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原発依存度の「数字」にアタマを縛られるな  休めばええやん  日本の反原発運動:高まる熱気
http://www.asyura2.com/12/hasan77/msg/146.html
投稿者 MR 日時 2012 年 7 月 25 日 04:24:11: cT5Wxjlo3Xe3.
 

原発依存度の「数字」にアタマを縛られるな

植田和弘・京都大学大学院経済研究所教授に聞く【後編】

2012年7月25日(水)  山岡 淳一郎

【前編はこちら】

 7月14〜16日のさいたま、仙台、名古屋での2030年の原発割合などを決めるための意見聴取会で、電力会社幹部の意見表明が相次ぎ、「やらせだ」と批判が起きた(※舞台は図のA)。政府が国民に示した将来の日本の電源ミックス像「三つのシナリオ」をめぐる国民的議論はいきなりつまずきかける。一方、東電の家庭用電気料金は上げ幅を10%台から8%台に下げて認可される見通しだ(同、F)。電力会社の経営に関わる短期的問題と中長期的な電力政策が同時並行で議論されている。

 確かなことは、「三つのシナリオ」が、いずれも再生可能エネルギーを大幅に増やすと宣言している点だ。再生エネルギーを固定価格で全量買い取る制度(FIT)と、その買取り価格がカギになる。太陽光発電は勢いづいている。決定に関わった植田和弘・京都大学大学院教授に、その舞台裏と、今後の可能性について訊いた。

『電力改革の見取り図・2012夏』

山岡:「前篇」の対談で、植田さんは政府の「三つのシナリオ」が示す原発依存度のパーセンテージに国民的議論が集中しているけれど、重要なのは根底の電力・エネルギーシステムをどのように転換するかであり、「本来、数字は結果のはずだ」と指摘されました。

植田:はい。原発依存度だけを考えれば済む話では本来ないはずです。

原発依存度の数字は「結果」でしかない

山岡:そこで「三つのシナリオ」を改めて見ると、どれも再生可能エネルギーの割合を大幅に引き上げることは共通しています。これは電力供給の次元を超えた大転換のようにも映ります。

植田:そうです。現在は電力・エネルギーシステムの歴史的な転換期なのです。

 再生エネルギーは原発や火力とは反対の「分散・小規模型」という性格を持っています。分散・小規模の電源はあちこちで送配電ネットワークとつながる。つなぐ先には、需給の双方向性、電気自動車の蓄電、スマートハウス、スマートコミュニティ、スマートタウンと続く。おっしゃるように次元が変わっていく。

山岡:つまり、3.11までの状態を「正常」と見なして、そこにどう近づけるかではない。発想を全く変えることもアリだと。

植田:たとえば、夏が来るたびにやっている電力需給逼迫の議論なんて、フランス人が聞いたら、アホかと言うでしょう。「何で熱中症にかかりながら働いとるんや、休めばええやん。そしたら電気も使わんで済む」、と(笑)。常識を変え、次元が変われば、電力ピーク問題は消えます。

植田:つまりエネルギーの問題は、働き方とか、地域の自立性、産業構造など、日本の力を発揮するための将来ビジョンと全部リンクしています。三つのシナリオはそこから、「このシナリオが実現したら、どの程度電力・エネルギーシステムが変化するか」を見るべきなんです。

山岡:個人的にはエネルギーとともに食料、地方の一次産業を何とかしないと、日本はえらいことになると思います。補助金漬けの振興策はもう限界ですし。


植田和弘・京都大学大学院経済研究所教授(撮影:行友重治 以下同)
植田:そうや。だから再エネや。再生可能エネルギーは地方の農山村、漁村において非農林漁業所得を間違いなく向上させます。狙うは地域の再興です。デンマークが一番の典型やけど、総電力の26%を風力で賄っています。もともと地域出資を基本に置いてるからね。

山岡:デンマークは農家が3軒集まったら風力発電所をつくる、とか言いますね。

植田:あの国は個人や協同組合が発電所を所有する割合が圧倒的に高くて、電力会社の保有は少ない。発電量が地域の消費電力を上回って、売電収入がはいる。それで地域を持続させながら、食料を確保していけるわけや。

