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ギリシヤの財務危機は日本のバブル崩壊と同様に南欧スペインの不動産バブル崩壊をも巻き込んで欧州の信用危機を招きすでに3年の歳月を経ようとしているが、解決の目度が立たない状況が続いている。
所詮ユーロは妖怪「鵺(ぬえ:その姿顔は猿に似て、胴は狸、足は虎、尻尾が蛇)」にすぎず、寄り合い所帯による政治が危機を克服することはできない。ギリシャに端を発し世界的な信用危機へと発展してしまったと言えよう。
*** 欧州通貨危機はユーロは財務基盤を統−したものでなく通貨のみの統一国家として発足した。従って財務統一は二の次で通貨のみを共通とした国家として成り立っている。昔から信用危機に陥った国は通貨を安くして財政を建て直すという流れがあった。今回の危機によるドル安・ユーロ安も例外ではない。当事国はいかに自国通貨と金利を安くしていくかを第一目標に掲げている。
今回のユーロ危機は意図的なのか、結果中国経済が変調をきたしたのかよくわかりませんが、輸出大国である中国の輸出を減らせて外貨準備高を減少した。ユーロ危機の長期化はEU各国の中国からの輸入が減少し、中国経済は復活できるかどうか微妙である。
最近、中国は国力を充実し、海外に中国の覇権圧力を高めて今や世界の中小弱少国に資金援助をして配下に置くという状況となってきている。★覇権国米国にとってはもはや中国を放置できない状況となってきた。どうしても中国の経済発展を止めなければならない。そのための戦略が欧州の景気が悪化してユーロ諸国の中国からの輸入が縮小する政策である。
この政策により中国輸出が赤字に転落し、景気も落ち込むという効果が出てきた。現状ではユーロ圏の復活は4−5年かかる。過去のように欧州諸国からの輸入拡大によって中国経済が拡大するという動きは弱まる。★現状は欧州危機によって中国景気は落ち込み外貨収入は減少という目的は達成しつつあるものの、中国の世界景気の機関車役も終わりを迎えてきているというが現世界経済の流れである。これから先中国が復活してくるのかそれとも米国経済が復活してくるのか定かでない。
中国は先行きの覇権のために低開発国に約束した援助マネーがこれから年々増えてくる上に欧州への輸出は年々縮小して貿易の拡大が縮小しさらに国内の生活向上とか賃金の拡大が続いて今まで蓄えたマネーは急減少していく。とても世界経済の機関車役を務めることは不可能である。他人任せで欧州危機をなんとか解決しようとして、ユーロは3年弱にわたって「すったもんだ」の支援策を続けできた。
*** その支援策も政治を絡めての支援策であることから一向にらちがあかない。昨年前半から世界の金融関係国は苦々しい思いで欧州各国の支援策を眺めていた。今回の欧州危機はユーロ安で輸出が拡大して景況感の改善が一番進んでいるドイツのメルケル首相によって支援策が組みたてられ、ユーロの経済危機改善のための機関車役的役割が組まれた。
財政支出を拡大してユーロ経済を守らなければならないドイツはユーロ安で輸出が倍増して好景気にあるものの財政支出を渋り南欧諸国が自力で債務を削減するという過酷なものであった。こうしたドイツの危機改善策はフランス・ギリシヤ・イタリアなど南欧を中心に批判が高まり、ユーロ通貨共通化の崩壊にもつながり、ユーロ内のデフォルト騒ぎにまで発展した。
ドイツのメルケル首相の財政緊縮策はドイツ国内でも批判が起こり、国内の国政選挙でも社会主義政党の台頭を許し月を追う毎にメルケル派の勢力低下を招いている。このところ社会主義政党の拡大化は来年の国政選挙でメルケル派が大幅に減りそうであり、もはや今年初めまでの欧州はメルケル首相の強固策を指をくわえて見ている状況でなくなった。★このところ欧州中央銀行(ECB)の実務派の手にギリシヤ・スペイン危機の解決策を委ねないと解決しない状況となってきた。
★ドイツの社会主義政党の急速な台頭とフランスのサルコジ大統領の退陣は欧州危機が政治の手を離れて金融・資本市場の実務係者の手に信用危機の本質が移転することを示すものである。
