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さっさと不況を終わらせろ  クルーグマン「お金,タダで貸します」「ユーロの災厄がもたらす過激化効果」
http://www.asyura2.com/12/hasan77/msg/195.html
投稿者 MR 日時 2012 年 7 月 30 日 12:24:41: cT5Wxjlo3Xe3.
 


さっさと不況を終わらせろ 


池田信夫 2012年07月14日 16:45  


本書はクルーグマンのブログをまとめて気持ち悪い日本語に訳しただけで、新しい論点はないが、こうして整理すると彼の考えがよくわかる。日本ではいまだに彼をリフレの元祖として崇拝する向きもあるが、本書では金融政策にほとんど言及していない。彼が不況を終わらせる政策として主張するのは、超大型の財政出動である。

もちろん彼は「200兆円のバラマキ公共事業」を主張する土建屋のロビイストとは違うので、その理論武装はしている。通常、財政政策が好ましくないとされる理由は次の4つだ:
• インフレで一時的に失業率は下がっても、長期的には自然失業率に戻る
• 金利上昇や為替の増価によって民間需要をクラウディングアウトする
• 財政を悪化させて民間需要を抑制する
• 政治的な裁量で税金が浪費される
このうち現在のアメリカでは、インフレの懸念はほとんどなく、金利上昇も起こっていない(もし起こった場合には、FRBが利下げで支援すればよい)。政府債務もGDPの90%程度で、日本に比べればはるかにましだ。政治的なゆがみは否定しないが、大不況の社会的コストよりましだという。

これに対してラジャンは「オバマ政権の巨額の財政政策は効果がなかった」と批判する。クルーグマンもそれは認めるが、彼はその原因をラジャンとは逆に、財政支出が少なすぎたからだという。その根拠として1930年代にニューディールで大恐慌は克服できなかったが、第2次大戦が大恐慌を終わらせたというが、これは荒っぽい。8000億ドル近い財政支出で起こらなかったことが、その2倍にすれば起こる根拠はない。

一時、クルーグマンが主張したインフレ目標については、3ページほどしかふれていない。かつてそれを激しく主張したバーナンキがFRB議長になってから慎重な政策をとって「日銀化」していることについては、彼が「FRBボーグ」の虜になって魂を抜かれたからだというが、バーナンキは「中央銀行の実務を理解して昔の自分の日銀批判の誤りをさとったのだ」というかもしれない。

それより傾聴に値するのは、住宅債務の減免策だ。いまだに1500万世帯が債務超過になっているといわれる状況を是正しない限り、deleveragingによる不況は終わらない。オバマ政権は大規模な債務者の救済を政治的な理由でためらっているが、日本の教訓からもバランスシートがきれいにならない限り不良債権問題は解決しない。そういう状態でバラマキ財政政策をいくら増やしても役に立たないというのも日本の重要な教訓だが、クルーグマンはそれには知らないふりをしている。


山田豊 · 北海道大学理学部
こんにちは。クルーグマン氏のこの新著、もともとは氏のブログをまとめたものであり、いわゆる経済書ではありません。だからこそ、クルーグマン氏の信念が前面にうちだされていて、共感を覚えるものです。この書籍の主張は、きわめてシンプルなものです。5年目に突入した大不況は、失策を認めたくない人たちが複雑な構造的問題に見せかけているだけであり、脱出は驚くほど簡単であるという内容であり、 いま最も信頼できるノーベル賞経済学者が叩きつける最終処方箋ともいうべき内容です。「不況のときに緊縮財政するな。政府は財政赤字なんか気にせずに拡張的な雇用創出政策をやれ。中央銀行はそれを支援しろ」というものです。煎じ詰めれば、これだけです。この主張を補強するために、金融危機の前史から経緯をふりかえり、アメリカ、ユーロ圏、イギリスなどの現状を概観し、流動性の罠に関する不況の経済学をわかりやすく解説し、清算主義を批判しています。そうして、世界の歴史をひもとけば、欧米だけではなく、日本でも、クルーグマンの主張が正しいというより、常識であることが理解できます。この書籍、こうした常識を忘れた現代人に対する警鐘を鳴らすものであると思います。そう思うのは私だけでしょうか?詳細は是非私のブログを御覧になってください。
http://goo.gl/nH5Zy


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• 与那覇潤・池田信夫『気分はまだ江戸時代』
http://ikedanobuo.livedoor.biz/

 


 

増税も支出削減も、いまやることじゃありません。

いま最も信頼できるノーベル賞経済学者がついに叩きつけた最終解答!