「関わり」がないところに信頼も成長も生まれない

山岡:では、改めて素朴な疑問をひとつ。大局的に見て、再生エネルギーの導入と経済成長の両立は可能なのでしょうか。

植田:もちろん可能。大きくは、サスティナブルディベロップメント(持続可能な発展)の観点から、再生エネルギーはウェルビーイング(福祉)を高めます。国民全体がある所得水準を超えてしまうと、所得が一段上っても効果はぐっと落ちる。大事なのは皆が大切なことに「関わっている」と感じられるかどうかや。

 ブルーノ・フライというスイスの厚生経済学者の研究では、自分が参加してコミットできる制度の下で暮らしている人の幸福度は高い。そういう機会が増える社会を、僕らはめざすべきやろうね。

山岡:だから、個々の地域に結びついた分散・小規模の再生エネルギーだと。たとえば農家が発電施設を持てば、ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)が育つともいえるでしょうか。地域の電力を支えることで、人間関係や信頼関係が再構築される。

植田:うん、それも大事や。まぁ、さしあたり世界の経済学者がグリーンエコノミー、グリーングロースと言って地域の産業、雇用、経済に寄与すると言うてる。ドイツは、過去20年で、再生エネルギーと省エネで二酸化炭素排出量を1990年度比23%削減する一方で、経済は30%拡大しています。

植田:日本で頑張ってもらいたいのは、地域の金融機関。再生エネルギーって、じつはファイナンスの問題なんや。風力発電1基でも5億円とか、けっこうな値段でね。資金が必要です。

山岡:そこで、これ。再生エネルギーの固定買取り価格(調達区分・調達価格・調達期間についての調達価格等算定委員会案)です。

 今月から再生エネルギーを固定価格で全量買い取る制度(FIT)が始まりました。植田さんは、有識者でつくる経産省の「調達価格等算定委員会」の委員長として、価格決定に関わってこられたわけですが、太陽光で1 kwh当たり「42円」。思いきったなぁと感じますが、委員会と他の関係機関の間でスッタモンダはありましたか。

植田:いや、僕らが勝手に決めたのと違うよ(笑)。法律に基づいてちゃんとやった。もとの政府案は1 kwh当たり15〜20円で一律買取り。そんなもの何一つ動かへん。

 FITは再エネ促進の起爆剤になることが期待されてるわけやから、しっかりやらんといかん。再エネごとに総括原価方式で、効率的な発電に掛かるコスト、そこに適正利潤、しかも3年間はプラスアルファも入れると。だからIRR(内部収益率)が上がる。ふつうの儲けの水準を超えている。みんなが投資したくなると思います。

計画経済ではなく、経済合理性で

植田:そこに至るまでは、決めた価格で再エネが増えなかったらどうしよう、逆に儲けが大きすぎてバブルになったらどうしようと、何度も計算しました。いずれ技術が進歩して、量産効果も出てくる。ノウハウが定着して、インフラも変わってくれば、最終的には、FITはいらなくなる。いま、日本は再エネが電力総量の1%です。まだ赤ちゃんやから、育てるには世話をせんといかんでしょう。

山岡:5月22日の日本記者クラブの講演で、植田さんはFITがスタートすれば、今年いっぱいで250万kwh、原発2.5基分ぐらいを再エネが発電すると予想されましたね。

植田:見積もりではね。ただしFITは「発電量」ではなく「価格」を決めた政策だから、経済合理性が頼りや。計画経済的な手法と違うからね。発電の方式別で見るとやはり太陽光の動きが早いな。

山岡:メガソーラーは「農地」の規制が強くて、動きにくくないですか。

植田:僕もそこが気になっていた。ところが、委員会で価格案をつくった後、ある財界人から「買い取り価格さえソロバンに合えば、最初に農地が動きださなくても他が動く」と言われました。それは何かというと、日本国じゅうに塩漬けされている土地です。

