http://www.asyura2.com/12/hasan77/msg/159.html
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http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=266942
最近の欧州金融情勢ニュースは資本主義の常識から見ると不思議なものが多い。
★ニュース@ドイツ2年債マイナス利回り 2012.7.18 ブルームバーグ
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> 17日の欧州債市場では、ドイツ2年債利回りがマイナスにとどまった。ドイツの景況感指数が半年ぶり低水準に落ち込んだほか、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)が追加刺激策を打ち出さなかったことが手掛かり。 ドイツ国債は一時の下げを埋める展開。雇用の改善に向けた動きは「いら立たしいほど遅い」ものになる可能性が高いとしたバーナンキ議長の発言に反応した。比較的安全とされる資産を求める動きから、オーストリア2年債利回りは初めてゼロを下回った。
今やいつ紙屑になるか分からない他国の債権や国家の裏付があるのかないのかわからない人工マネーであるユーロでは信頼が置けず、「金利を払ってでも国家の裏付けのあるドイツ国債が人気」なのである。そして事態はさらに深刻で独自通貨を持つデンマークのクローネの価値が上昇中である。
★ニュースAデンマークでマイナス金利 2012.7.12 産経ビズ
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>デンマーク通貨クローネの魅力が増している。クローネ建ての証券がユーロ崩壊リスクのヘッジ(防衛策)と見なされているためで、この役割はドイツの資産でさえ果たせない。デンマーク国立銀行(中央銀行)が5日に譲渡性預金(CD)の金利をマイナス0.2%に引き下げたにも かかわらず、9日時点で1470億クローネ(約1兆9140億円)の預金を集めている
こうしたマイナス金利はドイツやデンマークにとっては銀行救済にプラスという面もあるのだろうが、それでうまいくほど事態は単純ではない。バブルの原因を作ったペーパーマネーの増刷を続ける‘マイナス金利政策’は銀行の延命にこそなれ、金貸しの基本原則に反する行為であり、結果的には資本主義を自滅に導くことになるのではないか。
★ニュースBマイナス金利のパラドックス 2012.7.19 ロイター
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>かつて奇想天外な概念だったマイナス金利が、欧米市場であっという間に普通になりつつある。マイナス金利は、金融市場のストレスを除く目的で実施された金融緩和が一因だが、消費を促進するどころか、高齢化する人々の貯蓄率を高めるという逆効果を招きかねない。HSBCの資産配分グローバルヘッド、フレドリック・ナーバンド氏は顧客に対し「直観的に考えると、(マイナス金利下では)消費者は明日まで貯蓄して資産が目減りするより、今すぐ支出しようとするため消費を押し上げるはずだ。しかし事はそれほど単純ではない」と説く。ナーバンド氏の主張では、国債利回りと足並みをそろえて投資や年金基金の収益率が低下するため、消費者は不十分な年金を補うため、通常よりも貯蓄を増やさざるを得なくなる可能性がある。「これが節約のパラドックスだ。需要に影響を及ぼす」という。悪循環に陥る可能性ははっきりと見えている。
このような資本主義の自滅を予期してか、(少し旧いが)フランスでは富豪たちが自らへの増税を歓迎というニュースも。
★ニュースC フランスでは富豪層が自らへの増税を歓迎!?2011.8.24 ロイター
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>化粧品大手ロレアル創始者の遺族やエネルギー大手のトタル代表など、フランスの富豪らが23日、国の財政赤字削減を支援するため、高額所得者への増税を政府に要請した。「われわれはフランスの制度と欧州の環境から恩恵を受けていることを理解しており、その維持に一役買いたいと望む」と訴えた。国債の格下げ観測も浮上しているフランスでは、政府が財政赤字の削減目標を達成するため、高所得者向けの増税や住宅関連税制優遇の縮小、企業向け税控除の縮小などを検討している。
