http://www.asyura2.com/12/hasan77/msg/253.html
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ECB総裁と独連銀総裁、危機対策で歩み寄れず
−ドイツ紙
8月3日(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁とドイツ連邦銀行(中銀)のバイトマン総裁は、債務危機との闘いにおける中銀の役割に関し、先週の会談で歩み寄ることができなかったと、独紙ハンデルスブラットがフランクフルト在勤の複数の中銀当局者の話として報じた。当局者の名前は明示していない。
・ECBのアスムセン理事が週末に電話で、ドラギ総裁とバイトマン氏 の間を仲介しようと試みた・ドラギ総裁とバイトマン氏は7月30日に1対1で会談・バイトマン氏は「法的根拠に訴え、実用主義的な危機管理を拒否」し た
原題:Draghi and Weidmann Failed to Reach Compromise : Handelsblatt(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:Frankfurt Cornelius Rahn crahn2@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Kenneth Wong kwong11@bloomberg.net
更新日時: 2012/08/03 15:09 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M8603O6S972B01.html
ECBハンソン氏:国債購入、ドイツ反対でも多数決で決定も
8月3日(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバー、エストニア中央銀行のハンソン総裁は新たな国債購入について、ドイツが反対しても政策委員会は多数決で決定する可能性があるとの見解を示した。
ハンソン氏は3日、エストニアの公共ラジオ放送ERRに出演。ドイツの支持なしにECBは新たな国債購入を承認できるかとの問いに対し、「政策委員会には23人のメンバーがおり、採決は1人1票で、議題によっては多数決で決定する」と答えた。
今週の会合では選択肢について今後1カ月のうちに検討することを全会一致で決定したものの、ハンソン氏は「詳細については異なる見方も出るだろうし、交渉で解決する必要がある」と指摘。さらに、購入対象は「比較的短期の債券」に絞られると述べた。
原題:ECB’s Hansson Says Germany Can Be Outvoted on GoverningCouncil(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:タリン Ott Ummelas oummelas@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Matthew Brockett mbrockett1@bloomberg.net
更新日時: 2012/08/03 23:55 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M86OBI6JTSEQ01.html
モンティ伊首相:欧州の行動なければ反ユーロ政権の誕生も
8月2日(ブルームバーグ):イタリアのモンティ首相は2日、欧州の当局者らが同国の借り入れコストを押し下げる行動を取らなければ、国内で強い反発が生じ、反ユーロ的な政権が誕生する恐れがあると発言した。
モンティ首相はイタリアやスペインの国債利回り押し下げへの協力を欧州連合(EU)加盟国の首脳らに求めるため、各国を歴訪中。ギリシャで始まった債務危機は拡大し、今やイタリアとスペインがその焦点になっている。
この日はフィンランドのヘルシンキで講演し、「イタリア債のスプレッド(上乗せ利回り)がしばらくの間この水準にとどまれば、EUや共通通貨ユーロ、さらに財政規律にも否定的な政権がイタリアに誕生することになるだろう」と警告した。
モンティ首相は2日、マドリードでスペインのラホイ首相と会う。イタリア10年債利回りはこの日午前、5.8%に低下していたものの、3月初旬に比べまだ1ポイントほど高くドイツ債を4.4ポイント程度上回っている。
ドイツ連邦銀行(中銀)のバイトマン総裁は、欧州中央銀行(ECB)がインフレ抑制という責務の範囲を踏み越えるべきではないとの見解だ。連銀が1日ウェブサイトに同総裁のインタビューを掲載した。バイトマン総裁はユーロ圏の政策決定におけるドイツの重要性にも言及していた。
モンティ首相はヘルシンキで記者団から、ECBに何を求めるかと問われたが回答を避け、ユーロ圏の「すべての中銀が各国首脳と同様にECBの独立性を尊重することを望む」と述べた。
イタリアは来年4月までに選挙が実施される予定。債務危機からの悪影響に対する国民の怒りがユーロへの支持を侵食する恐れがある。選挙までの暫定政権を預かるテクノクラート(実務専門家)のモンティ首相は再任は目指さない考えだ。
記事に関する記者への問い合わせ先:ローマ Andrew Frye afrye@bloomberg.net;ヘルシンキ Kasper Viita kviita1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:James Hertling jhertling@bloomberg.net
更新日時: 2012/08/02 22:42 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M84BRZ6TTDSN01.html
クルーグマン「クマバチの墜落――ユーロは救えるんだろうか?」(NYT,2012年7月29日)
政策担当者たちはユーロ救済のためになにをすべきだろう?――また,彼らにそれをやる意思はあるだろうか?