植田:バブル崩壊で、誘致した工場が来なかった工業団地、リゾート開発が中断した土地。土壌汚染で、浄化するには数十億単位のお金がかかるので放置されたままの工場跡地。そういう地代をゼロと評価してもいいような、使えない土地がたくさんある。そこが動くと言うのです。実際、そこらじゅうの塩漬けの土地でメガソーラーが始まっています。全国各地で、一斉に動きだしましたよ。

山岡:去年の「3.11」以降、私は福島に取材で通いまして、拙著『放射能を背負って 南相馬市長桜井勝延と市民の選択』(朝日新聞出版※)を出しました。そこでも触れましたが、南相馬市は津波被害をうけた沿岸地域はメガソーラー、山間部の森林地帯は除染と今後の植え替えを兼ねて木を伐採して、放射性物質を除去しながら焼却処分。その熱で木質バイオマス発電につなげたいという復興構想を持っています。しかしバイオマスは一般的にどうも難しそうな感じがします。いかがですか。

植田:可能性はありますよ。ただ買い取り固定価格を決めるのが、バイオマスは難しかった。


 ありていに言うと、他の再エネ、太陽光や風力には“業界”がありますよね。業界って、ある意味圧力団体だけど、データも出してくる。こちらの持っているデータと突き合わせて、いろいろ検討ができます。しかし、バイオマスは、そもそも業界がないんやね。

山岡:えっ。業界がないんですか。

「熱」を見ないのが大きな弱点

植田:バイオマスって原料がいろいろあるじゃないですか。たとえば下水汚泥や家畜糞尿をメタン発酵させてガスにして発電するのと、木材を燃やした熱で発電するのとは全然違う。木質バイオマスといっても間伐材なのか、木くずなのかで違ってくる。マテリアルによって業者が別々です。もう一つの特徴は、材料収集のコストが意外と大きいんやね。間伐材は、その典型で、収集のシステムがあるか、ないかで、話が変わる。同じ素材の間伐材でもコストは違うんです。厳密に言えば、バイオマスは一件、一件で値付けをしないといかん。しかし、実務的に難しいから、いくつかの種類に分けて値段を決めています。

山岡:今回の「三つのシナリオ」のなかで、首を傾げたのは、コジェネ(熱電併給)が火力のなかに入れられて再エネと切り離されている点です。電力だけでなく、発電時に生じる熱にも、もっと留意すべきではと思うのですが。

植田:熱の視点が欠けているのは、日本のエネルギー政策の大きな弱点です。バイオマスの買い取り価格を決める際にも、だいぶ怒られました。

植田:バイオマスは熱利用も含めて、いろんな使いみちがある。それを発電だけが高く買い取るみたいなイメージで、「バイオマスの流れを壊すのか、おまえは何やねん、壊し屋か」、とね(笑)。気持ちはよくわかりますよ。でも、制度上、法的に熱が入ってないんです。ドイツのようにコジェネ(の熱)を買い取る仕組みになってない。今後は、法律自体を変える必要もあるかもしれないけど、現時点では、まず発電を活性化しないといけないので、こうするしかなかったんです。

山岡:「三つのシナリオ」とも、ベースの基本問題委員会の選択肢ではコジェネは電源の15%をまかなうとして計算しています。省エネも10%程度でやはりどのシナリオでも同じ。なぜ三案ともコジェネ、省エネを固定化するのでしょうか。

植田:穿った見方かもしれんけど、原子力、火力、再エネの三つの比率で、原子力をゼロにすると再エネが大きくなってコストがかかり過ぎや、と。こういうふうにしようかなという感じがちょっとあって、他を変えないわけや。だけどエネルギー全般を考えれば、企業も省エネ投資のほうが有利ならそうするし、自家発電をつくったほうが得ならそっちにいく。本当はそういう選択があるわけや。

山岡:でも、三つのシナリオだけでは、ないように見えてしまう。

FIT制度運用は固定化せず、再生エネルギーの進化に合わせて

植田:再エネと省エネとコジェネを大きくして組み合わせるシナリオは、当然あるよね。実際には。そこを固定化しているのはちょっと、ちょっと……やねん(笑)。議論としては出ているけど、なかなか通らない。

