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• ザ・世論〜日本人の気持ち〜【第89回】 2012年8月28日小川 たまか [編集・ライター/プレスラボ取締役]
「寿退社」希望の女性はわずか7.8%に 大きく変わった女性の理想の働き方
寿退社を希望する女性は、わずか7.8%――。こんな調査結果が、リクルートが運営する「ブライダル総研」から発表された。未婚・既婚の女性たちは、今後の働き方について、どのように考えているのだろう。調査結果と街の声を紹介したい。
調査期間は2012年3月27日〜3月29日。調査方法はインターネット。調査対象は、首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)、東海(愛知・岐阜・三重)、関西(大阪・兵庫・京都・奈良・滋賀・和歌山)の男女、計3096人(未婚者=男性1407人、女性1071人。既婚者=男性309人、女性309人)。
男女ともに望むのは
「子どもが大きくなったら再就職」
未婚者に女性の働き方について聞いたところ、男女ともに最も多かったのは「子どもができたら仕事をやめ、子どもが大きくなったら再び仕事を持つ」(男性=25.7%、女性=33.2%)、次いで「子どもができても、ずっと仕事を続ける」(男性=22.6%、女性=28.2%)だった。「結婚するが子どもは持たず仕事を一生続ける」(男性=1.6%、女性=3.6%)、「結婚せずに仕事を続ける」(男性=1.2%、女性=3.5%)などと合わせると、男性は約50%、女性は約70%が、仕事を何らかのかたちで続けた方が良いと考えていることがわかる。
「女性は仕事を持たない」(男性=4.9%、女性=3.6%)、「女性は結婚するまでは、仕事を持つ」(男性=8.7%、女性=7.8%)、「子どもができるまでは仕事を持つ」(男性=11.7%、女性=9.5%)など、女性が仕事を続けない選択肢を選んだ人は少数派で、どれも女性を男性が上回る結果となった。
また、女性の9.2%、男性の20.5%が「わからない」と答えているのも、注目したい点だ。ライフスタイルが多様化する中で、自分や将来のパートナーにとって、どんな働き方が正解なのかわからない、と葛藤する人は少なくないようだ。
http://diamond.jp/mwimgs/0/e/617/img_0e5e7399f6ea1e9de763b07a3cf1f81e98499.jpg
さらに、既婚者の男女に、女性の働き方についての「理想」と「現実」を聞いたところ、「理想」として圧倒的に票を集めたのは「子どもができたら仕事をやめ、子どもが大きくなったら再び仕事を持つ」(42.7%)。2位の「子どもができても、ずっと仕事を続ける」(22.3%)を大きく引き離した。
働き方の理想はひとつではない
「仕事を辞めたい」人が少ない街の声
女性の働き方について、20〜30代の未婚・既婚の女性はそれぞれどのように考えているのか。首都圏に暮らす女性の声を聞いた。
■未婚
「結婚・出産後も仕事は続けたい。同僚や友人たちも、そう考えている人が多い」(27歳/広告)
「出産までに、ある程度のキャリアを積んでおかなければ会社に戻れないと考えている女性は多いと思う」(29歳/小売)
「たとえ夫になる人が高年収でも結婚・出産後も働く。何があるかわからないから」(24歳/IT)
「交際中の人が『母親は家にいた方が良い』という考え方なので、出産後は仕事を辞めるかもしれない」(27歳/金融)
■既婚
「5歳と2歳の子どもを子育て中。下の子の子育てが一段落したら再就職を考えたい。あと数年で社宅を出なければならないので、住居費のことを考えると働かざるを得ない」(30歳/元団体職員)
「結婚を機に退職し2人の子どもを子育て中。自分に両立はできないと思うので今が一番いい。2人が手を離れたら自営業をしている主人の仕事を手伝うかもしれない」(32歳/元幼稚園教諭)
「子どもが3歳になるころまでは仕事を休みたかったが、今の時代、一度退職してしまうと再就職が難しいことは目に見えている。育休と時短勤務を使って働き続ける道を選択した」(33歳/人材)
「6歳と2歳の子どもを育てながら時短勤務で就業中。育休も時短勤務も取れるが、社内の仕事では完全に一線を離れた。子どもに手がかからなくなったとき、どのぐらいキャリアを取り戻せるのかに不安はある。また、実家の両親などのサポートがなければ、子育てと育児の両立はできなかったと思う」(36歳/メーカー)
「3歳の長男を育てながら働いている。男性の多い職場なので、2回目の産休・育休を取れる雰囲気があるかどうか……」(32歳/鉄道)
「24歳で出産し、来年子どもが小学校に入るので子育てが一段落。早いうちに出産して良かったと思う。管理職を目指したい」(30歳/IT)
