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しぼむ「ウィンドウズ8」への期待
2012年 8月 22日 12:06 JST
【台北】わずか数カ月前、パソコン(PC)メーカーは米アップル優勢の市場で巻き返しを図るため、米マイクロソフトの次世代OS(基本ソフト)「ウィンドウズ8」を頼りにしていた。
Associated Press
マイクロソフトのバルマーCEO
しかし明るい未来への希望はすでに消えつつある。アナリストらは、PCの需要は来年にかけて低迷が続きそうだと指摘する。ウィンドウズ8搭載のタブレット型端末やノート型PCの価格は高すぎる可能性があるうえ、マイクロソフトはウィンドウズ8で使えるアプリの量をすぐに増やす必要があるためだ。
PC業界は近年、需要が携帯用機器へ移行するなか、わずかな成長と薄い利益に甘んじてきた。タブレット型端末とスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)市場――民生電機部門で最も成長著しい2市場――ではアップルが勝者だ。コンテンツ管理ソフト「iTunes(アイチューンズ)」やアプリケーションのダウンロード販売サービス「App Store(アップストア)」のおかげだ。
ウィンドウズ8はタッチパネル搭載のタブレット型端末用に設計されたもので、ユーザーインターフェースが新しくなっているほか、タッチ操作に適した「タイル」型のアイコンになっている。これによりPCメーカーはアップルがiPad(アイパッド)を展開するタブレット市場に切り込む商機が得られる。またウィンドウズ8とタッチパネルを搭載したノート型PCも市場に投入する計画だ。
これらのウィンドウズ8搭載の携帯端末とPCでマイクロソフトと業界は新規ユーザーの取り込みと法人顧客の回帰を期待している。
だが、これらの製品が強い需要を獲得できるかについては懐疑的な見方が増えている。「ウィンドウズ8は今、PCメーカーにとって需要の触媒にはならない」と指摘するのは、HSBCアナリストのジェニー・ライ氏だ。同氏は「ウィンドウズ8を中心にハードウエアとソフトウエアのエコシステムが育つまでに、3、4四半期かかる可能性がある」と話す。
「マイクロソフトはウィンドウズ8用のアプリケーション開発者をもっと増やす必要がある」と同氏は言う。
アナリストはまた、ウィンドウズに対する40〜50ドル(約3200〜4000円)のライセンス料とタッチパネルのコストがウィンドウズ8搭載の携帯機器やノート型PCの価格を押し上げ、ほとんどの消費者にとって手の届かないものになりそうだと予測する。
PCメーカーからもすでに、あまり楽観視していないとの声が出ている。
出荷量で世界第3位のPCメーカー、台湾の宏碁(エイサー)は先週、消費者の需要については見通しが思っていたより不確かになってきたと述べた。エイサーの王振堂・最高経営責任者(CEO)は17日に行われた投資家向け報告会のなかで、「ウィンドウズ8のエコシステムに対する不確かさ」を理由に、近い将来に同OS搭載機器への需要が盛り上がるとはあまり期待できないと述べた。
王氏は「もともとは下半期に高い伸びを期待していたが、消費者の動きが盛り上がるサインがまだみられない」と述べた。
世界第1位と第2位の委託PC製造業者、台湾の廣達電脳と仁宝電脳工業は例年より弱い下半期になると予測している。ウィンドウズ8搭載機器の市場がすぐには活気づかないとの見方も一因だという。両社とも通年ベースでの出荷目標を達成するのは困難だとしているが、具体的な数字の言及はしていない。
下半期は伝統的にPCメーカーにとっては強い需要が見込める時期だ。新学期の始まりと年末商機を含んでいるからだ。通常ならば通年ベースのPC出荷量の55〜60%が下半期で見込める。
薄型軽量タイプで米インテルが提唱する携帯ノート「Ultrabook(ウルトラブック)」の販売も芳しくない。その一因は価格だ。専門家らはウィンドウズ8搭載でタッチパネル型ウルトラブックも、消費者にとってかなり高価になると予測している。HSBCのライ氏は、価格が現在のバージョンより1000ドル強高くなるとみている。
