http://www.asyura2.com/12/hasan77/msg/132.html
Tweet |
行き過ぎた投機的な動きには断固たる措置=円高で安住財務相
2012年 07月 23日 17:10
[東京 23日 ロイター] 安住淳財務相は23日夕、同日朝方よりさらに円が対ドル、対ユーロで上昇した状況について「(為替の)過度な変動、行き過ぎた投機的な動きには断固たる措置をとる。わたしは(断固たる措置を)とる時はとる」と述べ、急激な為替の変動に対してあらためて介入も辞さない決意を示した。
財務省内で記者団に語った。
投機的・過度の変動には断固たる措置とる考えに変わりない=為替相場で安住財務相 2012年7月23日
投機的・過度の為替変動に断固たる措置とる考えは変わらず=財務相 2012年7月23日
緊張感持って市場注視し、必要なら断固措置=円高で安住財務相 2012年7月17日
投機主導で急速な円高顕著、「断固とした対応」=安住財務相 2012年6月1日
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE86M05T20120723
#影響なし
コラム:
中国は「国際金融の盟主」になるか
=斉藤洋二
2012年 07月 23日 17:32
為替フォーラム
アングル:ユーロ続落95円割れ定着も、買い材料なく東京勢お手上げ
焦点:好調な米企業決算はコスト削減が奏功、今後の見通しは慎重
ユーロ円、11年8カ月ぶりの安値水準に:識者はこうみる
コラム:円から解く世界・株価・金利の相関ミステリー=田中泰輔氏
斉藤洋二 ネクスト経済研究所代表
[東京 23日 ロイター] 東京と上海の外国為替市場で6月1日にスタートした円と中国の人民元の直接取引は、取引規模や経済効果はさほど大きくないかもしれないが「人民元の国際化」に向けての中国政府の決意が感じられる象徴的出来事であった。
中国の外貨準備は2006年に日本を抜いて世界1位となり、現在は3兆ドル超に膨れ上がっている。これは、貿易収支黒字と、人民元相場の低位維持のために繰り返されたドル買い・人民元売り介入の結果だ。外貨準備の大半は米国債を中心にドル建て資産で占められており、ドル長期低落傾向に伴う目減り懸念は大きい。しかも、貿易決済も大半はドル建てであり、対イラン取引に見られるとおり、米国の金融規制の対象となる。米ドル依存からの脱却は喫緊の課題だ。
これまで人民元は地域通貨として国内経済に資することが優先され、その国際化は慎重に進められてきた。円の国際化の歴史に照らして考えれば、外貨準備が増える一方で急激な円上昇に苦吟した1970年代の段階だろう。日本では80年に外国為替管理法が「原則禁止」から「原則自由」へと書き改められ、それを機に、金利自由化、資本市場の国際化、実需原則撤廃に伴う為替取引の活発化が急激に進んだ。
その「80年代前夜」にある中国では当面、決済通貨として流動性を拡大させること、資本取引の自由化を進めることなどを中心に、人民元の国際化が図られていくものと予想される。直接取引については、円に加えて、台湾ドルとのあいだでも始まるほか、韓国ウォン、豪ドルについても協議が進められる見通しだと報じられている。ただ、一番の注目ポイントは、相場の弾力化すなわち変動制導入がいつごろ実現されるかだ。
ちなみに、人民元は1994年に「管理変動相場制」となり、米ドルにペッグ、続いて2005年に通貨バスケット方式に移行。介入政策により1ドル=8.28元から徐々に切り上げられ、現在は6.3元台で推移している。6年間で23%の切り上げは、世界の主要通貨の中で最も低水準だ。円は過去40年で約4倍も切り上げられ、日本の製造業は対外競争力を失った。
「管理変動相場制」という事実上の固定相場制の維持に中国が苦心する背景には、日本と同じ轍を踏みたくないという危機感があるのだろう。しかし、内外の経済情勢を鑑みれば、いずれは「変動相場制」へのシフトを容認せざるを得ないのは明らかだ。人民元は、購買力平価で考えれば、対ドルレートで約40%過小評価されているとの見方もある。長期的には対ドル、対円などでの大幅な上昇は必至と言えよう。
<爪を隠せなくなった能ある鷹>
中国政府も、人民元の上昇が不可避であることは覚悟しているのではないか。ケ小平の時代以来、「韜光養晦」、日本風に言えば「能ある鷹は爪隠す」という対外戦略を掲げてきたが、もはやその経済力は(またその軍事力も)隠しておくには大きくなりすぎた。
中国の名目GDP(ドル換算)は1991年から2011年までの20年間でほぼ18倍となり、2010年には「失われた20年」に沈んだ日本から世界2位の経済大国の地位を奪い取った。