「結婚前は専業主婦を夢見たこともあったが、会社からの引き留めもあって仕事を続けている。将来のことを考えると、働けるうちは働いておいた方がいいと思っている」(29歳/メーカー)
「仕事を辞めたい」と考えている人は少なく、正社員・派遣・パートなど働き方は違えど「何らかのかたちで仕事を続けたい」と考えている人が多かった。さらにその理由は「子育てなど将来に備えて金銭的な余裕が欲しい」が圧倒的に多い印象だ。
だが、育休を取ることが会社の負担になることやキャリアアップへの影響を気にしたり、いざ働きたいと思ったときに働き口がないことに不安を感じたりしている女性は少なくない。ベンチャー企業に勤める女性からは「自分が社内で初めての出産経験者」という例も複数あった。
以前、女性の再就職支援に携わる女性に取材した際、「出産後に再就職を考える女性は多いが、スキルがないことを気にする人も多い。育児中は完全に仕事をオフにするのではなく、可能な限り就職支援セミナーに通ったり人脈をつくったりした方が良い」という話を聞いたことがある。
実家や夫のサポートが得られるか、希望に合う保育所が見つかるか、職場の理解があるか、職場の経営状況は万全か、住居費や養育費をどのように考えているのかなど、さまざまな要素によって「女性の働き方」の選択肢は収縮する。誰しもに当てはめられる完全な「理想像」があるわけではなく、1人ひとりが自分の理想像を模索しているのではないか。そんなことを、女性たちの話を聞きながら考えた。
(プレスラボ 小川たまか)
http://diamond.jp/articles/-/23849
【肥田美佐子のNYリポート】
携帯電話はぜいたく品?―米国でホームレスのつぶやきが急増
2012年 8月 27日 18:27 JST
昨年、全世界で59億台に達した携帯電話。総人口は70億人強だから、ほぼ1人に1台出回っている計算だ。もはや現代人の必須ガジェットだが、今やホームレスの人たちにとっても、「ライフライン(生命線)」になりつつある。
フードスタンプ(連邦政府による低所得者層向けの食料配給カード)などの受給申請をはじめ、フェイスブックやツイッターで、家族と連絡を取り合ったり、安全な寝場所やおいしいスープキッチン(炊き出し所)に関する情報を仲間同士でシェアしたりするのだ。
「寂しい」とつぶやき、見知らぬ人になぐさめられることで、人の優しさに触れ、他人への信頼を取り戻す人もいる。
特にホームレスの若者には、3度の食事と同じくらい重要になっている。昨年12月に発表された南カリフォルニア大学の研究結果によると、十代のホームレス人口の62%が携帯電話を持っているという。
また、その半数以上が、ホームレスでない友達と関係を保ち、両親とやり取りする若者も4割を超える。就活で、企業などと連絡を取り合う人も36%に上る。日本でも、ネットカフェや野宿でしのぐ若者が、携帯電話に日雇いアルバイトのメールが入ると飛んでいく、という話を耳にする。
研究を行ったエリック・ライス助教の過去の調査では、住み家を持たない十代の若者の85%が、携帯電話や図書館などの共用コンピューターでインターネットにアクセスしていることも分かっている。
確かに「ウォール街を占拠せよ」デモの取材でも、連夜、野宿をしたり、仲間の家を泊まり歩いたりしている無職の若者が肌身離さず携帯電話を持っていて、「用があるときは『テキスト(ショートメッセージ)』してくれ」と、番号を教えてくれることも多い。
州によっては、ホームレス人口の大半を、親類の家やシェルターを転々とする家族持ちが占める場合もある。そうしたファミリーにとって、児童向け公共無料食事サービスの配給場所などをつかむためにも、携帯電話は欠かせない。
ニューヨーク市でも、6月終わりから、18歳以下の子供たちを対象に、公立校や公園で、朝食とランチの無料配給サービスが始まった。市のホットラインに電話するか、指定の番号に「NYCMeals」(ニューヨークシティー・ミールズ)とショートメッセージを流せば、どの公立校や公園で支給されるかが分かる。
だが、生活保護を受けている人たちが携帯電話を持つことに対し、保守派からは辛らつな批判の声も聞かれる。
3年余り前、ミシェル・オバマ米大統領夫人が首都ワシントンのホームレスシェルターを訪れ、食事の手伝いをしたときのことだ。若いホームレス男性が、エプロン姿のミシェル夫人に携帯電話を向け、夫人がおどけたところをパチリ、としたのだが、保守派の急先鋒として知られるラジオのトークショーホスト、ラッシュ・リンボー氏は、番組のなかで、「これが『福祉大国』の姿だ」と、弱者にやさしいオバマ政権を痛烈に皮肉った。
というのも、米国では、「ライフライン」と呼ばれる低所得層向けの連邦政府プログラムの下で、フードスタンプや女性・児童向け栄養強化計画(WIC)などの受給者に、無料通話付きの携帯電話が支給されるからだ。
