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「米政府の大スキャンダルを知らないの?日本で報道されていないのね・・・」
「ファースト&フュリアス事件」をご存じですか
2012年7月27日(金) 上田 尊江
題名からお分かりかもしれないが今回の内容は『資本金ゼロで年商500万ドル』とも『ママCFO奮戦記』とも関係がない。米国を揺るがしている大事件が日本で一切報じられていない不思議について書く。
昨年、本欄の編集者から「またコラムを書きませんか」という電子メールをもらったとき、次のように返信した。日経ビジネスオンラインでは「米国」と表記するそうだが、元のメール通り「アメリカ」にしておく。「$500K」は50万ドルのことだ。
「アメリカについて以前から気になっている内容がまだいくつかあります。アメリカメディアの行き過ぎたリベラリズム、リーガルシステムの崩壊に根付いた医療費・健康保険制度の問題、常識がなくなってしまい何でも議論になるアメリカ社会、まだまだ落ち込む不動産市場や景気、ビジネスと生活。ここは体験談が中心になります。私たちの会社の話であれば、資本金ゼロ会社の成長とチャレンジとしてかなり書けそうです。社員に$500K相当の商品を盗まれた話、銀行差し押さえ物件を買った話、不景気で自己破産をした元超リッチな人の話(周りに沢山います)。母として仕事と家事と子育ての両立をどう考えているかというテーマもあります」
編集者の「またコラムを書きませんか」というメールに「アメリカについて以前から気になっている内容がまだいくつかあります」と応じたのは、5年前、同じ編集者と組んで『不思議の国アメリカ』というコラムを連載していたからだ(『“オンライン決済不在”の驚くべき実態』、『永久に受け取れない「特売の割引金」』、『“顧客監禁管理”システムの最高峰はカジノにあり』、『何でもありの返品制度が築くゴミの山』、『最も働きがいのある会社はエンジニアの理想郷』)。
「資本金ゼロ会社の成長とチャレンジでいきましょう」という返事が編集者から来て、この連載を始めた。前回の連載は実質5回で途絶してしまったが、本連載は今回で17回目になる。ママになってから知力、体力、気力のすべてが落ちる一方と思っていたが持続力は付いたのかもしれない。
政府が銃の不法販売を後押し?
今回書く内容はメールの冒頭にある「アメリカメディアの行き過ぎたリベラリズム」に関係するものだが、リベラルを批判するといった政治的内容ではない。米国で連日のように報道されている大事件が日本で全く報じられていない不思議についてである。
この事件がとても気になり、子供が寝た後のわずかな時間で、ニュースを追っている。日本人の知人にも聞いてみたが、誰も知らない。「ああ、またか」と思ったので、米国報道と日本報道の差についてお伝えしたいと考えた。
大事件というより、大スキャンダルと言ったほうがいいかもしれない。数カ月前から、米国で取り沙汰されているスキャンダルはその名を「ファースト&フュリアス(Fast & Furious)」と言うことが多い。第5作まで公開になっているヒット映画の1作目のタイトル『The Fast and the Furious』から取ったものだ。こんな名前が付いた事情は後述する。
この映画シリーズは、まるでレーサーのように改造車で街中をはじめ、至るところを走るシーンが売り物で、日本でも『ワイルド・スピード』というタイトルで公開されている。日本で「ファースト&フュリアス」と言われてもぴんと来ないかもしれないが、大抵の米国人ならすぐ分かる。
スキャンダルが起きた場所は映画界ではなく、オバマ大統領下の米国政府である。司法省内の「アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局(以下、ATF)」が極秘に進めたオペレーション「ファースト&フュリアス」を巡り、大問題が発生している。
正直、「なんでこんな名前を付けたの」と笑いたくなるが、この極秘作戦の中身は全く笑えない。現オバマ政権下の2009年から2011年の間に実施されたこの作戦は別名「gun-walking」と呼ばれる。文字通り、銃を歩き回らせる作戦だった。