市場調査会社ガートナーは世界のPC出荷台数は今年、4.4%伸びると予測している。調査会社IDCは5%の伸びを予想している。ただ、アナリストらはこれらの予測も楽観的に見え始めてきたと指摘している。
記者: Lorraine Luk、Eva Dou
http://jp.wsj.com/Business-Companies/Technology/node_498596?mod=WSJWhatsNews
貿易赤字は長期化へ、現地生産化も輸出減少要因に
2012年 08月 22日 15:57 JST
[東京 22日 ロイター] 7月の貿易統計は輸出の弱さを感じさせる内容となり、燃料輸入の増加に伴う貿易赤字という解釈だけでは説明できない要因を感じさせる。機械や自動車、半導体や電機といった主要産業の輸出低迷は、海外経済の減速が背景にあることは間違いなく、輸出回復は予想以上に遅れそうだ。
一方で、復興需要や消費増税前の駆け込み需要など内需の一時的な好調はかえって輸入増加要因となり、貿易赤字は来年度にかけて長期化するとの見通しが浮上している。日本の製造業の海外生産シフトがじわじわと進んでいることも、輸出の抑制要因になりそうだ。
<予想以上の輸出減、中国落ち込みと米国向け減速>
7月の輸出は前年比8.1%減少し、今年1月以来の大幅な減少となって「輸出の低迷を印象付ける内容となった」(シティグループ証券)。
中でも中国向け輸出は同11.9%減と2桁の減少。原動機や半導体電子部品、自動車部品などを中心に大きく落ち込んだ。中国経済は、公共投資による回復を目指しているものの、まだ明確な底打ち感は出ていない。
日立製作所(6501.T)では、中国市場では昇降機の受注は好調なものの、特に建機の需要が急速に落ち込んでいるという。7月末の会見で中村豊明副社長は、建機の需要回復時期について「早くても来年1月ぐらいになるのではないか」との見通しを示した。
先進国向け輸出もさえない状況が続く。欧州向けは、財政危機に伴う景気悪化で輸出は25%もの大幅減少となっている。米国向けはそうした中で比較的好調で、9カ月連続で輸出増加を維持したが、足元では自動車を中心に伸び率が鈍化、7月の水準は4─6月期を下回っている。
今年に入り、2月と6月を除いて貿易赤字となっている背景について、震災後の燃料輸入の増加という理由だけでなく、最近では輸出の本格回復の遅れが意識されつつある。第一生命経済研究所では「海外経済の足取りは足元でも鈍いままであり、輸出の持ち直しのタイミングは遅れていると言わざるを得ない」と指摘。その上で、今や輸出全体の7割を占めるのはアジア向けであり、このため「輸出が明確に増加するには、特に中国の持ち直しを待つ必要があるだろう」とみている。
<13年度まで貿易赤字見通し、現地生産化の流れも拍車>
市場関係者の間では、貿易赤字が思ったより長期化するのではないかとの懸念が強まっている。シティグループ証券では「貿易収支の赤字基調は13年いっぱいは続くだろう」と予想する。主要貿易相手国の景気が精彩を欠き、輸出が低迷。一方で内需の底堅さを背景に、輸入は緩やかながらも増加基調を維持するとみられるためだ。来年は、輸出が緩やかに持ち直す一方で、消費税率引き上げ前の駆け込み需要で輸入が増加することも予想される。
さらに、輸出がなかなか回復しない背景として、海外経済の減速以外にも、現地生産化の動きもじわじわと影響しそうだ。特に自動車メーカーが中国での工場新増設に積極姿勢を打ち出しており、それに伴い部品メーカーや機械メーカーも現地生産工場を立ち上げつつある。アジアの成長に見合った日本からの輸出の増勢は、その分抑制されることになる。
中国では足元では自動車販売が下振れ気味ながら、トヨタ自動車(7203.T)は6月に天津での新工場建設を発表。続いて7月には江蘇州で無段変速機の現地生産を発表している。他方、日産自動車(7201.T)は、中国で高級車生産に乗り出す戦略。湖北省の工場で2014年から高級ブランド「インフィニティ」を現地生産する。
空調事業を展開するダイキン工業(6367.T)では、住宅用エアコンを中心に需要の伸びを見込み、4月に蘇州新工場を稼働させた。
日東電工(6988.T)は、輸入ウエートの高いハイエンド商品に注目して現地生産化を進めていく方針を打ち出している。