米オンラインニュースサイト「ブライトバート」によると、1980年代半ばに誕生した同プログラムは、当初、へき地や低所得層の電話代を補助するものだった。だが2009年、オバマ政権の下で、ディスカウントの携帯電話サービスも始まり、フードスタンプ受給者などは、無料で新しい携帯電話を使えるようになったという。
07年以来、フードスタンプ受給者自体が74%急増して4600万人に膨れ上がり、10年には、連邦政府に納められた全法人税の3割以上がフードスタンプに消え、米国が「フードスタンプ国家」(ロイター通信)となった今、ライフラインプログラムの利用者も、それに比例して増加。05年の690万人から09年には860万人に増えた。
昨年、米連邦通信委員会(FCC)が発表した報告書によると、11年からの3年間で、同プログラムのコストは57%増加し、14年には33億ドルに達する見込みだという。
保守派が特に問題視するのが、1人で複数台申請するといった不正受給だ。ニューヨーク州でも、11年にはひとケタ台に下がったものの、07年には、無資格者受給率が15%を記録。07年当時、南部アリゾナ州では、不正受給が約半数に達していた(11年には9%に激減)。
とはいえ、ホームレスの人たちにとって、携帯電話は、実利的な恩恵はもちろん、通話やソーシャルメディアを通じて社会との接点を保ち、声なき声を届けるための、かけがえのないツールだ。
米科学系オンラインニュースサイト「ユーレカアラート!」(8月17日付)によると、オハイオ州デートン大学の調査で、ソーシャルメディアが、ホームレスの人々に平等な機会とコミュニティーへの帰属意識を提供する貴重な場になっていることが分かった。何日お風呂に入っていなくても、定住場所がなくても、バーチャルな空間では平等に扱ってもらえるからだ。
12年現在、3262人のホームレス人口(地上1628人、地下鉄構内1634人)を抱えるニューヨーク市でも、住み家のない人たちに無料通話込み携帯電話を期限付きで支給する動きなどが出てきた。
昨年、有志によるホームレス支援プロジェクト「アンダーハード・イン・ニューヨーク」の下で、1カ月分のショートメッセージ無制限サービス付きのプリペイド携帯電話を4人のホームレス男性に支給したところ、ツイッター上で若いニューヨーカーなどとつぶやき合い、就職の面接のチャンスまで手にした人がいたという。
ネットにアクセスするために、図書館まで2時間半歩いて通っていた男性は、寝場所近くにある会社のオフィスの一角を提供され、コンピューターまで使わせてもらえることになった。ツイッター上で、オファーを受ける気があるかどうか尋ねられたホームレス男性は、「えー、何て答えたらいいか分からないよ!」と、照れながらつぶやいた。
ちなみに今年、ニューヨーク市全体では、ホームレス人口が昨年の23%増を記録し、ブルックリンやブロンクスでは約50%もはね上がった。全米の大都市の多くに逆行し、ニューヨーク市では、住宅ローンの債務不履行率が依然として上がり続け、フォークロージャー(住居差し押さえ)も増えている。
携帯電話がぜいたく品かどうか――。もはや、そんな議論をしている余裕はなさそうだ。
*****************
肥田美佐子 (ひだ・みさこ) フリージャーナリスト
Ran Suzuki
東京生まれ。『ニューズウィーク日本版』の編集などを経て、1997年渡米。ニューヨークの米系広告代理店やケーブルテレビネットワーク・制作会社などに エディター、シニアエディターとして勤務後、フリーに。2007年、国際労働機関国際研修所(ITC-ILO)の報道機関向け研修・コンペ(イタリア・ト リノ)に参加。日本の過労死問題の英文報道記事で同機関第1回メディア賞を受賞。2008年6月、ジュネーブでの授賞式、およびILO年次総会に招聘され る。2009年10月、ペンシルベニア大学ウォートン校(経営大学院)のビジネスジャーナリスト向け研修を修了。現在、『週刊エコノミスト』 『週刊東洋経済』 『プレジデント』『ニューズウィーク日本版』などに寄稿。『週刊新潮』、NHKなどの取材、ラジオの時事番組への出演、日本語の著書(ルポ)や英文記事の 執筆、経済関連書籍の翻訳にも携わるかたわら、日米での講演も行う。翻訳書に『私たちは“99%”だ――ドキュメント、ウォール街を占拠せよ』、共訳書に 『プレニテュード――新しい<豊かさ>の経済学』『ワーキング・プア――アメリカの下層社会』(いずれも岩波書店刊)など。マンハッタン在住。 http://www.misakohida.com
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http://jp.wsj.com/US/Economy/node_501515
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