先週,欧州中央銀行総裁のマリオ・ドラギはこう発言した.自分の組織は「ユーロを保持するためにあらゆる手を打つ」――市場はこれを歓迎した.とりわけ,スペイン国債の金利は急落し,株式市場はいたるところで株価を上げた.
でも,ユーロは本当に救われるのかな? この点はいまだ大いに怪しい.
なにより,ヨーロッパの単一通貨は土台からして欠陥を抱えてる建造物だ.ドラギ氏も,さすがにそこは認めている.「ユーロはクマバチみたいなものです」と彼は発言した.「クマバチは自然の神秘です.飛べるはずがないのに現に飛んでいるのですから.ユーロもクマバチでありまして,数年にわたって見事に飛翔してきました.」 でも,いまは飛ばなくなってる.いったいどういうこと? その答えは,ドラギ氏の示唆によると「本物のハチへと変化を遂げるため」なんだって.
あやしげな生物学はさておいて,大事なことはこれでわかったね.長期的にみて,ユーロが機能しうるのは,欧州連合がもっと合衆国みたいな体制になった場合にかぎられるんだ.
たとえば,スペインとフロリダを比較して考えてみよう.どちらも巨大な住宅バブルが起き,盛大にはじけた.でも,スペインのような危機にフロリダは陥っていない.なんで? なぜなら,不況に襲われたとき,フロリダはワシントンを頼りにして社会保障やメディケイドの財源を維持したり銀行の支払い能力を保証したり失業者に緊急支援を提供したりできる.スペインにはそんなセーフティネットはない.だから,長期的にはこれの対策をとる必要がある.
でも,ヨーロッパ合衆国の創設はすぐさま実現できるようなことじゃない.他方で,ユーロ危機はいまここの問題だ.じゃあ,この通貨を救うためにどんな手が打てるだろう?
さて,このクマバチはどうしてしばしのあいだ飛べていたんだろう? どうしてユーロは創設から8年ばかりはいっけん機能しているように見えたんだろう? なぜなら,この構造の欠陥は南欧での好況によってお膳立てされていたからだ.ユーロ創設をみた投資家たちは,それまでリスクが高いとみられていたギリシャやスペインといった国々にお金を貸し付けるのは安全だと信じ込んで,こうした国々にお金を注ぎ込んだ――ちなみに,お金の主な行き先は公的借り入れよりも民間の借り入れへの融資だった.ギリシャはその例外だ.
こうしてしばらくは誰もがハッピーになった.南欧では,巨大な住宅バブルから建築業での雇用が急増したけれど,製造業はどんどん競争力を失っていった.一方,それまで弱っていたドイツ経済は,こうしてバブルに沸いた国々への輸出が急増したおかげでにわかに活気だった.ユーロは,機能しているように思われた.
そこでバブルがはじける.建築業の雇用は消え去り,南欧での失業率は急増した.いまや,スペインとギリシャの両方で失業率は20パーセントを超えている.これと同時に,歳入は急落した.大部分において,財政赤字は危機の結果であって原因じゃないんだ.でも,投資家たちは逃げだし,借り入れコストはハネ上がった.金融市場をなだめようとして,困難に見舞われた国々はきびしい緊縮策を強行したものの,それはかえって不況を深めることになった.こうしてユーロ全体は危険なまでに揺るがされているわけだ.
