られる異例の事態となっ
てきた。
日銀総裁は、かつては日銀出身者と大蔵省(現財務省)出身者が交互に務める、
たすきがけ人事によって選出されるのが習慣であった。
現状は、国会承認人事であることの影響をもろに受け、速水優→福井俊彦→白
川──と日銀プロパーの総裁が三代続いている。
経済記者が語る。
「ポスト白川は、順当であれば財務官僚OBであるのが望ましい、という声が
強い。ある大手銀行の首脳などは『学者肌の白川さんの後釜は財政に明るい人
がいい』と、露骨に財務官僚OBへの期待感を口にするほどです。自他ともに
認める次期総裁候補の大本命は、大和総研の武藤敏郎理事長です」
武藤敏郎氏。財務事務次官を経て、白川氏の前任である福井総裁時代の副総裁
を務めた。
「ポスト福井」の最右翼だったが、財金分離を主張する当時の野党・民主党が
政財官に強い人脈を持つ武藤氏の総裁就任を拒否、やむなく消去法で白川氏を
総裁にすることで人事が落ち着いた経緯がある。
武藤氏は厳格な財政規律論者であり、景気浮揚のための財政出動を求める与党
議員とは常に緊張関係にあった。
与党時代の自民党から「出入り禁止」を言い渡されたこともあるし、小泉純一
郎氏が首相時代の政権公約「國際30兆円枠」の生みの親でもある。
消費増税を推し進める野田政権から見れば最大の理解者と映るであろうし、反
対勢力にすれば「悪魔」であろう。
しかし、財金分離を理由に武藤氏の総裁就任を拒んだ民主党が、臆面もなく今
回は氏を招聘できるか、議論を呼びそうだ。
国際協力銀行(JBIC)の渡辺博史副総裁を推す声もある。
旧大蔵省では主税畑中心だった渡辺氏は、財務官を歴任した経歴もあり、日米
欧の金融政策担当者で構成する通貨マフィアの一翼を担ったこともある。
「金融国際化が深化するこの時代にあって、通訳を介さずに他国の通貨担当者
と意思疎通できる強みは大きい」と、渡辺氏の強みが語られるのだが、経済部
デスクはこう解説するのだ。
「渡辺氏を推すのは、JBIC総裁の奥田碩氏なのです。岡田克也副総理の肝
いりでトヨタ自動車相談役からJBIC入りした奥田氏ですが、『視野が広い
し流暢な英語を話す』と渡辺氏を売り込んでいる。
しかし『通訳を介さずに他国の通貨担当者と意思疎通できる』というだけで、
本命の武藤氏を差し置いて起用するだけのポイントがあるかどうかは疑わしい。
渡辺氏を推す奥田氏には、何か他の理由があるのではないか──と訝る向きも
あります。キナ臭い話もあるようですし」
関係者によれば、このほかにリコー経済社会研究所の稲葉延雄所長の名前も挙
がっているという。
日銀入行時から「将来の総裁候補」といわれてきた逸材であり、経済同友会の
桜井正光前代表幹事のブレーンを務めた。財界の意向を反映した下馬評と受け
止めるべきであろう。
いずれにせよ、民主政権の行き詰まりを見越して、政財官が公然と語り始めた
日銀の次期総裁候補。
レームダックの野田政権がのた打ち回るのを横目に、世は臨戦に入っている。
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