山岡:壁があるんですね。FITは、やっと始まったばかりで、あれこれ批判するのは早いのかもしれません。制度の運用で、今後、何が大切だとお考えでしょうか。

植田:だいじなのは進行管理です。再エネは進化の途上にあります。そこをどう正しい方向へ導くか、です。

 発電方法によっては、日進月歩で技術が進むものもあるでしょう。たとえば洋上風力と陸上風力を、現段階では分けていません。洋上はまだ実績が少なくて、見通しを立てにくい。ヨーロッパ標準で陸上の2割増しくらいにしていますが、実際のデータが出てきたら、別々にしたほうがよくなるかもしれない。バイオマスも、実績が出てくれば、合理的に再構成できる。


植田:もしも仮に極端なバブル現象が起きたら、半年後でも価格か変えられるようになっています。だからコストに応じて価格を下げたり、再エネ買取り分を電気料金に上乗せする分が増えすぎないよう、進行管理をきちんとやっていく必要がある。当初の上乗せ額は一般家庭で月100円ほどなので許容範囲だと思います。この金額を「負担」から「投資」へと社会全体で変えていくには、進行管理を高い透明性のもとに行わねばなりません。失われた信頼の回復が、すべての鍵を握っていると思います。

山岡:国民的議論は始まったばかりです。「三つのシナリオ」のどれを選ぶかの前に、めざす将来ビジョンの議論が求められている。当然、原子力発電で避けて通れない「核燃料サイクル」の議論も入ってきます。

限界を超える選択を

植田:おっしゃるように日本の社会、経済ビジョンと電力・エネルギーのシステム改革の方向性のデザインが大切です。だから核燃料サイクルの話も不可欠。たとえば再処理と高速増殖炉の「もんじゅ」をやめたら何兆円か出てくるから、それを何にどう振り向けるとか、そういうことも含めた議論が必要やね。新しいエネルギー基本計画を決める総合資源エネルギー調査会・基本問題委員会(※冒頭図中のD)は、本来、そういう議論をするのかと思ってたんだけど、何か、淡々と、電力システムは別途委員会をつくります(※E)、核燃料サイクルは原子力委員会(※C)で、と決められました。こうなってくると、それらをコントロールする政治がますます大事なのですが……。

山岡:大げさかもしれませんが、私たちは文化云々ではなく、文明の選択の問題に直面しているようです。

植田:物質文明の限界やねん。その先を生きていくために、今、選択を迫られている。


山岡 淳一郎
(やまおか・じゅんいちろう)

1959年愛媛県生まれ。ノンフィクション作家。「人と時代」「21世紀の公と私」を共通テーマとして、政治、経済、近現代史、医療、建築など幅広く執筆。福島県を中心に被災地と永田町、霞ヶ関を対比的に取材。4月初旬、『放射能を背負って 〜南相馬市長桜井勝延と市民の選択』(朝日新聞出版)を刊行。『後藤新平 日本の羅針盤となった男』『田中角栄 封じられた資源戦略』『国民皆保険が危ない』『原発と権力 戦後から辿る支配者の系譜』ほか著書多数。ブログはこちら。(写真:GOH FUJIMAKI)


山岡淳一郎の「電力・夏の陣」

この夏、日本のエネルギー政策の方針が決まる。政府がまとめた将来へのプランの取捨選択を廻って「国民的議論」が行われるのだ。だが、それぞれの立場や知識の差異はいかんともしがたい。議論の土台として、論点を整理し、基本的な認識を統一すべくキーパーソンに連続インタビューを行った。電力、そして日本のエネルギー、ひいては未来にどのような社会を作るかについて、考えていただく一助になれば幸いだ。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20120723/234756/?ST=print

 

 

The Economist
日本の反原発運動:高まる熱気
2012.07.25(水)

原子炉2基の再稼働は遅まきながら日本人の導火線に火をつけた。


都内の代々木公園で16日、脱原発を訴える「さようなら原発10万人集会」が開かれ、主催者発表で17万人が集まった〔AFPBB News〕

通常、民衆の力という言葉から東京を連想することはない。従順で特徴のないサラリーマンに代表される非常に整然とした街、東京が、激しい抗議活動の舞台となることは滅多にない。