もちろん、一人当たりGDPは2011年で5414ドルと日本の9分の1程度にすぎず、ドミニカ共和国やジャマイカと同じ水準だ。かつての南米諸国のように、急激な経済成長の後に貧富の差の拡大などでつまずく「中進国の罠」に陥る懸念を指摘する声もある。ただ、よほど極端な社会的混乱にさえ陥らなければ、その経済規模はやがて米国に肩を並べ、そして凌ぐ可能性の方が高いだろう。2030年には米国の1.4倍、日本の5倍になるとの予想もあるが、政治の安定を維持し、高齢化社会を克服できれば、あながち大げさな数字ではないと思われる。
巨大化する中国経済は、当然ながら、日本を含む近隣アジア諸国に今以上に強い引力を及ぼす。ニュートンの万有引力の法則に由来する貿易の「グラビティ・モデル」によれば、二国間の距離が近ければ近いほど、また各々の経済規模が大きくなるほど、その二国間の貿易量は増大する傾向がある。
実際、日本の貿易額(輸出入合計)に占める対中比率は、1990年代初頭には1割に満たなかったのが、2001年の中国の世界貿易機関(WTO)加盟を契機に急速に伸び始め、2004年には20%に達し対米比率を上回った。一方で、かつて3割近くのシャアを占めていた対米比率は、1割程度まで減少している。改めて指摘するまでもないが、日本にとっての最大の貿易相手は中国なのだ。日中間には、尖閣問題などさまざまな政治的難題が横たわっているが、グラビティ・モデルで考えれば、両国間の経済的結びつきは今後いっそう強くなるものと予想される。
しかも、その規模からすれば、アジア経済圏の重力の中心に位置するのはむしろ中国であり、同国のドル離れと人民元の国際化が進むという前提でいえば、日本を含むアジアも人民元圏に引き込まれていく可能性が高い。経済・軍事と表裏一体にある通貨・人民元はアジアにおける最強の国際通貨への道を辿ると思われる。
そうなると、日本を含む世界にとっての大問題は、人民元圏の拡大の先に中国が米国に代わり国際金融システムの盟主となる明確な意思を持っているのかどうかだ。
米国は、自国で印刷した紙幣で海外から物を購入できる消費大国となり、双子の赤字を抱えつつも繁栄を謳歌してきた。しかし、そのメリットは、国際通貨基金(IMF)や世界銀行などの国際機関、あるいはサミットを通じて国際金融システムを支える責務を果たしていればこそ享受できた。その覚悟が、果たして今の中国政府にあるのだろうか。
こう話すと「中国はすでにIMFへの拠出金額では世界第3位であり、副専務理事など主要ポストを占めプレゼンスを高めている」「アングロサクソン流の教育を受けた人材をすでに数多く輩出している」といった反論が聞こえてきそうだ。しかし、環境問題において特にそうだが、過去の行動を見る限り、国内の利益を優先し、国際システムにフリーライドするぞと途上国の顔を見せることが多い。
むろん、筆者も中国政府が積極的に国際的責務を果たすようになることを切に期待している。余談だが、30年前、「改革開放路線」が進む中、赴任先の香港で、「二人のテン」すなわちテン・シャオピン(ケ小平)と台湾出身の「アジアの歌姫」テレサ・テン(ケ麗君)の交遊を中国政府がプロパガンダしていたことを思い出す。これは国内外において、中国の柔軟路線への転換と対外経済発展の始まりを確信させた出来事だった。そのケ小平が掲げた「韜光養晦」路線を、江沢民、胡錦濤は踏襲してきた。だが、この秋にバトンを譲り受ける新政権は、発足時から世界第二の経済大国の主だ。30年前のような大胆な路線転換、すなわち能動的な対外路線に転じる可能性はあるだろう。
人民元通貨圏が実現するか、さらには米国に代わって国際金融の盟主になることができるかどうかは、今後の中国の信用力と責任遂行能力にかかっている。しばらくはその国際通貨戦略を含め、見極める時間となるだろう。
*斉藤洋二氏は、ネクスト経済研究所代表。1974年一橋大学経済学部卒業後、東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行。為替業務に従事。88年、日本生命保険に入社し、為替・債券・株式など国内・国際投資を担当、フランス現地法人社長に。対外的には、公益財団法人国際金融情報センターで経済調査・ODA業務に従事し、財務省関税・外国為替等審議会委員を歴任。2011年10月より現職。
関連ニュース
人民元が許容変動幅の下限に、終値6.3735元 2012年7月20日
上海外為市場=人民元対ドルで小幅上昇、終値6.3729元 2012年7月17日
上海外為市場=人民元対ドルで小幅続落、終値6.3789元 2012年7月13日
上海外為市場=人民元対ドルで小幅続落、終値6.3733元 2012年7月12日
http://jp.reuters.com/article/jp_forum/idJPTYE86M02X20120723?sp=true
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。