もちろん、こうした海外事業展開の恩恵は日本の経常収支における所得収支に計上されるため、必ずしも輸出の鈍化だけに注目する必要はない。ただ、生産や雇用といった視点からみれば、空洞化はじわじわと進んでいる。日本国内では、心臓部となる部品の生産や付加価値の高い分野を残しつつ現地で組み立て生産を進めていく方向性は変わらないとみられるものの、「輸出をけん引してきた自動車の寄与が低下する一方、自動車以外の品目に輸出回復の裾野の広がりが確認されない」(バークレイズ証券)という状況にある。世界経済の需要回復を待つとともに、競争力の強い輸出分野の裾野が広がることが期待される。
(ロイターニュース 中川泉;編集 山川薫)
http://jp.reuters.com/articlePrint?articleId=JPTYE87L03M20120822
欧州の投資銀行「適者生存」の現実、撤退決断も-最後の抵抗も 3−5行だけに
8月22日(ブルームバーグ):欧州の投資銀行の経営トップらは、債務危機の解決が一向に進まない中で
、利益の回復のため、小刻みな人員削減に頼るのではなく、事業全体を畳むことを検討せざるを得ないと予
想される。
調査会社フリーマンの予測によれば、企業の合併・買収(M&A)などの手数料収入は今年、ギリシャで債務
危機が始まった2009年と比較して25%少ない水準にとどまる可能性がある。ブルームバーグのデータによると
、欧州の金融機関は09年以降、約17万2000人の人員削減を行った。これは08年の米リーマン・ブラザー
ズ・ホールディングス破綻後に彼らが採用したのと同じ戦略だ。
資本規制の強化とビジネスの減少によって投資銀行を取り巻く情勢は変化しており、同じ作戦が再びうまくい
くことはないと投資家やアナリストは指摘する。コンサルタント会社ベインによれば、新たな規制の影響で、株主
資本利益率(ROE)は11年1−6月(上期)の約14%から6ポイント低下すると見込まれる。欧州の銀行は
、過去最低の金利と欧州中央銀行(ECB)の資金供給に依存し、どの部門を閉鎖するかという判断を先送
りしているが、やがて決断を迫られるだろう。
ランデスバンク・ベルリン・インベストメントで資産の管理運用に携わるルッツ・ローマイヤー氏は「投資銀行は縮
小せざるを得ず、そこかしこで若干の人員を削減する以上のことを行う必要がある。経済的な見地よりも政略
が過度に優先されており、特定の事業をできるだけ長く維持したいと望んでいるようだ」との見方を示す。
抜本的な改革は手つかず
スイス最大の銀行UBSは、資本規制の強化と債務危機で収入の低迷が予想される状況に対応し、ウェル
スマネジメント(資産運用)部門に重点を置き、債券事業の縮小に動いている。しかし、ベインのパートナー、
ジョアン・ソアレス氏(ロンドン在勤)によれば、欧州の大部分の投資銀行は、これまでの大規模な人員削減に
もかかわらず、リーマン破綻の激動の後も抜本的な改革に手をつけていない。
ソアレス氏は「他行が撤退を余儀なくされるまで、最後まで抵抗して能力を維持する戦略を銀行は取ることが
多い。彼らは中核事業を再編する必要がある」と話す。
生き残りは3−5行か
一方、JPモルガン・チェースの銀行アナリスト、キアン・アボホセイン氏(ロンドン在勤)は、ドイツ最大手のドイ
ツ銀行と英銀2位バークレイズといった金融機関は、債券と為替、商品事業で支配的な地位を生かすことが
できるため、恩恵が得られる最も有利な立場にあると分析する。
プライスウォーターハウスクーパース(PwC)の英国金融サービス責任者、ケビン・バローズ氏は「投資銀行が景
気と収入の低迷、資本規制の強化に直面し、事業の一部を剥ぎ取らざるを得ない状況では、最も状況に適
した金融機関だけが生き残る。グローバルに事業展開する投資銀行は、3−5行だけになるのではないか」と
述べている。
原題:Last Man Standing Means Europe Investment Banks ResistShrinking(抜粋)
更新日時: 2012/08/22 15:31 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M94THV6K50XV01.html
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