要はおとり捜査の一種である。国境を越えて、米国の銃をメキシコに不法流入させるものだった。ATFがアリゾナ州の銃ディーラーに銃を渡し、メキシコからアメリカに来ている麻薬密売の容疑者たちに銃を販売させたとされている。銃ディーラーと麻薬密売の容疑者たちの間には、ストローバイヤー(銃の所持を禁じられている人のために代理で銃を購入する人)が入る。
目的は、ATFが捜査中の麻薬密売の容疑者を捕えることにあった。米国で販売された銃がメキシコの麻薬カルテルにたどり着くルートを捜査していけば、容疑者はもちろん、麻薬カルテルの元締めまで捕獲できるとATFは考えたようだ。
この作戦をなぜ「ファースト&フュリアス」と呼んだかというと、捜査中の容疑者の何人かが、映画の主人公と同様に自動車修理をしながら、ストリートレーシングをしていたからだという。
大問題になっているのは、作戦の成果がほとんど出ず、しかも作戦に使われた銃の犠牲者が多数出たからである。
販売された銃は2000丁、取引額が100万ドル超と大規模だったにもかかわらず、結果としてストローバイヤーを数人逮捕しただけで、麻薬カルテルメンバーなど大物捕獲には至っていない。一方で、銃に追跡装置を付けていなかった、あるいはメキシコ政府にこの作戦について事前に報告していなかった事実が明らかになっている。このためかどうか、国境を越えた後の銃に対し、積極的な追跡捜査がほとんどなされなかったという。
そして、この作戦で販売された銃がメキシコで犯罪に使用され、罪のないメキシコ市民が命を落とした。犠牲者は200名以上といわれている。命を落としたのはメキシコ人ばかりではない。2010年12月、アリゾナ州の国境警察官ブライアン・テリー氏が不法移民の追跡中に銃撃戦に巻き込まれ死亡した。現場に残された銃のうち、2丁はファースト&フュリアス作戦下で販売されたものだった。
テリー氏の死がきっかけとなり、本作戦が明るみに出る。米下院監視・政府改革委員会により調査が開始され、司法長官のエリック・ホルダー氏の聴聞会が開かれた。ホルダー氏は要求された書類の一部提出を拒否したため法廷侮辱罪に問われ、議会により告訴されるという事態に至った。しかもホルダー司法長官はこれにめげることなく辞職を拒否するという驚くべき事態となっている。
鍵を握る書類が調査に出されないようにと、オバマ大統領が異例の大統領特権を発動した。大統領就任以来の初の発動であり、かえって疑惑が深まった。メキシコ大統領が本件について沈黙している点も不思議なところだ。
今でも責任追及は続いているし、事件の内容は複雑だ。ブッシュ政権下でも今回と同様の作戦が行われていたそうだが、ウェブで調べみると今回のオバマ政権下での作戦とのつながりはどうだとか、ファースト&フュリアス作戦の真の目的は米国の銃規制を促進させるためではないか、とか色々な論評が出ている。
真相が明らかになるまでもう少し時間がかかりそうだ。あるいは明らかにならないかもしれない。実はこの原稿を6月中にほとんど書き上げ、その後の様子を見守っていたがこのところ報道は沈静化してきている。司法長官の件が「辞職せず」で一段落し、それから先にどうにも進めず、結局は11月の大統領選挙次第ということになったためだろう。
米国主流メディアの情報だけが日本に入る
なぜこのニュースを紹介したかというと、日本で報道されていないことに気づいたからだ。米国のウェブを検索したついでに、日本のウェブを調べてみると、ごく一部のブログに数行出てくる程度で、新聞も雑誌も報じていない。英語のWikipediaには詳細な記述があるが日本版にはない。日本の知人とやりとりする機会があるたびに「ファースト&フュリアス作戦って知っている?」と聞いてみるが誰も知らない。
少し前の箇所に『「ああ、またか」と思った』と書いた通り、米国の事件が日本で報じられないことはしばしばある。米国人と結婚し渡米した直後は「なんで」と不思議に感じていたが、今では理由が分かる。
日本に届く米国のニュースは基本的に、こちらで「主流メディア」と呼ばれているソースに基づいているからだ。主流メディアの代表はCNNやニューヨーク・タイムズなど、いわゆるリベラルのメディアである。リベラルの対語はコンサバティブであるが、主流メディアと呼ばれているように米国の大手メディアはすべてリベラルといってよく、コンサバティブはほんの一握りだ。
本原稿を書き上げて編集者に送ったところ、「米国の政治でリベラルとコンサバティブは拮抗していると思っていましたが、メディアはリベラルが制圧している訳ですね。ウォール・ストリート・ジャーナルなどはどうなのでしょう」と質問が来たので加筆しておく。
