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スペイン国債利回り上昇止まらず、国家的救済が必要との懸念
2012年 07月 23日 19:11 JST
[ロンドン 23日 ロイター] 23日午前の欧州債市場で、スペイン国債の利回り上昇に歯止めがかからない。スペイン政府が債券市場へのアクセスを失うのではとの不安感に加え、地方政府による金融支援要請が相次ぐなか、銀行セクターの救済だけでは不十分で全面的な国家救済が必要になるのではとの懸念が背景となっている。
スペイン10年債利回りは、価格の下落につれて30ベーシスポイント(bp)以上上昇して7.59%、2年債利回りは90bp近くも上昇し6.64%となった。
またスペイン国債の利回り上昇に連れる格好で、イタリア10年債利回りも20bp上昇して6.42%となった。2009年1月以来初めて、アイルランド10年債の利回りを上回った。
一方、ドイツ連邦10年債利回りは過去最低の1.127%まで1bp未満に迫る水準。また独2年債利回りは直近でマイナス0.075%と、マイナス圏を一段と低下している。
*一部サイトに正しく表示されなかったので再送します。
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コラム:
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2012年 07月 23日 16:24 JST 記事を印刷する | ブックマーク | 1ページに表示 [-] 文字サイズ [+]
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アナトール・カレツキー
米国や英国、日本は巨額の債務やその他の経済的な問題を抱えながらも、なぜギリシャを破綻に追い込み、スペイン、イタリアを襲って間もなくフランスに及ぼうとするような金融危機に陥っていないのだろうか。
結局のところ、HSBCやJPモルガン・チェースといった英米の最強銀行でさえ、欧州大陸のライバルと同じぐらい事故が起こりやすい体質であると認めている。米、英、日本の政府債務は経済規模と比較すれば欧州のそれを優に上回る水準だ。そしてこの3カ国は財政再建について、大半の欧州諸国が合意した新財政協定に盛り込まれている、財政赤字を対国内総生産(GDP)の3%以内に抑え込むという目標ほどに厳しい取り組みを検討してもいない。
金融市場は経済政策運営の公平な審判を下すと想定されている点からすれば、どうして市場は高金利という形で地中海諸国に罰を与える一方で、米、英、日本の政府にほぼコストゼロでの資金調達を許したままで放置しているのか。
米国の場合、標準的な答えは、世界の貿易や投資の主な取引通貨であるドルが「準備通貨としての地位」を享受しているということになる。しかしこの説明は、日本と英国も同じように超低金利になっている事実からして、明らかな間違いか少なくとも適切とは言えない。さらにユーロは準備通貨としての利用度が拡大しつつあるのに、ギリシャやイタリア、スペインには何の救いにもなっていない。
このため、投資家がしばしば「地中海クラブ」とひとくくりにする諸国に特に罰を与えている状況は、あまり見栄えのしない欧州中心主義で説明されてしまう。これは欧州の「政治的一体性」や「経済的な収れん」が欠けているせいだといった哲学的な言い回し(その正確な意味合いは決して明らかではない)から、賢明な投資家は、中核国に比べて腐敗した地中海諸国には金を貸さないという人種差別ぎりぎりの主張までさまざまだ。すなわち、ギリシャ人は汚職まみれ、スペイン人は無能、イタリア人は怠け者だという。フランス人に関しては、恋愛過多もしくは傲慢無礼、あるいは単にフランス人だからということになるだろう。
もちろん市場の行動をこうした印象論で語るのは、侮辱的で道徳上不快(ドイツや英国のメディアで常に垣間見えるこうしたステレオタイプ的な国民性設定が、ユダヤ人やアフリカ人、イスラム教徒などに適用されたらどうなるか、想像してみればよい)であるばかりか、事実にも反している。
例えばイタリアの平均労働時間はドイツよりも27%長い。米労働省の統計では、イタリアは年間1773時間で、ドイツは1390時間だ。また国際通貨基金(IMF)によると、GDPに対する長期の年金債務水準はイタリアの方がドイツよりも小さい。
ただ、欧州危機に対するこの人種差別的な分析がもたらす最悪の事態は、市場の行動を完璧に解説できる欧州と他の世界の間の本当の相違点から目をそらさせることだ。
金融危機に見舞われているすべての欧州諸国と、もっと大きな財政赤字とより深刻な銀行危機を抱えているのに投資家から資金調達のフリーパスを与えられている幸運な諸国の間には、1つの単純な違いがある。危機を免れている国は、独自の通貨と中央銀行を備え、紙幣を増刷できる権限を有している。より簡潔な理論が望ましいという「オッカムの剃刀の法則」に従えば、欧州の現在の危機をもたらしている主な理由は、この説明だけで済むと考えるべきだろう。
紙幣増刷の権能は量的緩和(QE)政策として知られており、米、英、日本の各政府はこれによってどんな赤字を出そうとも財政運営が可能になり、地中海諸国を破綻に追い込もうとしているような金利上昇に見舞われることなく、銀行に対する無制限の支援ができる。これらの政府は、民間投資家から資金調達をする代わりに、財政支出とそれに伴う赤字を中央銀行からの借り入れで賄っている。つまり、米、英、日本の政府は、その膨大な赤字が示唆するよりも実際の財政基盤はずっとしっかりしている。なぜなら、債務の大半は事実上存在しないからだ。それは、政府の1部門である財務省がもう1つの部門である中央銀行に借金をするという、会計上のフィクションと言える。
イングランド銀行(英中央銀行)の場合、2009─12年で英政府が想定していた財政赤字額約4500億ポンドのうち、計3750億ポンドを貸し付けた。米連邦準備理事会(FRB)のバランスシートが3兆ドルに達していることは、実質的には米政府の債務を16兆ドルから13兆ドルへ、20%削減したのに等しい。
もちろん、紙幣増刷による政府の赤字ファイナンスで、教育水準の低さや交通インフラの老朽化などの構造的な経済問題を恒久的に解決することはできない。またある環境においては、中銀による赤字ファイナンスは急速なインフレを醸成する極めて危険な事態を招きかねない。
しかし今の世界は、1970年代や80年代のようなインフレと過剰投資の脅威にさらされているわけではない。むしろ一般的に危険だと考えられているのは、30年代と同じく不十分な投資と弱い消費、賃金低下を原因としたデフレの方だ。
だから40年前にはまさに逆効果で無責任として否定されていた政策が、現在は必要かつ賢明だとみられている。世界の主要中央銀行すべてがそうした政策に積極的であることがその証明であり、金融安定の究極の守護者であるスイス国立銀行(中央銀行)もQEを行っている。唯一の重要な例外が欧州中央銀行(ECB)なのだ。
IMFは18日公表した報告書で、ECBに相当な規模のQEを実施するよう公然と要請した。もしECBがQEに踏み切れば、ユーロ圏の危機はすぐに収拾するだろう。反対にECBがFRBやイングランド銀行と同じルールで動くことが許されなければ、ユーロを救おうというすべての努力は水泡に帰する運命にある。
(2012年7月19日)
*アナトール・カレツキー氏は受賞歴のあるジャーナリスト兼金融エコノミスト。1976年から英エコノミスト誌、英フィナンシャル・タイムズ紙、英タイムズ紙などで執筆した後、ロイターに所属した。2008年の世界金融危機を経たグローバルな資本主義の変革に関する近著「資本主義4.0」は、BBCの「サミュエル・ジョンソン賞」候補となり、中国語、韓国語、ドイツ語、ポルトガル語に翻訳された。世界の投資機関800社に投資分析を提供する香港のグループ、GaveKal Dragonomicsのチーフエコノミストも務める。
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