リーマンショック以降、いまだに好転の兆しを見せない世界経済。
なぜ目下の増税や財政緊縮は愚策なのか?
失業者増加のダメージは一時的なものではなく、長期的にも経済をむしばむ?
では、各国政府と中央銀行、そしてわれわれが本当になすべきこととは――?
いま最も信頼できるノーベル賞経済学者が、ついに叩きつけた最終解答。

最も参考になったカスタマーレビュー
130 人中、126人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

5つ星のうち 5.0 不都合な真実(主に池田信夫にとって) 2012/7/22
By ジャズ吹き
本書の内容を簡単にまとめると
・不況から脱出するためには、財政出動と金融政策の両方が必要だ。
 だから、金融政策か財政政策かの二者択一は間違い。両方やるべし。
 間違った二者択一議論に時間を無駄にするな。

・金融政策の中でも、単純な金融緩和はダメ。 
 インフレ率を4%ぐらいに毎年維持するとコミットすることと、それを裏付ける金融政策の実施が必要。
 なぜなら、現在の金融緩和は一時的で今の世界しか相手にしていないので効果が小さい。
 しかし、インフレ目標は来年、さ来年など未来のインフレ率を操作することで、実質金利をマイナスにするから。

・長引く不況はなぜ悪いか
  不況は単に失業率という目に見えるものだけではなく、経済が回復したときに本来発揮するはずの生産力をどんどん削ってしまうから、生産力の低下というツケを後代に残してしまう。
 それは、国債発行残高なんかよりずっと深刻な負の遺産。
 だから、不況を脱出するために国債をどんどん発行して政府が需要を作りだそう。

・じゃあ、なぜ政府はそう言う対策を採ってこなかったんだろう
 誰が邪魔をしていたのか?
 どうして邪魔をするのか?
 どうやって邪魔しているのだろうか?

と言うことを一般国民に向けて判りやすく解いた本。

 クルーグマンは、バーナンキ議長でさえFRBの官僚に同化させられてしまったのを見て、官僚とか、専門家とか、政治家など政府の中枢は政策の方向転換をできないので、国民が世論で圧力をかけないとダメだと考えるようになったようだ。

 特に2012年の大統領選挙と議会選挙で、緊縮財政派の共和党が勝利すると、ヨーロッパ並に酷い経済状態に陥ると考えている。

 池田信夫が本書の発売前から「気持ちの悪い日本語」とかけなしているが、なぜそのようにけなして本書を世間の目から隠そうとしたかは後書きを読むと判る。
 後書きでは、名前こそ具体的に示されていないが、池田信夫がクルーグマンについてこれまで発言してきたこと(クルーグマンが日本に謝罪したとか、インフレ目標が効果がない、クルーグマンを支持する学者はいないetc)が木っ端みじんに論破されている。

 インフレ目標反対派がどのように、強引な牽強付会やあからさまな事実の歪曲を行っているかを的確に述べており、クルーグマンの主張を支持する経済学者などいないという点についても、彼を支持する学者や論文をきちんと示している。
 読後の読者をサポートするサイトが訳者のHPに設けられているので、そこで挙げられている他の論文も参照できる。

 これらは池田信夫にとっては「不都合な真実」なので、発売前からけなしていたというわけ。

 しかも、訳者の山形氏が以前使っているくだけた口語調の訳文は前書きのみで、本文は学者っぽい堅い訳文に訳し分けている。
 「気持ちの悪い日本語」なんて言っている池田信夫は、前書きしか読んでないことを自ら暴露している。恥の上塗りとはまさにこのことだろう。
 
3 コメント |
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5つ星のうち 5.0 ぜひ買ってください。言えるのはそれだけです 2012/7/27
By eternalwind
うぅっ。ようやく読み終えて面白かったんでアマゾンにレビュー書こうとしたんだけど
「ジャズ吹き」さんの先行レビューが完璧すぎて
今さら私の駄文を付け加える余地ねえ。

しょうもないので、私はつまらんことをグダグダと書きましょうかね
池田氏が「気持ち悪い日本語」とこの本をけなした書評を書いた時点では
未だアマゾンで発送されてもないし、書店に並んでもいなかったと思うのですが
さて、池田氏はどうやってその書評を書いたのでしょうか