米国の大手メディアでコンサバティブなのは、ABC、CBS、NBCの3大ネットワークに続く大手テレビ局のFOXだけと言ってよい。ウォール・ストリート・ジャーナルはFOX同様にルパート・マードック氏が率いるニューズ・コーポレーションの傘下にある。ただし、テレビを含めたメディア全体を見ると、コンサバティブは本当にわずかである。
リベラルとコンサバティブによって、メディア各社の報道は、ニュースを選ぶところから異なり、同じニュースでも報道の仕方が全く違う。ファースト&フュリアスのスキャンダルは格好の例だ。
ファースト&フュリアスの一件をリベラルな主流メディアが報道し始めたのは最近のことだ。NBCに至っては、6月半ばになってやっと報道した。今回のスキャンダルは現民主党政権にとって非常にまずいものであり、現政権を支持する主流メディアは報道を控えていた。
日本に届く米国ニュースは主流メディアをソースとしている。主流メディアに登場しないなら、そのニュースは日本までたどり着かない。日本で見聞きする米国のニュースは2重のフィルターがかかっていることになる。
ニュースソースとなる米国メディアの政治的見解でニュース選別のフィルターがかかり、内容の伝え方もメディアの見解ありきでなされる。その上で、個別のニュースも、誰かの主義主観を通した事実を伝えている。
突き詰めていくと、そもそも事実とは何か、報道自体がフィルターではないか、という話になっていくが、そこは読者の皆さんが考え、答えを出していただきたい。私が米国に暮らし始めて気付いたのは、ニュースを見聞きするときは要注意だということである。もしかしたら今聞いたニュースはだれかの一方的な考えの下に伝えられているのかもしれない。
リベラルかコンサバティブか、家族で大げんか
「一方的」と書いたのは、リベラルにせよ、コンサバティブにせよ、相当に極端な主張をしているからだ。現在の米国は政治的に二極化されている。
民主党に代表されるリベラルか、共和党に代表されるコンサバティブか、米国人のほとんどが「私はこちらです」と答えられる。そして、何かにつけて口数が多く声が大きい米国人は、政治の話になると驚くほど感情的になる。
ここでいう政治とは、実際の政策や政治家の好き嫌いだけではなく、日常で起こった事件や事故の原因や処理、日々の生活の仕方にまで広がる。日常の話、例えば子供の育て方や治安の話などをしていても、相手がリベラルかコンサバティブかが分かってしまう。
これはとてもいいことだと私は思う。日本にいたときには政治にはそれなりの興味がありニュースは一通り読んだり聞いたりしていたものの、積極的に自分の考えを持っていたわけでなく、「別に」という感じで人任せだった。
政治家なんて皆同じだし、そもそも政治は政治家のものだという感じで、知らぬ間に一線を引いていた。政治について熱弁を奮った記憶も皆無だ。どうでもいいわけではないが、自分が友達や家族に何か言ったところで政治が変わるわけでもない、と冷めていた。
米国人は違う。自分の主義を貫くというか、相手を説き伏せようとするカルチャーなので、主義主張が合わないと親の敵に出会ったかのように感情的に怒鳴りあう。身内話を出すと、主人の兄弟がそろうときは危険だ。
テレビについては当たり障りのない子供向けの映画を選び、ニュース番組は御法度だ。食卓の話題も政治的な意見に結びつかないものを選ばなければならない。誰か一言でも現政権について何か言おうものなら、意見が真っ二つに割れ、お互いの意見を受け入れることもなく大喧嘩になる。
実際、兄弟なのに政治絡みの口論がきっかけになって数年も音信不通になったことがある。結婚して渡米し、ささいなことをきっかけに主人が兄弟とののしりあう姿を初めて見たときは衝撃を受けたというか、呆れてしまった。
それほどまでに米国人にとって個人の政治的信条は身近で大切なのである。そして考え方は両極に分かれ、先鋭化している。なぜここまで二極化したのか、色々な意見があるところだろう。驚くほど真ん中というものがない。イエスかノー、リベラルかコンサバ、なのだ。
こういう社会にいると、全員の意見が一致する「常識」という感覚がなくなる。当たり前だったことがすべて「議論の余地あり」となっていく。
日本人の多くは米国に来ればコンサバティブ?
