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株式日記と経済展望
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日本の株価は韓国ウォンの対円安とともに下に押し下げられる一方、
韓国株の方は逆に大きく舞い上がる「法則」がいつの間にか成立した。
2012年8月17日 金曜日
ウォンの対円相場の下落率以上に日本株が下方に振れるのは電気機器や鉄鋼
◆日本株式市場を沈める野田政権の対韓国ウォン無策 8月12日 田村秀男
http://tamurah.iza.ne.jp/blog/
一方が勝利に歓喜すれば、他方は敗北の屈辱にまみれる。日本と韓国で死闘を演じるのはロンドン五輪のサッカーばかりではない。株価がそうである。日本の株価は韓国ウォンの対円安とともに下に押し下げられる一方、韓国株の方は逆に大きく舞い上がる「法則」がいつの間にか成立した。株式市場こそはその国の資本主義のエンジンである。日本経済全体の命運まで円・ウォン相場に左右されかねない、とんでもない国家間の市場ゲームが延々と展開されている。
GSが連関ぶり分析
論より証拠、さっそくグラフを見てみよう。株価は国際的に投資家が参考にするMSCI指数を原データとして選んだ。1ウォン当たりの円相場も両通貨の対ドル相場をもとに算出した。比較しやすくするために、株価、通貨ともリーマン・ショック(2008年9月15日)前の8月を100とする指数に置き換えた。為替相場は下方が円高・ウォン安を意味する。
リーマン後、ウォンは円に対して暴落した。その後、ウォンは一時若干持ち直したが、地合いは弱く、最近でもリーマン前に比べ円に対して約35%安くなっている。日本株はリーマン時にはウォンの下落速度とピッタリ同調して急落した。その後は現在に至るまで、ウォン安に振れるたびにウォンの下落幅以上に日本株が下方に落ち込む傾向が読みとれる。
こうした日本株と円・ウォン相場の連関ぶりを最初に分析したのは、米金融大手、ゴールドマン・サックス(GS)調査部門である。
その7月27日付リポートによれば、ウォンの対円相場の下落率以上に日本株が下方に振れるのは電気機器や鉄鋼である一方、自動車など輸送機器はほぼ同じ割合で変動している。
電機産業は韓国のサムスン電子を筆頭に、半導体、液晶、携帯電話などで日本企業に追いつくか、追い越す具合で、多くの製品で日韓間の品質の差がつかない状態だ。残る国際競争条件の差異は価格に絞られる。円とウォンの交換レートが決定要因になると世界の投資家の多数が受け止め、日本株売りに偏るのだ。
GSによれば、自動車産業はウォン安と同じ度合で株価が下がる。自動車産業は、日韓の間の技術や品質などの実力差が電機ほど縮まっていないが、それでもウォン安・円高=日本株売りというパターンが市場で定着しているのだろう。投資家はまた、円・ウォンの下落は日本の対韓貿易黒字を減らすと評価して、日本株売りをもう一つ、動機付けしていると、GSはみている。
絶好の判断材料に
国際的な株式投資家にとってみれば、日本株は円ドル相場以上に、円ウォン相場が絶好の判断材料になる。他方で韓国当局がウォン安を放置すれば、サムスン、浦項製鉄、現代自動車は対日競争上優位に立てるばかりか、日本株を押し下げて、日本の株式市場を消沈させるという結果を図らずももたらす。あえて「図らずも」と付け加えるのは、韓国当局が日本衰亡化をもくろむという「陰謀シナリオ」を持つわけではないからだ。
ウォン安の主因はまずはリーマン・ショックで、10年からはギリシャに始まるユーロ危機であり、韓国通貨当局が意図的にウォン安に誘導してきたとは言いがたい。11年秋からは、ユーロ危機深刻化に伴って、欧州の金融機関が資金不足を穴埋めするために、韓国を含む新興国市場から一斉に資金を引き揚げた結果、ウォン相場が急落した。このとき、外貨調達が困難になった浦項製鉄などはあわてて日本で円資金調達に踏み切った。それでも、底なしにさえならなければ、ウォン安は韓国企業の収益力と市場シェアを約束する。
韓国株は日本株と逆の動きを示している。韓国株は09年2月に底を打って反転し、ウォンの対円安が再燃した10年後半から上昇に弾みがついた。最近では上昇が頭打ちになっているが、下落を続ける日本株との落差は大きく広がっている。円高、ウォン安でソニー株が売られると、サムスン株が買われるばかりか、日本の株式市場全体が沈むのだ。
日本当局の無為無策
真の問題は日本の当局の無為無策にある。財務省は円高と表裏の関係にあるデフレ容認路線で、野田佳彦政権は消費増税がデフレと円高を招くことに無頓着だ。日銀は為替市場問題を財務省の専管事項とみなし、米欧のような量的緩和政策に背を向け、円高の進行を放置している。欧州で行き場を失った余剰資金は日本株には目も向けず、増税の裏付けのある日本国債をひたすら買い、円相場を押し上げ、株価を下げるという悪循環が続く。政策を転換しない限り、日本は韓国には勝てそうにない。(編集委員・田村秀男)
(私のコメント)
ニューヨークの株価が高値を更新しているのに、日本の株価は1万円以下に低迷したままです。円高による輸出産業の株価が売り込まれるからですが、シャープなども安値更新になっています。NECも100円そこそこの株価で大手家電メーカーは総崩れの状況にあります。軒並み数千億円の赤字を計上していますが、どうしてなのだろうか?