1、独自のつてを使って手に入れた
2、山形浩生氏が池田信夫氏に献本した
3、クルーグマンの英文のコラムを読み、訳については「いつもの山形訳」だと勝手に推測して読んでもないのに批判した。

さてどれでしょうか。

http://www.amazon.co.jp/さっさと不況を終わらせろ-ポール・クルーグマン/dp/4152093129

 

クルーグマン「お金,タダで貸します」(NYT,2012年7月26日)
なんで市場は政府債が大好きなの? その答えからは,いまの経済問題の本質について大事なことがわかるかもしれない.
何年にもわたって,お真面目な人々は大きな財政赤字はひどい帰結をもたらすぞと恐ろしげな警告を出し続けている――その赤字は,いま進行中の経済危機こそ圧倒的にその原因となっているんだけどね.2009年5月に,ハーバードのニーアル・ファーガソンは「赤字発行の高波」によってアメリカの金利は急騰するだろうと言いはなった.2011年3月には,オバマ大統領の無残な運命をたどった赤字対策委員会で共同議長を務めていたアースキン・ボウルズはこう警告した――赤字にすぐさま対策をとらないかぎり,「市場は我々に大打撃を与えることでしょう」――おそらくは,2年以内に.同様の警告は多数あった.
さて,おそらくボウルズ氏にはほんの数ヶ月しか猶予はないだろう.でも,こうして予測された財政危機への途上で,おもしろいことが起きた:急騰するどころか,アメリカの借り入れコストは同国の歴史上で最低の水準にまで下がっているんだ.アメリカだけじゃない.この点に関しては,自国通貨で借り入れをしている先進国は,すごく安価に借り入れることができている.
赤字が金利を急騰させると予測したのにそうならなかった失敗から,いまの経済問題の本質について,だいじなことがわかる(あと,財政の美徳の自称守護者たちが語る智慧の中身,というか中身のなさもね).ただ,その話をする前に,この低い低い借り入れコストについてお話ししておこう――その低さたるや,場合によっては投資家が政府にお金を保管してもらう費用を払っている格好になってるほどだ.
これの大部分は,「インフレ連動債」で起きてる――未来の支払いが消費者物価と連動していて,投資家たちはじぶんの投資がインフレで台無しになるんじゃないかと心配しなくてすむ.この連動債ですら,かつて投資家たちは実質的な追加の支払いを求めていた.危機以前は,アメリカ10年物インフレ連動債はおおむね約2パーセントを払っていた.ところが最近では,こうした国債の利率はマイナス 0.6 パーセントになっている.インフレ調整すると政府が将来元本と金利を合わせて支払うことになる額面よりも多くをこれらの債券を買うために払う方を投資家たちは選んでいる.
つまり,ある意味で投資家たちは政府にこの先10年にわたるタダ金を提供しているわけだ.それどころか,彼らは政府は自分のお金を安全に保管しておいてもらうちょっとした手数料を払ってもいいと考えている.
さて,財政危機のお話に既得権のあるみなさんは,危機がいっこうに実現しないでいることをどうにかして説明しようとあれこれ試みてきた.彼らのお気に入りの説の1つは,連銀は政府債を購入することで人為的に金利を低くおさえているんだ,というもの.でも,去年の夏に連銀が一時的に債券購入を中止したときにこの説は検証されることになった.多くの人は――大国債ファンドであるピムコのビル・グロスも含めて――金利は上がると予測した.なにも起こらなかった.
あらあら.「いまにアメリカがギリシャみたいになっちゃうぞ,いいかギリシャだぞ」とかいう警告にも,耳を貸さないことだね.ギリシャみたいな国,その点で言えばスペインも,自国通貨をやめてユーロに加盟するというみずからの不見識な選択によって苦しんでいる.自国通貨がないことで,彼らはアメリカにはないかたちで脆弱化しているんだ.
じゃあ,なにが起きてるんだろう? 主な答えはこうだ.これは「負債圧縮[デレバレッジング]ショック」があるときに起こることなんだよ.負債圧縮ショックとは,みんなが同時にじぶんの債務を払おうとすることだ.家計の借り入れは急落し,企業はお金をただ貯め込んでいる.企業としては,売れるわけでもないのに生産能力を拡大する理由なんて1つもないからだ.その結果,投資家たちはおめかししても行くあてがない――というか,お金を注ぎ込むあてがない.それで,彼らは政府債を買っている.リターンはすごおく小さいけれど,他に選択肢がないんだ.さらに,これほどお安くお金を利用できるようにすることで,投資家たちは事実上,政府にさらに国債を発行するよう促している.
で,政府としては,短期の赤字に執着するんじゃなく,彼らの願いを聞き入れるべきだ.
おきまりの警告:はいはい,たしかに長期の赤字問題はありますとも.この問題には順を追って対策をとるべきだ.主に,医療費を抑えることによってね.でも,投資家たちがゼロまたはマイナスの金利で融資してくれるっていうときに,学校の教員をレイオフしたりインフラ計画を中止したりするなんて,単純にどうかしてる.
この点を理解するのに,雇用に関するケインズ主義の議論をするにはおよばない.なすべきことは,お金が安くなっていて,投資の好機だってことを理解すること,ただそれにつきる.教育もインフラも,アメリカの未来への投資だ.無体なことをしていれば,まったく必要もなかったはずの大きな対価を支払うことになる.
その上で言うと,みんなはケインジアンになるべきだ.過去数年の経験は――とくにヨーロッパで緊縮政策が壮絶に失敗した経験は――ケインズの基本的な論点を劇的なかたちで実証している:不況下の経済で支出を削減すれば,その不況をさらに悪化させてしまうんだよ.
というわけで,そろそろぼくらの政策論議をハイジャックして会話の中心に赤字問題をすえた自称賢者の言葉に耳を貸すのはやめていい頃合いだ.彼らはなにもかもまちがっていた――それに,このごろは,金融市場も雇用と成長に傾注すべきだって告げているしね.
(Paul Krugman, “Money for Nothing,” New York Times, July 26, 2012)