冒頭に「リベラルを批判するといった政治的内容ではない」と書いたものの、ここで私たち夫妻がどちらかなのかを明らかにしておく。ここまで読まれた方はお分かりかと思うが、リベラルな主流メディアが報じてこなかったファースト&フュリアス事件に関心を持っているわけで、我が家はコンサバティブである。
結婚して米国に来てすぐ気づいたことは、主人がFOXニュースを一日中つけっぱなしにしていることだった。主人が熱心にFOXを見ている様子から、「この人、本当は極右でやばいのかも」と偏見を持ったくらいである。結婚前、日本で付き合っていたときは、政治の話などしなかった。
もっと驚いたのは、私自身がコンサバティブだったと気付かされたことだ。日本にいるとき、自分はリベラルだと思っていたが、米国ではどう見てもコンサバティブに入る。
この辺りは機会を改めて書きたいが、米国のリベラルの意見は日本の常識の範囲をはるかに超えており、自分をリベラルだと思っている日本人の多くはこちらに来るとコンサバティブになるのではないかとにらんでいる。
コンサバティブ系メディアのFOXは、国境警察官のテリー氏が亡くなった2010年12月あたりから、この事件を報道していた。聴聞会などについては、ライブ実況のようにほぼ毎日、報じてオバマ政権を問題視し続けている。大統領特権が発動されたときは、「ニクソン政権のウオーターゲートのようになる」と騒いでいた。ただし、大統領が関与していた決定的な証拠はないようだ。
ちなみにFOXはブッシュ政権時に主流メディアから「ブッシュのプロパガンダ」と批判された局である。オバマ政権を守ろうとするあまり、この事件を報じてこなかった様子を見ると「一体どちらがプロパガンダなんだか」と思ってしまう。
リベラルの民主党は「共和党は民主党を追い込みたいから、本件を追求している」と主張している。そういう側面もあるかもしれない。ただ、私は日本人でもあるので、「今回の事件がアメリカではなく、他の国で起きたらどうなったろう」と想像してしまう。
物騒な例えで恐縮だが、日本政府が隣国に銃を送って管理していなかったことが明るみに出たら、真っ先に米国は「原因と責任をきっちり追及すべき」と口を挟んでくるような気がする。他国には厳しいが、いざ自分の国でこういうことが起こると、政治のせいにして責任所在をうやむやにする。このあたり、いかにも米国らしい。もっとも大抵の国は自国のことで謝らないものだ。
両極端の情報を見て考えてはどうだろう
本題に戻る。日本にいて、米国に関するニュースを見聞きするときにはどうしたらよいのだろうか。現在日本で伝えられている米国発のニュースの大半は主流メディアからの記事だ。
短いニュースは特に要注意である。見出しから得られる第一印象は強烈で自分の思いや意見をこれだけで形成しやすい。意識的な書き方によって、コンサバティブ系メディアで伝えられている内容とは別の印象を与えるようになっている記事もある。
何かの米国情報に関心を持ったとき、可能ならコンサバティブ系メディアの記事も読んでみていただきたい。我が家がコンサバティブだから、押し売りするのではない。両極端の記事を読んで考えることが大事と思うからだ。
それぞれのニュース記事について感想や意見を出すのはそれを読む各自であり、正解はない。ただし、偏った意見を元に構成されている記事だけを読み、すべて事実として鵜呑みにし安直に自分の意見へとつなげることは危険である。見落としている決定的な要素が潜んでいる可能性を知っておいたほうがよい。
米国メディアのリベラル対コンサバティブという国民思想の二極化については、面白い例が沢山あるのでまたの機会に紹介してみたい。米国人らしさ、米国らしさが分かってくるし、皆さんがご自分の意見を整理するきっかけにもなるはずだ。
ところで日本の報道は今、どうなっているのだろう。かつての印象からいうと、どのテレビ局も新聞も大体同じ内容を、同じように伝えていた気がしてならない。
上田 尊江 (うえだ・たかえ)
TransAction Holdings, LLCCFO&Founding Partner
慶応大学商学部卒。A.T.カーニーにてコンサルタントとして金融機関や製造業などのプロジェクトに参加。その後、DLJディレクトSFG証券(現・楽天証券)マーケティング部にてブランディング、PR、CRM戦略を担当。ジャパンエントリーコーポレーションで海外スタートアップ企業の日本参入コンサルティングおよびエグゼクティブサーチに従事後、独立してフリーのマネジメントコンサルタントとして活躍。2006年より渡米、TransAction Holdings, LLC.を設立し、CFOとして輸入事業および多岐にわたるコンサルティング事業を手掛ける。
資本金ゼロで年商500万ドル
アメリカ人と結婚して渡米、家事のかたわら起業しCFOに就任。資本金ゼロのまま3年間で年商500万ドルに。出産後も引き続き経営に参画。華麗なスーパーウーマンが目に浮かぶかもしれませんが実態は違います。著者によると「細かい戦略と戦術の積み重ねと泥縄の資金繰りでやっと成り立つ事業モデル」だそうです。ブランディングから中国企業への生産委託、社員の採用と解雇など、“ママCFO”の苦労と工夫をお伝えします。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20120725/234873/?ST=print
The Fast and Furious scandal is turning into President Obama's Watergate
By Tim Stanley US politics Last updated: June 21st, 2012
1644 Comments Comment on this article
Obama is repeating many of the mistakes that led to Nixon's resignation in 1974
Fast and furious hasn’t been discussed a lot in the mainstream media, which is why the facts can seem so preposterous when you read them for the first time. But the story is slowly unraveling and the public is catching up with the madness. On Wednesday, the House Oversight and Government Reform Committee voted to hold Attorney General Eric Holder in contempt over his decision to withhold documents related to the “gun walking” operation – documents that President Obama tried to keep secret by invoking executive privilege. The question of why the Prez intervened in this way will surely hang over the investigation and the White House for many months to come. Be patient, conservatives. It took nearly eight months for the Watergate break in to become a national news story. But when it finally did, it toppled a President.
