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欧米で広がるマイナス金利、消費より貯蓄促す逆効果も
2012年 07月 19日 14:24 JST
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[ロンドン 18日 ロイター] かつて奇想天外な概念だったマイナス金利が、欧米市場であっという間に普通になりつつある。マイナス金利は、金融市場のストレスを除く目的で実施された金融緩和が一因だが、消費を促進するどころか、高齢化する人々の貯蓄率を高めるという逆効果を招きかねない。
HSBCの資産配分グローバルヘッド、フレドリック・ナーバンド氏は顧客に対し「直観的に考えると、(マイナス金利下では)消費者は明日まで貯蓄して資産が目減りするより、今すぐ支出しようとするため消費を押し上げるはずだ。しかし事はそれほど単純ではない」と説く。
ナーバンド氏の主張では、国債利回りと足並みをそろえて投資や年金基金の収益率が低下するため、消費者は不十分な年金を補うため、通常よりも貯蓄を増やさざるを得なくなる可能性がある。「これが節約のパラドックスだ。需要に影響を及ぼす」という。
ナーバンド氏によると、今後30年間の投資収益率を2%、給与の年間上昇率を1%と想定すると、現在40歳で、給与1年分の貯蓄があり、70歳で退職する計画の人は、退職まで現在の給与の約3分の1を貯蓄し続ける必要がある。そうすることでやっと、退職時の給与の60%に相当する年金を、85歳で死ぬまで確保できるという。
高齢化が急速に進むなら、先進国の消費はさらに減り、結果として景気は一段と減速、ソブリン債需要が高まり、中銀による国債買い入れ・紙幣増刷が増え、利息がほとんどつかない証券の需要は一段と増す。
悪循環に陥る可能性ははっきりと見えている。
<金利を支払って貸し出す>
マイナス金利はどこまで広がるのだろうか。
ドイツ政府は18日、表面利率ゼロの2年国債を初めて額面を上回る価格で発行した。発行利回りは年率マイナス0.06%だ。
つまり、ユーロの将来と世界的な景気減速を取り巻く不透明感ゆえに他の主体への貸し出しを恐れる投資家は、ドイツに資金を貸すという特権と引き換えに「保証付き」の損失を喜んで受け入れている。ドイツなら何があろうと元本を償還してくれる(今や「手数料」を取られるとはいえ)と想定しているからだ。
応札倍率は2倍に達し、そうした需要の強さを物語っている。
しかしユーロ圏と米国で広がる利回り低下の動きの中で、18日のドイツ国債入札は1つの通過点に過ぎない。期間3カ月の米財務省短期証券利回りはわずか0.1%、米10年国債利回りは1.5%を割り込んでいる。
しかも、国債利回りがマイナスになっているのはドイツだけではない。
2014年半ばまでに償還されるオランダとフィンランドの国債は利回りがマイナスで取引されている。フランスの短期国債もマイナス利回りで、ベルギーの短期国債は17日の入札ではじめて発行利回りがマイナスとなった。
INGの金利ストラテジスト、パドライク・ガービー氏は「目覚ましい動きだ」と言う。フランスとベルギーは昨年10、11月には金融市場の厳しい圧力にさらされていた。だが460ベーシスポイント(bp)もあったベルギーの2年国債の対ドイツ国債プレミアムはそれ以来縮小して現在は35bpに、フランスも同様に140bpから24bpになった。
最も安全とされる国の国債利回りがマイナス幅を広げているため、投資家は元本さえ返ってくるなら良しとして、より期間の長い証券や信用力の劣る発行体の証券にそっと手を延ばさざるを得なくなっているのかもしれない。
「中核国」から「準中核国」の国債にまで需要が広がっていることは、ユーロ圏の緊張を和らげる上で思わぬ効果をもたらす可能性がある。
今週はスペインとポルトガルの短期国債も落札利回りが低下し、アイルランドは今月、2010年に国際支援を受けて以来初めて短期国債入札を再開した。
ガービー氏は「フランスやベルギーの証券が人気を回復しているのなら、イタリアのような国にも人気が広がるはずだ。当社の見方では、重圧を受けているスペインの状況に比べ、イタリアはずっと良好だ」と話す。
<いつまで続くのか>
利回り低下の原因が各国中銀の量的緩和や、欧州中央銀行(ECB)が預金ファシリティー金利をゼロに引き下げたことにあるとすれば、今後もこうした流れは止まりそうにない。
バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長は17日の議会証言で追加的な量的緩和策について慎重な言い回しを維持したが、今後の可能性には含みを残した。世界中の投資家の間では依然として、FRBが11月の米大統領選挙前は控えるにしても、直後には追加策に踏み切ることが幅広く予想されている。
ブラックロックの固定利付きポートフォリオ・マネジメント・グループ責任者、ピーター・フィッシャー氏は「FRBの新たな量的緩和策に対する反応の『半減期』は短期化しているが、弾が尽きたわけではない。バランスシートを無限に拡大することが可能な中銀はどこも、兵器庫が空になることはない」と強調する。