クルーグマン「誤りやすいぼく」(ブログエントリ,2012年7月25日)
コメント欄で,ぼくがこれまでにやったマチガイの例について質問をもらってる.実は,これについてはすでに書いたことがある.
ただ,1点付け加えさせてもらうと,ぼくやぼく個人の予知スキルに焦点を置かないでほしい.焦点は,人物じゃなくてモデルにおかれるべきだ.
なにを言わんとしているかと言うとですね――こう言っても言いすぎじゃないと思うんだけど,金融危機が起こってから,ぼくはかなりすげー記録を残してる.万事完璧だったわけじゃあない――今頃はデフレの証拠がもっと鮮明にでてきてるだろうと予測していたし,政治的な判断を間違ったこともある.たとえば,バルト海諸国がいまのように苦しみに耐える意志をもつとは予想していなかった.でも,「お真面目な皆さん」に比べると,ぼくは――そして同じ考えの持ち主たちは――きわめてうまく予想してきた.
とはいえ,これは超自然的な知性のおかげなんかじゃない.ぼくとしては,自分のことをそこそこお利口な奴だと好んで考えてはいるけれど,この危機でぼくらに優位を与えてくれたのは,よりよいモデルを持っていたってことだ.IS-LM と流動性の罠の論理を理解してこの危機の臨んでいれば,大半のことについて正しく理解する立場に立てたんだよ.そうじゃなく需要側マクロ経済学の基本を知らなかったりこれを軽視していれば(あるいはその両方だったりなんかしたら)しょっちゅうヘマをやることになったろう.
(Paul Krugman, “Fallible Me,” The Conscience of a Liberal, July 25, 2012, 3:41 PM)


クルーグマン「ユーロの災厄がもたらす過激化効果」(ブログエントリ,2012年7月25日)
てばやく覚え書きを1つ:ユーロの災厄が起きるのをこうして目の当たりにしているなか,十分に強調されていないと思うことが1つある.それは,ヨーロッパの政治情勢全体にこれがもたらす害悪の大きさだ.周辺国の大半で,通常の政治的対立の両サイドが,緊縮政策と内的減価政策に引き込まれている――ある場合は挙国一致政府でそうなってるし,またある場合は通常の政党政治の国でありながらも与野党がそろってだいたい同じ路線を選んでいたりする.
こうした政策が悲惨な失敗に終わったとき――ほぼ確実にそうなりつつあるけど――その結果として起こるのは,政治的中道派がまるごと不信をもたれることだ.そして,ミソがつかずに残っているのは左右の過激派だけ,という事態になる.
これがどういう結末を迎えるかは分かりにくい.ただ,ほんの数年後のヨーロッパは,よく知られ愛されているいまの民主国家の連合とはずいぶんちがうものになっているかもしれない.
(Paul Krugman, “The Radicalizing Effect of Euro Disaster,” The Conscience of a Liberal, July 25, 2012, 9:49 AM)
http://econdays.net/
 