ドラギ総裁が26日に「通貨ユーロを守るためにあらゆる措置をとる」という発言を引き起こし、ドイツの高官も「ECBは政治からの独立性を守るべである」という発言にも繋がった。
★私はECB総裁がこうした発言をしたということはギリシヤ・スペインの金融危機が政治的なオモチヤからECBの手に移って本格的な改革が進むことを宣言したものであるとみている。
欧州中央銀行(ECB)は新たなスペイン支援策を探り始めたようである。明日8月2日に開く定例理事会でスペイン国債の買取などを協議する可能性も高まった。スペインの財政赤字を解決しないことには財政支援に踏み切っても効果はなく、時間稼ぎでしかなく今までの支援策と同じである。
ギリシヤ・スペイン危機が政治主導から政治を離れたECB主導にかわっただけでも危機の解決は進展した。ECBは政治的な独立性を守ることをこれからの基本政策に掲げている。すでに欧州金融安定基金(EFSF)の要請に応じて国債を購入する案や、その他いくつかの今までになかった案も浮上しており、今までの政治的安定策より効果は大きい。8月2日に続いて9月には欧州の安定メカニズム(ESM)が発足する。
このESMもECB中心になると思われるので必ず実現する可能性は高い。すでに政治の手を離れて実務者によって討議が進んでいるのでESMは9月初めには実現していこう。またユーロ圏諸国から1000億ユーロの銀行支援を受けるスペインが国債利回りの上昇を背景にドイツに財務支援など別途3000億ユーロ要請をしたが以前のようにすぐにこれを拒否される状況でなくなったようだ。ドイツもスペイン救済に対して変化が出てきているようだ。
*** 米国の行政管理予算局(OMB)が7月27日発表した経済財政見通しの年央改定で2012年の実質経済成長率見通しを2.3%とし、従来予測と比べ0.4%下方修正した。これは米景気の減速を踏まえた改定である。 8.2%としていた失業率の12年平均は8%と見ており、景気低迷は税収減などを通じ財政健全化の遅れなどに繋がりそうである。今回の経済財政予測はオバマ政権の政策を維持することを前提に算出されている。ただこの数字は景気の大きな変動とか財政政策を巡る与野党対立などもあり、さらに大統領選に伴う政策変更もあって長期的なシナリオが実現するかどうかわからない。
2%台の半ばとされる米経済の潜在成長率より低く、失業率は高止まりが続くのではないかとの見通しである。 GDPの内容をみると、今年の米国の景気も「足踏みの夏」に入ったようである。 GDPのおよそ7割を占めるという個人消費は1.5%増と低調な伸びとなり、サービスは底堅かったものの、自動車などの耐久財がマイナスとなるなど米消費動向は依然として安定していない。
連邦公開市場委員会(FOMC)が金融政策をめぐる会合を開くが、雇用や成長見通しに下振れリスクが一段と強まった場合には今後の追加金融緩和をめぐる協議の行方にも影響を及ぼしそうである。これから8月と9月にかけて世界経済にとって最重要な流れになるのではないかとみている。特に日本にとっては米国の量的緩和策第三弾が実施されれば円相場と日経平均に大きな影響を与えるだけに目がはなせない。
米国の経済について2013年1月には「米財政の崖」という懸案が発生する。
★「財政の崖」は米国だけに起こる問題でなく、過大な投資で急成長してきた中国でも、もしギリシヤやスペイン危機を回避するために財政支出を拡大して無理な投資を実施すれば山の頂上から転げ落ちる可能性は強く、どこの国にも起こり得る問題である。
★中国の現状欧州危機の中で思い切った財政支出に踏み切れないのも、目に見えないような財政の崖が横たわっているからではないかと思う。各国にとっては実に恐ろしい問題でうかつに動けず、場合によっては命とりになる可能性もある。
現在中国の地方政府レベルでは財政の崖にぶちあたっているところがではじめているのである。中央政府の統制がどこまで効くのか?統計が信用できない中国経済は危機に対して脆弱であると考えるのが通常の考え方である。
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