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The Economist
ユーロ圏解体プラン:メルケル首相も食指?
2012.08.13(月)
(英エコノミスト誌 2012年8月11日号)
制御された形でのユーロ圏の解体は、非常にリスクが高く、代償も大きい。しかし、解決策が現れるのを待つことも同様だ。
ドイツのアンゲラ・メルケル首相は今この瞬間も、ユーロ圏を解体する方法について考えているかもしれない〔AFPBB News〕
ことによると、ドイツのアンゲラ・メルケル首相は今この瞬間も、ユーロ圏を解体する方法を熟考しているかもしれない。
結局不十分であることが分かる救済策を巡ってユーロ圏内で延々と言い争いを演じていることを考えると、ずっと苦しみ続けてきたメルケル首相は、解体の誘惑に駆られているに違いない。
メルケル首相は、ドイツを守るために奮闘した挙げ句、国内で弱腰と批判されることに、どれほどうんざりしていることか。ドイツの富を犠牲にした挙げ句、救おうとしている当の国々でナチス呼ばわりされることを、どれほど腹立たしく思っていることか。
だが、極めて現実的なメルケル首相には、ユーロ圏解体に向けた緊急対応策を練り始める現実的な理由もある。ユーロ圏解体の可能性は、これまでにないほど高まっているように見える。
ギリシャは倒れかけている。南欧諸国の多くも苦難の中にある。一方で北部の債権国は寛容さを失いつつある。最近のドイツの世論調査では、ドイツマルクの復活を支持する人がわずかだが半数を超えた。
無秩序なユーロ圏解体は、惨事を招くだろう。メルケル首相が解決策を見いだそうと奮闘している最中にも、補佐官たちは最悪の事態に備えて賢明にも計画を練っているに違いない。
今週の本誌(英エコノミスト)の概況記事では、そうした「メルケル覚書」の内容を推測している。覚書はドイツの観点に立ったものだが、その理屈はほかの債権国にも当てはまる。結論は厳しいものだ。どの国をユーロ圏に残し、どの国を落とすのが合理的かという点においては、特に厳しい。
だが、最大のメッセージは、緊急性に関するものだ。現時点では、ユーロ圏の解体は、このまま維持しようとするよりも代償が大きいだろう。だが、欧州が今後も議論を続けることしかできないとしたら、その計算も変わってくる。
Grexitは安上がりか?
まずはギリシャから見ていこう。ギリシャ離脱という方法を取れば、コストをほとんどかけずに有益な教訓を与えることができるという誤った考えが、ドイツを中心に広がっている。
実際のところ、欧州中央銀行(ECB)は、額面で400億ユーロのギリシャ国債を保有している。ギリシャが離脱した場合、こうした国債は切り下げられたドラクマに転換されるし、ギリシャが国債を償還しない可能性もある。
さらに、ギリシャが救済の一環として受け取った1300億ユーロ前後の貸付金については、減額するか、棒引きしなければならないだろう。ECBの決済システム内でギリシャが積み上げた1000億ユーロの一時借入金は、損失に変わることになる。
それにギリシャを当面乗り切らせるための500億ユーロ程度の1回限りの補助金――良心を和らげる「連帯」とでも呼ぼうか――を加えると、勘定書は恐らく3200億ユーロほどになる。この「Grexit(グリグジット)」の代償の計算は推定にすぎないが、ドイツの負担はこのうち1100億ユーロほどになりそうだ。これはドイツの国内総生産(GDP)の約4%に当たる。
一見したところ、それは割の良い取引に思える。というのも、この負担を飲めば、ギリシャに対する際限のない義務からドイツの納税者を解放できるからだ。
何らかの形のユーロ圏解体が現実味を増している〔AFPBB News〕
しかし実際には、ユーロが後戻りし得ることが証明されることで、市場はパニックに陥るはずだ。アイルランド、ポルトガル、キプロス、スペインも、国外の投資家に対して、GDPの80〜100%に相当する純債務を負っている(粗債務残高はもっと大きい)。
そうした国外の債権者が踏みとどまっているのは、1つにはユーロ圏の解体などあり得ないと信じているからだ。
ギリシャ放出は、その計算を根底からひっくり返し、南欧諸国の国債利回り高騰の引き金になるだろう。国内の預金者が銀行に殺到し、取り付け騒ぎが起きるかもしれない。
スペインなど5カ国を切り離すプランB
単一市場が危機に瀕し、恐慌が目前に迫った状況下で、メルケル首相にはすさまじい圧力がかかり、ギリシャ以外のユーロ圏を守るためにあらゆる代償を払うよう迫られるだろう。ドイツが支援の条件として常に求めてきた、欧州全体の連邦的規律を協議する時間はない。救済は無制限の白紙小切手と化す。
より大胆なプランBは、感染部位よりもはるかに大きな部位を切断し、スペイン、アイルランド、ポルトガル、キプロスも切り捨てることだ。
対外純債務がGDPの21%にとどまっているイタリアは、恐らく切断を免れるだろう。膨大な債務と慢性的な競争力の欠如という問題を抱えているとはいえ、イタリアなしではユーロ圏が政治的に機能しないことは、メルケル首相も認めるはずだ。
より大胆なプランBの代償は大きい。スペイン、アイルランド、ポルトガル、キプロス、ギリシャの5カ国について、ECBの保有する各国国債、ECBの決済システム内に残る一時借入金、救済貸付金の棒引き、離脱の衝撃を和らげるための救援対策金を合計すると、総額は恐らく1兆1500億ユーロにも達する。
ドイツはさらに、離脱した5カ国で損失を被る自国の銀行にも資金を投入せざるを得ないだろう。すべて合わせると、ドイツの支払う代償は5000億ドル近く、すなわちGDPの20%程度になる可能性がある。
それでも、ギリシャのみが無秩序に離脱した場合、残りの脆弱な4カ国を守るための無制限の小切手は、その額を上回るかもしれない。また、多くの国を離脱させる方が、残ったユーロ圏は、より協調的で、防御力の高いものになるだろう。
待ちの姿勢を貫いてきたメルケル首相
どちらの解体案も魅力的には見えないというなら、もっと良い方法はあるのだろうか? 本誌は以前から、ユーロ加盟国は力を合わせて、銀行同盟を形成し、債務残高の大部分を相互化すべきだと主張してきた(また、緊縮策を緩和し、成長を促す政策を導入する必要もある)。