問題は、量的緩和の副作用が効果をしのぎ始めたのではないか、そして政策をめぐる見解がばらばらなのではないか、ということだ。
(Mike Dolan記者)
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インドのスズキ工場で暴動、1人死亡
焦点:欧米で広がるマイナス金利
ロンドンは「しけた五輪」、国内で酷評
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE86I03Z20120719?sp=true
印マルチ・スズキ工場が暴動で停止、1人死亡・邦人2人負傷
2012年 07月 19日 16:41
[ムンバイ/東京 19日 ロイター] スズキ(7269.T: 株価, ニュース, レポート)のインド子会社であるマルチ・スズキ(MRTI.NS: 株価, 企業情報, レポート)は18日、インド北部のマネサール工場で労働者による暴動が発生し、自動車生産を停止したと明らかにした。
マルチ・スズキによると、同工場では従業員の規律問題をめぐって労組が行っていた抗議行動が暴動に発展し、マネジャーや幹部を含む少なくとも90人が負傷して病院に搬送された。工場の施設も放火された。
広報担当者によると、現在は警察当局が事態の収拾に当たっている。
日本のスズキの広報担当者によると、現地作業員1人が死亡した。このほか、日本人駐在員2人が殴られて負傷し、入院中だが、命に別条はないという。
マルチ・スズキの広報担当者は、暴動が発生したマネサール工場の操業を19日も停止することを明らかにした。
現地の警察当局によると、約90人の労働者が逮捕された。罪名は殺人、殺人未遂、放火。
マルチ・スズキは18日遅く声明を発表し、暴動が起きた経緯について「問題を友好的に解決するため、シニアマネジメントのメンバーが労組側と協議していたが、協議中、労働者がシニアマネジメントのメンバーやマネジャーらを暴行した」と説明した。
それに対し、マルチ・スズキの労組委員長は、事前に準備された労働者や労組を締め付ける活動が暴動や工場閉鎖に発展したとして、会社幹部を非難。「幹部の指示で警備員によって門が閉じられ、警備員が凶器を使って労働者に激しく殴りかかった。彼らは一部の幹部や警察と共に多くの労働者に暴行を加え、殴られた労働者は重傷を負って病院に運ばれた。警備員は会社の施設を破壊し、工場の一部に火を放った」とする声明を発表した。
そのうえで、労組は紛争を解決するため、会社側や政府当局者と協議することを望んでいる、と述べた。
マネサール工場があるハリヤナ州のCharan Lal Sharma労相は、現地テレビに対し、問題について協議するため現地に向かう考えを示した。
マネサール工場では昨年も労働者による暴動が数週間続き、5億ドル以上の被害を受けた経緯があり、今回も工場閉鎖が続けば、自動車生産が深刻な打撃を受ける可能性がある。
マネサール工場の年産能力は55万台で、マルチの生産全体のおよそ3分の1を占めている。
19日のインド株式市場では、マルチ・スズキの株価が一時8.2%急落。0545GMT(日本時間午後2時45分)時点では7.4%安で推移している。
*情報を追加して再送します。
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関連ニュース
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE86I02R20120719?sp=true
印マルチ・スズキ
ホットストック:スズキ<7269.T>が軟調、インド工場での暴動を嫌気 2012年7月19日
スズキ<7269.T>、現在情報を収集している=インド工場の暴動で広報担当者 2012年7月19日
インドのスズキ工場で暴動 2012年7月19日
スズキ印子会社の工場:暴動で88人拘束−警察
7月19日(ブルームバーグ):インド当局は同国の乗用車生産で最大手マルチ・スズキ・インディアのハリヤナ州マネサールにある工場を警備するため1200人の警官を動員したと、同州の警察当局の幹部がインタビューで語った。
・同幹部はマルチ労組指導者を拘束するため特別班を編成と述べた・工場の操業は少なくとも4日間、再開されない可能性があると、イン ドの労組団体の幹部がアナリストとの電話会議で語った
記事についての記者への問い合わせ先:New Delhi Karthikeyan Sundaram kmeenakshisu@bloomberg.net
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更新日時: 2012/07/19 16:53 JST
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