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http://japanese.ruvr.ru/2012_07_28/IMF-chuugoku-keizai-chousa/
国際通貨基金(IMF)の予測によると、中国の2012年の経済成長率は8パーセントとなり、これは中国の目標と一致している。中国政府はこのような声明を表した。
IMFは今週、報告書を発表した。IMFの専門家たちは中国の経済状況を全体として肯定的に評価した。報告書では、著しい経済成長を維持し、世界金融危機の時期に世界の需要を支えている中国に当然の評価が与えられたと指摘されている。一方でIMFの専門家たちは、中国では経済活動の拡大テンポが減速している点に注目している。専門家たちによると、中国には経済成長率が低下する本質的なリスクも残されている。
専門家たちは、中国の最近のGDP成長率の半分は、資本増加によるものだと考えている。企業は労働力の向上ではなく、生産力拡大に資金を投入した。この戦略は、労働力過剰の場合でのみ効果を表す。なお中国では2015年以降、労働力人口の減少が始まると予測されており、中国は今後、市場などにおける競争で労働力過剰という長所を失う。
中国経済では投資が非常に大きな役割を演じている。IMFの専門家たちは、中国で経済に多額の資金が注入された場合には生産力が過剰となり、外国製品との競合状況があまり良くない場合には、企業の倒産やGDPの減少などを引き起こす恐れがあるとの見方を表している。
これに関連して中国政府には、経済改革に向けて引き続き努力するよう助言された。中国の役人が最近表した声明によると、中国は危機対策において科学産業の分野に重点を置いているという。
ロシア科学アカデミー極東研究所のルジャニン副所長は、中国は他の国の開発を複製することに慣れているため、中国が「世界の工場」からイノベーションの中心地になるまでの道は険しいものになるだろうとの見方を表し、次のように語っている。
「中国は現在、何らかの意味において質を無視した量的拡大の経済、積極的な輸出、技術の複製を基盤とした古いモデルにかわって新モデルが生まれる境目に立っている。新モデルは、内需ならびに中国における国際投資センターの設置に基盤を置いている。これについては主な問題が一つある。それは、中国国民の精神性と関連している。中国人が実行力に長け、規則正しく、技術などを上手くコピーする能力があることは、これまでの活動の中で証明された。だがクリエイティブな活動や自分に責任を持つこと、またリスクがある一方で飛躍的な結果をもたらす可能性のある提案などには、あまり関心を持っていない。」
ルジャニン副所長は、これは中国におけるイノベーション型経済の構築を妨げるだろうとの見解を表している。加えて中国は現在、新たな経済モデルを構築する最初の段階にある。それは現在の問題である世界市場への大きな依存が今後も中国に存在し続けることを意味している。
★米国過剰消費と中国の過剰投資、どちらが問題か
http://blogos.com/article/43888/?axis=g:2
世界二大経済大国米国と中国で、全く対照的な構造問題を抱えていると考えられている。「米国の過剰消費」と「中国の過剰投資」である。両者の中で投資の比重が高い中国経済は健全であり逆の米国は不健全とのパーセプションが一般的に受け入れられている。また「それぞれの過剰が相互補完し、世界の不均衡が高まっている事が問題だ」、という常識的見解もある。
そうした常識論はむしろ誤りである可能性が強い。通説とは逆に、米国の「過剰消費体質」はむしろ誤解であり、中国の過剰投資構造は大いに問題であり・・中国経済の困難化を示唆していると考えられる。
(1)米国過剰消費体質説の誤り
米国の過剰消費は一見否定しがたいように見える。民間の消費支出の対GDP比率は、第二次世界大戦後、60%前後であったが2000年代に入り70%を超えてきている。消費比率の上昇は即投資比率の低下であるので、この現象を捉えて米国は、投資をさぼり消費ばかりを行う国という批判が横行している。
しかし詳しく見ると、これは適切な評価ではないことが分かる。米国企業のグローバル化により、工場などの設備投資を国内で行うことは少なくなる一方、国内では人材を投入したソフトウェア開発等の知的投資が増加し・・新世代の知的産業、企業を生み出している。こうして新たに増加している知的資産に対する支出のほとんどが、会計上および国民所得計算上投資としては認識されない。
現在のような高度な情報化社会において、知的に蓄積された資産を現在の会計や統計では正しく計測できていないと言える。このように考えると先進国においてハードの投資の割合が低下し、ソフトつまり知的資産への支出の比率が高まれば、統計上消費の比率が上昇するのは当然であると言える。このように米国の統計に表れている高消費構造は・・むしろ米国が知識集約度を高めている表れとも考えられる。
(2) 中国過剰投資体質の禍根
他方中国では、世界に類例のない高投資経済が展開されている。先ず過去10年間の経済成長における投資と輸出寄与度は6割と維持不能の高水準にある。また固定資本形成/GDP比率は2011年46%とかつてどこの国にもなかった高水準に達し、投資が消費を上回る状態が2005年以降加速しているがこれも持続可能とは思われない。
かつての日本や韓国がそうであったように、投資・輸出主導経済へ資源を動員することによって成長率(=供給力)を一時的に高めることはできる。しかしそれは逆に持続的な需要拡大と国民生活向上への軟着陸を困難にする。
こうした転換期における望ましい政策は、所得分配を急旋回させ、消費力を飛躍的に向上させることである。労働分配率の引き上げや農村やサービス部門に所得を配分し所得格差を是正しなければならない。つまり生産性の高いセクターから農村部やサービス部門等低生産性セクターへの所得移転が、行われなければならないが、それの主たるチャンネルは農産物とサービス価格のインフレ(生産性上昇率格差インフレ)である。
日本で生産性上昇率格差インフレが起こり所得格差の是正と内需の急拡大が始まったのは1960年である。1960年以降農村の余剰労働力が枯渇し、労働需給がタイト化し(有効求人倍率が1を越え)、賃金上昇率が2ケタへと高まり、以降5%を超える消費者物価上昇率が定着し、労働分配率が大きく高まり、所得格差が急速に是正され、内需の急速な拡大、消費主導の経済成長が実現した。
それに対して今の中国では、そうした変化が未だ起きない。上昇しかかった消費者物価は再び2%台まで下落、所得分配の是正、所得格差縮小は全く進展せず、消費力の創造がなされていない。それなのに中国政府は2011年以降の急激な経済成長の鈍化に対応して、更に投資増加によって成長率をかさ上げしようとしている。
それは過剰投資の上に過剰投資を重ねる愚を犯す可能性が強い。中国の今後の調整困難さが懸念される。
(3) 余剰労働と資本の活用による需要創造は米国から
以上より米国の「過剰消費体質」は誤解であり、中国の現在の過剰投資構造は大いに問題であることがわかる。この過剰投資=過少消費は中国のみならず、現下の世界経済共通の問題である。先進国は共通の「失業の高止まり、空前の金利の低下」という困難に直面している。つまり空前の人余り・金余り、という病気にかかっている。その根本原因はグローバリゼーションとインターネット・クラウド革命による生産性の上昇にある、と考えられる。
より僅少の資本と労働でビジネスが成り立つようになり、特に先進国で労働力と資本の余剰が顕著になっているのである。
★問題は古い殻(制度規制・慣行、分配のあり方、思想)により余った資本と労働が分断されている事にある。いわばTrebled water (荒れ狂う川)の両岸に資本と労働が引き離されている状態である。これに如何に橋を架けるか、が先進国経済共通の課題である。1930年代の大恐慌はその失敗例、株式市場はその帰趨を見つめている。(武者陵司/抜粋)
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