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金貸しがマイナス金利そして増税すら甘んじて受け入れてでも国家秩序の崩壊だけは避けようとしているのだとしたら・・・それは金貸し支配の終焉に違いない。属国日本の状況だけを見ていては終末資本主義の像は描けない。欧州情勢の今後は引き続き注視が必要だ
■現実味高まるECBのマイナス金利
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPTK816779620120725
[フランクフルト24日ロイター] 欧州中央銀行(ECB)は貸し出しを渋る銀行に融資拡大を迫るため、世界の主要中銀として初めて預金金利をマイナスに設定するかもしれない。
市中銀行がECBに預け入れる金利がマイナスになれば、ECBは銀行から預金の「手数料」を徴収する形になり、銀行に対してECBに預金している資金を貸し出しに回すよう促す効果が期待される。
ECBはすでに、そうした政策に向けた歩みを進めている。7月には主要政策金利としているリファイナンス金利を過去最低の0.75%とするとともに、翌日物の預金金利をゼロ%に引き下げた。
ECBのクーレ理事やオランダ中銀のクノット総裁は、それ以降も必要があればさらなる利下げを行う可能性をほのめかし、預金金利をマイナスに引き下げる「実験」もためらわない考えを示している。そうした動きを受け、エコノミストの間では、ECBが早ければ9月にも再利下げを行うと予想する声も出ている。
マイナス金利は大半の中央銀行にとってほとんど未経験の領域で、ECBは7月にマイナスの預金金利に踏み切ったデンマークの動向を注目している。
デンマーク中銀は今月、ECBによる利下げに歩調を合わせる形で金融緩和を実施。主要政策金利である貸出金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げ0.20%としたほか、譲渡性預金(CD)金利を0.05%からマイナス0.20%に引き下げた。
だが、極端にリスク回避ムードが強まっている現在の市場環境において、マイナス金利に踏み切っても中銀の思惑通りに効果を発揮するかどうか、疑問視する向きも多い。
シティグループのユーロ圏担当エコノミスト、ユルゲン・ミヘルス氏は「たとえマイナス金利になっても、銀行が再びユーロ圏周辺諸国への貸し出しを増やすとは思えない」と語っている。
なぜなら、銀行が貸し出しを渋っているのは取引相手に対する信頼感を失っていることが大きな原因で、「罰則」金利を払うことになっても融資拡大のインセンティブが生じるとは考えにくいためだ。
ユーロ圏のある中央銀行当局者は、銀行に融資拡大を促すためには、金利のマイナス幅が少なくとも0.5%必要だと考えている。
ECBのマネーマーケット専門家グループがリスク管理に関して最近実施した調査によると、預金金利がゼロ%あるいはマイナスになってもECBの翌日物ファシリティーに預け入れる方針を変えないと回答した銀行は、全体の75%に達した。
むしろ、マイナス金利になれば、市場における取引や銀行の収益性に悪影響を及ぼす恐れがあるとの懸念が示された。(以下略)
■ユーロ危機は債券市場でのバリューリスクをもたらす
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38
6月末に各国が合意したはずの危機対応策の具体化に時間がかかりそうである。すでにイタリアに信用危機問題が発生しそうであり、市場では欧州中央銀行(ECB)が「マイナス金利」に踏み切るという見方もでてきた。 ECBが7月上旬、民間銀行からお金を預かる際に適用する預金ファシリティー金利(市場金利の下限)を先般ゼロ金利にしたばかりであるが今後は預金ファシリティ金利のマイナス化もあるとの状況となってきた。
★だが、マイナス金利はあくまでも不自然な一時的姿だと考えるべきだ。
日本が2002〜2003年にかけ日本の金利情勢を思い出して欲しい。
2003年に発生したバリューリスクは酷かった0.43%まで何も躊躇なく買いあがった10年国債が突如1.3%近くまで暴落し、その後1.9%まで売り込まれた。
★2002〜2003年は日本単独であったが、世界中の金利がゼロ金利に近づく中、今度は世界全体でバリューリスクが発生することもありうるのである。(抜粋)
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