今やどこの国でも作れるようなテレビや情報家電製品を作っていたのでは、価格競争に巻き込まれて赤字になってしまいます。日本の大手家電産業は古くなった製造ラインをそっくり中国や韓国に売り払って来ましたが、ライバルを養成してきたようなもので、そのライバルに価格競争で敗れてしまった。DRAMや液晶や太陽電池パネルなどはどこでも出来る製品になってしまった。
中国の人民元安や韓国のウォン安政策で価格で対抗できなくなり、国内でも韓国製の大型液晶テレビなどが破格値で売られて値崩れしています。スマートフォンなども韓国製品が溢れていますが、これらは日本のお家芸だったのですが、ガラケーからスマートフォンに切り替わってくると国内と海外の壁が無くなって来るから一気に赤字に転落してしまう。
NECなども98パソコンで大儲けしてきましたが、ウィンドウズパソコンが主流になるとNECの98パソコンは全く売れなくなりNECは3000円以上していた株価が100円割れするまで落ちぶれてしまった。日本の大手家電メーカーは規格の壁を作って国内市場で大儲けして、海外市場に進出する事は熱心でなかった。しかし規格の壁はパソコンや携帯電話に見るように壁を打ち壊してしまいます。
ソニーやシャープやパナソニックは、なぜアップルのような独自のパソコンやスマートフォンを作る事ができないのでしょうか? 日本のメーカーは未だにアップルのアイフォーンやアイパッドを上回る製品を作る事ができません。だから日本の大手家電メーカーの株が叩き売られていますが、日本独自規格に頼ったビジネスモデルはもはや通用しない。
もはやパソコンもテレビも携帯もハイテク製品ではなく家電製品であり、むしろ製品の中に内蔵されたソフトが利益を生むようになっています。アップルの製品を上回る製品が作れないのはソフトが差別化されているからであり、ウィンドウズやアンドロイドを使っていては韓国製品と差別化できない。
家電と違って自動車が健闘しているのは、トヨタやホンダが独自のコンピューターソフトを開発して搭載している為であり、外国の自動車メーカーがなかなかハイブリッドカーを作れないのはソフトの開発が難しい為だ。ソフトを開発する為には膨大なデーターが必要であり、車1台に数百万ステップのソフトが搭載されている。アメリカはトヨタを欠陥騒動で吊るし上げてソフトの開示を求めましたが、それくらいソフトが製品競争力の決め手になっている。
日本か家電産業がダメになったのは、製造技術が簡単にコピーされてしまう為であり、アップルの製品のようにソフトとハードを組み合わせたものはコピーされにくい。フィンランドのノキアも携帯で世界的なメーカーでしたがスマートフォンの開発に失敗して見る影もなくなりましたが、それくらい技術開発競争が激しくて、日本の電機メーカーも多くが消えていくだろう。これは円高や韓国や中国のせいではなくソフト技術開発力が無い為だ。
中国や韓国は技術力よりも、通貨安で価格競争で勝ってきた為であり、技術をコピーして価格競争でシェアを広げてきた。人民元やウォンが安くてもアメリカがそれを容認しているのは、アメリカ資本の製造拠点になっているためであり、LGやサムスンも半分近くが外資だ。アップルの製品も中国で作られているから人民元が安いほうが都合がいいからだ。
NECの株価がまさに倒産価格ですが、NTTとの商売で殿様商売をして来た。しかしネット化社会で技術競争に負けて倒産しつつありますが、98パソコンで儲けすぎて次世代の技術開発をしてこなかったためだ。アップルにしても一時は倒産の危機がありましたが、アイフォーンやアイパッドで世界一の会社になりました。はたしてシャープやソニーやパナソニックに戦略商品が作れるのだろうか?
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