そうした欧州の連邦化にも、コストはかかる。銀行の資本増強と、ユーロ圏全体を対象とする預金保証制度を賄うために必要な資金は3000億〜4000億ユーロに上り、恐らくその3分の1をドイツが負担することになるだろう。だが、それは1回限りの資金拠出で、銀行から回収できる可能性もある。
債務の大部分を相互化すると、ドイツの金利負担は年間150億ユーロほど増えることになる。この数字は概算だが、たとえ南欧諸国への追加融資を加えたとしても、救済の方が解体よりも安く上がるはずだ。
しかもそれは、解体に伴う莫大な政治的コスト――例えばギリシャがユーロ圏を離脱して、新たなバルカンの地獄に陥る事態――を考慮に入れずにの話だ。
したがって、本誌の主張する解決策は、メルケル首相が取ると見られるアプローチと概ね同じだ。だが、実行に移されない処方は何の役にも立たない。そして、処方が適用されないかもしれないという本誌の疑念は、ますます強まっている。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35872
英中銀総裁:欧州債務危機は「明白な終わり見えない」−英紙
8月12日(ブルームバーグ):イングランド銀行(英中央銀行)のキング総裁は、英国が銀行業界の改革を推進する必要があると訴えるとともに、英景気の足を引っ張っている欧州債務危機に関する悲観的な見通しをあらためて示した。
キング総裁は12日付の英大衆日曜紙メール・オン・サンデーに寄稿し、「世界の他の地域が正常に成長すれば、英経済の不均衡是正や回復ははるかに容易だろう」と指摘。「だがそうなっていない。急速に拡大していた新興市場さえも減速しつつあり、ユーロ圏の問題は続き、明白な終わりが見えない」と述べた。
また、英国の長期的な経済動向は、銀行が短期的な収益に集中する度合いを低下させ、顧客に役立つ事業構築に一段と専念する銀行システム改革といった措置に左右されるだろうと記した。
同総裁は「高リスクのトレーディングと企業や家庭向けの融資事業の間に壁を設ける政府の計画が役立つだろう」との認識を示した。
原題:Euro-Area Crisis Has ‘No Obvious End in Sight,’ BOE’s KingSays(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ダブリン Fergal O’Brien fobrien@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Craig Stirling cstirling1@bloomberg.net
更新日時: 2012/08/13 07:00 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M8NUO96TTDS301.html
イタリア、12年の財政赤字目標は未達へ=財務相
2012年 08月 13日 08:54 JST
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[ローマ 12日 ロイター] イタリアのグリリ経済・財務相は、イタリア経済が予想以上に低迷しているため、2012年の財政赤字は目標を達成できない見込みだと明らかにした。ただ、欧州連合(EU)から要求されている基準は達成できるとして、追加的な支出削減は計画していないと述べた。12日付のレプブリカ紙に語った。
同相は「われわれは、名目上の赤字が悪化すると認識している」としながらも、「われわれが重視しているのは構造的な赤字で、その点に関して言えば、完全に目標に沿って推移している」と述べた。
EUはイタリアに対し、成長率を調整した構造的な財政収支を2013年に黒字にするよう求めている。
一方、名目上の財政赤字目標については、対国内総生産(GDP)比で今年は1.7%、来年は0.5%、2014年は0.1%と定めている。
イタリア経済はリセッション(景気後退)が深刻化しており、政府は今年のGDP伸び率をマイナス1.2%と予想しているのに対し、雇用者団体はマイナス幅が2.4%以上に達するとみている。
グリリ経済・財務相はまた、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が2日に、債券利回りを押し下げるため国債買い入れを再開する用意があると表明したことを歓迎。ECBに対し、早期に国債買い入れの詳細に関する計画を示すよう求めた。
同相は「ECBが発表したリバランス措置は加速させなくてはならない。ECBが提示したツールは、稼働すれば緊張を著しく和らげることができる」と語った。
ベルギー、12年の財政赤字削減目標未達成の可能性=中銀総裁
2012年 08月 13日 10:06
[ブリュッセル 11日 ロイター] クーン・ベルギー中央銀行総裁は、11日付紙面に掲載された経済紙De Tijdとレコーのインタビューで、同国が2012年の財政赤字削減目標を達成できない可能性が高いとの見方を示した。第2・四半期の国内総生産(GDP)が予想以上に縮小し、通年でマイナス成長に転落する可能性が出てきたことが背景。
ベルギーは、財政赤字を対GDPで昨年の3.7%から今年に2.8%へと圧縮することを目標としている。クーン総裁は「もし成長率がゼロなら、これ(財政赤字)は3%をわずかに上回る水準となるだろう」と述べた。
中銀は前週、第2・四半期のGDPが前期比0.6%縮小したとの推定値を発表。これはロイターがまとめたエコノミスト予想の下限の2倍に相当する縮小だった。
クーン総裁は「1カ月以内に数字を確かめることができる」とした上で、「恐らく、年内の方向性は同様で、ポジティブよりもよりネガティブになるだろう」と指摘した。
6月時点では、中銀は今年のGDPが0.6%拡大すると予想していた。
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http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE87C00X20120813
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