この危険な状況をひっくり返す手はなにかあるんだろうか? 答えはじつに明快だ:政策担当者たちは,(a) 南欧の借り入れコストを押し下げないといけないし,(b) 好況時にドイツが受け取っていたのと輸出機会をヨーロッパの債務国にも同じく与えて,困難から抜け出る手立てにしてやる必要がある――つまり,1999年から2007年までの南欧の好況を反映してドイツが好況になったのと同じことをやる必要がある.(ええ,もちろんそうなればドイツのインフレ率は上がりますがね.) 問題は,ヨーロッパの政策担当者たちは (a) をやるのは気が進まないらしい上に,(b) にいたっては完全にヤル気ゼロだってこと.
どうもドラギ氏はこのことをちゃんと理解しているんじゃないかとぼくは睨んでるんだけど,彼はその発言のなかで,中央銀行が南欧の国債をたくさん購入して借り入れコストを下げるってアイディアを持ち出した.でも,その2日後にはドイツの高官たちがこのアイディアに冷や水をぶっかけた.原則としては,ドラギ氏にはドイツの反対をはねつけることができる.でも,ほんとにそうする意思が彼にはあるだろうか?
それに,債券購入はまだ簡単な方だ.ドイツがそのさき数年にわたってかなりインフレ率が上がるのを許容する気にならないかぎり,ユーロは救えない――そして,いままでのところ,ドイツの高官はこの点を議論する意思すら垣間見せていなくて,必要なことを受け入れるどころの話じゃない.そのかわりに,失敗に次ぐ失敗を重ねてもなお――覚えてるかな,〔緊縮を進めた〕アイルランドが急速な回復の途上にあるとされてた時期があったよね――彼らはいまだに債務国が自分たちの緊縮プログラムをやり抜けば万事解決すると言い張っている.
さて,ユーロを救う手はあるんだろうか? うん,おそらくはね.救うべきだろうか? うん.ユーロ創設がいまとなっては巨大な失敗に見えるけれど,救うべきだ.ユーロが潰れれば,たんに経済の混乱が引き起こされるだけじゃすまない.もっと大きなヨーロッパの企図にも大打撃になる.悲劇の歴史を歩んできた大陸に平和と民主主義をもたらすという企図が躓くことになる.
でも,ユーロは実際に救われるかな? ドラギ氏は決意の程を示したけれど,さっき言ったように,これはなんとも疑わしいんだよね.
(Paul Krugman, “Crash of the Bumblebee,” New York Times, July 29, 2012)
http://econdays.net/?p=6915
クルーグマン「債務・不況・デマルコ」(NYT,2012年8月2日)
オバマ大統領による経済の舵取りについて批判を言い出せばたくさんある.でも,この2年ほどでいちばん重要なあらすじは,オバマ氏の失敗ではなく,共和党による焦土作戦による反対ぶりだ.共和党は,オバマ氏の妨害になることならなんだってやってきたし,いまもやってる.自分たちで大統領の政策を阻んでおきながら,共和党は「大統領の政策は失敗だった」と言い張ってホワイトハウスを手に入れようと願っている.
今週,連邦住宅金融局の局長代理――ブッシュ時代からの残留人事で大統領はこれをすげ替えられていない――が債務免除の実施を拒んだのは驚きだった.この一件には,いまの状況が完璧に例示されている.
ちょっと背景の話:バブル期の後遺症として家計の超過債務がのしかかることこそ,経済回復を遅らせる最大の要因だと多くの経済学者は考えている.ざっくり言うと,超過債務によって,誰もが自分の所得より少なく支出を抑えようとつとめる状況がつくりだされてしまった.みんながそろってこれをやるのは不可能だ――ぼくの支出はキミの所得であり,キミの支出はぼくの所得だからね.このため,経済の停滞がえんえんと続くことになってしまう.
これに政策でどう対応すべきだろう? ひとつの答えは,政府が支出して経済を支える一方で民間部門はそのバランスシートを修復してやる,というもの.いまは緊縮すべき時じゃあない.政府による購入を減らしたことで,経済の足を大きく引っ張ることになっている.他にも答えはある.積極的な金融政策だ.だからこそ,いま連銀が高失業率と目標値以下のインフレ率を目の当たりにしながら行動を拒んでいるのはスキャンダルなんだよ.
