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干ばつによる食品価格上昇で予想される食品会社とFRBの受難
HEARD ON THE STREET
2012年 7月 28日 18:53 JST
米国各地を襲った干ばつによって食品価格が上昇している。米国経済に大きな脅威となることはなさそうだが、多くの企業や米連邦準備制度理事会(FRB)にとっては打撃となりかねない。
米国が少なくとも過去50年で最悪の干ばつに見舞われ、ロシアなど他の国でも干ばつが収穫に悪影響を与える可能性が懸念されるなか、穀物価格が急騰している。米国中西部で今週になってやっと雨が降ったが、それでもトウモロコシ価格は年初と比較して22%高、大豆は32%高の水準で取引されている。
消費者はまだこうした価格の上昇を感じていない。しかし、やがては実感するときがくる。米国人が口にする食品の多くには多少なりともトウモロコシが使われている。牛肉には飼料としてトウモロコシが使われているし、炭酸飲料の甘味料もトウモロコシだ。一方、大豆は食用油や動物用飼料に使用されている。労働省によると、食品価格の上昇率は昨年後半は1.9%だったが、今年前半には0.8%に減速しており、消費者は食品価格の上昇が一服したと喜んでいた。しかし、これもそろそろ終わりだ。
トウモロコシ先物の期近限月の推移
失業率が高止まりし、人々が不況で失った富を再び築こうともがく中で、このような状況は喜ばしい展開ではない。食品価格が上昇すれば、消費者は食品以外のものへの支出も減らすことが懸念されている。景気が弱いことを考えれば、理想的な状況とは言えない。
しかし、米国の消費に食品が占める割合は1960年代初めには約28%だったが、今では約14%に過ぎない。従って、食品価格の上昇は昔ほど問題にはならない。ただ、不況の影響を最も受けている低所得層では支出に占める食品の割合はもっと大きい。
米国ほど運がよい国ばかりではない。食品は中国の消費者物価指数の3分の1近くを、インドの消費者支出の半分近くを占める。先進国でも支出に占める食品の割合は米国よりもはるかに高い。イタリアでは支出の約5分の1を食品購入に振り向けている。
米国には別の事情もある。米国人はある部門の価格が上昇すると、その部門での購入は減らすが、他のものへの支出は維持するという傾向がある。例えば、昨年、綿の価格が急騰し、衣料品の価格が上昇した際には、消費者は衣料品の購入を減らしたものの、他の支出は減らさなかった。エネルギー価格の急上昇によって景気が悪化する理由の1つは、消費者がガソリンと自動車をひとくくりに考えているからだ。これは、いくら燃費の良い車でも変わらない。
キャンベル・スープやゼネラル・ミルズのような食品会社は、最終的にコスト上昇に対応するために値上げしてプライベートブランド商品に消費者が流れる危険を冒すか、利益が減るのを見守るか、といういまいましい選択をすることになるだろう。
一方、食品価格の上昇によってFRBは政策の舵取りが難しくなる可能性がある。食品価格はインフレ率に影響を与える以上に、世間のインフレに対する認識に並外れて大きな影響を与える。消費者は電気代の値下がりより牛乳1パックが値上がりしたときのほうが価格の変化に気づくものだ。
つまり、FRBが来週開催する連邦公開市場委員会(FOMC)で景気刺激のための追加的措置をとれば、おそらく、食品価格の上昇を招いたとしてやり玉に挙げられることになるだろう。しかし、FRBは何もしなくも非難される可能性が高い。
記者: Justin Lahart
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