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Here’s what Fast and Furious is all about – and for the uninitiated, be prepared for a shock. In 2009, the US government instructed Arizona gun sellers illegally to sell arms to suspected criminals. Agents working for the Bureau of Alcohol, Tobacco, Firearms and Explosives (ATF) were then ordered not to stop the sales but to allow the arms to “walk” across the border into the arms of Mexican drug-traffickers. According to the Oversight Committee’s report, “The purpose was to wait and watch, in hope that law enforcement could identify other members of a trafficking network and build a large, complex conspiracy case…. [The ATF] initially began using the new gun-walking tactics in one of its investigations to further the Department’s strategy. The case was soon renamed ‘Operation Fast and Furious.”
Tracing the arms became difficult, until they starting appearing at bloody crime scenes. Many Mexicans have died from being shot by ATF sanctioned guns, but the scandal only became public after a US federal agent, Border Patrol Agent Brian Terry, was killed by one of them in a fire fight. ATF whistle blowers started to come forward and the Department of Justice was implicated. It’s estimated that the US government effectively supplied 1,608 weapons to criminals, at a total value of over $1 million. Aside from putting American citizens in danger, the AFT also supplied what now amounts to a civil war within Mexico.
It’s important to note that the Bush administration oversaw something similar to Fast and Furious. Called Operation Wide Receiver, it used the common tactic of “controlled delivery,” whereby agents would allow an illegal transaction to take place, closely follow the movements of the arms, and then descend on the culprits. But Fast and Furious is different because it was “uncontrolled delivery,” whereby the criminals were essentially allowed to drop off the map. Perhaps more importantly, Wide Receiver was conducted with the cooperation of the Mexican government. Fast and Furious was not.
So Obama’s operation is subtly different. But just as concerning is the heavy-handed way that the administration has handled criticism. Obama says that the Oversight Committee has been hijacked by Republicans who would rather talk about politics than creating jobs (because Obama is oh so very good at generating those). But there has been Democratic criticism too, and the Prez’s determined defence of Holder will only encourage conspiracy thinking that the scandal has hidden depths. Executive privilege is usually associated with protecting information that passes through the Oval Office. What did the documents reveal about Obama’s association with the operation?
Again, it’s important to contextualise. Executive privilege has been invoked 24 times since Ronald Reagan, and attempts to over-ride it rarely reach the courts. Moreover, Holder’s request for executive privilege made no reference to White House involvement in Fast and Furious, which seems to have been run exclusively by the ATF. Nevertheless, by refusing to sack Holder or push him to come clean, Obama may have made a very Nixonian mistake.
A lot of conservatives are writing at the moment that not only is Obama turning into Nixon Mark II, but Obama is worse because no one actually got killed during Watergate. The comparison is based on the myth that Nixon ordered the Watergate break in and that’s what he eventually had to resign over. But that’s not true. Nixon’s guilt was in trying to pervert the course of justice by persuading the FBI to drop its investigation of the crime. Mistake number one, then, was to involve the White House in covering up the errors of a separate, autonomous political department. Mistake number two was that when Congress discovered that evidence about the scandal might be recorded on the White House bugging system, Nixon invoked executive privilege to protect the tapes. In both cases, it was the cover up that destroyed Tricky Dick – not the original crime.
And, forty years later almost to the day, here we have Obama making the same mistake. Perhaps it’s an act of chivalry to stand by Holder; perhaps it’s an admission of guilt. Either way, it sinks the Oval Office ever further into the swamp that is Fast and Furious. Make no mistake about: Fast and Furious was perhaps the most shameful domestic law and order operation since the Waco siege. It’s big government at its worst: big, incompetent and capable of ruining lives.
Tags: Barack Obama, eric holder, Fast and Furious, George W Bush, Richard Nixon, Rush Limbaugh, tea party, Waco, Watergate
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