でも,財政政策と金融政策を債務免除に結びつけることもできる.金銭的に困っているアメリカ人の負担を減らしてやれば,雇用は増え,みんなが手にするいろんな機会がよりよいものになる.
残念ながら,現政権が当初とった債務免除の対策は効き目がなかった:高官たちはいろんな制限をつけて「不相応な」債務者たちに免除を与えるのを避けてしまい,プログラムは埒があかなくなってしまったんだ.ただ,もっと最近だと,政権はこの問題をもっと真剣に受け止めるようになっている.
債務免除を与える対象として一目瞭然にわかりやすいのは,ファニーメイとフレディーマックが所有する抵当だ.この2社は政府が保証人となっている貸し手で,ジョージ・W・ブッシュの末期に事実上 国有化されている.
ファニーメイとフレディーマックを使うという着想には超党派の支持がある.それどころか,ロムニーの主席アドバイザーをつとめるコロンビアのグレン・ハバード [Glen Hubbard] は,エクイティがほとんどなかったり皆無だったりした住宅所有者にローンの借り換えをさせるようファニーメイとフレディマックに求めている.この借り換えにより,彼らの利子の支払いは大幅に減り,経済を大きく加速させることになる.オバマ政権はこのアイディアを支持しているしとくに深刻な困難を抱えている借り手に免除を与える特別プログラムも提案している.
ところが,ファニーメイとフレディマックを監督している住宅金融局の局長代理エドワード・デマルコ [Edward DeMarco] は,この借り換えに乗り出すのを拒否してる.そして,今週,彼は政権による免除プランを拒絶した.
エド・デマルコってなにもの? ブッシュが指名した局長が2009年に辞任したあと,彼は住宅金融局の局長代理になった公僕だ.オバマ政権にかわって4年経ったいまも.彼は現職にある.正式な局長をすえようとしても,上院の共和党議員たちがこれを阻止してきたからだ.そして,見るからに彼は債務免除の提供というアイディアをとにかく嫌っているらしい.
免除プランを拒絶するデマルコの書簡が示している論証ときたら,目を見張るほど根拠薄弱だ.彼の主張では,このプランは財務省からの助成のおかげで住宅金融局の財務状況を改善する一方で,納税者にとっては純損失になるらしい――彼じしんのスタッフによる分析でも支持されていない結論だ.スタッフの分析では純益だとシメされている.また,指摘しておいてよさそうな点として,民間の貸し手の多くは,デマルコ氏が拒絶しているのとそっくり同じな元本の減額を申し出ている――政府とちがってこうした貸し手たちには債務免除によって経済が強まることを考慮するどんなインセンティブもないっていうのに,そうしてるんだよ.
ただ,ここでの要点は,デマルコ氏が自分の仕事を誤解してるらしいってこと.彼は自分の局を運営し,金融を安全にする義務を負っているのであって,国としての経済政策を立てる立場にはない.大統領のもとで動いてる財務大臣が金融局を教化するかたちで債務免除の助成を模索しているなら,局を率いる長がその政策を阻止するのはお門違いってもんだ.そんなことは,クビになって当然の所行なんだ.
デマルコ氏はすぐさまクビにできるだろうか? この点に関しては,肯定する分析と否定する分析がでている.ただ,1点は明快だ:もし再選されたなら,オバマ大統領は議会休会中の任命権で彼を他の人にすげ替えることができるし,そうすべきだ.それどころか,大統領は何年も前にそうしておいてしかるべきだった.さっき言ったように,オバマ氏はたくさん失敗を犯してしまったわけだよ.
ただ,このデマルコ氏の一件をみても,いかにアメリカの経済政策が強情で無責任な政治的反対によって機能不全にされてきたか,よくわかる.アメリカ経済がいまだに深く不況にはまっているとすれば,その非難の多くは――ぼくに言わせれば「大半」は――オバマ氏ではなくて,この不況を政治的な優位のために利用しようと目論んできたこの人たちに向けられるべきだ.
(Paul Krugman, “Debt, Depression, DeMarco,” New York Times, August 2, 2012)
http://econdays.net/?p=6919
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