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親書を受け取らないとか、或いは親書を返却されても受け取れないとか、とかくこの世はややこしい!
それにしても外務省の建物にも入れてもらえずに門前払いを食らった先方の外交官も本当にお気の毒。
いずれにしても、こうして韓国との間に波風が立つことによって、改めて日本側が韓国に今までどう
接してきたかについて考え直すチャンスが与えられたということが、メリットと言えばメリット。
早い話、日韓通貨スワップについて見直す動きがでていることは大いに歓迎すべきであるのです。プラス、韓国国債を購入策についても、見直す動きがあり‥
多くの国民は、韓国の国債を購入するなんてとんでもないと思っているでしょう。そもそも日本の財政に余裕がなく、そのため国民に増税をお願いしているのに、その一方で、韓国の国債を購入してあげるとは何事か、と。しかも、韓国の国債は、紙くずになる可能性があるではないか、と。
貴方もそう思いますか?
いずれにしても、私も韓国国債の購入策については疑問だらけであるので、今日は改めて韓国国債購入策について考えてみたいと思うのです。
ところで、日韓通貨スワップの問題点については、このブログで2回も取り上げたので、ブログを読んで下さっている皆さんも多いに理解が進んだと思うのですが、では韓国の国債購入策については如何でしょう?
繰り返しになりますが、多くの方は、何故韓国の国債なんか購入するのだ、と思っているでしょう。
日韓通貨スワップの拡大については、韓国側には、日本側の要請によるものだなんて主張する向きもあったのですが、それはあっさりと日本側の関係者によって否定されているのです。まあ、誰が考えたって韓国のためということは明らかなのです。
それでは、この韓国国債購入策も、韓国側が日本にもちかけたものか?
改めてそう問われて、貴方はなんと答えるでしょうか?
韓国が日本にお願いしたに違いない?
ここは冷静に、よーく考えてみて下さい。
いいですか? この韓国国債購入策の規模は、一応数百億円程度の規模でスタートさせると言われているのです。しかも、ウォン建ての韓国国債を購入するだけの話です。
日韓通貨スワップの規模は700億ドル。つまり約5兆5千億円の規模であるのに対して、この国債購入策の規模は、その0.5%ほどの規模でしかないのです。しかも、それによって得られる通貨は、スワップの方は、ドルや円という外貨であるのに、国債購入策の方はウォンでしかない。さらに、日韓通貨スワップの方は、昨年の10月に既に規模が拡大されているのに、何故今年の5月になって改めてそれほど意味もない韓国国債購入の話が起きたのか、と。
別に韓国の肩を持つ訳ではないのですが、どう考えたってたった数百億円規模の国債の購入を
わざわざ日本政府にお願いする理由が考えられない、と。
早い話、ウォン建てであれば、韓国の中央銀行が幾らでもお札を刷れば、国債の消化に困るようなことはない訳ですから。
という訳で、どうも韓国が日本側に泣きついたということは、この韓国国債購入に関しては考えられない。
では、日本の役所、つまり財政当局が強く押したのか?
答えは、イエスであり、ノーでもあるのです。
つまり、事務当局がこの案に固執した様子は殆ど窺われないのです。というのも、あの片山女史が
ブログで財務省の中尾財務官とのこの件に関するやり取りを開陳されている訳ですが、それから察するところ、事務当局としては、トップが判断した以上、特段の不都合がない限りとても反対はできないということで、取り敢えず規模を小さなものに抑えてスタートさせることにしたというのが真実だと思うのです。
では、大臣は何故このような韓国国債の購入を考え付いたのか?
その発端は、日中の国債持ち合いの話が先にスタートしたことがヒントになっていると思うのです。
日中の国債の持ち合いに関しても、一般の人々は、何故尖閣の問題がありながら‥と不満に思うと思うのですが、実は、日中の国債持ち合いは、中国の投機マネーが円高を引き起こしていることに対する日本政府の抵抗の意味があったのです。つまり、リーマンショック以降、円高が進んだ背景には、中国系のファンドが日本国債に投資する動きが加速していることが大きな要因だ、と。だったら、その動きを逆転させるためには中国の国債を日本が買えばいい、と。
ただ、外国政府による中国国債の保有に関しては、中国政府が許可制をとっているために、日本政府は自由に中国国債を買うことができない、と。
ですから、その真意は今でも殆ど理解されていないと思うのですが、日中国債持ち合いには、そのような日本側の中国に対するせめても抗議の意味が含まれているのです。
ただ、そうした日本側の真意を中国側がどれほど感じ取ったかどうかは別として、中国としては、人民元の国際化を進める見地から、日本政府などによって中国の国債が少しずつ保有されるような状態になることはむしろ自然なことであるとして受け入れたのでしょう。
で、そうした案件が大臣の耳に入るなかで大臣は恐らく思ったのでしょう。韓国のウォンについても、円に対して安すぎるのではないのか、と。だから日本の輸出産業が輸出競争で苦しんでいるのではないか、と。だったら、日本が韓国の国債を購入することにすれば、韓国のウォンの価値が上がり‥なんて。
それに、日中韓の3国による国債の持ち合いを開始したのが自分だということになれば、その名も残るし‥と。
では、そのような案を打診された韓国はどう思ったのか?