 多くの市民が何かに対し怒りの感情を露わにしたのは、ベトナム戦争の時代が最後だった。

 ところが7月16日、何万人もの人が30度の暑さをものともせず、東京都心の公園で開かれた「さようなら原発」集会に参加した。

 主催者は参加者が17万人だったと発表した。警察発表は7万5000人だ。どちらの数字であっても、昨年3月の地震、津波、原発事故以降実施されたデモの参加者としては最も多く、恐らく本州ではこの数十年間で最大規模の抗議集会だった。

警察発表でも数十年ぶりの大規模デモ

 突如として、筋金入りのリベラル派が抱く衰えゆく大義のように思われていたものが、組織的な抗議運動に変わった。

 多くの人にとって、抗議集会は古ぼけたプラカードや拡声器を引っ張り出してくる機会となった。代々木公園は1960年代、1970年代のカウンターカルチャー(対抗文化)の名残を思わせる中高年で溢れかえった。ステージは、ノーベル文学賞を受賞した作家の大江健三郎氏(77)をはじめ、日本の有力な(そして老いゆく)反原発論者たちで占められた。

 しかし、かなり多く散見された普通の家族や、大江氏と仲間が集めたとする750万人の署名は、今回の抗議行動に懐古的な価値以上のものを与えた。

抗議行動の原動力は怒りだ。東京から210キロ離れた福島で昨年起きた原子炉3基のメルトダウン(炉心溶融)に対する最近の調査は、世界一密集した大都市が大災害をすんでのところで免れたことを示していた。

 多くの人は原子力発電を廃止する経済的コストに懸念を示しているが、遅ればせながら、世界中で起きる大地震の2割を占める国に54基の商用原子炉を抱える論理に疑問を投げかける人もいる。

再稼働を急ぐ政府に怒り

 それ以上にひどいのは、原発の安全性や、自然災害の脅威をあまりにも軽んじた規制の仕組みについて問題が残っているにもかかわらず、原子炉を少なくとも1基再稼働させた(2基目は7月18日に再稼働させた)ことだと人々は話している。


原発の安全性や規制のあり方にはまだ疑念が残る(写真は東京電力福島第一原子力発電所4号機)〔AFPBB News〕

 「放射線がまだ私たちに害を及ぼしているのに、政府は既に原発の再稼働を始めている」。福島第一原子力発電所が位置する県から集会に駆け付けたワタナベ・シンイチロウさんはこう語る。「なぜそんなに事を急くのか?」

 1つの理由はお金だ。

 原発の夢を終わらせることは、設備投資にかけた巨額の資金を無駄にし、今や日本が世界的なリーダーとなっている原子力産業から撤退することを意味する。

 事故以降、ほぼすべての原発を一時的に停止したことで、日本の石油・天然ガス輸入は1日当たり1億ドル増え、日本は30年ぶりに貿易赤字を計上することになった。

 野田佳彦首相は先月、原発の再稼働を決定したことについて説明する際、「選択の余地はない」と述べた。

 野田首相は、日本最大の新聞社である読売新聞と、最強の経済団体である経団連の支持を得ている。どちらも繰り返し、原発のない日本の将来は悲惨なものになるという予測を打ち出してきた。

しかし、そのような警告は一部の人に、原子力を促進してきた日本株式会社が野田首相を丸め込んだと確信させるだけだった。

 政府の支持率は低下してきている。古強者の小沢一郎氏が今月、48人の議員を引き連れて与党・民主党を離党した後、さらに4人の離党者が出た。

デモ参加者の温厚な態度もいつまで?

 野田首相にとっては幸いなことに、小沢氏が率いる新党は、反原発路線を取っているにもかかわらず、国民はこれまで新党にほとんど関心を示していない。

 しかし野田首相は毎週金曜日の夜、今ではお馴染となった首相官邸前の抗議行動が聞こえるはずだ。うだるような暑さの中で警察官に取り囲まれているデモ参加者は、概ね温厚な態度を取っている。だが、そんな状態もどれだけ続くだろうか?
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35736  

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