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コメント
 
01. 2012年7月30日 16:54:51 : Pj82T22SRI

>不況から脱出するためには、財政出動と金融政策の両方が必要

まあ、その通りだな
少なくとも、デフレから確実に脱却できることは間違いない

その後、インフレが急激に進むとしても、大前や池田らが主張するようなハイパーインフレにはならないだろうし

早めに多少、ひどいインフレになった方が、長期的には日本にとって良いだろう


02. 2012年8月03日 05:13:50 : 8WT1t6rnfM
この本を読み「クルーグマンよ。お前もか」と言う思いです。彼は日本の長期停滞に対しインフレターゲットを薦めた人です。それが今度は財政出動を訴えます。悲しいことです。日本の経済学者も情けないが、アメリカでは良識ある経済学者と思われていたクルーグマンさえこのような節操の無さです。彼が今回財政出動を主張するのはもちろん不況脱出に対して金融政策の限界を知ったからですが、それ以上に、日本の問題が大きく左右しています。つまり、日本は膨大な国債を発行しているのに金利は0%に近いままで市場の反乱を見ていないと。しかしそのようなことで簡単に主張を変えられては我々はたまったものではありません。彼のインフレターゲット論だって、モデルを作り考察した結果の理論でしょう。それが何故かくも簡単に崩れるのですか。日本の失敗を深く勉強もしないで、自分達も国債をもっと発行しても大丈夫だなんて。とにかく今の世界経済の惨状はアメリカ経済学者が景気は全てマネーでコントロールできるとし、お金を無節操に市場に供給したところから発生したものでしょう。それがわかっていればそれを是正するのが本道ではないですか。今市場にはそうして溜まりに溜まった経済の実態とはかけ離れた過剰流動性マネーがあるのです。その対極に、各国の膨大な政府債務があるのです。これらの過剰マネーは今後実体経済に大きな悪影響を与えることはあっても好影響を与える部分は少ししかありません。またこれらの金は主に富裕層に溜まったお金です。つまり世界のお金がグローバリゼーションの名の下に富裕層に偏在してしまったのです。これを吸い上げればよいのです。スティグリッツの主張はこれです。もちろん世界経済は落ち込みますが、それは各国が金融でカバーすればよいのです。そのような不況は恐れてはいけません。クルーグマンさんは不況をやたらと恐れますが、不況になっても、それで世界経済を正常に戻せるとしたら誰が不況に反対するでしょうか?クルーグマンさんは大幅な財政出動した後でも政府債務は何とかなるとし、1929年の世界恐慌の脱出を例として出します。しかしその認識は間違いです。決して経済成長で債務が改善する事はありません。1929年当時は世界の経済が大きく成長できる過程にあったのに、今は先進国全てが成熟段階にあり殆ど成長できない状況です。その参考にもならない大昔の例を引き合いに出して、だから大丈夫だとするとは彼の主張が如何にもろいものかが証明されたというものです。

03. 2012年8月03日 08:43:40 : 8WT1t6rnfM
この本を池田信夫氏はブログで気持ち悪い日本語に訳しただけと批判しているのを知って、私は既にさっと読んで済ました本を改めて読み直しました。確かに、池田氏の御指摘の通り、そんなに気持ちの良い日本語訳ではありません。私はこのことについて、著者に誤りの箇所だけ一つ示し、著者から修正すると約束してもらいました。まあ、この本はいわゆる「欠陥翻訳書」ではありませんが、もう少し洗練された日本語に訳すべきところが各ページに散見されます。したがって、「くだけた口語調の訳文は前書きのみで、本文は学者っぽい堅い訳文に訳し分けている」と言うのはどうかと思います。

04. 2012年8月08日 11:08:42 : ghcJMSwysQ
空理空論


アイスランド革命:借金奴隷金融制度からの脱却  紫陽花革命
http://www.youtube.com/watch?v=V5raXKLQXFY

アメリカ:自由からファシズムへ
http://www.youtube.com/watch?v=Lw_JEyuEd-g


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