別に日本が韓国の国債を購入してくれることには反対する理由もないし、また、それを止めることもできないし‥それに日韓通貨スワップであれだけ要望を叶えてくれたので、断る訳にもいかない、と。
結局、そういうことで一人の大臣の思い込みによってこの韓国国債購入策が始まったのでしょう。
でも、よーく考えてみて下さい。
仮に、韓国と日本が同じ額ずつ国債を持ち合ったとして、一体全体それが何の役に立つのか?
幾ら韓国としては、日本政府に国債を買ってもらい資金繰りを助けてもらったからと言っても、その同額分日本の国債を買う必要がある訳ですから、何の意味もない!
そんな案を日本の大臣から打診されたのです。でも、繰り返しになりますが、日韓通貨スワップで
大変な世話になっているから断れない、と。つまり、日本の大臣の顔を立ててあげただけの話です。
では、もう一つの理由、つまり韓国の国債に投資することによって、ウォン高円安に誘導できないかという点に関しては‥ご承知のとおり、たった数百億円分程度ウォンを購入したからといって、それによってウォン安を修正することなど考えられないのです。それに、そもそも韓国はウォンを安くするためにあからさまな介入を続けている訳ですから。
ということで、何の意味もない韓国国債購入策を一人で打ち出し‥そして今、韓国の大統領が失礼な言動をしたというので、その韓国国債購入策を一人で撤回しようとしているというのが現実であるのです。
大臣は、そもそも何故そうした政策を打ち出したのか、率直に国民に語るべきだと思うのです。
大臣が手柄を立てるために新たな施策など打ち出すべきではない(小笠原誠治)
■対韓国、「金融」は武器になるか
http://tamurah.iza.ne.jp/blog/entry/2812406/
***韓国は日本を見下せるのか!脆弱な金融市場
韓国の李明博大統領は韓国が不法占拠している島根県の竹島に足を踏み入れたあと、日本の国際社会での影響力は「昔と同じではない」と述べたという。日本の国力の弱体化を見透かした発言である。韓国のリーダーの増長ぶりを見過ごすと、韓国側はますます日本を見下すようになり、日韓関係は悪化の一途をたどるだろう。日本側としては冷徹に経済力の現実を韓国側に知らしめる必要がある。
本欄では8月3日付で、韓国の対日本円ウォン安容認政策が韓国企業の国際競争力と株価を引き上げる一方、日本企業の競争力弱体化と日本株安を招いてきたことを明らかにした。一方が浮上すれば、他方が沈む「ゼロ・サム」ゲームなのだが、韓国側にとっては危険と隣り合わせである。韓国の金融市場は外国からの短期資本流入に大きく依存しており、いったん資本流出が始まり歯止めがかからなくなると、ウォン相場が暴落しかねない脆弱さを持っているからだ。この構造は1997年から98年にかけてのアジア通貨危機当時から一貫している。
韓国の対外短期債務の国内総生産(GDP)比はアジア通貨危機の後、国際通貨基金(IMF)が提示した厳しい緊縮政策を受け入れて急減し、2006年あたりから急速に上昇を続けた。経済が輸出主導でめざましい復興を遂げるにつれて、欧米の金融機関からの資金が大量に流入してきたからだ。
リーマン・ショックを受けても、韓国はウォン安誘導政策をとって日本企業に対して競争力で優位に立ち、外部からの資本流入が続いた。しかし、10年春のギリシャに始まるユーロ加盟国の債務危機に伴い、ドル不足に陥った欧州系金融機関が韓国や新興国から短期資本を引き上げるようになり、11年秋には浦項製鉄など韓国の大手企業は外貨不足に陥った。
同時に、李明博大統領と野田佳彦首相は同年10月、通貨交換(スワップ)枠をそれまでの130億ドルから700億ドルへの拡大で合意した。日本側は窮地に立った韓国側の求めに応じた。韓国は国際性に乏しいウォンを刷って国際通貨である円やドルと交換できる「おいしい」話である。韓国の対外短期債務は1360億ドルに上るが、その半額相当を難なく日本から調達できる。
この協定があるおかげで、韓国はウォン安を放置しても、ウォン崩落は避けられる。前述の日韓「ゼロ・サム」ゲームもお人よし日本の協力なくして成立しない。スワップ協定は10月には期限が到来する。李大統領竹島上陸当時は「金融協力維持」を言明していた経済音痴の野田政権も、最近では国内世論に押されて「スワップ枠縮小の検討」を勇ましそうにいい出した。
★しかし、国家戦略というものが野田政権にはそもそも不在である。押っ取り刀で金融手段を取り出そうとしても、国際金融市場の波乱を嫌うIMFや米国から牽制されると、腰砕けになってしまうだろう。(産経新聞特別記者・田村秀男)
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(参考関連記事)
◆韓国国債、当面購入見送り=竹島問題で対抗―安住財務相
http://news.livedoor.com/article/detail/6884299/
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